傷だらけの男たち

2007年06月29日(金) 0時33分


この記事は3月3日にDVDで観てしまったとき
にアップしたもの。
試写会でスクリーンで観させていただいたので再アップしました。
なんせ広東語&英語字幕でテレビサイズで観た感想だったので
ちょっとだけ追記を・・・。ダメな映画の見方です・・・。

7月4日?(うろ覚えでゴメン)に東京でジャパンプレミアの予定が
あるそうで、トニー・レオン、金城武始め監督も来日の
予定だそうです。
元記事のあらすじだけ字幕により金城君の役ボン→ポン 
トニーの役→ヘイ に変えて
設定勘違いしてた部分はちょっと変更しました。
以下ほぼ前回記事+追記です。

「傷城」 "Confessions Of Pain" (2006香港)
公式サイト(香港)


「ディパーテッド」アカデミー賞作品賞受賞記念!
という訳ではないですが、ふらっと輸入DVDショップ覗いたら
買って!と呼び掛けてきたので衝動買いしてしまいました。(笑)
「インファナル・アフェア」シリーズのアンドリュー・ラウと
アラン・マックのダブル監督&脚本コンビによる最新作。
アンドリュー・ラウは撮影監督も兼任。
「無間道」とは一味違うやや重いクライムサスペンスで、
展開の読めないハラハラ感はないものの、やっぱりストーリーの
構成が巧み。あっという間に終わった感のある映画でした。
またまた激シブのトニー・レオンと対になるのはアンディじゃなくて
金城武!香港映画ひょっとして久しぶり?
そういえば「恋する惑星」の二人です。警官と酔っ払いってのも同じ。
以下、広東語&英語字幕で観てますのでストーリーあやふやですが
こんな話。

ベテラン刑事のヘイ(トニー・レオン)の部下だった
ボン(金城武)は恋人が自らの命を絶ってしまった事がきっかかで
辞職し、いつも酒びたりの探偵になっている。
ヘイは妻スーザン(シュー・ジンレイ)と幸せな暮らしをしていたが
彼女の父親の富豪が惨殺される事件が起こった。
父の死に疑問を持ったスーザンはボンに捜査を依頼。
ポンが捜査していくと、30年前のマカオでの事件が浮かび上がって
くる。真犯人は意外な人物だったのだ。

以下ネタバレありまくりです。

香港ではクリスマスシーズンに公開されたのかな?
とにかく傷心で酔っ払う金城君。
金城君が傷心だから「傷城」なのかと思いましたが、
主人公の二人はどちらも癒すことの出来ない心の傷を
どこかに持っています。二人だけじゃなくて
一人で飲んだくれてる人にも誰だってそういう面は
あるのかもしれません。

この映画、「インファナル・アフェア」と同じく「真犯人は誰だ!?」
っていう展開ではなく、初めの方からヘイが
妻の父親を殺している事が暴かれてます。映画観すぎていると
そのシーンですらひっかけトリック?とか余計な事を考えてしまうんですけど、
謎解きより人の心の奥にある闇にスポットが当たっていて、
「無間道」でのトニーがやったキャラクターがもっと大人になって、アンディ
ラウがやった役の内面を持っている・・みたいな感じでしょうか。
殺しの理由も金城君の酔いどれ調査でだんだん判ってくる
のがストーリーのポイント。

看板どんどん!では無く、キレイな夜の香港が沢山登場します。
さすが撮影出身で未だにカメラを回すアンドリュー監督らしく、
夜の情景が多い今回の映画でも画面がシャープで美しい映像が
多かったし、モノクロにカラーの人物がいる絵とか、
凝ったフィルムワークは上手くいってると思いました。

