エディット・ピアフ 愛の讃歌

2007年09月30日(日) 16時08分


かなり音楽にウェイトが置かれた作品。
ミニシアターじゃなくて、音のいいシネコンの
大画面でこれを観れたのは良かったです。
ピアフが歌う場面は過去のシーンから、かなりの頻度で登場して、
その度に映画のクライマックスが来ているような素晴らしさ。
冒頭からシャンソンがどこかで聞こえているような音楽に浸れる
映画になっています。
シャンソンって触れる機会は映画の中がほとんどだし、
ピアフの曲は「ラビアン・ローズ」「愛の讃歌」くらいしか知らない
程度なんですが、凄くインパクトがある作品でした。
オーケストラによる伴奏は大迫力で最高なんですけど、逆に
アコーディオン伴奏の音色っていいなぁとコレ観てて凄く思いました。
鳴ったとたんにパリーな感じで。気持ち良かったなー。

音楽ばかりじゃなく、とにかく主演のマリオン・コティヤール
が圧倒的に素晴らしい。
伝説の人物は歌は上手かったけど、普通の女性としてはお世辞にも
出来た人ではなかった部分も含めて、彼女の生涯を物凄いパワーで
演じきっています。

1915年、フランスのヴェルビル地区に生まれたエディット。
元は大道芸人で軍人の父と路上で歌を唄って日銭を稼いでいた
母親の間に生まれるが、子供を虐待してるような母親の元から
引き離し、父親は自分の母の営む娼館へ預けてまた去ってしまう。
あまりにひどい生活のため、栄養不足で虚弱体質。
そこで娼婦ティティーヌに今まで受けた事の無い愛情を持って
育てられるが、退役した父親がまたも連れ戻しに来てしまい、
大道芸の手伝いをさせられる。
そんなある日、父に強引に促されて路上で歌ってみたら
彼女の歌にみな聴き惚れる。
彼女は天性の歌声を持っているのだった。

いつもの通りまーったく予備知識ナシで観に行ったんですが、
フランスがメインの製作国の作品なんですね。
こういうジャンルのヨーロッパ映画はミニシアターで公開される
事が多い気がしていたので。

映画を観ていてとにかく気になったのは、この歌を
主演のマリオン・コティヤールが歌っているのかどうかって事。
歌っているとしたら凄すぎだと思ってたんですけど、
どうやら多くはピアフの歌声を吹き替えしてるそうです。
そりゃそうだ。彼女が歌が上手い女優さんであっても
製作陣はピアフの歌声をそれ以外のもので表現することは
ダメなんだと判断したとか。
でも一部はマリオンが歌っているらしいので、それはそれで
凄い事です。

映画は彼女の恵まれない幼少期〜20代の路上時代〜
スカウトされて一気に成功していく頃〜円熟期を
描きながらほぼ死に向かっている現在がその都度
挿入されるというフラッシュバックな手法。
著名なミュージシャンの伝記映画は「Ray」とかもそうでしたが
こういう手法多いですよね。

特に前半がテンポ、映像、音楽のバランスが凄く良くて
1時間半くらいまでは完璧な映画かもしれないと思いながら
観ていました。残念な事に後半がちょっとだけテンポダウン・・
どうしても箇条書きになってしまうのは仕方ない事なんでしょう。

それにしてもすごい人生です。
あんなムチャクチャな親に育てられ、物心つくころは
娼館で過ごし・・「マトモ」って事を知らないで大人になった
感じなんですよね。
監督はピアフとモモーヌが路上で立っている写真に触発されて
書いた脚本だって言われてるそうなんですが、映画的には
その頃をもっとメインにしても面白かったのかな?という
気がしました。大御所になってからのワガママピアフってのは
逆に少なくなっててもオッケーだったような気がします。
でもコンサート場面とかはやっぱり良かったですけどねぇ。

彼女がぶっきらぼうにジエラール・ドパルデューが営む
クラブで初めてステージに立って歌う場面とかめちゃくちゃ
良かったですね〜。
見てくれ「なんじゃコイツ」って感じでもひとたび歌えば
人の心をガッチリ掴んで離さない。
映画を観ている自分でさえ、吹き替えとはいえ
とにかくピアフが歌う場面が出てくる度に、同じように
ぐっと心が掴まれてしまう感じなんですよ。これは
何なんでしょうかね〜。歌の威力といえば簡単ですけど。
なんか不思議だったな〜・。

それにしても才能あるミュージシャン、アーティストは
こういう激情型、破滅型な風にしか生きられないのかな。
この映画ちょっとジャニス・ジョプリンをモデルにした
ベット・ミドラーの「ローズ」なんかを観た後思いだしました。
好きな男性だけいればそれでいい。あとは酒。
自身が弱く、愛される事を知らないが故、傍若無人な
振舞もしてしまう。
そして歌うことだけが自分を確認できるもの・・。

エディット・ピアフって47歳で亡くなっているそう
なんですけど、
映画の中の彼女は見た目もう完全におばあさんなんで
びっくりします。

実はマリオン・コティヤールって全く知らなかったんですけど、
「TAXI」シリーズ観てる方は判る女優さんだそうですね。
あと「ロング・エンゲージメント」や「ビッグ・フィッシュ」
にも出ているそうなんですが、観直したらあぁこの子がって
思い出すんでしょうね。
なんで映画が始まって、あれ、こういう年配の女優さんが
主演している映画なんだって思ったくらいなんです。
だから映画の中盤で彼女が20代の状態で出てきたところで
メイクと判ってちょっとびっくりしました。
とにかく素晴らしかったと思います。

↓下に続きます

プラネット・テラー in グラインドハウス

2007年09月23日(日) 6時40分


イソイソとロドリゲス編も初日に観てまいりました。
いや〜オモロイ!最高でした。
もうむっちゃくちゃ。でカッコイイ。そしてかなりグロい。
ローズ・マッゴーワンの片足がマシンガンになってる写真を始めて見た時から
心を奪われてましたけど、想像した通りの面白さでした。

タランティーノ編「デスプルーフ」の感想はこちら

テキサスの田舎町で、ヤミ取引されていた生物化学兵器ガスが噴出。
そのガスを浴びたものは、凶暴なゾンビ状態の「シッコ」に変貌する。
ゴーゴーダンサーのチェリー(ローズ・マッゴワン)は店を辞めた夜、
別れたばかりの元彼レイ(フレディ・ロドリゲス)に再会。
彼のトラックに同乗していたらシッコに襲われ片足を失ってしまう。

