『二十四史』に因んで

July 27 [Sun], 2014, 9:00
漢字書体は、秦王朝の時代から現代までの中国の碑文や刊本、活字本から再生した24書体である。これを中国・歴代王朝の正史の総称である『二十四史』にちなんで、「漢字書体二十四史」となづけた。
 清の乾隆帝によって各時代の代表的な紀伝体の歴史書24を選定して正史としたので「二十四史」の名がある。中国史研究の基本的なものとされる。正史とは一つの王朝が滅びた後、次代の王朝に仕える人々が著したものでる。あくまで「王朝が正当と認めた歴史書」というほどの意味である。
『史記』における伝説上の帝王「黄帝」から、『明史』における明滅亡までの歴史を含んでいる。清代に定められたので、「二十四史」に「清史」は含まれていない(民国期に編纂された『清史稿』を加えて「二十五史」とする場合もあるが確定していない)。
 わが国での漢字書体には、宋朝体、明朝体のように中国の王朝名をつけて呼んでいる。「漢字書体二十四史」とすることに何の迷いもためらいもなかった。むしろ歴史をしっかりと捉えていくという姿勢を示せることになるのではないかと思った。
 漢字書体の制作には、多くの時間と労力を要する。現在完成しているのは4書体だが、ひきつづき制作に取り組んでいきたい。


( 暫定版 2015年4月22日更新)

[篆書体]
※橋梁一「泰山」(資料:「泰山刻石」、前219年)

隷書体
第一史「洛陽」(資料:西安碑林「熹平石経」、173年)
▽清刻本
第二史「月光」(資料:『河岳英霊集』、1878年)

[草書体]
※橋梁二「詩草」(資料:懐素「草書千字文」、799年)

行書体
第三史「聖世」(資料:西安碑林「集王聖教序碑」、672年)
▽清刻本
第四史「花信」(資料:『菊譜』、1758年)

[御家流](日本独自の書写体)
※橋梁四「臨泉」(資料:『御家千字文』、1814年)

楷書体
第五史「開成」(資料:西安碑林「開成石経」、837年)
▽清刻本
第六史「林佶」(資料:『漁洋山人精華録』、1700年)

銘石体/経典体
第二十二史「銘石」(資料:『王興之墓誌』、341年)
第二十三史「方広」(資料:『大方廣佛華巖経』、990年−994年)

[魏碑体]
※橋梁三「造像」(資料:『長楽王丘穆陵亮夫人尉遅造像記』、495年)


宋朝体
第七史「西湖」(資料:『姓解』、1038年−1059年)
第八史「龍爪」(資料:『周礼』、1163年−1189年)
第九史「麻沙」(資料:『音註河上公老子道経』、1193年−1194年)
第十史「陳起」(資料:『南宋羣賢小集』、1208年−1264年)
※橋梁六「七夕(倣宋)」(資料:『唐確慎公集』、1921年)

元朝体
第十一史「志安」(資料:『分類補註李太白詩』、1310年)

明朝体
第十二史「金陵」(資料:『南斉書』、1588年−1589年)
第十三史「嘉興」(資料:『嘉興蔵』、1589年)
第十四史「鳳翔」(資料:『楽律全書』、1595年)
第十五史「毛晋」(資料:『宋名家詞』、1626年−1644年)

清朝体
第十六史「熱河」(資料:『御製文集』、1711年)
第十七史「蛍雪」(資料:『欽定全唐文』、1814年)
※橋梁七「重陽(正楷)」(資料:『高級小学校論語』、1935年)

過渡期明朝体
第十八史「武英」(資料:『古今図書集成』、1726年)
第十九史「聚珍」(資料:『武英殿聚珍版程式』、1776年)
第二十史「宝玉」(資料:『紅楼夢』、1791年)

近代明朝体
第二十一史「美華」(資料:『舊約全書』、1865年)
※橋梁五「上巳」(資料:『中国古音学』、1930年)

安智体
※城市一「倫敦」(資料:東京築地活版『座右之友』、1895年)

呉竹体
※城市二「伯林」(資料:東京築地活版『座右之友』、1895年)
第二十四史「端午」(資料:『瞿秋白文集』、1953年)

(呉竹体の展開)
※城市三「羅馬」(資料:東京築地活版『参號明朝活字総数見本』、1928年)
※城市四「紐育」(資料:東京築地活版『参號明朝活字総数見本』、1928年)
※城市五「巴里」(資料:森川龍文堂『活版総覧』、1933年)
  • URL:https://yaplog.jp/kinkido/archive/50
P R
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:欣喜堂
読者になる
欣喜堂は活字書体設計をおこなっている会社です。日本・中国・欧米の書写と印刷の歴史にはぐくまれた活字書体の開発をめざしています。
2014年07月
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
https://yaplog.jp/kinkido/index1_0.rdf