ヨーロッパ企画「火星の倉庫」@京都

2007年11月26日(月) 0時13分


ヨーロッパ企画第25回公演
「火星の倉庫」

京都公演
京都府立文化芸術会館

作・演出 / 上田誠

出演 /
石田剛太、諏訪雅、酒井善史、角田貴志
永野宗典、土佐和成、中川晴樹、西村直子
本多力、松田暢子、山脇唯

観劇月間となってしまった11月の最後は
ヨーロッパ企画の新作公演で彼らの地元・京都の楽日。
笑いメインなんですけど、セットの工夫に感心したり、
それあるある!って思ったり、ホロっとなったり
そして驚かされたり、とにかく賑やかで楽しかった.

今年「衛星都市のサウダージ」をフラって観にいって
面白くてめちゃ気に入ってしまったんですが、
その後タイトルに惹かれてDVDで観た
「Windows5000」の面白さにはさらにびっくり。
ボロアパートを断面で切って、まるで蟻の巣観察の
ように観客は住人をウォッチする。
ダメな住人を観察している役人がコメントしていくという
手法も新鮮。
妙にタテに長い部屋があったり、厨房が共用になってて
住人の微妙な距離感があったりもう面白くて。
このDVD気に入って多分5回くらい
観たと思います(笑)映画のDVDなんて買ったら安心して
ほとんど観なくなる自分はコレは珍しいこと。

おまけのメイキングを見てみると、
舞台の仕込みから、裏方、買出しまで
ほとんど役者と数人のスタッフが兼務してやってるの
は感動すら覚えました。
地方公演では
大部屋に一緒に泊まって、夜は銭湯へみんなで行く。
まったく「サマータイムマシン・ブルース」の世界
を現役で続けられている感じで楽しそうで羨ましい。^^
でも小劇団ってほとんどこうなんでしょうね。
元々同志社大学の演劇サークルからスタートし、
大学のサークルのボックスみたいに
主宰の上田誠さんの実家のラスク工場の二階が稽古場
兼事務所兼あそび場になっているそうで、
この仲の良さ、結束力の高さが作品にいい
影響が出ているんだろうなって思います。

前回の公演よりかなり大きめの劇場だったんですが、
セットを観て大きめの会場が必要なのだと納得。
タイトルはSFっぽい感じなんですけど、
「倉庫」=港ということで、港に大きなコンテナが積み上げ
られていて、青、赤、黄色などの色彩が
ポップで何かありげな期待感を煽ってくれます。

港町にヤクザ二人(中川晴樹、土佐和成)を裏切ったため
コンクリに固められ海に落とされようとしてるチンピラ
(永井宗典)。
その港は輸入フルーツが多く届く保管倉庫で労働者
酒場の女(山脇唯)の妹(松田暢子)に一目惚れした
労働者(本多力)に頼まれて小芝居をしようとする
同僚たち(石田剛太、諏訪雅)だったが・・。

ストーリーのサワリ以降に
かかわる部分はネタバレなしで・・・。
というのも、これどういう展開になるか知ってしまうと
面白さ半減するような要素もあるので・・

前半は港町=ヤクザが裏切りものをコンクリで沈めるって
ありそうで実際あるのか!?って定番シチュエーション
と高校生告白コントみたいなのを上手くミックスさせてる
脚本がさすがです。
労働者の諏訪・石田・本多によるボケ3人漫才
みたいな会話のテンポが小気味良い。
男は女子の前でとりあえずギター弾くってのが
チェーンしていくのも笑えた。
このまま港町コントみたいな感じ?って思ってると
後半はそれらを一瞬でぶち壊す仕掛けも面白い。

高い所に上がるのに木箱を自分で積み上げて
上がっていったり、それが災いして降りられなくなったり
コンテナの中に隠れたり・・。
まさにセットありきという舞台で、登場人物たちが
物語の中でセットの箱をパズルみたいにをどんどん組み替えていくのは
自分たちでいつもセット組んでるからこそ出来るんじゃないかと。
お芝居の中で作業を見せる面白さもあります。

そうそう勿論世代は違いますけど、ヨーロッパ企画の
お芝居って昔のドリフの「全員集合」の最初のコントに
いい意味で近いノリがあるなぁと思うんですよね。
「Windows5000」みたいに、アパートを断面で見せたり、
「サマータイムマシン・ブルース」のように
見るものをケムに巻く忍者屋敷みたいな仕組みとか。
凝ったセットの仕掛けの面白さもお芝居の重要な
要素のひとつ。
常に新しい事をやろうとしてるのもいいですよね。

箱のセットに囲まれて崩れて
怪我とかしないのかなと観ていて心配になる
くらい危険度高そうな感じだったな。
この日も木箱のフタが永野さんの顔面
スレスレで落下したりとかヤバそうなハプニング
がありました。
地元京都ということもあって、本多さん
頻繁に高い所から飛び降りる度に拍手起こったり
逆に盛り上がってましたけど(笑)

終演後のアフタートークでは、上田さんが公演用に
とりあえずタイトルを決めてしまって、中身を考えるって
言われてましたね。よくここまで膨らむよなぁと。
前の「サウダージ」も「Windows5000」もそうだけど、
地球にもう人が住めなくなるかも・・って
もんのすごく明るいお芝居なのに終末感の
ある話になるのは興味深いです。

終演後はメイン出演者がロビーに出て前作のDVDを
声がけして売られてました。お芝居のDVDって大抵は高いけど
ヨーロッパ企画はどれも2,500円!ってい良心設定なのがうれしい。
前回の「バック・トゥ2000」の3本セットを買いました。
この後は福岡、東京、大阪と公演とのこと。
チケットもまだ残っているそうですから、
オススメ!