「フロム・ダスク・ティル・ドーン」もあまり内容知らずに
初日に映画館で観たんですけど、タランティーノ風の
サスペンス映画なのかと思っていたら、映画の真ん中くらいから
バカゾンビ映画になってしまうあのムチャクチャさに大喜びした記憶が。
近作は「スパイキッズ」とかのイメージも強くなりつつあったらロドリゲス、
「気持ち悪い通り越してバカバカしくなって面白い」あの
テイストが久々に帰ってきた感じ。
腕や手は簡単にもげる。(笑)どんどん襲ってくるシッコたち。
どーん!どーん!って撃たれて派手に無差別に死んで行くこと。

一応「デスプルーフ」に近い街の同じ頃の話みたいで、
デスプルの中盤で死んじゃったジャングル・ジュリアが
しきりにメールしてたのはこの映画の女医さん(マリー・シェルトン)
というのが判明しましたね。そしてあのキルビル保安官は
彼女の親父。タラ映画では胡散臭かった保安官、
ちょっと人間味ある面を見せるのが意外。

面白かったのは、「デスプルーフ」同様フィルムリールが
肝心なところで消失してる演出・・どっちもエッチなシーン
が無くなってるのが笑えるんですけど。
(映写技師がそういうとこ持って帰っちゃうとか多かったらしい昔)
そのため、映画の核心になるエル・レイが何者なのか?
っていうのを説明してるハズの部分がすっとんでる演出になってる
んですよね・・いつの間にかヘイグ保安官(マイケル・ビーン!!)
が「お前がエル・レイだったのか・・・」ってなってる。
なんで彼が超人的な戦闘能力があるのかは、この映画館で観た
フィルムでは判らなくなってるという(笑)
エルレイの活躍場面、自分は可笑しくってしょうがなかったです。
ズバっズバっ!てやたら切り殺していくの。

そして主演のローズ・マッゴーワン、良かったわ〜
演技力はまぁ、置いといて、あの眼がたまらんです。
女性は変わるもんですね。同じ彼女がやった「デスプル」のパム役とは
雰囲気全然違う感じでしたもん。
やっぱりB級映画の再現なんで、ポスターでメインに見せている
片足マシンガン場面は実際ちょろっとしか無いんですよね。
いつ出るんだ!?って思わせてちょろっとだけなのも昔風。
それでもあの格好であのど派手なバイクにまたがって片足銃から
ズドドドドド!ってもう絵的に最高な場面のオンパレード
でした後半。

ロバート・ロドリゲスは本作もそうだけど監督、撮影、音楽、
脚本、編集ほとんど自分でやっちゃう凄い人。
クレジット見ると全部ロドリゲスでほとんど自主映画状態。
撮影もメキシコの自宅近辺でやっちゃう。身内もバンバン出す。
ギター好きは有名で「スパイキッズ」のメイキングとか観てると、
演出中もギターを抱えている(笑)ちょっと変人。
タイトル曲はロックなんだけど、やっぱりメキシコっぽい
ラテンアコースティックギターがへろへろ鳴っているのが彼らしい。
なんでもロドリゲスは撮影中に主演のマッゴーワンとデキてしまったらしく、
最近離婚したらしいですね・・。息子のために映画作るような
親バカな彼だったのに・・・この映画では息子殺しちゃうけど。(笑)

「元々が2番館、3番舘での安物映画2本立て興行の雰囲気を楽しむ」
ってコンセプトなんですけど、タランティーノ版は
後半はちゃんとした映像に変わってました(もちろん意図的だと思いますが)
「プラネットテラー」はフィルムズタズタ感は徹底してるんですけど、
めちゃくちゃVFXとか派手に使ってたり、ブルース・ウィリスが
出てきたりするのでその辺りはヘンに中途半端な気もしました。
昔の映画だったら、チェリーの片足銃はもっと安っぽく見えてたハズ。
雰囲気はバッチリだけどどう見ても低予算映画じゃないだろーこれは(笑)

本編始まる前の「マチェーテ」予告、あれは「スパイキッズ」の
ダニー・トレホのキャラクターの昔を描いた映画ですよね。
X指定って・・。
余談ですけど、このマチェーテ、評判ありすぎだったので
急遽追加撮影し、DVDのみで9月にアメリカで発売されるとか
って噂です。ポスターもあるし。↓



1週間だけ限定公開されたUSA版を見逃したのを未だに後悔して
ますが、最近発売されたUSA版のDVDはとりあえず日本の公開
スタイルと同じでバラバラみたいです。幕間のウソ予告編も
入ってないとのこと。残念だ〜
↓USA版@amazon.com


自分みたいな人の為にバラ公開終わったら、また
どこかでこっそりやってくれるのではないかと期待しております。
東宝さまよろしくお願いします!

kazuonの感想ー★★★★

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めがね

2007年09月22日(土) 23時17分


「理想の食堂」の次は「究極の宿」の映画でした。

「かもめ食堂」の萩原直子監督の最新作。
前作以上になーんにも起こらない、空気感に浸れる映画で、
「かもめ食堂」が気に入った方はきっと今回も気にいるんじゃないでしょうか。
「あんな食堂があったら行ってみたいな!」って思わされた前作。
「こんな宿があるなら滞在してみたい」って思わされます今回。
そしてまたまた頻繁に登場するごくフツーの食べ物がそれはそれは
美味しそうです。空腹で劇場行かないように今回も注意!

