陛下の思いが実りますように

July 17 [Sun], 2016, 17:57
なんと一月以上書けない日が続きました。すみません。

7月14日朝、新聞で天皇陛下の「生前退位」の意向を知り、非常に感銘を受けました。

ご皇室に関して何か書くことは難しい感じがします。
ただ、私はあまり詳しくないので思うまま書かせていただきたく、お許しください。

万一ご迷惑やご不快という声をいただきましたら、記事は削除対応させていただきます。(皇族ならぬ無名の国民はなんと楽なことでしょう)。
内容に単純な誤りがあったり、敬語や言葉の使い方が不適切とご指摘をいただきましたら、謹んで訂正させていただきます。(細かい誤りは多目に見て下さい)

長いこと感じてきたことではありますが、今回一番強く感じました。
陛下はなんという素晴らしいお方でしょう。
お優しく控えめでありながら、ご自分のご苦労は口にせず、国民のために(生きているものにも、亡くなったものにも)、82歳のご高齢で大変なご公務をこなされていらっしゃいます。国事行為、外交、訪問、慰霊、祭祀・・・。
そして、どうしても自分が意向を示さねばならないというときには逃げることなく向き合われ、意思を表明される責任感と勇気をお持ちでおられる。

思い起こすのは、昭和天皇のなさった一番大きなこと。「終戦の意思をしめされた」のはどれだけのご英断だったことでしょう。
当時も「終戦するしかないな」と思っていた人はたくさんいたでしょう。
しかしテロに訴えてでも戦争を続行させようとしていた人たちも少なくなかった。
意思を示すことで戦争を終わらせることができるのはご自身しかないのだと、昭和天皇はよくわかっておられたのでしょう。その後の平和と繁栄も、(もちろん国民の努力あってこそですが)おおもとはこの決断あってこそのこと。
今回、そのことをしきりに思い出しました。

子供の頃、「天皇」に素朴な不思議を感じていました。
「人間宣言」はしても、われわれ国民が法的には保障されている基本的人権が保障されているようには見えない。職業選択や居住の自由も参政権もないようだし、生まれながらにそうであれば平等権もない。自分の自由意思で退職もできないのだとすれば、公務ってどういう「職業」?事実上基本権が制限されているのは天皇陛下だけなのか、それとも皇后陛下と皇室のどのあたりまでなのか。「国民」にカウントされているのでしょうか。
現代では天皇に即位したら、死ぬまで天皇をやらねばならないのか。法律を変えない限り上皇になったり法王になったりはできないのでしょうか・・・。

そういうごく素朴な疑問の他にも、別な種類の疑問も湧いてきました。
なぜあの方たちは一言も文句も批判も言わず、いつもきちんとした服装で、慈悲深い笑顔で国民と接しておられるのでしょう?怒りどころか不機嫌な顔すら見たことがない。
イギリス皇室が芸能人のようにスキャンダル花盛りなのに、日本の皇室はなんて人品すぐれていることでしょう。歴代有名天皇、天智天皇やや後白河法皇や後醍醐天皇など欲や血腥さを感じる部分があるのに、昭和天皇や今の天皇陛下の方が権力や私欲が感じられない分雰囲気も神聖な感じがします。
疑ぐり深い若い頃は正直「嘘っぽい」と思っておりました。情報も映像は全部チェックされていて「いいお顔」しか見せないのだろうと。
しかし、年を経るにつれて、天皇陛下及び皇后陛下についても、その素晴らしさにあらためて驚くことが増えてきます。被災地をめぐり膝を屈し、被災者より頭を低くして労わる様子。サイパンやフィリピンなどへの慰霊の旅も「念願だった」として進んで御幸されます。両陛下とも共白髪でお互いを労わりながら静かに歩かれます。
もちろん映像も情報も厳重にチェックされてることでしょう。
けれど嘘なら次第に漏れてくる(映像は怖い)。しかし今の両陛下については、全く嘘が感じられないどころか、慈悲の光が情報の裏から溢れてくるように感じるのです。

名君などという呼ばれかたは陛下は喜ばれないとは思いますが、知れば知るほど尊敬の念が高まります。歴代天皇125代(通例にもとづき重祚は複数カウント・北朝天皇は除く)中一番の人徳者と、我々は同じ時代に生きているのかも・・・(と思うのは私個人の自由)。

その陛下が、「生前退位」を自ら口にされた。
「おおおお、ついにそこまで」と感動しました。

一度天皇になったら、「死ぬまで天皇」、どういう状態でも「在位」しつづけなけらばならないとしたら、どう考えても酷すぎます。(そういうことを考えることが「不敬」であるとすれば、どんなに孤独な立場でしょう)
少なくとも私には耐えられません。自分が絶対耐えられないことを、天皇だからと押し付け続けているようで心苦しいです。(という感覚が、政治家には絶対的に欠けているのでは)
公務も事実上できない状態になっても、皇太子は延々「代理」として国事行為を行わねばならないのでしょうか(言葉は「摂政」とか言っても)。皇室を愛する国民も明るい気持ちにはなれない。