11月30日(金)〜12月1日(土)
福岡・イズムホール

12月4日(火)〜9日(日)
東京・シアターサンモール

2007年12月20日(木)〜23日(日)
大阪・ワッハホール

ヨーロッパ企画 official site

http://www.europe-kikaku.com/

表現さわやか「ポエム」@HEP HALL

2007年11月25日(日) 0時04分


猫のホテルプレゼンツ
表現・さわやか第4回公演
「ポエム」

作・演出 / 池田鉄洋

出演 /

佐藤真弓、いけだしん、村上航
柳沢なな、佐藤貴史、岩本靖輝
池田鉄洋

今年観に行ったOSPF(「大阪ショートプレイフェスティバル」)
で一番笑ったのがこの「表現さわやか」の15分。
バカバカしい感じはすごく自分好みだったし、
一方でプロフェショナルさも感じたんです。
単独公演が大阪であると聞いていそいそと観に行ってきました。
劇団「猫のホテル」のコントユニットとして
スタートしたものだそうですね。
作・演出の池田鉄洋さんは、
今年は阿佐ヶ谷スパイダーズでも目にしてましたが
ドラマ「医龍」等にも出てて
テレビでもたまーに見かける個性的で存在感ある方。
舞台の印象はカッコイイです。

基本的に10分くらいのコントオムニバス集みたいな
感じなんですけど、柳沢なな演じる女の子に
恋をした男の子二人が卒業してから、人生がどうなって
いくかをコントに当てはめているんですね。
延々バカバカしくて面白かったなー。
タイトルとかはつけられてないけど
エピソード思い出すと、こんな感じ

@デッサン
ヌードデッサンなのに福田首相親子を書く生徒。
A学校 トークで笑わせる漫才みたいなの。
Bマッスルミュージカル 
C刑務所 刑務所から出られない人はネズミの音が
娯楽になってるという
D時報兄弟
定番キャラらしいんですけど、NTTのネット開通技師が
怪しすぎる。
Eスーパーマン教室
スーパーマン養成学校の先生は妙に気持ち悪い
強烈な男。
F長井大のCMナレーション録り
ハリウッドアクションスター長井大(not永井)
のはずが実際はめちゃくちゃ現場に弱くて緊張して
カミまくるという(これも定番キャラだとか)
G芸人のネタ見せ
必要以上に業界っぽいプロデューサーにネタ見せる芸人(主人公)
H酔っ払い
上のプロデューサーがベロンベロンの電車に乗り合わせる
I伝説の漫才師
ビルの地下に行くと、行方不明になった夫婦漫才が
現れる。

まだあったかな?
一応こういうコントが物語の流れの中で違和感なくある感じでした。
OSPFの時には「USJイン栗駒」ってネタを
やってて、高校生が地元にUSJが出来た!ってチラシを
見てよろこんで行ってみると、インチキなUSJだったという
コントだったんですけど、
話の流れの中で彼女がミュージカルを観たい!って言うから
貰ったチケットで観に行くBは同じパターンなんですけど
やっぱり面白かった。観客二人の前で
インチキな筋肉ミュージカルを3人でやるという
ネタです。筋肉を誇示するだけで運動的なものはしないの。
何故か音楽は「オペラ座の怪人」なのが笑える。
このパターンでいろいろ出来そうだし、切り取って
ショートコントでやれそうですよね。これ。

イケテツさんは全体では結構脇役に回ってて、
今回すごいな〜この人!と思ったのは
村上航さん。
もうどのコントもハイテンションな役で、めちゃくちゃ
笑いとってました。
特にEのスーパーマンの先生とか最高だったなぁ。
とにかく全編村上さんに終始圧倒された感じでした。

下ネタになったらやったら手叩いてウケてる人が
後ろの方にいて、いい雰囲気になってましたね。
大阪は東京の劇団、やりにくい時あるって何かで
読んだ事ありましたけど、どうなんでしょう。
結構アドリブが多そうだし、いい意味でゆるさもあるので
カチっとしたお芝居が好きな方には
物足らないかもしれませんが、自分はこういうの大好きで、
すごくリラックスして楽しめました。

そういえば上の昔風のファッションのチラシとか、
タイトルで流した映像に出てくる
キャラが出るコントがひとつも無かったな(笑)
紅一点の柳沢ななさん、、全く知らずなんですが
CMとか結構出てる女の子だそうで、アイドルに疎いなー自分。
前のケラさんの「犯さん哉」にも中越典子がいたように
こういう笑わせて実際やるほうはものすごく消耗する(たぶん)
そして男ばっかりの現場にこいういう女子が混ざってると
テンションいい方向に上がるんだろうなぁと思いました。

HEPって久し振りに来ましたけど、そういえばこの
HEPHALLのある階ってジョイポリスがあったり、
あの例の観覧車の乗り場があったりで、若い子
密度がすごく高いところ。久々にぶらってしたら
下の飲食フロアもスイーツ食べ放題の専門店
とかそういう系が多くて、あれれいつの間にこんな
感じになったのかなぁ?と思ってHEPHALLに入ったら
舞台がパフェみたいな可愛いセットになってて
まるで合わせたようになってて面白かった。

表現さわやかofficial site

http://h-sawayaka.com/

秋空

2007年11月24日(土) 21時18分


毎年なんだかんだで秋のキレイな紅葉は目にする機会が
多いんですけど、今年は少なかったかも。
この写真は兵庫県の龍野(たつの)

ここは「紅葉谷」ってところなんですけど、パラパラ綺麗な紅葉が
ある程度でした。もう終わりみたい。いや早いの?
アップで撮ると上の写真ですけど
実際はこんな感じです。



ここは某、東マルの本社があったりで、醤油の工場とか
の風情がなかなか良いところ。
秋だけどそんなに観光客多いところじゃないので
人めちゃくちゃ少なくていいカンジ。
テリタミも大喜びな秋の一日なのでした。(めざまし風)



ところで全く話変わるんですけど(変わりすぎ)
秋らしい映画の話。
フランスの映画サイト覗いてたら、
11月28日から
王家衛(ウォン・カー・ウァイ)の新作
"My Bluebelly Nights"がパリで公開されるみたいですね。


official site(France)

http://www.myblueberrynights-lefilm.com/

カンヌではあまり評判では無かったようですけど、
秋に似合いそうな感じです。

お馴染み美術は張叔平 (ウィリアム・チャン)ですけど、
今回撮影は盟友クリストファー・ドイルではなく
「デリカテッセン」「エイリアン4」なんかの
ダリウス・コンジとのこと。なんとなく合いそう。
今回は完全にアジア人は出ていない作品になってる
みたいですね。ひょっとしたら初めてだったか?