ある海辺の小さな宿「ハマダ」に大きなトランクを持ったタエコ(小林聡美)
がお客としてやってくる。
宿は主人のユージ(光石研)とサクラ(もたいまさこ)だけ。
海以外は何もない場所。携帯も通じない。
近所の高校で生物を教えるハルナ(市川実日子)も頻繁に宿に来て
ゴハンは必ず一緒に食べる。そんな不思議な宿のスタイルに
戸惑うタエコだったが・・。

前作もファンタジーでしたが、今回さらにファンタジー色が
強くなっている印象を受けたんで
そこは好き嫌いの判れるところなのかもと思います。
ちょっと「バグダットカフェ」みたいなある夏の奇跡みたいな話。

仕事なんかで、一人でホテルなどに泊まる事もありますけど、
ゴハン食べに行ったり等は、人恋しい時とそうじゃないとき、、、
時には宿に来たばかりのタエコさんみたいに
今日は他人とコミュニケーションしたくない気分の時もあります。
しかも最近のホテルや旅館は食事の時すら他のお客さんと
顔ささないようにレストラン区切ってあったりしますし・・。
プライバシー重視の世の中で「ハマダ」は完全に真逆。
でもこんな感じだったらいいな・・・。
この宿はいいなぁと思います。

ゴハンは一緒に食べる。でも必要以上に他人の世界には入らない。
何も聞かない。無関心かといえばそうじゃない。
そしてビールやみんなで食べるゴハンはやっぱり美味しい。
砂浜で飲むビールが缶じゃなくて瓶だったのに
こだわり感じました。

ヒネクレ者なんで、提案系の雑誌みたいな
"「スローライフ」っていいよね!"的な
発想はまだまだちょっと・・って思ってるほう
なんですけど、そういうコンセプトかというとそうじゃない。
モロそんな感じの薬師丸ひろ子の営む宿のエピソードが
ややネガティブに盛り込まれていて・・なるほどなぁと。
癒しとかゆったりしたいってスタイルではないって
感じが嬉しかった。

朝ゴハンのメニュー、焼き鮭、取れたての野菜、卵焼き、ゴハンに味噌汁
洋朝食の時は目玉焼きにベーコン・・あぁぁ美味そうでした。
前作と同じフードコディネーターの飯島奈美さんが担当されてる
そうで、ありきたりの食べ物をこんなにシズル感たっぷりに描けるのは
萩原監督との最強タッグなんじゃないでしょうか。

「めがね」って最初気づかなかったんですけど、
そういえば宿に集まった人が全員めがねをかけているという・・。
それもここにいる才能のひとつなのかな。
自分は唯一宿でメガネをかけていない
犬のコージに激萌えでしたが。

この美しいロケ地はエンドロール観てると与論島なんでしょうか。
自分も海大好きなんで、キレイな海辺で座ってぼよーんと
ビール飲んだり、かき氷食べたり、ビール飲んだり、そんなの大好きです。
「たそがれる」は劇中やたら言葉で
出てきてちょっと考えてしまった。

小林聡美が演じる「かもめ食堂」のサチエさんは実はすごく謎だらけだなぁ
って思って観てましたけど、今回は光石研がサチエさんの役割で、
タエコはどちらかというと片桐はいりのポジションにいる感じでした。
で、やっぱり彼女がどうして一人旅してるのかってのは謎のまま。
加瀬亮演じる生徒?との関係も謎。この辺りの背景は敢えてスパっと
省いていて面白いです。観客は想像するしかない。

そしてもっと謎のもたいさんの役は前作と同じ人ではないかと
思ってしまってました(笑)
「サクラさん春以外はどこにいるんですか?」って聞いて
たけど、ひょっとしたらヘルシンキに行って「かもめ食堂」
にいるのかもしれませんね。

kazuponの感想ー★★★★

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スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ

2007年09月21日(金) 3時03分


予告編観てこれは面白そうだと期待してました。
予告で流れるサブちゃん歌う♪ジャンゴ〜って主題歌、これ知ってるかも?
その「ジャンゴ」って主人公が出てくるマカロニウェスタンどんなかは
ほぼ覚えてないですけどあの曲は記憶の片隅にあるってことはテレビ放映か何かで
子供の頃見てたんだと思います。
調べるとフランコ・ネロ主演「続荒野の用心棒」ってタイトルで、
原題が"django"
主題歌だけはキャッチーなんで覚えてたみたい。
マカロニムービーのギトギト感にサブちゃんの熱唱がぴったりハマってました。
映画はいやいや、いろいろアラもあるけど単純にオモロかったです。
まず西部劇にはもってこいのシネスコサイズのカメラがすごくいい。
俳優たちはそれぞれカッコ良く写されていたし、
ラストの決闘場面はかなりの迫力。
こんな日本映画もっとあっていいんじゃないかな。

壇ノ浦の戦いから数百年、湯田(yuta)って村落には
埋蔵金が眠っているという噂が立ち、一攫千金な賊たちがぞろぞろ。
最初に居座ったのは平清盛(佐藤浩市)率いる平家の賊軍だったが、
さらに力のある源義経(伊勢谷友介)率いる源氏の賊軍が村に現れ
対立するようになった。
ある日寡黙なガンマン(伊藤英明)が村を訪れる。
凄腕な彼はどっちにつくことになるのか・・・。

プロット読めば判る通り、黒澤明の傑作「用心棒」が構成の
ベース。「荒野の用心棒」
勿論リメイクでもなんでもなく
マカロニならぬスキヤキウェスタン。
スキヤキっつうかごった煮。
三池監督のファンだという、クェンティン・タランティーノ、
タラちゃんが出演。
偶然なのかわざとなのか同時期に公開している「グラインドハウス」
とやろうとしている事がちょっと似てますよね。
「グラインドハウス」はアメリカの古き2番館3番館の擬似体験映画。
この「ジャンゴ」は西部劇映画・・の再現というより、
そういう「テレビ洋画劇場」で放映されたマカロニ洋画吹き替え放映の
再現みたいな印象を受けました。
タラちゃん以外はオール日本人キャストなのに全編英語で日本字幕。
これが一番の特徴になってるんですが、絵がカッコイイ映画なんで
別に日本語でもいいんじゃないかと思ったり(笑)
ところがなんと出演者全員による吹き替え版なるものが存在するらしく
東京の神保町シアターって劇場で限定公開されてるらいいです。
口元だけ英語で本人による吹き替えってまさに洋画劇場観てる
感じみたい。
どんなだろ?観た方いませんか?
タラちゃんだけは三池監督がやってるそうな。

