熱河と重陽:似て非なるふたつの書体(四)

March 18 [Fri], 2016, 8:54
中国では、宋体(明朝体)、黒体(ゴシック体)、仿宋(宋朝体)、楷体(清朝体)が4大印刷書体と言われている。20世紀に制作された書体として、節句の名称から採った「上巳」「端午」「七夕」「重陽」という活字書体として復刻を試みた。
似て非なるふたつの書体ということで、「上巳」と「端午」については19世紀の活字から復刻した「美華」と「伯林」とのスタイルの違いを比較した。「七夕」については宋代の木版印刷の字様から復刻した「陳起」と比較してみた。
同じことが「重陽」にも言えるのかどうか見てみたいと思った。比較の対象としたのは、18世紀の武英殿刊本を代表する『御製文集』(1711年、武英殿)と、20世紀の漢文正楷字模活字を用いた『高級小学校論語』(1935年、満州国文教部)である。
前者が琴欧洲スタイル、後者が琴奨菊スタイルといえるのかどうか。木版印刷から活字版印刷へ、書写から活字書体の発展が背景にあるような気がしてならない。それが書体の時代性と言えるのかどうか。

●『御製文集』(1711年、武英殿)



●『高級小学校論語』(1935年、満州国文教部)



そんなことを意識しながら復刻しているのが、琴欧洲スタイルの清朝体「熱河」と、琴奨菊スタイルの清朝体「重陽」である。

●琴欧洲スタイルの清朝体「熱河」



●琴奨菊スタイルの清朝体「重陽」




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