ノラ・ジョーンズ、ジュード・ロウ主演
レイチェル・ワイズやナタリー・ポートマンなんて
豪華なキャスティングが
王監督のあの絵にどうやってハマってるのか早く
観てたいなー。日本は来年の春みたい。

あたたかな場所/大阪ヨーロッパ映画祭

2007年11月23日(金) 22時45分


ようやく秋らしくなる11月下旬に
毎年大阪で行われるヨーロッパ映画祭。
関西でのでは数少ない映画祭なんで有難いです。
昨年は海遊館がメイン会場だったんですけど、
今年は行きやすい中之島リサイタルホールだし
フラリ出かけました。
肥後橋の反対側にえらい行列が出来てて、
「堂島ロール」で人気の"モンシュシュ"の行列が
えらいことになってます。平日にしか買った事
なかったけど休日こんなに並ぶのか。場所梅田から遠いのに。
映画祭の行列だと勘違いした人いるんじゃ(いないか)

「あたたかな場所」(仮題)
Riparo - Anis tra di noi

監督:マルコ=S・プッチオーニ
出演:マリア・デ・メディロス
アントニア・リスコヴァ、ムニール・ウアディ

今の時点で日本公開が未定のようなんですが、
イタリアとフランスの合作作品で言語はイタリア語。
ヨーロッパ映画祭から頂いたDMにはこの日、
主演のマリア・デ・メディロスの舞台挨拶があると
アナウンスされていたので、彼女目当てってのもありました。
「ヘンリー&ジューン」の小柄なアナイス役や、
「パルプ・フィクション」のブルース・ウィリスの彼女
ってので思い出す方もいるでしょうか。
ところが、いつの間にか来日キャンセルになってて
監督が来る事になってたんですね(笑)
あははマメにそういうのチェックせんからな〜いつも。

ただ、映画の方は佳作といった感じでなかなか良かった。
マルコ=S・プッチオーニ長編劇映画2作目だそう。
かなり内容は地味でちょっと重い映画でもあるので、
公開はどうなんでしょうね。

アンナ(マリア・デ・メディロス)とマーラ
(アントニア・リスコヴァ)の恋人同士はフェリーで
チュニジア旅行からイタリアの国境を越えて
車のトランクを開けると、モロッコ人の青年
アニスが隠れていた。密航のためだ。
その場で置いていこうと主張するマーラに反し、
なにかと親切にふるまうアンナ。
ついには彼を二人が暮らすアパートに滞在させ、
アンナの家族が経営する靴工場の下働きで
働かせてあげることにする。マーラも同じ工場の
女工として働いていた。

↓公式サイトにダイジェスト映像と
ベルリン映画祭の舞台挨拶が見れるようになってます。

http://www.oeff.jp/1047-Riparo-Anis-tra-di-noi.html


現題は「シェルター」。
日本みたいな島国ではピンと来ない感じですけど、
周りが他の国と隣接してるヨーロッパなんかは
こういう移民、密航問題って日常なんだろうなと思います。
国を渡るのにいろんな手法があったり。

映画はモロッコ人の貧しい青年が、生きるために
イタリア人の車に潜り込むんですけど、
じゃあそういう人をまず信用できるかどううか?
受け入れる方と、信用できず拒絶するタイプと
二人の女性を上手くそういうタイプ分けしてる
のが興味深かったです。
おそらく多くはマーラのタイプでしょう。

青年アニスは最初、全くの何も知らない田舎モンに
見えますけど、接していくうちに、彼だってごくフツーの
その辺の若者と何等変わりないという事が判ってきます。

そしてマリア・ディメロスとマーラの二人はレズの
関係にあるという設定も興味深い。
女性は結婚して、子供を作る!っていうのが当たり前の
概念であるアニスと、全くそうではない価値観の二人の
共同生活はスリリングにさえ見せます。
こういう人の微妙な内面を、あまり説明入れずに描く
プッチオーニ監督の力量はなかなかのもの。

マリア・デ・メディロスは多少年取ったものの
「ヘンリー&ジューン」の頃からの印象そのまんまで
相変わらず魅力的でした。いやー来てくれなくて残念です。
そしてマーラ役のアントニオ・リスコヴァは
主役に感じる程印象に残りました。

この上映、映画祭直前に35ミリフィルムじゃなくDVD
バージョンに字幕を入れてしまったという
トラブルがあったようで、なんとビデオプロジェクター上映。
実際の色が多分判らなかった気がする。
実は映画が始まったら、監督が自分の席のほぼ前あたりに
奥さんと座ってられたんですけど、上映中もやや気にしてた
感じしました。
なんでも後日、ちゃんとしたバージョンのフィルムは
今日の観客は無償で観る機会をくれるとか。

上映前に簡単な監督の挨拶があって、上映後質疑応答に
なったんですけど、
まず「ハイ!」って自己アピールすごいヤバそうなおっちゃんが
指名されて、その上映不手際に対する文句をタラタラ・・・。
会場の空気凍りついて、壇上に監督がいるのに失礼極まりない。
これって多分運営側の不手際であって監督のせいではないと
思うし・・その後のMCさんテンパってたのか、質問者当てる
人のチョイスの空気の読め無さ加減はすごいと思ってしまいました・・。
限られた時間で「質問」→「回答」であるべきなのに、ああいう場って
「自分の言いたい事」だけ自己主張する人多いなぁとたまに
思います。最後のイタリア人が自分の感想のみを延々と
話だした時は会場ざわつき始めたくらい・・。