今後も皇室が続いていくのならその制度はいつかは改めるべきであることは、ほとんどの人が感じていることでしょう。ただし今回のように陛下ご自身が言葉を表明しなければ変わることはなかったのでしょうか。終戦のように。肩を叩ける方は国内には存在しないから・・・?なんと孤独なお立場でしょう。
あの穏やかな両陛下ですが、これまでも皇室を揺るがすご決断を行ってきたそうです。「子供たちは自分たちの手で育てる」などの皇室改革など。今回も非常に大きな、ご英断ではないかと思っています。

私は不覚にして、生前退位には「憲法改正」が必要なのかと思っていました。けれどそこまでは必要なく、皇室典範にも退位についての規程はないらしい。
ただ、「規程にないことをする」には面倒な手続きはたくさん発生することでしょう。陛下もよくわかっていらして、何年かは今のまま公務を続けるとおっしゃっておられるとのことです。

注目したいのは、今回の「意向」を表明したのは、「高齢や体調のため公務に疲れ果てて」ではないということです。
三年前は心臓手術の直後のせいか皇后さまにつかまって歩いていた陛下が、今年は逆に皇后さまを支えて歩いておられました(テレビ報道より)。最近の学習院の同窓会でも、「近年で一番元気」とご学友に言われるほど元気だったということです。
「まだまだしっかりしておられるのに」と言う声もありました。もちろん今の82歳は元気な方が多いし、陛下の様子を見てもまだまだ大丈夫と思います。都知事選に出馬した鳥越さんも76歳だからそう変わりはないですね。
しかし「生前退位」は大変なことであり、大仕事になる。だからこそ、このご決断を表明したのでしょう。本当に参っている時に大きな決断をするのは危ういことです。
少しでも判断力が確かなうちに自分の進退は自分で決めるという姿勢は、庶民の一人としても見習いたいです。
さらに陛下は「象徴としての天皇のあり方」を考え続けてきた方なので、広く内外にその論議を広めるにも、今がそのチャンスでもあると考えているのかもしれません。「周囲にかかる労力をつねに最小限にしたいという陛下らしいお心遣い。

それに対し、宮内庁は・・・良く知りませんが、最初の新聞報道に載っていた宮内庁のコメントにはさすがに呆れてしまいました。

>「報道されたような事実(生前退位の意向)は一切ない」と述べ、NHKが伝えた生前退位について全面否定。
>宮内庁として検討しているかどうかは、「その大前提としてのお気持ちがないわけだから、検討していません」と述べた。

もちろん、お役人さんには立場上言ってはいけないことが山ほどあるのでしょう。けれどこのまさに「木で鼻をくくったような」答えにはさすがに驚きます。
「大前提としてのお気持ち」を言われないうちは、どんなに年を取っても放っておくしかないということなのでしょうか。もし「お気持ち」が表明できない状態になられたらさてどうするのでしょう。
そして、高齢による心身の問題(←多分「衰え」とかもNGワードなんでしょうね)には、「公務の軽減で対応する」ことしか考えていないらしいです。陛下の意向は、「公務の軽減」より退位への道筋を作ることかもしれないのに・・・。

役人体質、「先送り」ここに極まれり。先送り先延ばしにして社会保障が完全に行き詰まっているのに、役人体質はどこも同じなのでしょうか。
宮内庁は特殊なところだから一層かも・・・(優秀で闊達なお嬢さんだった雅子妃があんなにボロボロになるのだから…)

陛下は、そういうことをすべて分かった上で、告発せず(政治介入はできないことになっているから)、怒らず逃げず、それでも自分にしかできない決断だと思えば敢然と意思表明をなさいました。

長い皇太子時代から「象徴天皇」とは何か考え、将来の日本を考え、この制限されたお立場で最大限ご自身のできること、やるべきことを考えてこられた陛下。国民を隔てなく愛してくださった陛下。戦争や災害で命を落とされた人々を、心から悼んで下さる陛下。

お気持ち通りに、皇太子殿下に皇位を譲り、重荷をおろした立場でご夫婦で静かな時間を過ごされたり、振り返ったりする時期を持って頂きたいと思います。息子が天皇としてしっかり継いでいる姿をご覧になればどれだけご安堵されることでしょう。

今の日本には絶望したくなることもありますが、日本の元首が素晴らしい方であることに、誇らしさを感じます。
陛下の思いがどうか実りますように。
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レーズンパンさま、はじめましていらっしゃいませ!
更新間遠な当ブログを、読みに来て頂いてるとのこと、ありがとうございます。
(「地方の若者の陰影は濃い」は、『Nのために』の感想だったのだ、とおかげで気づきました。)

教えていただいた二つのブログ、それっぽいテーマのところをうっかり新しい方を読んでしまい、ちょっと驚きました。せっかくご注意いただいたのにすみません。後で古い方から少しづつでも読んでみようと思います。

>皇室問題、末端の無名の一国民なりに一生懸命考えている最中です。

私もこの一行は全く同感です。まずはいろんな意見を拒否せず耳を傾けてみたいと思います。
ありがとうございました。

by きのこ July 24 [Sun], 2016, 2:10

きのこさん

初めまして。
地方の若者の陰影、のあたりからきのこさんのブログ楽しみに拝読しております。

もしよかったら…
bbの覚醒記録 様
午後の雨やどり 様
こちらの2つのブログ、古いほうからご覧になってみてください。
最近のからお始めになると、先入観が入ると思うので・・・

皇室問題、末端の無名の一国民なりに一生懸命考えている最中です。

by レーズンパン July 22 [Fri], 2016, 21:56
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