第81回アカデミー賞

2009年02月24日(火) 21時18分


以前は深夜に民放で観れた授賞式ですが、ここ何年かは
リアルタイムはWOWOWで放映されてます。
この為にWOWOW加入してるといっても過言ではない
んですが、いやいや、今年の授賞式はなんか良かった。
作品賞ノミニーは「ベンジャミンバトン」しか見てないので
予想もせず・・下馬評通り「スラムドッグ」が強かったですね。

「おくりびと」「つみきのいえ」のダブル日本受賞
おめでとうございます。素直に日本人として嬉しい
ですが、テレビで良く見る人が壇上にいると
オスカー中継なのにテレビがいつのもお茶の間の
テレビの映像みたいにすぐなるもんだなぁと。

それにしても今年、はヒュー!
ヒュー・ジャックマンの司会良かったわー。
トニー賞受賞のミュージカルがバリバリ出来る俳優だってのは
知ってたものの、実際こうやって歌って踊るパフォーマンス
を見たのは初めて。めちゃめちゃ達者ですやん。
昔ビリー・クリスタルがオープニングナンバーで
受賞作をパロディしてたのに近いノリですが、
ビリーより数段、厭味無くサラってやってるのが
カッコ良かった。
前の席にいるアン・ハサウェイをひょいっと持ち上げて
・・・上がったアンも歌いだすじゃありませんかって
もちろん仕込みなんですけど彼女も歌うまいんですね。
ここで大盛り上がり。

後半にもミュージカルコーナーが設けられてて、ビヨンセ・・
最近のオスカーでは歌う女性シンガーはビヨンセ率高しで
ちょっと飽きました・・と何故か「グリース」の懐かしい
ナンバーとか「ヘアスプレー」の曲とか断片で歌ってるのも
良かったな。ほとんど写ってなくて残念でしたが、
よく見ると「ハイスクール・ミュージカル」
のザックとヴァネッサの二人とマンマ・ミーアの
若手二人も左右で持ち歌を歌ってる趣向。

受賞者のスピーチは監督賞のダニー・ボイルのが
ムンバイの人たちへの想いが端的に表現されて
一番ぐっと来たんですけど、冒頭今回の授賞式の演出は
素晴らしいと言ってましたね。

大きく今までと違うのは助演・主演の各賞5人の候補ををそれぞれの
過去の受賞者が紹介する趣向に変わった部分。
名だたる名優がその候補の演技を受賞しなくても称える
わけですから、これはとれない人可哀想→から
随分受ける印象が良くなってると思った。
デニーロ久しぶり?
ソフィア・ローレンの貫禄がギャグみたいで
面白かったし、ゴールディ・ホーンっていくつなん
スかあの人?ずっと見た目が変わらない気がするから
化け物ではないのか。

プレゼンターが今年は豪華なのか地味なのか良く
判りませんでしたが、ジャックブラックがアニメ
賞紹介の時に、「アニメの声の出演の方がギャラが
高い、ドリームワークスのアニメに1本出演して
そのギャラをピクサーの受賞に全額賭ける!」
ってたのに笑った。
あと撮影賞のプレゼンターで出てきた
ベン・スティラーがひげモジャでずっとボーって
してて、なぜそんな風体なのか最後までオチが無かったのが
妙に可笑しかった。

作曲賞を受賞したのはR・A・ラフマーン。おぉ!そうなのか!
この授賞式見るまでスラムドッグの音楽がラフマーンなの
知らなかったよ。
彼のボリウッド・ミュージックはかなり好きなもんで・・
ちなみに「ムトゥ踊るマハラジャ」もラフマーン。
ミュージカル「Bombay Dreams」観て以来も
結構ハマって聴いてますが、
スピーチの後の歌曲賞候補で
まさかの生パフォーマンス2曲はちょっと
自分にはサプライズでした。特に受賞した2曲目が
カッコよかったな。じゃいほぉー♪ってやつ。
そしたら歌曲賞も受賞。ラフマーンいいですよ。

