wowowでオンエア 『嵐が丘』

October 09 [Fri], 2015, 1:25
耕史君の出てる舞台、『組!』が終わってから、『ラスト・ファイブ・イヤーズ』以降(『リトルショップ・オブ:ホラーズ』以外)、最近までずーっと観てたんです。
『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は全部で五回。『ドリアン・グレイの肖像 』は大阪遠征を含む二回、
『チック・チック・ブーン』『ゴッドスペル』『テンペスト』『ウサニ』『ロックオペラ モーツァルト』『おのれナポレオン』『ヴォイツェク』『オーシャンズ11』『Lost Memory Theatre』は一回ずつ。

感慨深いですね・・・お金もずいぶん使いました。
正直言って、一番好きなのが『L5Y』の耕史君、次に『ヘドウィグ』の耕史君。(最初の方でゴメン)
作品的には、『ゴッドスペル』『おのナポ』『ヴォイツェク』『Lost Memory Theatre』もとても好きです。やっぱりスズカツさんや白井晃テイストが好きなのかな。一方、Wでやっててもあまり見たくないのは『ウサニ』と『テンペスト』です。

で、『メンフィス』は見損ねて、『嵐が丘』もなんとなくスルーしてしまったところ・・・。
こ、この作品が愛の生まれた運命の舞台になるとは・・・・!!!

生では見られなかったけれど、電撃結婚のおかげ(?)で早々にwowowで見られることになったし、よかったよかった。

で、録画してたのを観ました。
ネタバレあんまりないですが、あまり褒めてないので、すみません。・・・・・・・・。

生で観たらもっと感動したのかな?

『嵐が丘』は、小学校高学年くらいの時にジュニア読み物版みたいなので読んだだけだと思う。
正直、暗くて、寒くて、陰鬱なイメージしかない・・・。
これが世界十大小説というのが、当時も今もなぜなのかわからない。(ヨーロッパ圏だけだからかな)

三時間もない舞台なのに、ストーリー、よくまとまってましたね。
こんな単純なストーリーだったっけ?と思ったけど、それは脚本の腕なのかも。

とにかく
どどどどど悲劇で、
どどどどどストレートプレイで、
びっくりした。
そして、演技が昔の新劇か?と思うほど、どまっすぐすぎるのにも驚いた。

耕史君のヒースクリフは、美しかった。
この美しさは、舞台の10列目より後ろに行くともうわからないから、舞台で観た人も改めて感動しているのでは・・・。
前半のボロ服の少年も良かったけれど、
悪漢になって戻ってくる後半、はらりと両側に落とした前髪や、黒い細かいところが凝った衣装も、「洋装土方」意識してるよね???って思った人は多いのでは。

悲劇や苦悩が、これほど似合う顔立ちの方がいるだろうか。
復讐のために悪に身を染めたり、他人に非常に冷酷なふるまいをしたりする姿がまた、美しいんですよね・・・。
憎しみと愛に引き裂かれていく彼の演技には魂がこもっており、無論一番観客を惹きつけるのだけれど、正直あまりにまっすぐでやや一本調子じゃないか、という印象もあり(感情表現が正確無比なゆえにかえってそう感じるのかも・・・)。

堀北さんは、素敵なアドヴァイスのおかげか迷いなく堂々とまっすぐキャサリンを演じていた。
戸田恵子は、とてもよかった。彼女が背負っていた部分が大きい。(十分キャサリンがやれるほど美しかったし)。
『薄桜記』の盟友高橋和也さんも良かったです。役に合わせて恰幅が良くなったね。
しかしながら全体には、脚本が大真面目でなんのひねりもない正統派悲劇だからなのか、とっても豪華でものすごく上手なGGKみたいに見えたりして、こちらは感動とかから落っこちてしまった。(生の舞台で観たら感動したかも)

音楽、オーケストラピットの仲間で入って映してくれたせいもあり、とても良かった。

しかし、今の日本で、こういう悲恋話を大真面目に上演する意味がわからない。、
本格的にトリッキーに亡霊を扱ってゴシックホラーにするか、価値観をあざ笑うようなブラックコメディ―にするか、どっちかにしたら面白そうなんだけど・・・・。

キャサリンは情熱的な強い女性、ということになってるけど、単なるわがままお嬢様。
落ち込むと(主にヒースクリフのことで)、数か月とか2年とか平気で寝込む。
子供は産んでも世話は使用人任せ?どんだけ有能なんだネリー。