この日、入場の際も整理券配って並ばせる手法に対して
もんのすごい剣幕で怒ってるオッチャンもいたりして、
せっかくいい天気で気分よくのほほーんといたのに
ちょっといやーな気持ちにさせられました。別に満席で
入れない訳ではないのにそれくらいでそんなに腹立てるんだろうか。
「みんなそう思ってるハズ」なんて勝手に決めるなよ。
こういう人自分が整理券「1番」だったら文句言わないでしょうから
結局は全て自分が損した!なんですよね。

それでも質疑応答でものすごく誠実に言葉を選んでゆっくりと
映画の事へ結びつけて回答してたプッチオーニ監督。
映画の作り方もそうですけど、すごく繊細で頭のいい人なんだと
思いました。

大阪ヨーロッパ映画祭
official site

http://www.oeff.jp/

「トリツカレ男」キャラメルボックス@新神戸オリエンタル劇場

2007年11月18日(日) 10時43分


演劇集団キャラメルボックス
「トリツカレ男」

神戸公演:新神戸オリエンタル劇場

演出・脚本/ 成井 豊
原作 / いしいしんじ

出演/

畑中智行、岡田達也、西川浩幸、大森美紀子
坂口理恵、岡田さつき、菅野良一、岡内美喜子
温井摩耶、三浦剛、筒井俊作、左東広之、渡邊安理
多田直人、小多田直樹、阿部祐介、井上麻美子

いしいしんじの原作はかなり人気があるそうなんで
読んだ方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
キャラメルボックスのクリスマス公演、
ちょっと悲しいけど、心温まるストーリーで
クリスマスにはぴったりのお芝居。
夜の公演なのに劇場にはチラホラ高校生の団体がいて、
最近観た芝居のほとんどが映画ならR15指定みたいなの
ばっかりだったんですけど^^
これは高校生が観ても抵抗なく全然楽しめる
モノだと思いました。
かなりベタな話ではあるんですが、素直にホロって
してしまった。

ストーリー(公式より)
ジュゼッペ(畑中智行)は、レストランのウェイター。
仲間からは「トリツカレ男」と呼ばれている。
彼は何かが好きになると、寝食を忘れて没頭してしまう。
オペラ、探偵、昆虫採集、外国語……。次から次へと熱中し、
三段跳びではなんと世界新記録を達成!
そんな彼が、ある日、恋をした。相手は、
外国から来た無口な少女・ペチカ(岡内美喜子)。
彼女は胸の中にたくさんの哀しみを抱えていた。
ジュゼッぺは、もてる技のすべてを駆使して、
ペチカを幸せにしようとする。そして……。

ちょっと貧しくて純粋で報われない女の子に
身分を偽って助けてあげるストーリー。
チャップリンの「街の灯」みたいな話に、
自分が好きになったものには、とことん没頭して
それそのものになれる能力がある気弱な男性。
これはウディ・アレンの「カメレオンマン」を
ちょっと思いだしました。いつのまにか他人と
同化してしまって、本人がどんどん無くなっていくという。

自分もトリツカレ男の気、ちょっとあります。(苦笑)
好きなものが出来たら、結構すぐハマってそれが持続する
タイプなんですけど、別の興味対象が出来たら以前の
ものはもういいや!は無いなぁ。
いやいやここまでトコトンつきつめる才能は無いですけど。
ストーリー上、ジュゼッペは英会話とか昆虫採取、
オペラなんかに以前ハマっていたというのが
それが後のストーリーに伏線にちゃんとなってるのが
面白いと思いました。
ハマった事はムダではなく、ちゃんと結末に向けて
それが力となっているという。
ヘタするとストーカー話みたいに
感じるかもしれませんが、ちゃんとジュゼッペの
愚かな部分も表してる物語。

今回のような一応海外のキャラを演じるのは珍しいそう。
登場人物は多いけど、物語の展開が丁寧で判り易いお芝居でした。
最初、岡田達也さん演じる役とペチカの家にいる女性が
人間ではなく、ハツカネズミとインコだってのが判らな
かったんですけど、次第に観れば判るように考えられてて
ヘンに着ぐるみとかにしてないのも良かったです。
ネズミとインコがいい味付けになってるんですね。
観客を笑わせるコネタもほぼ狙い通りウケてる
感じがしてました。

ただ、ラストの肝心な場面がスローモーションの
設定になってて、ペチカがスローモーションで
ジュゼッペにやってくる演出は個人的にうーん・・
って印象を受けてしまったかも。
ああいうのが狙いなんでしょうけど。

身分を偽って恋をしてるけど、本来の自分をちゃんと
見せられるかどうか!っていうかなり王道なストーリー。
ちょっとベタですけど、素直に感動出来るものなんで
後半かなり周囲ですすり泣きが。

ファンの多いキャラメルボックスですが、自分は初体験。
上演時間ギリギリに劇場に着いたんですが
ウワサに聞いてた前説があってグッズの説明とか、携帯の電源を
一斉に切らせてしまうとか、そんな上演前のノリを観ていて
あぁこういう劇団なんだなぁって雰囲気が判った気がします。
なんというかすごく健全なイメージ。
ここんとこ映画含め毒気のあるものばかり見てたんで、たまには
いいなぁと思いました。

レストランカフェが舞台のお芝居っていうのは
師走の神戸の街にすごく合っている気がしました。
この夜、大阪へ車で帰ったんですけど、ipodつけると
いつの間にか入れていたサティの"Je te veux"が流れて
六甲の夜景が妙にマッチしてくれました。

11月29日〜12月25日までは
池袋サンシャイン劇場で公演だそうです。

演劇集団キャラメルボックス 
official site

http://www.caramelbox.com/

京都の流れ橋

2007年11月17日(土) 23時53分
秋ですね。と毎年書いてますが、
今年は紅葉の色づきがなんとなく遅いような。



↑時代劇なんかにかなりの頻度で出てくる
こういう橋、見覚えありますか?
ここは有名なロケ地で、やたらめったらいろんな
映画とかドラマに出てくる橋なんですけど、
「流れ橋」は通称で「上津屋橋」っていうのが正式な名前。
京都と大阪の境目あたりの八幡市の木津川にかかる
木製の長ーい橋。