そしてこれだけは鉄板だと思ってたヒース・レジャーの
受賞で家族が登場されたのももしみじみした場面になってましたね。

またNHKBSでも放映されるようですが、
毎年かなりカットされてしまうんだけど
今回はおくりびと効果もあるから注目度も高いし、全編放映
されたらいいですね。

アカデミー賞 オフィシャルサイト

http://oscar.com/

チェンジリング

2009年02月22日(日) 9時27分


本作に登場するゴードン・ノースコットの
事件にまつわる記事をちょっと読んでしまい、
あまりの陰惨さ故、気分的に観るのを
ためらってましたが、観てみると事件の一番キツイ
部分をメインに描いている訳では無かったんですね。
息子が行方不明になり捜査を頼んでも、ろくに対処しなくて
追求されるとやたら保身のために事実を捻じ曲げようとする
警察のヒドさがメイン。その顛末は誰もが怒りを覚えます。

丁寧に描かれた良質な作品だけど、
今回は珍しくアカデミー作品賞はノミネート
されてないのね・・と思ったら次作「グラントリノ」
の方が出来がいいというウワサです。
クリント・イーストウッドはもう80歳に
差しかかろうとしているのに、監督作のクオリティは
他の追随を許さないと思えるくらい高くて、ほんと
スゴイ人だなぁと本作を観て改めて思いました。
どうなってるんすかね、このじいさんは。
ひょっとしたら監督は影武者がいるんでないの
と疑ってしまうくらい未だ監督として円熟されている
んじゃないでしょうか。

1928年のLA。電話会社に勤めるクリスティン・コリンズ
(アンジェリーナ・ジョリー)の一人息子ウォルターが、彼女の
出勤中に行方不明になってしまう。
警察に捜査願いを出すと「ほぼ朝には戻ってくるから24時間
捜査しない方針」と言われ、朝まで待ったが息子は
帰ってこない。 2週間後、ウォルターが見つかったという
知らせが入った。駅で出迎えると列車から降りてきたのは
全くの別人だった。

イーストウッドの映画は過剰な演出があんまり無いのが
いいですね。かといって退屈な映画にはいつもなってない。
2時間半くらいある作品なんですけど、淡々としてる
演出が続くのに時間を感じさせなかったのはさすが。

今はどうなのか判りませんが、身内が誘拐されても
警察があんなでは誰も守ってくれない・・いや助けて
くれないと。それ以上にいらん事を言わないように
精神病院に入れられたりとかほんとありえないな
ーと思います。
ホラー映画と違う精神的な怖さがじわじわ
湧き出てくる映画。
考えたら亡国が、のらりくらりとかわしてきている
拉致問題の不条理さもこれに近いモノだなぁと
当てはめて思ってしまったり。

延々と思うようにいかないどころか、
酷い目にアンジーが遭ってしまう展開だし、
事件の陰惨さも含め救いようの無い題材
が続く作品だから確かに重い映画。

そんな中でも、ニュースだけで彼女が
どんな目に遭ってるか理解出来る
マルコヴィッチ演じる牧師とか、
気付いてちゃんと捜査しようとする刑事とか、
希望というものは映画に存在します。
ラスト近く、アカデミー賞の夜のオフィスの
なんでもないやりとりの場面がものすごく
深いなぁとしみじみ。
そう、本作で描きたかったのは「希望」なんだと
思いました。

俳優陣ではアンジーすごく良かったけど、
犯人やったジェイソン・バトラー・ハーナー
と特にあの甥サンフォードをやった子役の
子がなかなかに素晴らしい演技。

ところが・・

(まだご覧になってない方はこの先読まないほうがいいです)