メイキングを見ていると、アンドリュー・ラウとアラン・マックってほんとに
一緒に現場にいて二人で監督してる事が多いみたいですね。
よくまとまるなぁ(笑)コーエン兄弟みたいな信頼関係なんでしょうね。
「インファナル・アフェア1」のアンディが新婚前の設定で、
新居でのラブラブぶりと裏でやってる事のギャップが映画のキモになって
ましたけど、今回も心に闇を持つトニーの奥さんとの表面的には満ちた生活が
クローズアップされます。こういうスタイルって彼らの映画の特徴に
なってる気がしました。

香港でゴハン食べると、お酒飲んでる人が結構少ないのに驚くんですが、
やたらめったら飲むシーンが多い映画です。そこが気に入った!(笑)
金城君は相変わらず男前ですが、今回は「いつも酔っぱらってる」って設定。
でもそんなにベロンベロンになってるようには見えない。
いや実は酒強いけど酔ったフリしてる役だったのかも
しれませんが・・。
刑事役にキョンことチャップマン・トウもまたまた出てくれてて、
この人が出てくると重い映画でもちょっと一息つける感がいつもありますね。

トニー・レオンは「インファナル」と違って、心ここにあらずと
言ったかなり冷たい感じでキャラクター作り。
奥さん役は徐靜蕾(シュウ・ジンレイ)って中国の
女優さんだそうなんですが、かなり知的な印象。

金城君のお相手となるのは舒淇(スー・チー)。
彼女の役はなんと「サンミゲル・ガール」なんですよね。
香港のレストランとかバーにいたらたまに見かける、特定の銘柄のビール
を勧めるキャンペーンガール。自分も勧められてサンミゲル買ったことあります(笑)
日本だとクラブとかで移動キャンペーンやってるくらいですけどあっちは
特定の居酒屋とかに結構います。
これはもしハリウッドで映画化されたらどう改編されるんだろうか(笑)

日本公開が楽しみです。もちろんもう一度ちゃんと
スクリーンで観たい映画です。
今年の香港電影金像奨(Hongkong Film Award)では
最優秀男優、脚本、撮影、音楽でノミネートされてるみたいですね。
作品賞はハズしてしまってるみたい。↓
http://www.hkfaa.com/nominee/home.html

↓下に続きます

ラッキー・ユー

2007年06月26日(火) 1時33分


だ、ダサイ!このタイトル。
最近流行りの日本で勝手につけた
横文字タイトルなのかと思ったら、
何とオリジナルタイトルのままでした・・。
ニュアンス的には「幸運!オエ!」みたいなもんかな?
ドリュー・バリモアが出ていることもあるし、よくあるラブコメを
想像したあなた!そういうの期待したら、バクチに身を投じて
友達にまで借金しにくるヤクザな男の物語を延々見せられるので、
ドン引きするかもしれません(笑)
まぁ一応ラブストーリーだけど。

ハック・チーバー(エリック・バナ)はラスベガスの
カジノで毎日カードゲームをやる事によって
収入を得ている。が、大きく出すぎるため経済状態は
最悪でその日暮らし。
同じギャンブラーで父親のLCチーバー(ロバート・デュバル)
には心を許さず、父が大事にする母の形見の指輪を質草にして
挑発したりする。
歌手志望でベガスに出てきたばかりのビリー(ドリュー・バリモア)
と知り合うハックだったが、彼女のお金を勝手に資金にしてしまい、
彼女を怒らせてしまった。
そんな時、ベガスではポーカー世界選手権が開催され、
なんとか出場権のお金を確保したチーバーは
過去二度優勝している父親と対決することになる。

これまでの映画でカーティス・ハンソン監督にハズレ無し!
と思ってたんですけど・・これは・・うーん・・微妙。(笑)
まぁ面白いんだけど、主人公がほぼ共感出来ない
ギャンブル親子の確執の話だからなんだと思いました。

主人公エリック・バナは資金調達の為、質屋に通うし、
友人にはもう金貸して貰えないし、それでも能力はあるんで
数時間で数百万!ぐらい稼ぐことだって出来るのに、いつも
大きく出すぎて?最後は大事な資金まで無くなっているという・・。
ダメっぷりです。女に対してもバクチ優先でひどい。