先日観た京都が舞台の「オリヲン座からの招待状」の中にも、
宮沢りえと加瀬亮の二人がゆっくりこの橋を歩く場面がありました。
そういえばここ行ったことないなぁと、
テリタミの散歩がてらちょいと行ってみました。
秋晴れで清々しい。



なるほど。ここ休みの日でもなければほとんど人は
通らないだろうし、車もなんとなく近くの土手に
停める事が出来るから、ロケやりやすいんでしょうね。
特に時代劇の撮影は太秦から近いこともあって頻度高いの
判ります。
長い橋の大半の下部分は写真撮ってるの判る通り、
水がほとんど干上がっててて、簡単に下に降りられるように
なってますからいろんなアングルで撮れるし。
時代劇にトイプーは出てきませんが〜。



特に北側の風景はほとんど建物映らないので、時代劇には
もってこいなんでしょう。
あと戦隊モノなんかにもたまに登場しますよね。

でもここ「自転車、バイクは押して通ってください」
って書いてあるのに、結構頻繁にバイク走行してましたよ〜
板の上なんで「ばたばたばた」ってスゴイ音するし。
その度にテリタミびっくりです。

あっ一応ここの住所は

「上津屋橋」
京都府八幡市上津屋北川端 

です。24号線からちょっと入ったところですけど
電車でどう行くかはすまんが判りません・・。

この日、せっかくだから紅葉ライトアップでも観ようかと
東山あたりまで来てみましたが、予想通りもんのすごく
渋滞してて、バスがムリやり細い道を通行してて一般車が
入れなくなって車が止まってしまったので、もういいや(笑)
と諦めて烏丸で買い物して帰りました。

そうそう、市内へ来る途中、
近鉄京都線の踏切でもう遮断機下りはじめてるのに
タクシーがムリヤリ突き抜けようとして失敗、上り下り車線の
ど真ん中で立ち往生してしまうってのに遭遇しました。こわっ!
幸い駅のすぐ傍で発車直後の場所だったから
電車が手前でストップして、運転手が降りてきて手動で
踏切あげてました。踏切で電車から運転手さんが降りてくるなんて
始めて見たよ。
そんな感じで休日の秋の京都は交通量200パーセントみたいになって
やや殺気立っててます。賑やかですけどねぇ。

京都でもどこでも、外出られたらオレらいいもんね。

「大胸騒ぎ」南河内万歳一座@ウルトラマーケット

2007年11月16日(金) 23時45分


南河内万歳一座
「大胸騒ぎ」

大阪城ホール西倉庫内特設劇場ウルトラマーケット

作・演出 内藤裕敬

出演/
河野洋一郎・鴨鈴女・藤田辰也・三浦隆志・前田晃男・
重定礼子・木村基秀・福重友・中津美幸・皆川あゆみ・
岡ひとみ・鈴木こう・鈴村貴彦・倉重みゆき・手嶋綾乃・
添田幸恵・松浦絵里・友寄有司(海亀の産卵)・
内藤裕敬

内藤裕敬主宰の南河内万歳一座。
学生の頃、演劇部にいた知り合いが好きだっての聞いてたり、
かなり前から大阪の小劇場といえばここと新感線の名前をよく耳に
していた気がします。そういえば同じ大阪芸術大学から出てきたとのことで
結成年も同じだそうです。
新感線のほうはかなりメジャーな劇団になってしまいましたが、
同じ扇町ミュージアムスクエアでよくやってましたよね。
単独の舞台公演を観たのは初めてでした。
今年「維新派」を観たウルトラマーケット。
仮設の芝居小屋っぽくてここ好きです。
駅から遠くてトイレは外の公衆しかないけど。
年季の入ったファンの方も結構いる感じ。
今年のOSPFでのショートプレイはアドリブ劇っぽいのをやってましたが、
本公演は2時間程度のアッサリした感じ。タイトルの通り終始大騒ぎって感じで
群像劇でセリフが多くて賑やかな印象でした。

深夜、町のはずれの病院の入口に手に大けがを負った男、
病院をタライ回しにされた妊婦、交通事故にあい瀕死の男の
3人がたどりついていた。
ところが病院は何やらゾンビみたいな患者がいて首が胴体から
離れた医師の二人がマトモに看てくれようとしない。
街では博士が大地震が来る!という予告をHPで出し
住人が不安になって大騒ぎしている。
お役所はそんな簡単に地震警報は出せないと困惑していた。
そんな時、町にひとつしかない銭湯で一人の男性が大けがを
負うのだった。

本作は2002年に外部公演として近鉄小劇場で公演したお芝居の
再演だそうです。その時は宇梶剛志さんが出てたそうな。へーどの役だろ?
小劇場かなり大きかった記憶があるので、多分ウルトラマーケットの
方がコンパクトな舞台設計になってたと思います。
町はずれの動物園=病院の病室という設定があるので、
可動式の檻がメインの舞台。
ホラー調の場面やドタバタする場面とコント的な場面
そしてシリアスな場面ががほどよく出てきて飽きさせない。

ギャグも多くて笑える賑やかなお芝居なんですけど、大筋は
時系列がバラバラだったり、現実とあの世前の世界が交錯する
物語なので、やや難解な話だったな。
そうそう、ユアン・マクレガーが出てた映画「STAY」みたいな
感じというか、夢オチではないけど死にかけの状態で別の世界を
観ているという設定。そこと現実とを行き来する事が出来る人もいる。
最初訳分からないんだけど、だんだん話の真相が紐解かれていく
サスペンス的な面白さがありました。賑やかだけどシリアス。

博士役の鈴木こうさん、地震の予知に関するセリフとか延々長
ゼリフが続くので一人大変そうだなぁと思ってしまった。

銭湯で事故が起こるんですけど、その銭湯の場面だけは
もう突出してドリフのコントみたいな下ネタドタバタ劇にしていて、
そこは判り易い面白さで、全体の中でも一番ウケていました。
俳優の多くがほぼ全裸(前はもちろん隠してるけど)になるんで
回りの女性が異様に笑ってたなぁ(笑)

