恋するベーカリー

2010年02月21日(日) 12時16分


「ホリディ」など恋愛映画を得意とする
ナンシー・マイヤーズ監督・脚本による新作。
メリル・ストリープがベーカリーのオーナーで、
随所に美味しそうなパンやスイーツが出てくる
グルメな作品・・ではありません。
気楽に見れるコメディなんで
まぁそこそこは面白かったんですけど、
熟年離婚・・いや熟年恋愛がテーマなんで
見る世代によって感想が変わりそうな
映画かもしれません。

街で人気のベーカリーを経営するジェーン
(メリル・ストリープ)には、10年前に
離婚した敏腕弁護士ジェイク(アレック・ボールドウィン)
との間に3人の子供がいた。
ジェイクには歳がかなり離れた若い後妻と
再婚し、連れ子もいる。
長男の大学卒業式出席の為、NYのホテルの
バーで偶然鉢合わせした二人は酒の勢いで
ベッドをともにしてしまうのだが・・。

それにしてもベーカリーなんてほんの
ちょっとしか出てきませんよこの映画。
原題は"It's Complicated"
「複雑!」って意味になるのかな。
アレックには後妻がいて、離婚したメリルと
肉体関係を持ってしまうから、元夫婦なんだ
けど不倫関係にあるという。
そこにこちらも相手の不倫で離婚した経験のある
マーティンがからんでくるという。ややこしい関係。

出演者のおよその実年齢はメリル・ストリープ60歳、
スティーブ・マーティン65歳、アレック・
ボールドウィン52歳・・ちなみにアレックの
元妻キム・ベイシンガーは57歳。(imdbによる)
向こうの人は歳がよくわからんです。
スティーブ・マーティンもっと若いと思ってたましたけど
映画ではアレックとメリルは同年代に見えてたなぁ。
年齢調べてみたのは、
まぁそういう、子供も大きくなって、仕事も落ち着いて
っていう世代の恋愛観、離婚観とは・・っていう
作品なんですよね。

メリルが同年代の友人と自分たちの
恋愛・・というかセックス系の話を飲みながら
する場面が2回出てくるんですけど、
まぁそこで話されているような女性目線の
ヨタ話が映画全編にあるカンジなので
自分にはちょいと合わないかなーと。
アメリカらしいですけどね。ああいうの。

50も後半と思える設定の3人、未だに高校生みたいな
恋愛を育くもうとし始めているメリルとマーティンに
対して、アレックのほうは弁護士って設定ながら
メリルと違って仕事してる場面全く出てこないから
とにかく常にあっちの方やりたい!ってばかり考えて
るんじゃこのオッサンという印象の役。
元妻への愛がまだ・・っていうよりも
寝る事への執着の方が目立ってたし。

あの完全に中年太りの体型、役作りなのかな・・。
彼の肉体がこの映画のある意味一番の見所なのかも・。
アレック・ボールドウィン、よく引き受けたなー
と思うような役ですよね。
悲しくなるくらいオッサン化してたなー。

自分はメリル・ストリープいつもめちゃ上手いと
は思うんですけど、特にコメディ系の作品は
なんとなく彼女がキャラよりも「上手に演じている
メリルさん」に見えてしまのでちょっと
苦手だったりします。まぁ彼女ありきの映画なんで
そんな事言ってたらみもふたもないですが;;

そんな中、一番の笑いどころは二人の長女(ひときわ美人!)
の婚約者ジョン・クラシンスキー演じるハーレイの役。
ホテルで二人が密会してるのムダに気づいてしまったり
ひとりだけいろいろ知ってしまってオロオロしちゃう
めちゃくちゃイイ人の役で面白かったな。

そういえば今年のアカデミー賞はこのアレック・ボールド
ウィンとスティーブ・マーティンがホスト。
後半アレックの●●●をスカイプを通してマーティンが
見ちゃうって場面(ここが一番ウケてました)あるから
ネタにしそううですね。

kazuponの感想ー★★★

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コララインとボタンの魔女3D

2010年02月20日(土) 20時03分


昨年待ちきれずに
DVDで先に観てしまってましたが、
公開されたので劇場版も観てきました。
吹替版。
「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」の
ヘンリー・セリック監督最新作。
日本では本国よ1年も遅れて公開です。
「ナイトメア」めちゃ好きなんですよ。
グッズのコレクションには興味ないですが。

DVD鑑賞時の感想はこちら。
→Coraline(09/12/15)