普段テレビドラマ等では見られない強烈な役を演じる俳優たち。
佐藤浩市と伊勢谷友介の源平の両親分は特に良かったなー。
ちょっと頭の弱い凶暴キャラの佐藤+やや知的な二番手、堺雅人。
知的でクールな伊勢谷+キモくて凶暴な二番手の安藤政信。
こういうキャラの対立構造が物凄く面白かった。
佐藤浩市は大河の「新撰組!」で演じていた芹沢鴨のクール傲慢ぶり
にオバカをふりかけたような雰囲気にしてましたね。最高でした。
そうか横にいるのは山南さん(堺雅人)なんだな。
観ているときは忘れてました。
桃井さんカッコ良すぎでしたけど、あれはとってもオイしい役です。
何故か自分が観る邦画にはかなりの確立で出られている香川照之は
今回さすがの怪演。
主人公の伊藤英明は構成上影が薄くなってしまったのが残念。
そんなに悪くないと思うんですが・・。出番少ないもん。
西部劇はやっぱりヒーロー主体じゃないと・・。
監督は脇のほうを魅力的に描くの好きそう。

自分は三池崇史監督の映画は肌に合ったり合わなかったりなんですよ。
「DEAD OR ALIVE 犯罪者」とか超Vシネ展開なのにあの最後、
ヤクザ・竹内力がサイコ玉みたいなの出して、
刑事・哀川翔から羽が生えて地球が滅亡する(笑)
トンデモラストとか大喜びした方なんですが、
同じ映画の中でも独特の濃ゆい、
きっつい感じはちょっと苦手に感じるシーンも。
今回もやっぱり濃ゆかったり、時にはあれ?って思うセンスの
場面があったりするのが三池映画テイストかもしれません。

今回は石橋貴明の後半(ガタイデカイだけのサブキャラだった
前半は結構良かったと思う)と、タランティーノの場面は
ちょっとアチャーって感じしました・・・。
「新春スターかくし芸大会」スレスレの線でそうならない感じが
やっぱりそっちの方向にフれてしまうというか・・・。
ベネチアとか出品してるようですけど、外人には世界観はウケそう。
セリフ回しはどんな印象受けるんだろう。全編日本人英語だし。
海外公開版は日本語吹き替え版に英語字幕だったりして。
「SAYURI」とか観て違和感感じる感じなのかなぁ。
いやいやヘンにマトモに作ってないから大丈夫なんでしょう。
なんせ年間5本ペース、ジャンルもバラバラでもうそろそろ
100本目に到達しようかという日本で
多分最も多精力的に映画を撮られている監督。
これからも遊び心満載で、どんどんこのペースでお願いします!

「すき焼きは焼豆腐じゃないとイカン!」ってのには
すごく同感です。タラちゃんに言われるとは・・・。
観た後スキヤキ食べたくなってしまいました。

kazuponの感想ー★★★1/2

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ミス・ポター

2007年09月17日(月) 19時36分


予告篇にでも遭遇してないととなんの映画か判らない
タイトルのような気がします。
「ピーターラビット」の原作者ビアトリクス・ポターの伝記的物語。
日本のタイトルを「ピーターラビットうんぬん」にしなかったのは
単純にラブストーリーとしてアピールした方がいいと
判断したんでしょうね〜。
彼女がピーターラビットを出版する頃から数年を
追っているだけだけの本編93分とコンパクトな作り。
「起承転」はあって「結」が無い感じで、さほどドラマチックな物語では
ないんですが、昔のイギリスののんびりした感じとか、
めんどくさそうだけど礼儀正しい当時の上流階級な暮らしぶりを
観ているだけで楽しい、ほんわかとした佳作。
とにかく田舎の風景の美しさが心地よい作品です。

1902年のロンドン。
30歳を過ぎたビアトリクス・ポター(レニー・セルヴィガー)
は厳粛な家庭に育ったものの、自らの意思で未だ独身。
子供のころから絵を書いて空想のお話を作るのが大好きだった彼女は
ウサギを主人公にした絵物語「ピーター・ラビット」を売り込み、
ようやくワーン兄弟の出版社から出版にこぎつける。
元はワーン兄弟が末っ子のノーマン(ユアン・マクレガー)に
どうでもいい簡単な仕事としてあてがわれるためのものだった。
ポターの才能に惚れ込んだノーマンの尽力により、本はまたたく間に
大ヒットとなる。
プライベートでも打ち解けていく二人は結婚の約束を果たすが
ポターの両親は大反対するのだった。

映画ではノーマンの出版社でようやく本を作る事になってましたけど
確か最初は250部だけ自費出版で作成したって読んだ記憶があって・・。
というのも、以前あるイベント会場でこの自家版一色刷りの
「ピーターラビット」の実物を見た事があったんです。
ちょっと調べてみたら、やはり日本に一部あるみたい。
それを借りて展示してたのかな?↓埼玉に今もあるようですね。
ピーターラビット私家版本 大東文化大

映画には登場しませんでしたが、ピーターラビットは
元々知り合いの子供に宛てた手紙に絵物語をつけて出していたのが
始まりだったそうです。
ノーマンとは実際は一応結婚したみたいで、結婚3ケ月後に
白血病で亡くなったという記述も見つけました。どっちがホントだろ。
映画よりそっちの方がドラマチックなんじゃないのかと思いましたが(笑)
ノーマンの後にサワリみたいに後のダンナといい感じになるエピソードを
入れてるのは物語としては中途半端になるのではと思いますけど、
映画はあくまでもそんな風に淡々と進めるのにこだわったようです。
そういうのが彼女を描くにはいい手法だと思ったんじゃないかな。

監督は「ベイブ」のクリス・ヌーナン。
フィルモグラフィ見ると、「ベイブ」でアカデミー賞監督賞、脚本賞にノミネート
された程の腕前なのに、それからなんと本作まで12年もブランクが。
病気でもされてたのかな?

ピーターラビットや有名なキャラクターたちが登場するのは
多くなく、少なくなく丁度いい感じ。
彼女のクリエイトしたものであるから、あくまでも
スケッチブックや額の中だけで動くだけなのがかわいい。
つい悩んでる彼女にピーターが本から飛び出してなぐさめる・・
なんて場面作ってしまいそうだけど(笑)しないのがいいね。
彼女が絶望しちゃった後、キャラクター達がスケッチブックの
中でどんどん逃げていっちゃう場面とか凄く良かった。

あとちゃんとプロポーズ出来てないのに
彼女が「YES」ってこっそり言ってくれる
シーンがすごく良かった。ノーマン嬉しそうだったな。

レニー・セルヴィガーってすごくニコニコぽよんとした表情で、
彼女が演じる事によって、ポターがとても純粋でいい人柄に
描かれているように感じる映画になっていたと思います。
他の女優だと映画そのものがちょっと違う印象になると思いませんか?
エミリー・ワトソンって自分は小柄なイメージがあるんですけど、
本作はガタイでかい感じでしたね。
彼女は当時のちょっと変わり者?ってイメージなんでしょうね。
厳粛な時代に今の女性の感覚の先駆けを持っていたような
ミリーのキャラクターも興味深かったです。