大阪の後は、愛知、東京、北九州、倉敷で公演あり。

南河内万歳一座 ホームページ

http://www.banzai1za.jp/

タロットカード殺人事件

2007年11月13日(火) 1時49分


ウディ・アレンって色んな意味で凄い映画作家だと思います。
しばらく観てない時期があって気付いてなかったんですが
現在72歳のアレン、1969年、34歳でオリジナル映画処女作
「泥棒野郎」を作ってから本作が監督37本目。
ブランク1年開く年がパラパラある程度で
ほぼ1年に1本のペースで映画を監督してるんですよね。
そのどれもがハイクオリティで一貫してウディ・アレン以外の
誰も作れないアレン映画なのが凄いところ。
まさにワンアンドオンリーな映画作家。

楽しくてあっという間に終わる本作はサクっと95分。
そういえば!と思って37本のフィルモグラフィを調べてみて
驚いたんですけど、
ウディ・アレン作品って2時間、120分を超える映画が
多分1本しかないんですよ。
その1本は前作「マッチポイント」の124分。
(3人の監督オムニバスの「ニューヨーク・ストーリーは除く)
特に初期の頃なんて80分程度のものが多いし、記憶の中で
かなりしっかり作られていたイメージで2時間以上?となんとなく
思っていたオスカー受賞作の「アニー・ホール」は93分(驚)
2時間以上の映画がなんとなく当たり前になっている昨今
ムダが無くて1時間半くらいでサクっと楽しい時間が過ごせるのが
アレン作品の魅力のひとつなんだと思ってます。
スター総出の超大作なんてありえません。
始まりはいつも黒バックに文字だけの簡単なタイトル。
エンドロールもあっさり終わる所がめちゃ好きです。
そこにセンスのいい曲が流れるところも。

前作は傑作の呼び声が高い完成度でしたけど、
個人的にはアレン作品の中では普通で異色なイメージ。
そういえばアレンが出演してない映画の方が評価が
高いものが多い気がします。
逆に出てる方はアレンがべらべらしゃべる
かるーいノリのものが多くて、本作もそういう1本。
決して大傑作じゃないけど、とっても面白い映画だったな。
スカーレット・ヨハンソンがよほど気に入ってるみたいで、
かなり彼女のコメディエンヌ的魅力を凄く引き出せてると思いました。
アレンがボケでスカちゃんがツッコミの夫婦漫才的
やりとりが楽しい作品になってます。

記者志望の学生サンドラ(スカーレット・ヨハンソン)は
休暇でロンドンに滞在中、三流奇術師シド(ウディ・アレン)の
ステージの観客参加に指名され、舞台に上げられて
細胞分裂を起こすというボックスの中に入れられた。
そこに突然現れたのは、死んだばかりの記者ストロンベル
(ジョー・マクシェーン)。
「ここ数年のタロットカードを残す連続殺人の真犯人は
貴族のピーター・ライモン(ヒュー・ジャックマン)で、
ジャーナリストのお前がこの真相を究明しろ」
と言って消える。
渋るシドに協力させながら、ホテルのプールで溺れる
フリをしてピーターに接近するサンドラだったが・・。

前作は永年アレンが愛したニューヨークを離れ、
始めてロンドンを拠点に作った作品ってことで
特別な作品になってたと思いますけど、2作目にして
ちょっと街にも馴染んで来た感じしました。
「演劇とインド料理はいい」ってセリフなんて
なかなか自分なりに居心地いいんだろうなって思ったり。

アレンは相変わらずベラベラしゃべりますけど、
「僕のニューヨークライフ」辺りから変わってきたなぁと
思うのは、若い娘と恋愛関係にならない事かな。
「マッチポイント」の感想にも書いた
「ウディアレンの映画はインテリア」(笑)は健在で
ロンドンのいろんなお店やアパート、貴族の住む
豪邸までいろんなインテリアが登場して会話する場面を
観てるだけでもほんと楽しいです。

アレン作品の面白いのは、普段良く見かける俳優もアレンの
映画に出るといつもと違う印象でアレン映画の住人のような
印象を受けること。
スカーレット・ヨハンセンも、「マッチポイント」の色っぽい感じ
とは全然違う、美人なんだけど妙に現実的で行動派の女の子を
快活に演じていて、すごく魅力的だし。
ヒュー・ジャックマンとウディ・アレンってちょっと
意外な組み合わせなんですけど、さすがカッコイイですね。
貴族にぴったり。訳ありなのもありそうだし(笑)
そういえばスカちゃんとジャックマンって「プレステージ」
で奇術師と助手の恋人やってましたよね。
アレン意図的になんだろうか・・。

これも「ブロードウェイと銃弾」みたいに
最初はイヤイヤ付き合っていたシドが最終的には
名探偵ぶりを発揮して全てを解決するの展開なのかと
思ってたんですけど、ストロンベルがサンドラ
いなくてもシドの前に現れるとか、かなり
アッサリした展開にしてるのが逆に新鮮でした。
ボートの場面なんてサスペンス映画の定番みたいな
場面でパロディみたいでなんか面白かったなぁ。
シドのオチもアレンらしい。

今までそんなにテーマにしなかった「死」についての
イメージも軽いながら登場して、アレンもそろそろ
先を考え始めてるのかなぁなんて勘ぐったりします。
でもこの映画、いいネタつかんだら墓場からも
出てきて追いかける!って記者の設定があって、
毎年映画を作り続けているアレン、やっぱり
まだまだやり続けたい!やり続けるぞ!というのが
三途の川のシーンなんかに現れているように
感じたなぁ。多分あの世でも映画作り続けたいんだと
今は思ってるんじゃないでしょうか。

今年もまたスカちゃん主演で撮影している新作は完成間近
だそうですし、その次の作品はペネロペ・クルス主演で
スペインで撮影する予定だそうです。
楽しみ!