いやー大画面で観るとこの映画のハンパない
箱庭世界の作りこみが良く判ること。
2D版の公開は無いんですね。
アバターみたいに3D必然の映画では無いかも。
映画の絵作りが極彩色で鮮明なだけに、
あのメガネを通して見ると
画面がどうしても暗く見えてしまうのはやや残念。

でも劇場でも観といて良かった。
なんでもないところの細かい動きとか
表現がむちゃリアル・・・人形アニメだからリアルって
おかしいんですけど、作られた箱庭世界の中でリアル
に感じるというそんな印象を持ちました。
例えばネコなんて、造形はマンガチックなんだ
けど、すごく魅力的な動きするんですよねー。

日本語版メインってこともあって、
劇場は家族連ればっかりでしたが、
コレはどちらかというと大人に観て
ほしい作品だと思いますけどねー。
「スターダスト」のニール・ゲイマン原作。
かなりダークな部分も多くて、単純明快な
ストーリーでもないから退屈になっちゃうか、
あのどろろん世界がトラウマになるか、
めちゃ気に入ってくれるか
のどれかだろうなぁ。
泣く子がいなくて良かったよ。
ちなみに字幕版は六本木、梅田、なんばの
3館のみみたい。コララインの声はダコタファニングで
ぴったりだったんですよね。

ストップモーションアニメって
基本全シーンセットを組んで、人形を
ひとコマずつ動かして作ってるわけなんですが、
準備を除く撮影には1年8ヶ月!もかかっているとか。
製作段階のスチルとか見ていると、
人形もセットも思ったより大きくて驚きました。
ストップモーションも技術の進化で
いろいろ出来るようになってるようで、
「ナイトメア」のジャックでは15種類しか
出来なかった表情も、
コララインちゃんは20万種類もある
そうなんです。
そんなあるなら人形ひとつくらい貰えませんでしょうか。
ネコでワイビーでもいいです!

印象的だったのは今まで極彩色だった世界が
歩いていくとどんどん真っ白な世界になったり、
モノクロになっていくところ。
その土台となる部分を作っている
コンセプアートは日本の上杉忠弘さん
が担当したとのこと。

「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」は
ダニー・エルフマンによる音楽と歌が魅力でしたが、
本作はミュージカルではないにしても
フランス人のブリュノ・クーレによる
ファンタジックな音楽がかなり良かった。
この人5年前の仏映画「コーラス」の音楽やってる
人なんですね。なるほど。

3月本番のアカデミー賞、長編アニメ映画賞に
ノミネート中。
でも「ナイトメア」の頃はこの部門無かったし、
ピクサーのCGアニメはもういっぱい貰ってるから
ヘンリーさんに上げてもいいんじゃないかと
自分は思いますけど、まぁ「カールじいさん」
なんだろうな。

ヘンリーさんのこの映画の前の仕事は
ウェス・アンダーソン監督のダラダラ海洋映画
「ライフ・アクアティック」(好き)
のアニメパート。
そのウェス監督の次回作は全編ストップモーション
アニメなんだって。影響受けたのかな。
「Fantastic Mr.Fox」
評判いいみたいだし楽しみだなー。
こちらも同じ賞にノミネートされてます。

kazuponの感想ー★★★★

インビクタス/負けざる者たち

2010年02月09日(火) 3時28分


イーストウッド監督の最近の作品の感想にはいつも書いて
しまってますけど、ほんとイーストウッド爺すごすぎ。
あの歳になって精力的に新作を出し続けて1本もハズレないですもん。
本作は最近の作品の特徴だった、身近にある暴力や心の闇や孤独って
いうどろどろダークな要素がほとんど登場しないこともあり、ここ
数年の彼のフィルモグラフィの中では異色だと言えるストレートな
感動作。
同時に彼の映画って多くを語らず・・という特徴もある気がしてて、
作品の印象と同じように、多くを語らないストーリーを追ってるうち
にいろんなものがなんとなくイーストウッド爺から教えられてる
気になってきます。
ネルソン・マンデラの人となりを象徴するラグビーのワールドカップ
のエピソードを題材にしていながらも、イーストウッドが描くものは
これまでと一貫してるような気がする。
漠然とですけど「人としての正しきあり方」みたいなそんなもの。
先生ついていきます!