それにしても、ヒヨっ子な弟に押し付けるための採用だったに
せよ、最初にポターの絵を出版!って決めたお兄ちゃんは
すごい強運の持ち主だっただろうなぁ。空前の発行部数だそうですから。
実はピーター・ラビットって今まであまり興味無かったけど、
映画観て初めて可愛いと思いました。
日本だったら誰だろう・・
手塚治虫さんとか映画やドラマにならないですね、
そういえば。

kazuponの感想ー★★★1/2


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ショートムービーフェス〜ライブ

2007年09月10日(月) 2時30分
ゲホゲホ、風邪ひいてしまいました。いやゲホゲホ言ってなくて
ここ1週間くらいハナ水すごくて喉が痛い程度なんですけど、
多分レベル2くらいのこんな風邪で珍しくお医者さんへ。
だいたいレベル5くらいでも行かないタイプだったのに・・・。
こないだ「シッコ」観て影響受けたせいかも。
そういえばお医者さんって12時〜16時くらいは
どこも全部休診って、ものすごくユーザー主体じゃ
ない気がしませんか。その時間か夜しか到底行けないので苦労しました。
一箇所くらい空いててもいいじゃないか。
多分フツーの風邪なんでしょうけど、薬6種類も処方される。
「眠くなるのはどれですか?」って絶対聞いてしまうなぁ。

ところで先日ヘンな夢を観ました。
何故か「カーペンターズ」のライブを観に行ってるんですよ。
そしてそのバンドには何故かドラマーが4人いてて4thドラム。
みんなドッカーンドドカーン!ってユニゾンで叩いてるの。(笑)
曲は「Close to you」か♪エービーシャラララ〜のどっちか
カレンが立って歌ってた気がするけど・・
何故に?カーペンターズ???何かの予兆でしょうか。
CDもベスト1枚持ってる程度だし。
なんでドラム4人だったんだろう・・。
夢って面白いです。多分時間にして一瞬なんでしょうけど。



土曜日、お芝居を観てすっかりファンになった
ヨーロッパ企画が主催する
「ショートショートムービーフェスティバル」ってコンテスト企画
のチケットが当たってたので本町のりそな銀行本社へ。
銀行なのに立派なホールをお持ちで、それなりの芝居とか映画とか
出来そうな会場でした。

「ショートショートムービーフェスティバル」

コンテストの持ち時間一瞬ではなくて5分。
テーマは「黄金」で必ず作らなくてはいけないとのこと。
というキマリごとが。なんだか学祭上映会ノリで面白かったです。
ヨーロッパ企画の俳優達や、ゲストや一般参加のもの予選通過全20作品から
気に入ったものを1票、観客も投票するしくみ。

個人的に面白かったのはやはりヨーロッパ企画作家の上田誠さんの
ネスカフェゴールドブレンドのCM♪ダバダー♪をネタにしたものと、
あと銀杏BOYSが作ったやつ。
全身金塗りしてアコギ持って東京の繁華街で
「戦争はんたいー♪」みたいなバカな歌を唄ってると警察に注意されるって
ドキュメンタリーなんですけど、めちゃくちゃ面白かった。
でも映画というよりMTVノリだったので票は投じず。

一番気に入ったのは「モッカモッカ」という演劇ユニットが作ったもので
とにかく「豊川悦司」が追いかけてくる!というそれだけのネタでしたが
一番映画になっていて面白かった。こういうの好きなんですよね〜
もちろん全然トヨエツに似てない人がトヨエツなんだけど、それが
妙にトヨエツだと思ってしまう。(笑)

フィルムもだけど合間の中川晴樹さんと上田誠さんのコメントが
面白い。
ゲスト審査員は「踊る大捜査線」「サマータイムマシンブルース」
「UDON」の本広克行監督。
「サマータイムマシン」のムロツヨシさんの出品した映画を
かなりボロクソにこき下ろす(笑)
ただゴールデンレトリバーを
撮っただけのアレは自分もちょっとと思いましたが。
その日は今ちょっとだけお手伝いしてるバンドのライブが
そのりそな銀行のすぐ近くのクラブであり、リハの予定があって、
残念でしたが一番最後の作品の上映までギリギリ間に合って結果発表は見ずに
会場を後に。

夕方6時くらいにリハして、本番が夜中の2時(笑)・・・
さすがにそれまでそのへんで飲んでるとぶっつぶれると思ったので一旦帰宅。
自分の演奏はまぁ置いといて、後のバンドはDJ+ジャンベとか
スティールドラム+民族管楽器+DJみたいなバンドが中々良く、
ラテンダンスをバリバリ踊る黒人の客いたりフツーに客として面白かった。
ライブ終わり朝5時前くらいに店を出て近所の居酒屋でまた飲みながらだらだらしゃべる・・・。

そのバンドは翌日もライブに呼ばれてて、そっちもお手伝い。
たまーに飲みに行く某ミナミのバーの周年記念イベントで
港の造船所?かなにかの倉庫を改造した会場と
野外のプチフェスみたいなイベント。
ここはこれからライブや演劇で使っていく多目的スペースとのことで
足の便が悪い以外はすごく雰囲気あっていいな〜と
思いました。とにかくちょっと寂しい町港の雰囲気がそのまんまあるところ
なんですよね。



サブステージの方でドラムを叩かせてもらう。
聴いてくれてるのかどうか不明だが(笑)
みんなテキトーに飲んでノってていい感じでした。
こういうフェスっぽいのはすごく楽しいですね〜。
焼き鳥とかカレーとかうまうまだし。
そのライブのメインステージの大トリは
元ミッシェル・ガン・エレファントのチバユウスケ率いる
「The Birthday」!
マスターのさすがの人脈。前にライブ観てとてもカッコよくて
見たかったんですけど、前日のライブのかたしがあったので
残念ながら自分らの演奏が終わったら退散する。残念。
イベントもバースディ目当ての人がめちゃくちゃ多い感じ
でしたね。みんなTシャツ着てるし。