せっかく必死で仲直りしてダイナーで
朝ごはんに誘ってるのに彼女がトイレに行った隙に
親父とバクチ始めます・・・おいおい!ダメな親子だ(笑)
「一発で1000ドル賭け合戦」?
すぐ出来るカード対決のシーンが印象的。
絶対に父親に勝てないのに挑み続けるバナ。
バンバン!って意地になってやってとにかく負け続けて
10分くらいで1万ドル父親に巻き上げられます・・・
おぉぉ100万以上だよ(笑)
実は大勝負前の父の隠れたアドバイスの場面なんだけど、
面白かったな。

母の死はオヤジが苦労させたせいだ!
って息子が父を恨んでる・・。
その父子は同じ土壌で対決する・・・みたいな図式って何かで見た
ことあるなぁと思ったんですが・・そうそう

「美味しんぼ」!

美味しんぼ構造にそっくりです!この映画。
海原雄山=ロバート・デュバル、
山岡士郎=エリック・バナで、
「究極のメニュー」対決がポーカーゲームだと思えばよろしい。
って事は栗田ゆう子はドリュー・バリモアの役回りなんですけど、
そういえば「何やってんのもう!」と
プンスカするだけの役なんですよね。
彼女が可愛くて一応ヒロインではあるものの、バクチ親子が
確執する映画の印象が強すぎて、ものすごく影薄いんですよ。(笑)
Vシネのギャンブルものみたいな話ですし。

ラストはカジノ大会決勝なんですけど、そこに
二人が上がっていくのは展開上あたり前のように
感じたし、それ以上の人間ドラマが深いかというと
なんだか薄っぺらいし・・・。

でも「007カジノロワイヤル」では良く判らなかった
カードゲームの面白さはなかなか伝わってくる作品で、
「美味しんぼ」と同じウンチクものとしての面白さはあると思います。
自分あまりカードゲーム詳しくないので、それでも???って
なる場面が多かった。事前にカジノポーカーのルールの
知識入れてから見たほうが面白かっただろうな。
でもゲームの白熱具合はもっと対決構造がわかり易い香港映画の
「ゴッドギャンブラー」みたいなのの方が面白く
作られていたような気がします。

ラスベガスって、「オーシャンズ11」な華やか
なカジノの感じもあるけど、セレブはそんなに目にしなくって
多くは田舎から観光で来た人(自分もです)が多くて、
アロハに短パンで1ドルスロット延々・・って人も多いし。
またベガスに住み着いてその日暮らしみたいなバナとかトイレで
住んでた人みたいなのって結構いそうな感じはあります。
ラスベガスを題材にした映画は華やかなの多いので
こういう、お金が動く分、庶民的な人が沢山巣くってくる、
そんな側面が良く出ていたと思いました。

カーティス・ハンソンは共同脚本も書いてますが、
お気に入りの「8mile」「イン・ハーシューズ」「LAコンフィデンシャル」
の出来には及ばず、他の脚本家が素晴らしかったのかなぁと。
もちろんそれなりにいい映画ではあるんだけど、
今回はちょっとだけガッカリしたのが正直な気持ちです。
次に期待!ラッキーユー!(意味不明)

kazuponの感想ー★★★1/2


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「ワンマン・ショー」@松下IMPホール

2007年06月24日(日) 10時34分


ペンギンプルペイルパイルズ
M&O Plays + PPPPプロデュース

「ワンマン・ショー」

大阪公演
松下IMPホール

作・演出 / 倉持 裕

出演/

小島聖、水野美紀、長谷川朝晴
小林高鹿、ぼくもとさきこ、玉置孝匡
内田慈、近藤智之、吉川純弘

音楽 / SAKEROCK

ペンギンプルペイルパイルズの倉持裕作品。2003年に初演、
第48回岸田國士戯曲賞を受賞した作品の再演。
前半ちょっと判りにくかったんですが、だんだん話の全貌が
見えてくる、映画でもたまに見かける時系列をちょっと変えて
ストーリーを見せていくスタイルのお芝居で、真相が
段々判ってくる後半はぞくぞくするような面白さがありました。