『風と共に去りぬ』のスカーレットのように、「絶対に生き抜いてみせる」と家を背負って大地に立つ、という女でもない。キャラリンにしてもイザベラにしても、なにも働いてない。家の仕事や使用人の管理すらしていない。

仕事や責任もなく生活に困らないとなると、女は恋愛に喜びや苦悩を見出してそれを生きがいにするしかないのかしら。そう!日本の平安期貴族とかってそうだったよね。
時代だから上流階級の女が働かないのは当然なのかもしれないけれど、それに共感するのは難しい。
ヒースクリフにしても、いじめられて差別されたから、逆境をバネに立派な人になって・・・というのならえらいけれど、いじめられたから復讐の一念で金の亡者になり、結果自分も皆も不幸にしただけだった・・・って、運命というよりそのまんま・・・。
エドガーとかイザベラとか、あんな悪気のない人たちだったっけ?特に悪いことしてないのに理不尽な目に遭わされ過ぎ・・・・。ロミジュリの方が、まだずっとわかるなぁ・・・。

結局私にとっての『嵐が丘』の魅力は、子供の頃に感じたことと同じで、荒れ地の丘に建つ世間から孤絶したような禍々し気な洋館と、そこに吹き付ける陰惨な風と、陰惨で救いようのない人間ドラマ、そこに尽きるような気がする。
そこに人間の深淵が重なっていくような・・・・と思うと、物足りなさを感じるのは否めない。

この頃、これこそ演劇!と思うような生舞台を観る機会に恵まれていたので、辛口になってしまうのはお許しを。
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nemoさん、いつも遅くてすみません。

>記事読んで、「山本さんが美しくてよかった・・」 と一言感想が述べたくて。(笑)
>もう美青年ではなくて、美おじさんの年齢だけれど、美青年の印象が強くて。

>美おじさんというのは難しいですよね。

いい例はいっぱいある気がするんですが・・・。
本木君、東山君、西島さん、福山さん・・・

美おじいさんは、田村正和を筆頭に・・・。

ただ、耕史君の場合、「美おじさん」になり切れてない感じがするんですよね。多分ベイビーフェイスが邪魔をしているのかも。美青年です。
土方歳三、あまり注意しないで観た人は、「NHK、昔の映像持ってきた?」と思うんじゃないかと思うくらい変わらなかったですね。隊服の方がよほど経年を感じさせましたから・・・。

>男にとって美しいということは、なかなか生きていくのが難しいことだったりしますもんね。

繊細になりすぎるか、無神経になりすぎるか・・・みたいなところありますよね。

>ほんとになぜ今「嵐が丘」なのか不思議です。

思い直すと、「今の世に問う」とかそういうこととは関係なく、伝統芸能の「お芝居」の定番のひとつなのかもしれません。需給が合うわけだし、興行的に成功すればいいのかな。

by きのこ October 16 [Fri], 2015, 13:43

きのこ様
記事読んで、「山本さんが美しくてよかった・・」 と一言感想が述べたくて。(笑)
もう美青年ではなくて、美おじさんの年齢だけれど、美青年の印象が強くて。
美おじさんというのは難しいですよね。美しければ美しいほど、美少年から美青年はいけても、美青年から美おじさんというのは難しい。
なぜか美しい男性は その時期を経て、おじいさんは素敵だったりして、あれは役者として美しい顔を持つことのハンデと戦った歴史かしらんと思ったりします。
津川雅彦とか 今、あさのおじいさんやってる林与一とか。
男にとって美しいということは、なかなか生きていくのが難しいことだったりしますもんね。幼馴染で無駄にイケメン美少年だった子が ずっとメガネと髪型で武装していたこと思い出します。
でも、山本さんはまだしばらく美しくいてほしい。(勝手なお願いだわ どこかで不老不死を願っている)
あさが来たを楽しみに待ちます。
嵐が丘は 私も中学の時、世界名作全集を読んだだけです。
世界10大小説ってモームのですか?今ググって、全部中学の名作全集で読んだきりというのにびっくりしました。(笑)モームの「月と6ペンス」もそれで読んでると思う。
なんとなく「嵐が丘」って「ジェーンエア」とか「レミゼラブル」とか「風と共に去りぬ」とあわせて何大なんとか・・というのだと思ってました。「シラノ・・」とかも
良く舞台化されるから 印象が一緒なのかもしれません。
ほんとになぜ今「嵐が丘」なのか不思議です。

by nemo October 09 [Fri], 2015, 9:30
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