『大奥〜誕生〜』終了 ラスト3話の名セリフ等

December 18 [Tue], 2012, 23:57
ドラマ『大奥〜誕生〜』第八話 第九話 第十話(最終回)

ドラマ『大奥〜誕生〜』終了しました。

このドラマ、手放しで大絶賛とはいかない点もいくつかあり、また視聴率も振るわなかったけれど、最終回は、とてもいい感じに着地してくれました。
まずはホッとしています。
感想はまめにアップできませんでしたが、第1話と、7話以降は相当良かった。

8〜10話の感想をザザッと書いて、次の記事に全体の感想を書きたいと思っています。
またここのところ3回は、忘れられない名セリフを含む見せ場が毎回あり、展開はわかっていても鳥肌が立つような感じを味わいました!
(古い話題も多いですが、飛ばし飛ばしにでもお付き合いください)

【第八話 成長著しい多部家光を誉める!】

家光「わしは、この徳川の世を永久につなげるために生まれてきた、将軍という名の人柱である!!」

ついにきりりとした女の姿で表に登場した家光。この名セリフが多部家光から放たれた時の爽快感といったら!!思わずしびれました。

多部家光、回を重ねるごと成長著しい。目を見張るくらいです。
改めてナイスキャストだったと感心してます。
少年のようでも少女のようでもある固い蕾のような無垢な雰囲気。しかし実は親を殺されて江戸城へさらわれ、男に強姦されて妊娠し、それで産んだ子を失ったという過去もある。
女性として凄絶な過去を持ちながら、今は三人の娘の母となった。それでもなお清冽で、たるみや脂肪を感じさせることはない。将軍として表に出てからは、威厳と知性を身につけた将軍の趣も兼ね備えた。

ここまでの脱皮振り、毎回すごかった。
悩み苦しむ中盤部分は、正直見ていてそんなに楽しいものではなかったけれど、今思い返すと真摯な熱演だった。菅野美穂のような大人の女性の色気はなくとも、少年のような細さや危うさを含み、苦悩のさまも見事演じてくれた。

多くの寝所でのシーンがあったけれど、馴れることなく、いつも清新な「痛さ」を感じさせられた。
寝所において硬質な表情のままで玉栄(お玉)の唇を奪わねばならぬ痛ましさ。
お夏(窪田正孝)を見事蹴り飛ばしたシーンなどは強烈な爽快さと抱きしめたいような痛ましさがミックスされた、えもいわれぬ風情。
二重三重に倒錯的で、エロティック。
これが出せたということは、逆転大奥のヒロインとして、大成功!
多部ちゃん、『デカワンコ』の突き抜け感とキュートさが好きだったけど、まだまだ発展しそう。

私は堺さん贔屓ですが、このドラマに関する限り、最初から家光を主人公にして作った方が良かったような気がするんですよね。今回の多部ちゃんにはそれだけの適性と演技力がありました。
まあそうすると一番好きな第1話に主役がいなくてどうするんだ、ということになりますが、家光は第1話から不幸な少女時代を描いていけばよいのだし。

多分視聴者の八割くらいは女性ですから、主役家光の女性としての過酷な立場に感情移入するはず。
僧侶上がりの有功を血が出るまで叩きまくったり、女の着物を「上様の方が似合います」と差し出されて動揺したり、少しずつ愛が育っていく様子は良かった。これらも女性視点で描いた方が、大人の堺有功が理想の男性に見える見えるじゃないですか。
助演の方がプリンス役(アンドレ役とも言う)としては美味しいし、ちょっと謎めいた感じも残ったと思う。。

【第九話 堺有功のリミット外した熱演にびっくり】

「大奥総取締、万里小路有功(までのこうじありこと)である!!」

第9話は、堺さんの忘れられない切ないセリフがてんこ盛りですが、一番鳥肌が立ったのは(形式的なセリフではありますが)ラストの上記のセリフ。

家光に指名され、黒い渦模様の紋付(映画でも二宮君が着てた)と袴で現れた有功。カッコいい・・・・!!!表情もちょっと眉間を曇らしてやや斜めに構えた男前ぶり。
泣いてばかりだった直前のシーンがすっきり払拭された。