懸賞マニアの青井あゆむ(小林高鹿)は毎日のように、とにかく
ひたすら懸賞応募の葉書を夜中にせっせと書いている。
妻の紫(水野美紀)はそんな夫に呆れつつ、自分のヨダレが出てしまう
病気に悩んでいた。
最近引っ越してきた隣人、緑川黒雄(長谷川長晴)は青井の家の
前にある池の大きさがが変わってるんじゃないかと伝えに来る。
紫の兄、白根赤太(玉置孝匡)は無職で頻繁に妹にお金の無心を
しに青井家へ訪ねてきていたが、最近職を見つけたという。
それは冷房が利かない部屋で、謎の女、緑川緑(小島聖)の
話を聞いて、しばらくしたら訪ねてくる男に自分の事は知らないと
伝えて欲しいという不思議な依頼だった。
ある日、青井の家の玄関に大きな段ボール箱が届けられていた。
懸賞が当たったと喜ぶ青井だったが・・。

部屋が4つ登場するお芝居で、
ドアを効果的に配置したシンプルなセット。
壁が移動するとさっきまで青井家だったセットが瞬時に赤太が訪れる
赤い壁の部屋になったり、黒雄の部屋になったりする仕掛けが面白い。

冒頭、主人公らしき青井がひたすらハガキを書いていて、誰か判らない
黄色い服の女(ぼくもとさきこ)の傍らに大きなダンボール。
奥にある扉から誰かがこちらを覗こうとしているよう。
二人いるのに「誰もいないよ」って声がする。
そして段ボールがだんだん動き出す・・という短いシーン。
最初、それが何を意味するのか全く分からないんですけど、その段ボールが
ラストにオチみたいな形で紐解かれるのが怖いんですよね。

初演は東京だけだったみたいなので、自分を含めこの
お芝居がどういうノリのものなのか最初はなかなか掴めなくて・・
笑わせるような場面も前半は多いし、そういう観客も戸惑ってる
感じを受けました。それが、あぁこういう芝居なんだな!ってのが
ハッキリしてくるのは、時系列をさかのぼって同じ時間を別の角度から
見せる場面とかが登場するあたりから。映画でも一度時間を進行させて
から「これはこうでした」って違う側面を見せるのに近い感じです。

正直簡単に理解出来ない、ちょっと難しい面のあるお芝居だと思いました。
でも最後にはその意図も判ってくるんですよね。
このお芝居のタイトルの意味とか、何故、赤とか緑とか、簡単な
色の名前が登場人物についてるのかとか。
結構後ろで観てたんですけど、名前と衣装が一致した色分けのお陰で
誰が誰なのかハッキリ判って良かった(笑)



水野美紀も小島聖も舞台は初めて観たんですけど、
二人ともコメディエンヌの資質が充分に備わってると感じました。
特に小島聖はびっくりするくらいスタイル良くて(笑)
凄く舞台映えするんですよね〜。帰りにその事
話題にしてる女性の声をチラホラ聞いたくらい、
そういういい意味で存在感のある女優さんだなぁと思いました。

小島聖が話すセリフの中で、「貴方が立っている位置から見ている
私は、あなたにしか見えない私で、その瞬間は他の誰一人観ること
が出来ないものを見ている」ってやや哲学的な理論が出てきますけど、
ちょっと面白いなぁと思いました。

IMPホールってライブでしか来た事無かったんですけど、昔
ここで観たジノ・ヴァネリ(知ってますか?カナダの人気シンガー)
のライブ、お客さん半分も埋まってなかったのがすごく思い出深い
会場なんです。"I just wanna stop"がヒットした人。
それでもジノがノリノリで歌ってくれたんですよね〜元気かなぁ。
ってお芝居に全然関係ないですね。でも会場はお芝居にも
丁度適したサイズだなぁと思いました。

