たかが6ページ、されど6ページ 『ジハード1 猛き十字のアッカ』より

January 23 [Thu], 2014, 8:17
「かもめ龍爪M」が使われている文庫本があるという情報は入っていた。『ジハード1 猛き十字のアッカ』(定金伸治著、星海社文庫、2014年1月9日)である。
 池袋の大型書店に行った。まずは文庫本のフロアを探したが「星海社文庫」が見当たらない。そこで店内の検索システムにより在処を確認してみた。コミックのフロアにあることがわかったが、やたら若者が多くて(なにかの発売日だったのか長い列ができていた)、とても自分で探しまわる気になれなかった。そこで店員のひとりに尋ねた。すぐに持ってきてくれた。もう買わないわけにはいかなくなった。
 インターネットで注文してもよかったのだが、それが「かもめ龍爪M」でなければ、まったく無駄になってしまう。一読者として興味のある分野ではなかったからだ。「かもめ龍爪M」なのかどうかだけを確認して、すぐにレジに向かった。


●『ジハード1 猛き十字のアッカ』

冒頭のわずか6ページに「かもめ龍爪M」が使われていた(ちなみに、「主要参考文献」のページには「あおい金陵M」も使われている)。チャレンジである。「やってくれるじゃないの」と思った。
 手前味噌だが、意外と読みやすい。最初は読みなれていないので、読みにくいと思うだろう。近代明朝体に比べれば、とげとげしく感じるかもしれない。しかし、少し読んでみると抵抗感がなくなる。そうなると多くのページで読みたいと感じてくる。そんな書体だ。



 本文は詰めていないのがいい。書体を生かした組みかただ。文字と文字の間があいて見えるが、それでも縦に心地よく流れてくる。それが読む速度とあっているようだ。詰めなければならないと考えている人が多いようだが、私は一読者として、あいているほうが読みやすいと感じる。
 漢字書体も、和字書体も、それぞれが本文用として存在していた書体である。それを復刻したのだから、力があって当然なのだ。この書体、そのうち病み付きになる人が増えるといいなと思っている。

なお、『ジハード2 こぼれゆく者のヤーファ』は2014年3月発売予定。全6巻が隔月で刊行される。


(追記)


※結局全6巻買い揃えた。
  • URL:https://yaplog.jp/kinkido/archive/25
P R
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:欣喜堂
読者になる
欣喜堂は活字書体設計をおこなっている会社です。日本・中国・欧米の書写と印刷の歴史にはぐくまれた活字書体の開発をめざしています。
2014年01月
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
https://yaplog.jp/kinkido/index1_0.rdf