kazuponの感想ー★★★1/2

最近のウディ・アレン作品のレビュー

「マッチポイント」(06/09/05)

「僕のニューヨークライフ」(06/2/27)

「メリンダとメリンダ」(05/7/10)

「さよならさよなら、ハリウッド」(05/5/20)


official site

http://www.scoopmovie.net/

日本公式

http://www.wisepolicy.com/scoop/


Kazupon Movie Index

ボーン・アルティメイタム

2007年11月11日(日) 0時29分


ボーンシリーズ最終章。
1作目「アイデンティティー」はマット・デイモン主演のアクションか〜
なんて食わず嫌いで観なかったんですが、
「ボーン・スプレマシー」は時間潰しに劇場で観て予想外に
面白くてDVDですぐに1本目を観たというクチ。
映画の続編に関しては「前作観てなくても話が判るかどうか」
っていうのを鑑賞のポイントにしてるんですけど、
2作目以上に本作だけ観たら状況設定が判らないのかも。
でも判らなくても例外でボーンシリーズ初めてだったとしても、
やっぱり楽しめてしまうような気がします。
ジェイソン・ボーンが記憶喪失で、人間離れした諜報部員の
能力があるって事さえ判れば、ぐいぐい映画の世界に引き込まれる
のがこのシリーズの魅力なんでしょう。

「トレッドストーン計画」によって記憶を消された
CIA部員、ジェイソン・ボーンは危険人物として追われていた。
ロンドンの新聞記者ロスが書いた自分に関する記事が
ボーンの目に触れ、ロスとコンタクトを取って待ち合わせた駅の
雑踏で二人共狙われ、ロスの方は殺されてしまう。
彼の残したメモから、計画の謎を解くカギを求めてマドリッドに
向かうボーン。そこにはかつての世話係、
ニッキー(ジュリア・スタイルズ)がいた。

前作観た時はそこまで強く感じなかったんですが、
手持ちカメラがお構いなしにブレまくる撮影とそれを細かく
繋いでいく編集のウェイトの高さ
メジャーなハリウッド映画にしては
こんなに観辛い映画にしていいのか!?ってくらい、
上映時間の半分以上ブレてるような印象。
元はインディーズ映画出身のポール・グリーングラス監督と
編集のクリストファー・ラウルによる緊迫ドキュメンタリー
タッチは前作「スプレマシー」からの継続。
同じコンビによる究極のニュース再現フィルム映画
「ユナイテッド93」のラストのド迫力が記憶に新しいところ。
キモチ悪くなった方結構いたんじゃないですか?
→はい!といううかちょっと酔いましたよ・・。

今回のロンドンの駅での携帯誘導サスペンスは驚くばかりの
緊迫感を感じられる場面。
肉弾アクション主体のシリーズなのに、ここは
誘導だけで緊迫感を出してるのが素晴らしい。
携帯を上手く使ったお手本のような場面。
タンジールでのチェイスシーンも
独特な街並みや地形を使った面白い仕上がり。
観客はブレブレ画面もあってフラフラにさせられます。
007みたいに世界中の様々な街に移動してに何らかの
アクションシーンを登場させてるんですけど、それぞれに
いろんな工夫が感じられるんですよね。
監督は昔、記者だった経歴があって、書いたスクープによって
ヤバイ状況に置かれた経験もあるそうで、
なんとなく映画を観ててもジャーナリスト魂を感じる
気がします。

ただ個人的には初めてだったからというもあるのか、
「ボーン・スプレマシー」の方がインパクトあったなぁ。
ボーン誕生の秘密が今回明確になる訳なんですけど、
あー結局そういうモノなのか・・という程度の真相だったし。
もっと複雑な過去があるとか勝手に想像してたので。
特にボーンは何故ここまで卓越してるのか?ってのは
もっと知りたかった気がします。

1作目「アイデンティティ」はヒロインもいて、
ありがちなメジャーなアクション映画の
要素が強かったんですけど、
2作目以降のグリーングラス監督のちょっと定石外の展開が
面白いなぁと思います。「スプレマシー」の最初あたりで
フランカ・ポテンテがいきなり死んじゃう展開とか
予想外の驚きでしたし。
毎作新しいヒロインを登場させないし、
映画の1作目・2作目で脇役だったジュリア・スタイルズを
かなりメインの場所に持ってきながら、ヘンに恋愛がらみに
しないのも気に入りました。

そうそう、この映画1作目の冒頭で海から拾われて始まり、
最終章の最後に海に落ちて終わるのが粋で面白いです。
そして2作目のエンディングあたりが、時系列でこの映画の
最後の部分に繋がっているって事ですよね。
前作ってどんなカメラワークだっけ?ってyoutube覗いてたら
2作目と本作のパメラに電話する場面を比較した映像とか
作ってる人いるんですね〜。

Supremacy vs. Ultimatum: Bourne calls Pam Landy

正直前2作もう結構忘れてしまってたんですけど、
2作目にあるセリフが実は・・みたいなのもちゃんと考え
られてて、本作観る直前にDVD予習しとけば良かったな。

kazuponの感想ー★★★1/2

official site

http://www.thebourneultimatum.com/

日本公式
http://bourne-ultimatum.jp/

オリヲン座からの招待状

2007年11月09日(金) 0時53分


映画と映画館が好きなもんで、映画館が出てくる作品に弱いです。
「ニューシネマ・パラダイス」は勿論、昔の「ラムの大通り」
や「ラスト・ショー」、数年前の「マジェスティック」なんかも
いい映画でしたよね。

前に映画のバトンで書きましたけど、ガキの頃、チャリンコで
行ける範囲に一軒だけ格安洋画2本立ての名画座があって、
毎週のように通ってる時期がありました。
時間潰しのおっちゃんばかりで喫煙率80%ありそうな名画座。
もちろんこの映画みたいにオバチャンがタダで入れてくれる
なんてありませんでしたけど。
それが興じて、学生の頃はずっと映画館でバイトしてて、
映画好きは止まらず今だにこんなブログを書いている訳で・・。
映画好きな方って映画館にまつわる思い出って結構あるんじゃ
ないでしょうか。
シネコンは便利でキレイで大好きですけど、どこ行ってもさほど
印象は変わらないので映画館の個性だけは無くなってしまいました。
時代とはそんなもんだと思います。