ペンギンプルペイルパイルズ
オフィシャルサイト

http://www.penguinppp.com/

ゾディアック

2007年06月22日(金) 0時48分


絶賛だった「セブン」はあまり好きな映画ではありません。
過去気に入ったのは「ファイトクラブ」ぐらいだったので
デビッド・フィンチャーは相性あまり良くないと思ってたんですけど、
この作品はこれまでのデビッド・フィンチャーらしくない。
「セブン」みたいな映画を期待したら、オチ的なものや
ドキドキシーンなんてさほど登場しないのでかなりガッカリすると思います。
無差別殺人の怖さというよりも、犯罪を調べる過程を延々描いた作品。
ものすっごく冗長で長い。でも飽きなかった。賛否ありそうですが、
個人的にはフィンチャー作品で一番好きかも。(笑)

1969年カリフォルニアで、デート中のカップルが何者かに
銃弾で襲われた。
そして半年後にはハーマン湖でもカップルがメッタ刺しされる事件が発生。
しばらくして二つの事件の犯人だという男から新聞社に犯行声明が届いた。
犯人は自らを「ゾディアック」と名乗り、簡単には解けない
暗号文を同封して、「この暗号を一面に載せないとまた人を殺す」と。
新聞社の挿絵マンガを担当して間もないロバート(ジェイク・ギレンホール)
は事件が気になって仕方ない。やがて長きに渡って個人的にこの事件を
追う事になっていく。

このゾディアック事件はかなり有名なので、知識がある人は
この事件が今現在も未解決だって知ってる方が多いと思います。
「セブン」みたいな、なんらかの決着がある映画だと
想定して見てると、次から次へとはぐらかされてしまいます。
普通のハリウッド映画なら、ああいうダメっぽい主人公が
後半で能力発揮して事件解決しちゃう!みたいなのが定石のパターン
のような気がしますけど、この映画ではそうならない。
なんかモヤモヤして終わっちゃうんですよね。
事実だからなんでしょうけど。

映画で見せられる犯罪は、多くは「クロかシロか」ってある程度
ハッキリしているものが殆ど。
「たぶんアイツが犯人みたいなんだけど、決定打が無いんだよ」
っていうのが、現実の捜査では多いパターンなんでしょうね。
そんなスッキリしない捜査上のストレスを追体験出来るような
映画になってると思いました。
このまま、調べごと延々してるうちに何十年も経って
犯人死んじゃうよ・・みたいな。

普通だったらシーンとして描く部分を意図的に
はしょったりしているのも新鮮。
例えばロバートと妻メラニー(クロエ・セヴニー)との関係。
あの初デートも誰かの紹介なんだろうけど、そういう背景とか、
いつの間にかよくあるウエディングのモンタージュも一切入れずに
家族増えてたり。
そんな省略が多いのに、犯行場面以外は見せ場的なものを
敢えて用意せず、映画は淡々と進んで行きます。、
なんと上映時間は3時間弱!もうダメだ!って思った人には
拷問に近いくらい長いと思うんですけど、そんなに長さを
感じなかったのは、そういう「追体験」の面白さなのかなと
思いました。
でもやっぱりつまらん!って言う人多いんだろうなぁ。
ムリも無い気がします。

主演のジェイク・ギレンホールもかなり良かったですけど、
ロバート・ダウニー・Jrが最高でした。最近劇場で見逃した
「スキャナー・ダークリー」のDVDを観たばかりなんですけど、
この人はこういうドロップアウトしていく胡散臭い男やったら
すごくいいですよね。
最初はロバートの事をウザがってたのが、だんだん話する
ようになっていくのも面白かったな。青いカクテル。
彼が演じるポールはかっこいいプロフェッショナルな人。
トースキー刑事もプロフェッショナル。
そんなプロが生活犠牲にしてまで取り組んでも事件は解決しない
っていうのがこの映画のユニークな部分だで、彼らの
交わす会話のセリフも面白く、
大人っぽい映画でクールな作品だと思いました。