記事で読んだんで、断片しか知らないんですが、
実際あのゴードン・ノースコットの事件はもっと
酷くて、勿論映画には登場しないけど、少年たちに
性的な暴行をするのが一番の目的だったわけで。
(そこは全く映画では描かれていません・・あたり前か)
映画はゴードンが甥サンフォードに共犯を強要した
事になってましたけど、母親もあの家には住んでて
息子に脅されながら子供殺しに加担してたみたい。
映画は大きくそこは外して描いていました。
ウォルターの件は、映画では事実・・・記録にどれく
らい信憑性があるのかどうかはあの時代なんで
不明ですが・・・とは若干違うようです。
あとサンフォードは実は最後あたりに登場する
姉と実の父親の間に出来た子!!つまりサンフォードは
弟だった。なんて記述もあるそうで、恐ろしくヒドい事件。

もちろん今の警察はマトモにやられてるのが
ほとんどだと思うんですけど、今イーストウッドが
この題材を何故選んだかってのは興味深いです。

ラストシーンの20年代の風景、合成な
んだろうけど、当時の車が遠くまで延々走っててどうやって
撮影してるんだろう?って思いました。

kazuponの感想ー★★★★


official site

http://www.changelingmovie.net/

日本公式

http://changeling.jp/

少年メリケンサック

2009年02月14日(土) 20時20分


宮藤官九郎の初監督作「真夜中の弥次さん喜多さん」は
妙にツボにはまって、今でも大好きな映画なんですが意外や
劇場映画の監督は本作で2本目。
グループ魂でバンドも本格的にこなすクドカンが今回描くのは
中年パンクバンド!!
単純にオモロかったです。

ヴォーカルが田口トモロヲ(彼の若いときは銀杏BOYS
の峯田和伸!が演じる)にベースが佐藤浩市ににキム兄がギター。
ドラムがグループ魂のドラム&俳優の三宅弘樹の
バンドに篤姫・宮崎あおいがマネージャーの設定って
メジャーなのかマイナーなのか微妙な面白キャスティング。
どんなんだろう・・と楽しみにしてました。
「弥次さん喜多さん」も破綻したロードムービーでしたが、
本作もロードムービーでした。そうそうバンドは旅をしながら
ライブをやっていくからロードムービーにするのが王道なのかも。
かつて自分を大きくをときめかせた「ブルース・ブラザース」
がそうであったように。

音楽事務所の契約社員、栗田かんな(宮崎あおい)は
youtubeで「少年メリケンサック」なるパンクバンド
の映像を見つけて社長(ユースケ・サンタマリア)に
スカウトを命じられる。
探し出したバンドのベース、アキオ(佐藤浩市)は
映像とは全く別人の飲んだくれの中年だった。
かんなが見た映像は80年はじめのもの。先走った
社長が全国ツアーを先に決めてしまってたので、
もはや音楽とは遠ざかってるオリジナルメンバーを
集めるがバンドの音はグダグダ・・。

劇中宮崎あおいが「パンクなんてわかんないっス」
って言ってましたけど、自分もパンクって良く
判ってないほうです。パンク的なものは回りに
ころがってるんですけど・・飲み屋でぶっ倒れてる
バンド人間ははいっぱいいますし、自分とて人のこと
いってられませんし。

自分は再結成ライブはなんとなくあんまり好きじゃなくて
パンクじゃないけどストーンズや清志郎やヒロト
はずっと現役でだからやはりスゴイと思う。

鳴り物入りでセックスピストルズが再結成ライブを
武道館でやったときに、生中継をぼんやりテレビで
観てましたが前座のハイロウズがえらくカッコよくて
メインのピストルズがあまりにもグダグダ
だったのを覚えてますが、この映画の名古屋の
ライブシーンなんかまさにあんな感覚だと思いました。


でもこの映画のメリケンサックは実はお金のためでは
なくまたバンド始めてます。ここがグっとくるところ。
「今夜ライブやらなきゃどうにかなっちゃうんだよ」
「子供の頃大人に笑われて今はガキに笑われて、今さら
カッコつけてどうすんだ?」ってセリフとかはいいなーと
思いましたです。

