陳起と七夕:似て非なるふたつの書体(三)

March 17 [Thu], 2016, 9:23
琴欧洲スタイルから琴奨菊スタイルへの変遷について、近代明朝体、呉竹(ゴシック)体でこじつけてきたが、今回は宋朝体で考えてみよう。
まずは『南宋羣賢小集』(陳宅書籍鋪、1208−1264)。整然として硬質な字様である。初唐の欧陽詢(557−641)書風を引き継いでおり、琴欧洲スタイルのイメージである。
一方、『唐確慎公集』(中華書局、1921)の宋朝体は琴奨菊スタイルだ。聚珍倣宋版陳起の陳宅書籍鋪による「臨安書棚本」を源流としているが、当時すでに普及していた近代明朝体活字の影響を受けて、より安定感を増しているようだ。

●『南宋羣賢小集』(陳宅書籍鋪、1208−1264)



●『唐確慎公集』(中華書局、1921)




そんなことを意識しながら復刻しているのが、琴欧洲スタイルの宋朝体「陳起」と、琴奨菊スタイルの宋朝体「七夕」である。

●琴欧洲スタイルの宋朝体「陳起」



●琴奨菊スタイルの宋朝体「七夕」




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