入力の容量でI/Vや反転アンプの高域ピークを出ないようにする・・・3-NF特許

January 12 [Sat], 2019, 23:40
さて、
「入力の容量でI/Vや反転アンプの高域ピークを出ないようにする・・・1」
の最後の、
大きな(30000pF)入力容量でトランスインピーダンス特性にピークが出ないのは、、

トランスインピーダンスの周波数特性のカットオフが、使っているアンプの1stポール(ドミナントポール)を越える値であれば特性にピークが出るが、それ以下であれば、ピークが出ません。

I/V特性の周波数特性なので、これが非反転アンプならばそうなのかな、と思うのですが、I/V特性の周波数特性算出はかなり難しく、かつ、そもそもI/Vは二次特性なので、なかなかイメージが湧かないかも知れません。

■シミュレーション実験3-1 OPA656、入力容量を変えて、1stポール前後でf特ピークの様子を確認
図3-1 回路図


図3-2 グラフ


これで、
1stポールを可聴周波数以上にうっちゃってしまえば、入力に大きな容量がぶら下がってもピークが出ない、安定なI/Vアンプが出来上がります
昔の金田式アンプはそういう設計だったのでは無いかな、と。可聴数帯域でフラットなオープンループ特性のアンプだったのではないかな、と。そのような特性のI/Vパワーアンプを作れば、長い入力ケーブルをつけても、帯域が落ちる(二つ前の記事の(1)式)だけで、不安定になりません。

あと、図3-2の高い周波数のところもピークが出ていませんが、これはアンプのノイズゲインの帯域制限によるものです。
つまりノイズゲインをコントロールすれば、またピークが出ない特性を作ることが出来ます

この二つが、入力容量でピークが出ないトランスインピーダンス・アンプを作る鍵になると思います。


1stポールを高域に持って行けば、色んな入力容量で安定なので、1stポールをオペアンプ二個つかい高域に持って行く特許がNF回路設計ブロックから出ています。
特開2013-66176「増幅回路および帰還回路」

■シミュレーション実験 3-2 NF回路設計ブロック社の特許の動作を確認
詳細は特許をみてください。
この特許の応用のシミュレーションをしてみました。

図3-3 回路図


図3-4 グラフ


図3-3 が回路ですが、ポイントは、右の広帯域オペアンプに局部帰還を掛けて帯域を伸ばして、初段は高精度オペアンプを使い、全体に帰還を掛ける(2段目オペアンプは反転とすることで初段も反転にして、局部帰還とオールオーバーの帰還がかかる)のがポイントです。
図3-4のグラフ上がオープンループ、この回路で1.34Mまで1stポールを伸ばせます。
図3-4のグラフ下で、1stポール以下で、見事大きな入力容量でピークが出ていないことが確認できます。


この特徴、反転アンプでもそのまま応用できます。

■シミュレーション実験3-3 通常の反転アンプのマイナス入力に容量をぶら下げたとき

図3-5 反転アンプの、マイナス入力端子に容量Ciがぶら下がったとき


図3-6 グラフ


図3-6を見れば、まず高域で帯域の限界に近いところではピークが出ていません。
また、Ciが100000μF(笑)以上で、これまたピークが出ません(が帯域が10数Hz)。

反転アンプでも、I/Vと似たようなピークの様子を示します。


■シミュレーション実験3-4 図3-5にNF回路の特許を適用したとき

図3-7 その回路図


図3-8 グラフ


グラフを見れば、おー、反転アンプでも、全帯域でマイナス入力端子にいかなる容量のCiがぶら下がろうが、ピークが出ないものを作ることが出来ました。

高域は、ノイズゲインがこれは101倍なので、帯域制限によってピークが出ないような特性となっているものと思われます。


ここで、ノイズゲインコントロールで高域のピークを抑制する様子を確認してみます。

■シミュレーション実験3-5 トランスインピーダンス・アンプのノイズゲインコントロール

図3-9 回路図



図3-10 グラフ



Rgを1G(ほとんど∞)から1kまでパラメトリックしてみました。
1kではまったくピークが出ないですね。このときノイズゲイン101倍で、その時の周波数特性で制限されているのでピークが出にくくなっています。

これだけでも、どんな入力容量にも、とはいきませんが、入力容量によって発振しにくいアンプをつくることが出来ます。


--------------------------------------

と、ここに書いた二種類が、発振しにくいトランスインピーダンス・アンプを作る手法です。

金田式アンプに応用したら帰還容量Cfを色々入れなくても、安定なピークの無いI/Vアンプを作れるのにな、、、と思うわけです。

このシリーズおわり

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