ベースの佐藤浩市が「最近のバンドはどれも
ヌルいから俺たちに食いついてきたんじゃねーのか」
という場面とか、タイバンのギターポップ(ギター
は星野源がそれっぽくやってて笑った)のステージ
でメンチきって、ぐちゃぐちゃにする場面とかああいうのは
なんかスッキリする場面だった。
でも今のバンドは実際はカッコイイいいバンド多いです。
クドカンも百も承知でこういうシーンを作っていると思うなぁ。

話は単純で、かなり笑える映画だったけど
ちょっと残念だったのが
ライブシーンが意外に少なかった事とメリケンサック
グダグダだったのに3つ目のライブではもう上手く
なってしまってたこと。
演奏曲もほぼ1曲だけだったし。
バンド映画はライブシーンで最大の盛り上がりを
見せて欲しいですけど、その沸点を丁寧にどんどん
上げていってほしかったなぁ。

いや、多分メリケンサックのライブもっと観たかったんですよ。
曲ももっと聞きたかったし。
お客さんエンドロールでほとんど帰らなかったのは
皆もそういうの期待してたのかも。余韻に浸って
「守ってあげたい」を聴いていたかったのとは
違うような気がする。

役者陣はあおいちゃんは、交渉に行って佐藤浩市の
焼酎飲んだり、ライブから逃げ出して一人で居酒屋で
飲んだくれてたり、個人的に好感の持てるキャラでした。
篤姫と同時進行の撮影だったらしい。この触れ幅の
大きさはすごいよ。
佐藤浩市はなんでも上手ですけど、
これも意外やもんのすごいハマリ役でした。
三宅弘樹は最初、微妙にヘタクソなドラムをちゃんと
叩いててさすが!ドラムかなり上手い人です。

最近のクドカン作品ではおなじみの勝地涼と
田辺誠一がオイシイ役やってて、メリケンサックの
楽曲よりこの二人の持ち歌が場内でも一番
ウケてた気がします。
特に田辺誠一のテルヤ様は一番自分は笑ったなぁ。

ライブハウスの楽屋裏のあのチラシがベタベタはってあって
落書きいっぱいあってタバコ臭そうなきったない感じとか、
リハの時に「ギターさんおねがいしまーす」な感じとか、
ああいうのってあんまり映画に登場しないので
(ウソくさいのはあるけど)そこだけでも楽しかったし、
バンドやってる人はステージ上が輝いていればそれで
いい、そんなのがちゃんと描かれてるのが嬉しい映画
でした。

映画終わった後、後ろの席の夫婦が一言
「有頂天ホテル」に近い映画やったな。」「そやな」
・・・
全然違うやろっ!

kazuponの感想ー★★★★


official site

http://www.meriken-movie.jp/

ハイスクール・ミュージカル・ザ・ムービー

2009年02月11日(水) 1時39分


元はディズニー・チャンネル放映のテレビムービーだった
「1」「2」の大人気を受けて製作された映画版。
こういうノーテンキなのたまに観たくなりません?
前に機内で観たバンドもの「キャンプロック」も
そうだけど、ティーンをターゲットにしたディズニー
音楽映画ってなかなかにクオリティ高いんですよね。
テレビで観た「1」もかなり気に入ったので「2」
も観てそのノリで映画も観てきました。
いやもう母親連れの小中学生多くてびっくり(笑)

ウエスト高校のバスケ部の花形選手トロイ
(ザック・エフロン)とクラス1の秀才ガブリエラ
(ヴァネッサ・バジェンズ)のカップルは卒業を
控えていた。
ガブリエラはスタンフォード大の奨学生となるのが
決まっており、トロイは複数の大学からオファーが。
父親の意向通り、父の地元母校に行くとガブリララ
とは遠く離れてしまう。
そんな頃、卒業生によるミュージカルのキャスティング
が始まった。