トースキー刑事とロバートが「ダーティハリー」(一作目)を観てる
シーンがあるんですけど、あの映画はこの事件が元ネタなんですね。
それでマーク・ラファロもモミアゲ伸ばしてるのか?
マックイーンの「ブリット」もこの刑事がモデルなのだとか。
相棒(ERのグリーン先生)の毎年誕生日に現場に行って、
やっぱり家族の元へいっちゃう場面とか、地味ないい場面や
セリフが多い映画です。

それにしても6月公開の映画は「プレステージ」はイリュージョンの
対抗意識に取り憑かれた男たちの映画だったし、「舞妓haaaan!!!」
は舞妓に取り憑かれ・・・この映画も完全なとりつかれ主人公なんで
6月は取り憑かれた男月間でしたね。

kazuponの感想ー★★★★


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http://www.zodiacmovie.com/

日本公式
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キサラギ

2007年06月19日(火) 23時55分


死の真相は如何に?
そんな内容な同日公開のデビッド・フィンチャーの「ゾディアック」を
観てそっちも面白かったんですが、先にこちらの感想をアップします。
「キサラギ」とは架空のB級アイドル如月ミキの事。彼女が謎の
死を遂げてから1年後の同じ日に、ファンサイトの掲示板を通じて
集まった5人の男が繰り広げる真相解明劇。
劇場がほぼ満員だったこともあるんでしょうが、終始笑いと
展開の面白さにおぉ!って盛り上がった雰囲気が楽しかった。

1年前に他界してしまったアイドル・如月ミキ。
彼女の熱狂的なファンが運営する掲示板に、追悼パーティの誘いが
かかった。
集まったのは、スネーク(小出恵介)、安男(塚地武雅)、
オダユージ(ユースケ・サンタマリア)、イチゴ娘(香川照之)
そしてサイト管理人の家元(小栗旬)。もちろんハンドルネームだけ
知る初対面の5人
最初は自慢のコレクションを見せ合ったりして盛り上がる5人だったが、
オダユージだけが、彼女の死は、自ら命を絶ったのではなく
他殺なのだという話を始めた。
そしてこの5人の中にその犯人がいるという・・・。

「十二人の怒れる男」・・いや、日本の密室が舞台の同様のコメディと
いうと三谷幸喜の「十二人の優しい日本人」が想い出されますが
ああいうスタイルを踏襲しつつ、面白い脚本が観客を笑わせながら
微妙な感動へ持っていってくれます。
コレ舞台劇ですぐ出来そうだなって思ったらやはり、4年前くらいに
一度48Bluesという劇団で舞台化されてたんですね。
でも元は映画の為に作られたという面白いオリジナルストーリーと脚本は
「ALWAYS三丁目の夕日」の古沢良太。
監督は「シムソンズ」の佐藤祐市。

舞台で観ても面白いだろうな!というかそのままこの脚本で
部屋のセット一つと5人の上手な俳優あいればすぐに映画に近い
ノリが伝えられそう。
設定はシンプルでセリフと演技にに全てがある作品。
演じる方は大変だろうけど、すごく面白かったんじゃないかなぁ。

事件の真相が徐々に紐解かれていくって設定
は映画でもかなり見られるんですけど、その対象が
B級(もっと下?)アイドルってのが、物語の中ですごくいい役割に
なっていると思いました。
アイドル=手の届かないもの
っていう図式があるからこそ、成り立つ話になってるところが
この脚本の面白いところ。
まぁ実際はこんなイケメンのアイドル追っかけは
そうそういないと思いますけど(笑)

ファンにしろ、ちょっと仕事でやや近くにいる人にしろ、
有名人との接点の大小にに優越感や劣等感が発生するって面白いですよね。
でも話の展開が二転三転して、だんだん真相が判るにつれ、
たとえB級アイドルであっても、人に好かれる、愛されるってのは
ほんとに素敵な事なんだってのがなんとなく見えてきます。
この集まった5人は、入口は違うにしろその彼女が大好きだった
訳ですし・・。
アイドルなお仕事してる人にはゼヒ観ていただきたい(笑)

若手2人にお笑い1人、ユースケとベテランの香川さんというバランスが
すごくいい。特に香川さんは相変わらず最高なお芝居でした。
ここまでコメディ寄りのものって、自分が観た中では無かったので・・。
香川さんが「イチゴ娘」なのも面白いですよね。助演男優賞また有力?