それにしても暑かった・・・ぼーっとするのは風邪のせいなのか、あまり
寝てなかったからなのか不明だったんですけど、一日明けたら
結構スッキリしてます。
久々に日記みたいに書いてみました。
さー今からお仕事で金沢です・・。

街のあかり

2007年09月07日(金) 0時44分


アキ・カウリスマキ監督最新作。
80分にも満たない上映時間を淡々と地味に進む展開。
コミュニケーションがヘタクソな主人公が利用されて
どんどん不幸に見舞われる内容なんですけど
決して後味は悪くないんです。
見終わった後、しばらくしてじわじわすごくいい映画だったな〜
と思えた作品でした。

警備員のコイスティネン(ヤンネ・フィーティアイネン)は
口数も少なく、友人もいない孤独な男だった。
仕事が終わって一人で飲み、たまにソーセージスタンド
のアイラ(マリカ・ヘイスカネン)に自分の事を一方的に
話すだけ。
ある日カフェで一人でいる彼に美女ミルヤ(マリア・ヤルヴェンヘルミ)が
話しかけてきた。「寂しそうだったから」と彼女は言う。
彼女とデートするようになるコイスティネン。
実はミルヤは強盗グループのボスの女で、閉店後の宝石店を見回る彼を
罠にかけていくため近づいてきたのだった。

小津安二郎に影響を受けたと聞くカウリスマキ監督、
ほんとに少ないセリフと情景の切り取りで物語を見せて行きます。
例えばこんな場面。
コイスティネンがアイラと初デートして、あまり会話もないまま車で送り届ける。
走り去る車。・・・・
車を降りた彼女は表情を変えゆっくりとメイクを直し始める・・。
ほぉーってなりました。これだけでこの彼女が訳アリなのが
観客に判るんですよね。
先日観た「シッコ」はおそらく映画の最中目をつぶっていても
内容が判る映画でしたけど(ドキュメンタリーだけどね)
この映画で同じ事したら、映画の5パーセントも判らないような
気がしました。

個人的に主人公が不幸とかビンボになる映画は観るの辛くて
苦手なんですけど、この映画の主人公も「自転車泥棒」ばりの
不幸っぷりなのに、全然不快じゃなかった。

監督によると今回は「孤独」がテーマだそうなんですが、
むしろこのコイスティネン、かっこいい!んですよ。
男から見て。
「犬のように従順で馬鹿で負け犬」?
いやいや、そんなことは無い。カッコよかったですよ・・コイス君。
若い頃のアラン・ドロンをちょっと彷彿とさせる顔立ちもありますけど。
もちろん、人付き合いは宇宙レベルでヘタクソだったとしても、
周りと迎合しないで一人でいるって事ほど難しいことは
ないと思います。
なーんにも無い仮住まいの部屋でしたけど、
ちゃんと身の回りはきちんとしてたし、自分のやるべき仕事は
ちゃんと出来ていた。コミュニケーションがヘタなだけで。
彼は常にポジティブにモノを考えてるし、
自分の可能性を常に信じている。
そして多分めちゃくちゃ優しい。それは表面からはほとんど
判りません。映画でもそれを直接的に描くシーンはほぼ無しなんで
すけど、観客には伝わっていく感じなんですよね。

とはいえ男性的な虚栄も張りまくるのがかわいいところ。
コミュニケーション下手だからすぐ言葉にしてしまう。
ミリヤに声かけられた二言目が「結婚するか?」だったし
家に来て話があるのって言われたら「別れ話か?」とか
あまりにストレートな事しか言えない性格が
結構面白くて笑ってしまいました。でもやっぱりそういうのも
かっこいいな〜って思うんですよね。(笑)
多分現実にこういう空気読めない男がそばにいたら、自分も簡単によー
友達にはなれんかもなぁと思いますけど。ヘタレです。

ソーセージスタンドのアイラみたいな、どこかで理解してくれる
女性の存在は映画的な優しさかもしれません。
現実にはああいう人はなかなかいないかもなぁ。
コンス君が「彼女と映画に行った」って話した途端
「閉店するから帰って」ってシーンはなんかじんわりきました。

対照的にあのミリヤって利用する側のファムファタールは
最後まで笑顔を見せなかったですね。
彼女のほうがよっぽど不幸なんじゃないかと思って
観ていました。
お金や権力があるからって幸せとは限らない。
本作はチャップリンの「街の灯」のオマージュ作品なのだとか。
なるほどー。

偶然前日にCSで「かもめ食堂」を放映していて、
後半だけボンヤリ観てたんですけど、同じヘルシンキでも
空気から何からぜーんぜん違う世界だなぁと思いました。
こっちの方が現実に近いのかな?
「かもめ食堂」だけ見てるとなんておおらかで善い人多い
国なんだろーって思えますけど、
この映画の登場人物、みんなつまんなさそうな顔してるんですよね。
特にコイス君の融資を断る銀行の対応のヒドさといったら
驚きました。実際あんなだったら許せないですよ銀行。

監獄に入ったコイス君が他の囚人と休憩してるシーン。
映画の中でほんとに一瞬だけ笑顔を見せているのが
とても印象的でした。

kazuponの感想ー★★★★

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シッコ

2007年09月05日(水) 0時56分


マイケル・ムーア最新作。
テーマは「どこかヘンだよアメリカの保険と医療」
アメリカの銃問題をひとつの事件から検証してみせた
「ボーリング・フォー・コロンバイン」の時はその切り口や
アポなし取材の本気さがすごく新鮮に映ったんですけど、
「華氏911」〜本作を観ていくと、ちょっと「アトミックカフェ」風
だったり基本的には同じスタイルなので
作風の新鮮さはほとんど感じなくなってきました。

でもムーアの作品は「こんな考えもありますよ」
じゃなくて「こっちが正解!こっちは×!」って
ハッキリしています。それをどう取るかは観る人次第。
ムーアの思い入れのある一方向を力強く描くがゆえ、ひょっとしたら偏った
内容になってるかも?って側面もある気がしてしまいます。
3作目になってちょっと疑りながら観ていたかも。
でもアメリカではすごく評価が高いようなので、米国人には
ほんと切実な問題として刺さってくる映画なんじゃないでしょうか。
ひょっとしたら思った以上に「ダマされてた!」って人が多いのかもなー。
長寿世界一の日本人には比較対象で出てこないこともあって、
いまひとつピンと来ない作品かもしれません。