ああ、これでカッコいい堺有功様になった!!
ホッとしました。溜飲が下がった。

大奥に上がってからここまで、なんだかパステルカラーの着物や髪留めが多かった(薄緑とか薄紫とか)ですよね。上品で美しいんだけれど、なんだか自分の叔母さん(品が良く、和服をよく着ていた)にちょっと似てるなぁ・・・思ってしまった。

正直に言います。
実はこの第9話で、はじめて堺有功に「引いた」んですよ。
もちろん、将軍の寝間に呼ばれて、泣きながら褥を辞退するシーン。

有功「どうかお褥を、今後一切 お褥をご辞退させて下さいませ」
家光「なるほどな、何人もの男で汚れたわしの身体はもう抱きとうないか」
有功は「ちがいます。ちがうのや!私かてどれだけ夢見たことか。今までどないな気持ちであなた様を見てきたことか。けれども、私は怖いのです。上様のお心という、いつ変わるかもしれぬものにすがって生きていくのが」
「私は上様との子をなせませぬ。ですから上様は、これからも他の男をお側にお置きになることでございましょう。 けれど、けれども私も男です。心だけやない。あなたの身体も私だけのものにしなければ我慢できひんのや。」
「どうか私を解き放って下さい。このような男と女の恐ろしい業から。」

セリフは、まだ良いのです。
引いたのは、平伏したその顔を下から写すカメラに映った有功の顔。
必死の涙の訴えは鬼気迫るすさまじさ。顔の肉が重力で下がってほうれい線も目立って老け顔になり、細いあごや白い顔、細い肩がキツネっぽい。そのうえ「がまんできひんのや」という関西弁の言い回しでこの内容を語られるのも・・・ネット上で「キモイ」と言う意見がチラホラするのも、ちょっとだけわかった。

役のためなら自分のカッコよさのキープなんて全く構わない堺さんだということはわかっていたけれど(ジャニーズとは違う)・・・。
例えば、自分の愛や苦しみは淡々と語り、最後に決然と「褥の辞退」をしたほうが十分伝わるしここまでむき出しに醜さすら晒さずに済む。堺さんはそのあたりでお茶を濁さなかった。

ビジュアルのみならず、有功の精神の弱さ狭さも感じられるから見ていて心が痛いのだ。
「心も身体も独占したい」という激白はわかるけど、これは男女に限らないじゃないですか。大奥に住むものなら、まず捨てねばならない思い。
それに、好きな人を独占できない苦しみより、好きでもない男たちに次々と身体の関係を結ばねばならない家光の方が辛いんじゃないかと思うんですよ(女としては)。
こんなにまで自分の嘆きをさらけ出すとは思わず、だからちょっと引きました。

有功くらいの知的な方なら、この国の今の危機的状況や、その中心に立つ女将軍の重要さ苦しさ、その将軍に一番大きな発言権を持つ自分自身の特別な立場を、十分わかっているはずじゃないですか。
もっと大局からものを見て、愛する人に自分の気持ちを切々と訴えるより、愛する人にどれだけ役に立てる人間でありたいか、それを考えるオトコであってほしかった。

これを聞いている家光は素直で正直。本心をまっすぐ言葉にした。
「二度とわしを離すな」
「わしの心はそなただけのものじゃ」
「・・・そなたもわしも、なんて遠いところまできてしまったのかのう・・・」
家光は、有功の気持ちを汲んで願いを受け入れてやった。
ある意味家光の方がはるかに苦しいだろうと思うのに・・・。

オットコマエ!!!
男に女装させて笑い、市中の若い女の髪を切らせて鬱憤を晴らしていた、あの頃の家光からどんなに成長したことか。

【最終回・完成した愛の物語】

有功「あなた様はこの国が滅びると仰せになった。ですが春日局様、私はこの国がまだ滅びぬような気がするのです」

最終回では、有功が亡き春日局に向けたこのモノローグを選びます。
みごとドラマの最後を締めくくり、綱吉時代の映画版につなげましたからね。
次のセリフも候補だったんですが、僅差で。