このシリーズ3本観てきて、個人的に一番面白かったのは正直
最初の「1」だった気がします。
中でも冒頭、大晦日のそこにいた二人にカラオケを歌わされ
る出会いの場面"Something New"のシーンが別格にいい。
「いやいや、ムリだよ」と引っぱり出された二人は
そんなバカな?っていうくらい歌上手くて美男・美女。
この時のバネッサ・ベジェンズがめちゃカワイイ。
年明けて高校行くとガブリエラは自分のクラスに来た転校生。

フツーアメリカの高校がそうなのかは知らないんですけど、
高校では生徒によるミュージカルを本格的にやったりする
のかな?体育会系バスケの花形のトロイと勉強NO1の
彼女が、最後には舞台で歌う歓びを知ってしまうという
王道な展開なんですけど、こういう流れは「2」にも「3」にも
継承されていながら、「1」でカップルになった
二人がゴルフ場でバイトする「2」はなんだかデレデレ・
ラブラブシーンばっかりになってしまって「3」にも
ややその傾向があって、向こうのティーンはやっぱりそういう
場面が観たいんでしょうねー。

しかし、高校生活を描いた映画って割合的に言っても、日本も
そうだけどダメな奴を主人公にしたのが多いじゃないですか。
いじめられっ子が最後には何かで成功するとか、すごく
カワイイ子に好かれてしまうとか。
この映画は高校に大きくポスターが貼ってある一番人気な
彼と美人で歌上手くて頭いい彼女。もうネガティブ要素
一切ナシの二人なんですよね。
輪にあぶれたオタク系の人なんて一人も登場しないのもすごい。
ゴスっ子はこういう人たちを影で「チっ」とか思ってるのは
オタク系監督のアメリカ映画で随分観てきました。

なんかに似てるなーと思ったら、そうそうインドの
ボリウッドミュージカル映画にノリ的には近いと思います。
彼と彼女を思って♪はんはんはーんって窓辺とかで
歌う場面とか多いし。

主演の二人以外で圧倒的に輝くのはシリーズではヒール役の
シャーベイを演じるアシュレイ・ティスディル。
多分パリス・ヒルトンをモデルにしてるんだと思いますが、
「1」から「3」にかけて彼女がいるから成り立っている
シリーズでもある思います。

楽曲的には王道ポップス路線、トロイの方はバックストリート
ボーイズみたいな楽曲が多いからさほど好みではないんですが、
監督と振り付けを両方こなすケニー・オルテガみたいな
人はほんとに商業監督としてイイ仕事してる人なんだと思う。

まー楽しい映画ではあります。
さっき観た「少年メリケンサック」と正反対で(笑)
あまりに真っ当な青春、
幸せそうな世界が広がってますので、今落ち込んでる
人とかが観たらさらに落ち込んじゃうような映画かも。


kazuponの感想ー★★★1/2


official site

http://tv.disney.go.com/disneychannel/originalmovies/highschoolmusical/index.html

日本公式

http://www.disneychannel.jp/program/dcom/hsm/

ベンジャミン・バトン 数奇な人生

2009年02月08日(日) 1時39分


さほど期待してなかったんですが、かなり良かった。
3時間近い上映時間にもかかわらず、
ダレずに観る事が出来る完成度の高い濃密な映画でした。
生まれた時は見た目老人で、どんどん若くなっていく男の物語。
ブラピがどんどんカッコよくなっていきます。
悲劇といえば悲劇な物語の反面で、どんな状況にあっても
人と出会い、生きるのは素晴らしい・・・、
そういう自分好みのワンダフル・ライフな要素が
一杯詰まった作品。

ニューオリンズのボタン工場の経営者は、
妻は初めての子供を産み落として亡くなった直後、
我が子に皺だらけの醜い姿に動転して
老人福祉施設の前に捨ててしまう。
施設の黒人女性クイニー(タラジ・P・ヘンソン)に
拾われ、ベンジャミン(ブラッド・ピット)と名付けられ
施設で育てられる。
見た目は周りの老人たちとほぼ同じであったが、
時を経ていくうち自分の体がどんどん
若くなっていく事に気付きはじめる。