一番最初に作業事故で指を切断した男性が、保険に
入ってなくて指をつなげるのに700万くらいかかるから
断念したとか、治療費が払えないから傷口を自分で縫う
なんて男性の描写が続きます。
「でもこれはこの人の映画じゃない」って?
ちょっと悪趣味・・・。ってのは意図的で、
ただ単に医療ドキュメンタリーだと思って観る人は
ドキってさせられるのでツカミはこれでオッケーなんでしょう。

ムーアの映画は好き嫌い別にして問題提起ありきなんですけど、
さすがに3本目になると、映画館の大画面で観なくてもいいかな〜
なんて思えてきました。
ドキュメンタリーなんで仕方ないんでしょうけど、かなり
個人撮影のビデオ等から抜いてきた荒れた映像が多いし、
大画面にする工夫みたいなものはさほど意図してなさそう
だからなのかも。

とにかくアメリカの医療、保険制度は恐ろしいほどに
営利がからんでるのは良く判りました。
国民の6分の1にあたる約5千万人が無保険なんだとか。
多く採用されているHMOというシステムは、
保険会社が医者に給料を払って治療法を指示するスタイル。
保険会社が医療をコントロールしてる訳なんですね。

そしてムーアの目線は
○カナダはお隣の国だけど医療制度全然いいよ〜
○フランス・イギリスもアメリカより全然いいよ〜
○ブッシュ大嫌い(毎度おなじみ)911の傷は深い。
○アメリカ人たちよこれ観てどうよ?
ってのはビシバシ伝わる映画でしたね。そうか・・
テレビだと放映させてもらえないのかも
こんな内容。いろんな圧力がかかって。

一番映画的だったのは、911で自主的に救援活動を
行った人たちが、それによって体を害しているのに
全く何の保障もされてなくて、ムーアが船にのって
実行犯が最新の軍医療設備に拘束されているキューバーに
向かうくだり。
いつもアメリカで日本円にして1万円以上出して
買っていた薬がキューバでは数円だと知って泣き出す女性。
こういうのは判りやすく訴えてきます。

自分もぜんぜん詳しくないんですが、イギリスや
フランスの医療がほぼ無料!って夢の国みたいに
描かれてましたけど、まぁそれには高い消費税を
含む税金の問題があるし、イギリスなんかはユーロスターで
フランスまで手術受けに行くとか聞いたことあるので、
そのヘンの都合悪いところはあまり描いてないのかな
とも思いました。

映画に登場する「反マイケルムーアサイト」の話は、
手厳しくムーアを攻撃する管理人さんの奥さんが病気になったから
お金送るのがどうの・・とかは置いといて、一応管理人さんは感謝していて、
それでもサイトは攻撃的・・って映画で紹介してるのはなんか
ほほえましいな〜と思いました。
このサイトかな?

http://www.moorewatch.com/

本編の選曲センスは何を思ってつけてるのか
不明なのがあって面白かった。
特に病院の場面で何故かダニー・エルフマンの
「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」
の曲ががかかったのはびっくりしたー。

kazuponの感想ー★★★1/2

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デス・プルーフ in グラインドハウス

2007年09月02日(日) 0時50分


今年の公開ラインナップの中でもひときわ楽しみに
していた作品。
タランティーノは勿論、ロバート・ロドリゲス作品も大好き!
に加えて今回は「グラインドハウス」の再現だとか。
タランティーノ編を早速観てきました。
いや〜フィルムや音のブチ切れ具合とか、話がテキトー
だったりとか、唐突に終わる感じとかもう最高最高!
思った以上に架空エクスプロイテーション風味の作品でした。

Deathproof

テキサス、オースティンの人気ラジオDJジュリア(シドニー・ターミア・ポワチエ)
の元へ女友達が集まり、お気に入りバーをはしごして飲んでいた。
アーリン(ヴァネッサ・フェルト)は怪しい黒い車が止まって
こちらを見ているのに気づく。
その車の持ち主はスタントマン・マイク(カート・ラッセル)と言い
店に入ってきた。
女たちにやたら話しかけるその男は、その場で知り合ったパム
(ローズ・マッゴーワン)を送るといいながら、
「この車は"デスプルーフ"でどんなに激しい衝撃を受けても
死なない・・・運転席だけだけどね!」って
急ブレーキをかけて助手席の彼女を殺してしまう。
そしてアーリンたちの乗った車も正面衝突の餌食となった・・
数ヶ月後、別の女たちの乗ったダッジを狙うスタントマン・マイクの
姿が・・。

うーんこれは「女囚もの」+カーアクションの
エクスプロイテーション映画のノリで作ったのかな?
特に後半はラス・メイヤーの「ファスター・プッシーキャット・キルキル!」
みたいなイメージだなぁと思ったらやっぱり意識してたみたい。
やたらお色気あり(といっても直接的な場面はそんなに
無いのが昔の映画)、スピードあり、田舎でロケしてて
お金かかってない感じも昔にありそうな作品。
でもやっぱり良く出来てるのがグラインドハウス風
とはいえタランティーノ作品。

前半のアーリンたちのパートは
はフィルムが痛んでる感じだったんですが、後半のゾーイたちの
パートはモノクロから割とキレイな映像に代わります。
まさにこのデスプルーフだけでもシリーズものみたいな作り。

1本目が「デスプルーフ闇の暴走」
2本目が「デスプルーフ荒野の暴走」
みたいな別の邦題タイトルなシリーズ映画のノリなんですよね、勝手に
今つけましたが・・・。(笑)
同時上映で2本目のほうがフィルムが傷んでなかったと。違うかな〜

登場人物がべっらべらしゃべる会話の内容がマニアック
だったりするのがタランティーノの作品の特徴ですが、
本作はバカ面白くて強烈で笑ってしまうカーアクションの
場面以外はもうほとんどダラダラ続く会話。
「レザボアドッグス」の冒頭の「ライクアヴァージン」話みたいな
のを延々やってます。
実際女の子だけで集まったらこんなセックスがらみの話しかしてない
のかよ?って思うくらい会話の内容は下品(笑)
フツーこんな話ばかりいくら年ごろなアメリカ娘でもしてないでしょうね〜
やっぱりタランティーノの妄想だもんなぁ。
いくら映画のスタントマンとはいえ今現在
「バニシング・ポイント」とか「ダーティメリー・クレイジーラリー」
の話なんかせんだろ普通に(笑)