94年に南アフリカ初の黒人大統領となったネルソン・マンデラ
(モーガン・フリーマン)。
新政権において今までの職員は立場的に職を失うのではと心配してい
たが、マンデラは両者の和解、協力こそが祖国の未来への道だと考え
ていた。
南アフリカで初開催されるラグビーW杯を絶好のチャンスと捉えた
マンデラは長らく国際試合から閉め出され弱小化していた代表チーム
のキャプテン、フランソワ(マット・デイモン)を招き、W杯の
優勝を訴える。

映画はメインにアパルトヘイトの事がどうこうって主軸にせず、
淡々と当時起こっていた事象をそのまんま見せている作品。
映画で登場するそのほとんどが事実なのだとか。
あの飛行機接近ぐわーんとかも。日本なら考えられないですが、
あそこ急にパニック映画みたいになってびびってしまった。

映画はマンデラの視点も描かれてるんですけど、どちらかと
いうとキャプテンのフランソワの視点がメイン。
多分彼の家はガチガチのアパルトヘイト時代の差別意識をまだ
引きずった白人家族。黒人の家政婦もいる。
そんな彼がマンデラに接し、直接的ではないにしろ
「正しきあり方」について考え始めます。自分のラグビーという
世界を通して。

その橋渡しとなる、映画のテーマになっているあの詩
の事は鑑賞前に知ってしまったんですけど、イーストウッドの
ここの見せ方は上手かったと思いました。
事前に観客に興味を持たせておきながら、その詩は実際に
フランソワたち選手団がロベン島の監獄を訪れ、独房を目に
するあたりにさりげなくかぶせられます。
映画に登場する独房は実際のものらしいですねー。
マンデラが労働させられてるイメージも挿入されます
けど、当時のあの強制労働って全く意味が無いもの
(ただ岩を削るだけで
何かに使うものではない)だとか。なんとも。
あの詩は病床の詩人が入院中に書いたものとかで、
さらにそこを深く受け取って自分の糧として支えにするって
のがいいなと思いました。

恥ずかしながら今までラグビー全然興味無くて、
ルールとかもあんまり良く判ってないんですけど、
試合のシーンは、フツーの監督だったら
もっと感動的にいくらでも出来る演出の見せどころ場面。
でもイーストウッドは拍子抜けするくらい淡々と描いて
いきます。
あのテレビで見てる人たちとかの描き方も
妙に地味なんですよね。
こういう題材のこんな演出は逆に初めてかも。

でもさりげなく入れられたタクシー運ちゃんと
黒人少年の描写が本編に関係ないのに
ずしっと心に残ったりします。

あのスラム地区のあばら家がズラっと並ぶ感じは最近
「第9地区」で観たばっかりでしたが、
なるほど、あの映画のエイリアンは完全にアパルトヘイトで地区に
隔離された黒人に当てはまるんだなー。
そういえばこの映画アカデミー賞ノミネートされてないのが
めちゃくちゃ不思議です。10本もあるのに・・・。
ノミネートするととっちゃうからかな。なんて。

「父親たちの星条旗」「硫黄島の手紙」で史上初とも
言うべき、完全に戦う双方の視点からの映画を作った
イーストウッド。
「グラントリノ」ではそれこそガチガチな保守アメリカ
人だった爺さんがアジア人の子にグラントリノを託す。
イーストウッドって本作もしかりですけど、
最近は白人たちの未来を憂いているんじゃないかと
思うフシもありますよね。
そういう意味では超保守的な感じのアカデミー会員ウケしない
題材ではありますこれは。
まっイーストウッドは賞なんてどーでもいいんでしょう。
とれようがとれまいが
魂は自分で導いているものですから。

さてさてそんな事実が多い映画なら、実際はどうだったんだろう?
ってのに興味あってyoutubeとか探したらやっぱりありましたね。
youtubeに当時の映像が。
マンデラはフリーマンよりも人のいいおっちゃんってイメージ
です。優勝後はめっちゃ嬉しそう。

1995 Rugby World Cup Final post game and trophy presentation Part 1(youtube)







kazuponの感想ー★★★★

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ラブリーボーン

2010年02月01日(月) 0時39分


ピーター・ジャクソン(以下PJ)
の映画にあんまりハズレ無い
と思ってるほうなんです・・・。
えっ「キングコング」は?勿論あれもOK!
ひとつ前の記事のプロデュース作「第9地区」も傑作
だったし。
ってことで日本で予告がかかるまで製作している
事すら知らなかった久々の監督作。
内容から「ロード・オブ・ザ・リング」以前の
「乙女の祈り」みたいな傑作をかましてくるんじゃないか
と期待しておりました。
ところがあちらの評判はかなり酷評が多いとの
こと。そんな前情報いらん。

・・・って事でいつもの事ながら
原作を知らぬまま観てきましたが、
映画に描かれる事件の顛末のスッキリしなさ具合
は確かにアメリカではウケないんだろうなー。
でもそこをああ描くってのが原作を映画にした
PJの本意だと思うし、アメリカ人で
はないPJだからこそ、こういう映画に出来るのかな・・
なんて思ったり。
そういう部分も含めて面白い作品でした
自分には。