そういえば手塚先生の「火の鳥」にこんな話あったなぁとか、
この手のアイディアの作品はこれまで色々あったと思います。
映画では若い頃から一人の役者がどんどん
特殊メイクで老いていくケースはかなりあるんだけど、
逆は記憶にあまり無いからまずそこが面白かった。

最初はっきり言ってきもちわるめのブラピがどんどん
若くなっていく・・そのビジュアル的変化の爽快感・・
不思議なんですけど、やはり人がどんどん美しくなっていく
それも極端に・・を見るのは爽快なもんです。
反面、彼の人生はどんどん辛くなっていってしまうというのが
皮肉で悲しい。
またまた今回も素晴らしい&美しいケイト・ブランシェット
演じるデイジーが老いていくのとベンジャミンの
若返りが交錯して、人生のある時点
(多分ケイトが事故の後、同居を始めた頃)
でようやく同じ年代としての見た目になったときに
二人で覚えておきたいと鏡を見るシーンが印象的でした。

デビッド・フィンチャーは今ひとつ話題にならず終わった
前作「ゾディアック」の骨太な作りでどことなく作風が一皮向けた
印象を受けてたんですが、長い尺の中の細部にこだわって、
どこもムダが無いように作りこまれているのはすごい。

フィンチャーってこれまで人を皮肉的に観て作った映画が
多い印象だったんですけど、
本作はその逆で、人生における出会いと
チャレンジすることを事を肯定した映画でもあると
思いました。
ちょっと変わった男の一代記と一人の女性を終始
好きでい続けるという意味では
「フォレスト・ガンプ」を思い出したんですけど、
同じ脚本家なんですね。納得。

ためらいなくベンジャミンを引き取るクイニーの存在とか、
初めて街へ連れ出してくれる男性、飲んだくれの船長、
ソ連の宿で一瞬の恋を感じさせてくれる婦人
(テルダ・スウィントンが素晴らしい)など、
それぞれのエピソードはどれも素敵。
彼を捨てた父親にも突き放した目を向けてません。

そんなベンジャミンとデイジーの人生の
断片を交互に見せていく中盤あたりはとても楽しい。
ちょろっと戦争の影を見せる海上戦の場面は、地味な
展開なのにえっ?って思うくらいど迫力な映像を
入れ込んでて、フィンチャーさすが手を抜きません。

それにしても、これどこまでがCGでどこが特殊メイクで
っていうのが判らないくらいリアルだったので、観ていて
逆にそのこの映画で一番見た目のハッタリである部分が
気にならないのがすごいと思いました。
凡庸な監督ならこんな映画にはゼッタイにならない。

アカデミー賞はブラピとクイニーをやった彼女も
助演でノミニーなんですね。納得。
ケイトも今回も良かったけどな。もう貰いすぎだから
いいのかもしれませんが。
お気に入りの「ヘルボーイ・ゴールデンアーミー」
もノミネートされている特殊メイク賞は
間違いなく本作が取るような気がします。
いやこれCGメイクもかなりありだそうなんで、
どうなんでしょう?もはやメイクとVFXが
紙一重になってるんですね。

悲しい話でもあるんで、人によっては取り方イロイロだと
思うんですけど、自分は、あー明日からまたがんばろう!と
そんな元気を貰える映画だったのは嬉しい誤算でした。

kazuponの感想ー★★★★

official site

http://www.benjaminbutton.com/

日本公式

http://wwws.warnerbros.co.jp/benjaminbutton/
2009年02月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
profile
kazupon
映画の感想を中心に大好きな音楽の事や、どうでもいい話もテキトーに綴っております。
感想はネタバレ確実にしてますのでご注意を!
たまにdrummerもやってます。
コメント&TB大歓迎ですが、
最近忙しくTBはマトモにお返し出来ず申し訳ありません。

https://yaplog.jp/kazupon/index1_0.rdf
Yapme!一覧
読者になる