「みそら」クランのゆくえ

April 30 [Wed], 2014, 8:05
「セイム」「テンガ」「ウダイ」の総称を「みそら」クランとする。「みそら」(御空)とは、空の美称である。
「セイム」は、欧字書体のローマン体、漢字書体の現代明朝体と組みあわせる和字書体として制作したものである。つぎに、欧字書体のサンセリフ体、漢字書体の黒体(現代ゴシック体)と組みあわせる和字書体として、「テンガ」を制作した。また、欧字書体のスラブセリフ体、漢字書体の宋黒体(現代アンチック体)と組みあわせる和字書体として「ウダイ」を制作した。
『レタリング 上手な字を書く最短コース』(谷欣伍著、アトリエ出版社、1982年)の本文に使われていた試作書体からひらめいて、現代的な明朝体、ゴシック体などに組み合わせられるように設計した。



 制作した当初は、漢字書体は平成書体を念頭に考えていた。したがってウエイトもそれぞれ、W3、W5、W7、W9を制作することにした。

 ところが、平成明朝、平成ゴシックときて、平成アンチックは制作されなかった。そもそも漢字書体のアンチック体など、当時は存在しなかったのだから仕方のないことだ。しかたなく、平成明朝、平成ゴシックにあわせて、「擬平成アンチック」を組み見本だけのために制作してみた。私のイメージとしては、中文書体の「黒宋体」のように、「宋体」と「黒体」の中間で、欧文書体の「スラブセリフ」に近いイメージだった。





ところで『デジタル大辞泉』で「活字書体」の項を調べてみると、次のように書かれている。

活字として、印刷を前提にデザインされた書体。和文には明朝(みんちょう)体・ゴシック体・アンチック体など、欧文にはローマン体・イタリック体・ゴシック体・スクリプト体などがある。

これをそのまま受け止めれば、明朝体・ゴシック体・アンチック体が主要三書体なのである。にもかかわらず、多くのメーカーが明朝体・ゴシック体のファミリー化までは熱心に進めるけれど、アンチック体となるとまるで興味を示さない。
 ZENアンチックが出たのは2006年のことだ。残念ながらZENオールド明朝、ZEN角ゴシックはファミリー化されているが、ZENアンチックはファミリー化されていない。そして私の描いていたアンチック体のイメージとは大きくかけ離れていた。
 どこかで、○○明朝ファミリー、○○ゴシックファミリー、○○アンチックファミリーが揃ったとき、「セイム」「テンガ」「ウダイ」の更なる展開が期待できる。「ウダイ」は一番人気があるので、なおさらそう思うのである。
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