昭和30年代の映画館を舞台にした映画は浅田次郎の短編の
映画化。
映画館がメインにあるだけで、知りもしない時代の
ノスタルジーをかきたてられる映画でした。

東京で暮らす良枝(樋口可南子)の元へ一通の招待状が
届いた。幼い頃今の夫と知り合った映画館オリヲン座が
閉館上映をするという。
昭和30年代の京都・西陣。
「君の名は」と「二十四の瞳」の二本立てを上映中の
の映画館に青年・留吉(加瀬亮)がフラリ入ってきた。
映画館は映写技師の松蔵(宇崎竜堂)と妻のトヨ(宮沢りえ)
の二人だけでキリモリしていた。
大津から裸一貫で出てきた留吉は上映終了後、いきなり
トヨに「雇ってください!」と懇願する。
口数の少ない松蔵はほぼ即答で了承するのだった。

若い頃に愛した映画館へのノスタルジー。
映写技師の師弟関係、自転車で運ぶフィルム缶、
閉館の日にまた戻ってくる人々。
比べるな!と言われても、悲しいかな「ニューシネマ・パラダイス」
が好きなもんでどうしても頭から消去できません!
これは原作がそうなんでしょうけど、有名な映画だけに似たような要素は
極力外して作った方が良かったような気もしましたが・・。

それは置いといて、特に前半、宇崎竜堂の松蔵が死ぬまでが
すごく良かったと思いました。
ぶっきらぼうで、家では黙々とカツオブシ削ってるのとか。
宮沢りえも加瀬亮も昭和の世界がすごく似合います。

「わしらの仕事盆も正月もあらへん、狭い部屋で
おなじ写真、なんべんもみなあかん」
「そない、ええことあらへん」
っていう場面なんていいなぁと。

おそらくポスターにもなってる蛍の場面が
イチオシなんでしょうけど、自分は
3人が映画館の前で写真を撮る場面と
その写真の1枚を隠す場面が最も印象的でした。

確かに美人で儚げな役はりえちゃんぴったりでしたね。
りえちゃん京都が似合うなぁと思います。
テレビのお茶のCM、あれいつ観てても勝手に
「あの本木君は若くしていなくなってしまうに違いない」
と勝手に物語想像してしまってるんですよ(笑)本作に近い感じで。
りえちゃん、何故かそういう儚いイメージあるんですよね。

原作は現代の夫婦がもっとメインで、
映画館の館主夫婦は回想で登場するだけだそうなので
かなり膨らませた映画化のよう。
映画はこの二人のちょっと距離感のある関係と、
純愛に絞られていてるんですが、
残念だけど映画の後半と、現代パート(宮沢りえ=中原ひとみ
加瀬亮=原田芳雄)のバランスがあまり上手く作用して
なくて、ちょっと勿体ないと思いました。いい役者さんばかりなのにね。
映画の雰囲気とか、題材もすごくいいと思ったし、音楽もいいし
好きなタイプの作品ではあるんですが・・・。

当時、あんな風にホントに二人だけでキリモリしていた
映画館があったのかは知らないんですけど、
受付と売店が一緒になってて、都こんぶとか、バラ売りの
ピーナッツを新聞紙で作った容器で入れるとかディティールの
拘りは楽しかったです。
そんな映画館を長年やってきて、最後の上映前の挨拶で胸がつまる
っていうのは映画好きには堪らない場面。

最初に東映マークが出るんですけど、
映画館で上映される映画は「無法松の一生」(大映)「君の名は」(松竹)
幕末太陽傳(日活)「隠密剣士」(東映)とバラエティ。
一切当時の映像はわざと見せない「ALWAYS」とは正反対で映写室から映画を
観ている場面はかなりの頻度で本編が登場するのも楽しい。

京都が舞台でしたけど、鴨川など若干登場するとはいえ
あまり京都は感じません。、むしろ架空のどこかという印象。
映写室は横浜の閉館した映画館で撮影されたそうなんですが、
劇場内はどこなんでしょうか?最初「京都みなみ会館」
に似てるなぁと思ったんですけど、どうも違うっぽいし。
セットなのかな?

昭和30年代が舞台のこの映画、「ALWAYS三丁目の夕日」と公開日
同じなんですね。何故か世間は昭和30年代ブーム。代理店動いてます?
はって気づきましたけど、今TBS系でやってるドラマ
「歌姫」も昭和30年代の映画館が舞台で、しかもその名がオリオン座。
プロットも原題のオリオン座が閉館上映の日から回想が始まるという。
こちらはサタケミキオ(タイガー&ドラゴン等に出ている宅間孝行の別名)
の戯曲をドラマ化したもの。こちらもあまりないタイプのドラマで面白いです。
偶然にしては出来すぎかも。

今でも大阪新世界界隈にいけば、マジ現役のオリヲン座みたいな
映画館が数件残ってます。↓
http://www.cinema-st.com/classic/c015a.html

「日劇会館」「トビタ東映」なんてひょっとしたら「無法松の一生」とか
未だに上映してるかもしれないもん。
もちろんオリヲン座とは違ってかなりデンジャーゾーンですが。

kazuponの感想ー★★★1/2

official site

http://www.orionza-movie.jp/
2007年11月
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
profile
kazupon
映画の感想を中心に大好きな音楽の事や、どうでもいい話もテキトーに綴っております。
感想はネタバレ確実にしてますのでご注意を!
たまにdrummerもやってます。
コメント&TB大歓迎ですが、
最近忙しくTBはマトモにお返し出来ず申し訳ありません。

https://yaplog.jp/kazupon/index1_0.rdf
Yapme!一覧
読者になる