最終回は、玉栄の子徳姫誕生と、家光の死、世継ぎ決定。
「上様の、おな〜り〜〜〜!!」
ラスト、この良く通る有功の声に呼び寄せられ、かわいいお人形様のような将軍家綱登場。
まるで花嫁の父のように小さな姫の小さな手をとり、並んで歩き出す有功。凛々しい・・・。

世継ぎは、三人の姫、お楽が産んだ千代姫、お夏が産んだ長姫、お玉が産んだ徳姫の中から選ばれる。姫様たちのキャラが、ちゃんと描き分けられてて可愛かった。
千代姫はおっとりしていて、算術の勉強の時も寝てしまう。でも物語や詩歌は好きで、有功に教えて欲しいとなついている。
二番目の長姫は、父親に似て気が強そう・・・(かつ色黒)。
三番目の徳姫(後の綱吉)はなかなかの度胸もの。怪我をしても泣かず、動じないのは大器の器(玉栄談)。

大奥取締としてはすっかり親バカになった玉栄。旅の僧に「将軍の父になる」と言われたことを心の支えにし、味方してくれない有功に「有功様はわからへんのや。子を持った親がどれだけ愚かしいものか」とか言う。
生きのいい少年だった玉栄、変われば変わるもの。母親的立場になると、こうも世の母親並みになってしまうのが面白い。

家光は有功に聞く。「わしは死ぬのであろう」
有功。しばらく黙って、肯く。

自分の人生に疑問を抱く家光を、有功は誉める。上様の政策のおかげで、「江戸市中に幼い子供が増えた」と。それは後世に残ると。
これを聞き、家光も静かに自分の人生を受け入れる。

稲葉正勝だけは、殉死を許された。有功は、彼もまた「上様に恋していたのですね」と言う。普通に考えれば「殉死は有功だけでよい」と思うところだが、それも家光の大人さ。自分と父の影武者として人生を無にしてきた正勝に、死に場所を与えてあげたのだろう。

玉栄が出家した姿にはハッとさせられた。赤い法衣のせいか、坊主頭が以前よりもぐんと大人っぽくなっていていい。赤い衣装のせいか。
「有功様も出家なさるものかと思うておりました」。玉栄も、有功の本心は知らなかったのね。(でも有功の僧侶姿、もう一度見たかったなぁ。)

出家すれば大奥から出られ、徳姫と暮らせるということなのね。
このあと「ありがとう。玉栄」と二人がこの年月を回想するシーンは、ジンとして涙が出た。随分二人とも、遠い道を歩いてきたんだね。(京都の小日向パパ、どうしてるかなぁ・・・)。

家光と有功の、最後の二人の愛の会話。
家光「そなたは生きよ。千代が四代将軍となったとき、そなた以外、父親代わりの後見は思いつかぬ。千代のために、いや、わしのために生きよ。亡き後も、わしのためだけに・・・」
有功「はい」
ほっとして笑う家光。げっそりとはしていないものの、顔色が悪い。
家光の、最後の願い。有功は残りの人生を、家光の願いに殉じて生きていくことに決めた。

家光「有功・・・好きだったぞ。たとえからだのつながりがなくとも、だからこそ、そなたは他の誰とも違う。わしにとっての特別であった・・・これでよかったのだな。わしとそなたは」
有功「はい」
静かに目を閉じる家光。その唇に紅を差してやる有功。

二人が一生かけて昇華させた美しい愛。
死を持って完成する愛だけれど・・
良かった。感動した。この映画の「愛」テーマは、ここでみごと結実。

第9話で私が「引いた」平伏場面についても、ここで納得。
あのグダ泣き、マックス演じつくした「愛するゆえの地獄・醜さ」を潜り抜けて、最終話の静かな永遠の愛へつながった。
自己愛だったものが、心から相手のためを思う愛に変わっている。

それは以前、「一緒に死のう」と誓ったかたちではない。一緒に死ぬほうが楽だろうけれど、二人はそれを選ばなかった。果たせなかった家光の思いを継いで(思いを託されて)、生ある限り精一杯、家綱と大奥と幕府のために力を尽くすこと。