ようやくスタントマンマイクが車を暴走させるまで
約30分以上ある気がしましたけど、予告でさんざん見せられた
見せ場が実はなかなか出てこないのも昔のハッタリ映画
らしいなと思いました。ホラーもだけど前半こういう青春映画ノリで
ひっぱる感じ多いんですよね。

限りなく60年〜70年代臭が漂う作品なのに、
ただ単にレトロな設定にせず、
一応現代が舞台になっているのが面白いです。
携帯メールとかATMとか。
バニシング・ポイント・コワルスキーなダッジが登場するけど、
公道に出たらフツーの車走ってましたし。
なんでもロドリゲス編「プラネットテラー」とかなり
登場人物や俳優を使いまわしてるらしく、昔のB級映画
がどの映画も同じような俳優が出てたののオマージュだとか。いいなぁ。

欲を言えばせっかく映画そのものがグラインドハウス風だったので
字幕も昔風に手書き文字っぽい見にくいのでやってくれたら
雰囲気出て良かったのに。。。なんて言ってるのは自分だけかな。

いやいやそれにしても相変わらずキャスティングが素晴らしい。
スネーク・プリスキンことカート・ラッセルはこの胡散臭さ100%の
役、見事な変態っぷり。「ごめんなさい」ですよ!
「いてぇよーおがーちゃん!」って吹き替えになっても可笑しくない
ラストの痛がりっぷりとかもう大爆笑ものでした。
DJ役のエキゾチックな美女はシドニー・タミーア・ポワチエ。
名前で判るけど、シドニー・ポワチエの愛娘ってことは
大好きな「冒険者たち」のレティシアこと
ジョアンナ・シムカスがお母さんな訳です。さすが美しい娘さんだ〜。
後半パートのゾーイ・ベルはどこかで観たことあると思ってたんですが
気のせいでした。資料見てびっくり。彼女現役スタントマンで
「キルビル」のユマ・サーマンのスタントとかやってた人らしく
あのラストの凄い場面自分で演じてるそうですね。
彼女をメインで起用する
タランティーノのそういうのが映画愛だと思うんですよ。
ほんとにこの人はトラッシュ映画が大好きなんだって節々から
伝わる作品でした。

↓下に続きます

オーシャンズ13

2007年09月01日(土) 7時57分


またまたハリウッド続編ものです。
これは評判あまり良くなかったので、期待しないで観たせいか
なかなか面白かった。「ラッシュアワー3」とは逆でしたね。
前作はイマイチかなぁって思ってたんですが、本作を見て
このゆるゆるだらだら感はワザとなんだなって思えてきました。
多分そういうやや70年代っぽいゆるーいノリが好きなんだと思います。
もちろんツッコミ所満載ですが、CGバンバンの映画が
多い中で、こういう路線の映画って今ほとんど無いような
気もしますし。

オーシャンズの仲間のルーベン(エリオット・グールド)
がラスベガスのホテルを共同経営するはずだったバンク(アル・パチーノ)
に裏切られホテル完成直前でお払い箱にされてしまう。
そのショックで病に臥してしまったルーベン
オーシャン(ジョージ・クルーニー)やラスティ(ブラッド・ピット)
を始めとする仲間たちは、大掛かりな手口でバンクを陥れ、
復讐を図ることを計画していく。

今年公開で同じラスベガスを題材にしていた「ラッキー・ユー」が、
かなり庶民的でドロ臭い映画だったので、改めて本作を見ると
やっぱりこじゃれてます。ブラピやジョージ・クルーニーはこのシリーズが
一番カッコよく見える気がしますし。

犯罪ものでありながらも、この映画では意外や人が死なないんですよね。
前2作はもう忘れてしまってるんですけど、
銃をぶっぱなすシーンもほとんど(いや全く?)
無かったような気がしました。
安易にドンパチシーンを入れないで、会話の面白さや
ゆるーいノリを楽しんでって映画にしている気がします。
トップスターが沢山いるから、ヘタすると全員ジェームスボンドみたいな
映画になりそうですもんね。それはそれで面白いのか。
アル・パチーノも凶悪な強敵ではなくて、ちょっと小ズルイ悪党
でしかないし。
子供みたいにレアな携帯欲しがったり(笑)サムスン。

でも忙しい俳優が多数なので
あっここ部屋にオーシャンズ全員いるようだけど、
実は別撮りしてるな?とか編集テクニックが見え隠れしたり。

多分コネタが結構ちりばめられている
気がしました。そのヘンは元知らなくて残念です。
日本人にはピンと来ないネタはオプラ・ウィンフリーの
テレビショーの部分でしょうか。
観客に豪華なプレゼントをするってのがひとつのウリになってて
300人弱いる公開放送の観客にある年はi-podがプレゼントされたり、
その翌年にはなんとなんと、観客全員に約300万円相当の
新車がプレゼントされて全員狂喜乱舞だったって
ニュースになってました。なんじゃそりゃ〜
スターがオプラのインタビューで涙しちゃうってのも定番らしい。
細木数子みたいなもの?
あのトム・クルーズがケイティ・ホームズの件でぴょんぴょん
ハネて男を下げてしまったのもこの彼女の番組だそうですね。
そのオペラの番組でちょっと涙ぐむブラピとクルーニー(笑)
最後のオチに使ってたのはなかなかイキだと思いましたけどね〜

あとホテルの格付け審査委員の落とし所や、
どう考えてもムダだとしか思えないメキシコのデモパート
が実は一番ツボだったりしました(笑)
あとブラッド・ピットの着メロがヒューマンリーグの
愛の残り火(Don't you want me)なんですよね。狙って
執拗に鳴らしてたなぁ・・。

毎度マット・デイモンのガキ扱いっぷりが面白いんですが、
確か今37歳なんですけど、あれはいくつの設定だ(笑)
ヴァンサン・カッセルはまた例のクネクネ踊りをしてくれるのかと
ちょっと期待しましたがナシで残念。

kazuponの感想ー★★★1/2

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映画の感想を中心に大好きな音楽の事や、どうでもいい話もテキトーに綴っております。
感想はネタバレ確実にしてますのでご注意を!
たまにdrummerもやってます。
コメント&TB大歓迎ですが、
最近忙しくTBはマトモにお返し出来ず申し訳ありません。

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