東京築地活版製造所工場全景から

December 15 [Sat], 2018, 8:35
東京築地活版製造所の見本帳『活版見本』(1903年)の口絵として、銅版印刷による工場全景の図版が掲載されている。この場所が現在どうなっているのか、同じところから写真を撮ってみようと思い立った。





図版の写真が撮られたと思われる場所は、高いフェンスで覆われていて近づくことさえできない。それでもフェンスまでたどり着く場所をみつけて、カメラをフェンスの隙間に差し込んだ。図版の位置より少し左の位置からになってしまったが、どうにか撮影することができた。



かつての築地川は首都高速道路になっている。つまり、築地川の川底を自動車が走っているということなのだ。築地川にかかる万年橋は今は首都高速道路の上にあり、その周囲は「中央区立築地川銀座公園」として整備されている。


東京築地活版製造所で印刷された『長崎地名考』から和字書体「きざはし」(和字書体三十六景)を制作した。明朝体「金陵」との組み合わせを想定している。

●『長崎地名考』(香月薫平著、虎與號商店、1893年)


府川充男氏による3回連続セミナーが開催され、私はそのすべての回に参加することができた。そのときに配布された資料もたいへん充実したものだった。講演の内容は年代別に整理されたものではなかったが、大雑把に言えば、第1回セミナーでは平野活版など明治初期の活字書体が、第2回セミナーでは築地活版、秀英舎を中心とした明治時代の活字書体が、そして第3回セミナーでは、森川龍文堂、岩田母型、モトヤなどの昭和時代の活字書体が取り上げられていた。
そのときの配布資料のなかに『長崎地名考』の図版があった。これだと思い、市立図書館で調べてもらったら、日本大学文理学部図書館で所蔵しているということがわかった。市立図書館を通じて借用し20ページほど複写することができた。これが「きざはし」の原資料となった。



東京築地活版製造所は現在コンワビルが建っているところにあった。その跡を示す「活字発祥の碑」がその敷地内に建てられている。たしかに、この場所にあったのだ。
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