エピローグ的な部分、映画のヒロインになる徳姫をフューチャーするかと思いきや、千代姫だった。なんだかそれも良かった。

千代姫の父親のお楽(窪田正孝)が回想で何度も明るい笑顔を見せる。そのたびに、幼い千代姫がいじらしくなってウルッとしてしまった。長子とはいえお楽の出自を思うと道は険しいだろう。しかし有功はもう水槽の金魚ではない。幕府と日本の舵取り役とも言える存在になった。

『大奥〜誕生〜』の「誕生」は、逆転大奥の完成であるとともに、有功と家光の愛の伝説の「誕生」なんだね。きっと。

◆◆◆
さて、記事が常に長すぎるので、一回切って全体的な感想を次に書こうと思います。
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rukaさん、感想をありがとうございます。
できましたら、自分の感想だけではなく、私の感想を読んで感じたことなども書いていただけると嬉しいです。

>最初から最終回まで必死で観てました

そうでしたか。私は記事にも書いたように絶賛と言うわけではないのですが、堺さんはもちろん、多部家光がとてもよかったです。

>家光は扇で有功のほうをぶちながら
「はいと言え!!」と言ってた

そうそう、そういう激しい部分も良かったですね。
有功が家光の心を少しずつ開かせていくのも良かったです。

>「有功さんは玉詠に望みをかけたんだな」と
思いました

そうかもしれないですね。けれど、家光はさらに公平に、長幼の順を重んじて父のない千代姫を選びましたね。こういうところにも、オトコマエ家光を感じました。
有功様のほうが女性らしい優しさがあるみたいで・・・。

映画楽しみですね!右衛門佐は、相当美形な感じです。衣装も、ドラマよりはるかにあでやか。
クリスマスまでは忙しいので、年内にいけるかどうか・・。

by きのこ December 23 [Sun], 2012, 1:01

きのこさんこんばんわ

6人集がそれぞれ
春日局に今の家光は将軍らしさ、
風格さが出ていると話し、
女性将軍として出すべきだと
話してましたけど
それな風格が出てると思いました

有功さんも家光に
「どうか私をときはなってください」と
願い出たシーンでは
これって、やはり・・
上手く言えませんが大奥総取締役として
お役に立ちたいとゆう思いなのかな?と
思いました。

by ruka339 December 19 [Wed], 2012, 17:56

続きです

最初、有功さんは無理やり大奥へ連れてこられ、時
どんな気持ちでいたのだろう?と
思っましたが、家光の心を開かせた
家光もまた有功さんを愛してましたよね
でも、二人の間には世継ぎができなかったですが
お楽やお夏には二人の娘ができました
有功さんは玉詠に自分の代わりに
世継ぎを家光に産ませてほしいと託したシーンには
「有功さんは玉詠に望みをかけたんだな」と
思いました

あと、有功さんが大奥総取締役になった
シーンで「までのこうじ有功である」と
言ったシーンと登場したシーンのところが
カッコ良かったですよね!

本当はまだ書きたいことがあるのですが
夕方にでもまた書かせてください

by ruka339 December 19 [Wed], 2012, 6:56

きのこさんおはようございます
「大奥へ誕生」
最初から最終回まで必死で観てました
有功さんは無理やり大奥へ入れられた時、
どんな気持ちでいたのかな?と
思いみてましたけど、
気位の高い家光とどう向き合うことができるのだろう?と
そんな感じで観てましたが

女装して舞を舞えと有功に女装をするよう
命じられたシーンで
稲葉政成から家光がなぜこの大奥へ連れて
こられたのか?を有功さんが聞いて
ようやく家光の心がわかり、家光に
女物の着物を着せ、髷をおろし
「上様のほうがお似合いです」と言ったあと

家光の心の感情が爆発し、号泣したところに
「家光は必死に心の感情を押し殺してたんだなあ」
と、思いました
有功さんに初めて会った時
家光は扇で有功のほうをぶちながら
「はいと言え!!」と言ってた家光を
見事に心を開かせたところがすごいと
思いました

by ruka339 December 19 [Wed], 2012, 6:46
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