※今回、いつも以上にかなりネタバレ感想
なのでご注意ください。

ごくありふれた幸福な家庭を持つ、ジャック・
サーモン(マーク・ウォルバーグ)の3人の
子供の1人、スージー(シアーシャ・ローナン)
はある日、学校から帰ってこなかった。
彼女は帰宅途中に近隣に住むハーヴェイ
(スタンリー・トゥッチ)に地面の下に
作った部屋で殺されていたのだ。
ジャックは犯人探しに懸命になる。

文字通りこの映画のキャッチコピーにしても
いいような2作、「さまよえる魂たち」(96)、
は成仏できない幽霊が見える人の映画だったし、
「乙女の祈り」(94・原題は"heavenly Creatures")
は実際に起こった少女が犯人の事件を、彼女たちの
視点から描いた作品。
そんなのをフィルモグラフィーに持つ
PJにはさもありなんな題材。

個人的にはファッションを含め70年代を感じ
させる現実世界は良かったんですけど、
あの世?シーンはなんとなくPJに
してはありきたりなビジュアルと演出だなーと
思ってしまった。
おいおい誰ですか丹波哲郎の「大●界」
みたいだって言うひとは・・でもそんな感じ
なのかな?観てないけど。

多くのこういう題材の作品と違って、
最初から犯人が誰なのかが明確に出てくるんで、
犯人探しの作品ではありません。
彼女が殺された(処理された?)と思わせる
浴室のイメージシーンがショッキング。
彼女が死を認識してからは
天国でもない中途半端?な
場所からスージーの目を通して家族や
憎い犯人の世界を見守っていくことになります。

ところがサスペンスにならないハズなのに
スージーのいる世界のシーンの印象よりも
ネガティブな部分、特に犯人の保身描写の
方の印象が際立ってしまって、
なんでこの男ボロ出さないの?犯人って気
づかないの?ってスージーと同じように観客
はイライラさせられてしまいます。

釈然としない部分も多くて
あの母親の心情がいまひとつ判らんとか、
スーザン・サランドンのおばあさんは結局
何を言いたいためのキャラなのか?とか
あの手帳発見後すぐになぜつかまらない?とか
結局あの霊媒師みたいな女の子は何もしない
やんとか・・・。
特に彼女のボーンに関するあの結末と
犯人の顛末は、ハリウッドの
初号試写とかの反応でよく耳にする
「作り変え」にならなかったもんだと思え
るくらいスッキリしないんですよね。

でもそういう釈然としない部分を受け入れられる
かどうかが、映画のテーマにもなっている
ような気がしました。
被害者やその家族にとって犯人が死ぬとか
逮捕されるとか、ひたすら憎しむ事だけが
果たして救いの道なのか・・・。
映画は爽やかに終わっていくんですけど、
実際観た人の多くは爽やかさより、やはり
モヤモした気分のまま終わってしまう作品に
なったのが逆にこの映画のユニークな
ところだと思ってしまった。

スージーを演じたシアーシャ・ローナンが
魅力的でなければ全然ダメだった映画ですけど、
華奢でかわいらしい感じの彼女、
本作でファンが急増しそうですよね。

PJ、現在「ロード・オブ・ザ・リング」
の前日噺「ホビットの冒険」3部作を製作中。
監督はギレルモ・デル・トロ!
なんでまた傑作を作ってくれる事でしょう。

(注・超ネタバレ追記)

原作では死体は殺された後とっくに捨てられ、
家族が彼女の死を知るのは映画よりもずっと早いそう
ですね。
で、ハーヴェイの最後はアメリカのテスト試写ではもっと
ボンヤリしてたらしく、もっと厳しくしないと納得できない!!
って意見が多くて差し替えられたものらしいです。
あれでも・・・・ってことはもっと
モヤモヤする終わり方だったみたい!
ハリウッド作では勧善懲悪にどうしても作ってしまうから
現実の殺人事件の多くは実際もやもやしてて、
その事から逃れられず家族を苦しめ続けますもんね。
PJはそっちをやりたかったんだろなーと想像してます。

kazuponの感想ー★★★1/2

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映画の感想を中心に大好きな音楽の事や、どうでもいい話もテキトーに綴っております。
感想はネタバレ確実にしてますのでご注意を!
たまにdrummerもやってます。
コメント&TB大歓迎ですが、
最近忙しくTBはマトモにお返し出来ず申し訳ありません。

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