「舞妓Haaaan!!!」も同日公開でしたけど、こういう面白い邦画が
同時期に観られるって嬉しいですね。
舞妓はん同様、なかなか面白いキャストの邦画だと思うのに
スクリーン数が少ないのが勿体ないような気がしましたよ。

kazuponの感想ー★★★★

official site
http://www.kisaragi-movie.com/

キサラギ プレミアム・エディションDVD@amazon

舞妓Haaaan!!!

2007年06月17日(日) 0時04分


面白かった!ひたすら笑ってました。
とにかくテンポ良くてバカと楽しさと笑い!そういう映画なんで
細かい事考えずに楽しんでしまいましょう。
すごくふっきれた娯楽映画。
宮藤官九郎作品の中で、阿部サダヲの役は常に
ハイテンションな場合が多くて、
いつも脇なのに、あまりに面白くてウザくて目がいってしまう事
が多いんですけど、今回は初の映画主演でホントに出ずっぱり!
期待通りというか、いつものハイテンションキャラのまんま、
120分間突っ走る映画でした。
久々のニッポン無責任男ムービー。
好き嫌いあると思うんでダメな人にはとことんダメなの
かもですが、クドカン作品大好きな自分には贅沢な映画でした。
香港コメディ映画好きにもオススメ!ノリ近いよ。

鬼塚公彦(阿部サダヲ)は高校修学旅行の時に京都で迷子になり、
舞妓さんに遭遇。それ以来、寝ても覚めても舞妓の事しか頭に無い。
東京で働いていた食品会社から念願の
京都工場転勤が言い渡され、同じ社にいる彼女、
富士子(柴咲コウ)をアッサリ振って憧れの京都へ。
現金をどんと用意して、いよいよ夢に描いたお茶屋デビュー!
と思ったら、「一見さんお断り」というしきたりの為、どの店でも門前払い。
自分の勤める食品会社社長(伊東四朗)にお茶屋同行を懇願するが、
「それには結果を出せ」と言われる。やる気ない
京都発の新しいインスタントラーメンを売り出す提案をする・・。

阿部サダヲが演じるハインションなキャラクターというと
やたら胡散臭い「木更津キャツアイ」の猫田先輩が有名ですけど、
「タイガー&ドラゴン」のどん太とか、落語家で抱かれたくない男
ナンバーワンで、普段はアフロのズラかぶってるけど、ブチキレたら
カツラ取って素に戻る・・みたいなのは面白いなぁと思います。
クドカン脚本ではそんなハイなキャラでも素を一瞬醸し出す
場合が結構あるんですが、
今回は人間味の無いキャラクターのまんま。

全編テンション高く、走り回って、周りひっかきまわして、
そしてうっとおしいし胡散臭い。感情移入の余地はゼロ。
それなのに愛すべきキャラクターになってて、
こんな映画の主人公って珍しい?
この映画はクドカンが書く阿部サダヲの中でも、猫田、どん太
的なものをさらに誇張したようなキャラだと思いました。

先日観た大人計画の「ドブの輝き」は3部形式で、阿部サダヲ前半はクドカン脚本作で
同じ感じでひたすらハイテンションな検事でしたけど、
後半の松尾スズキ作のものでは何故か中尾彬風にしゃべる
中年社長を演じてました。(笑)
かなり幅の広い役をやれる器用な人なんですよね。歌もモノマネも上手くて、
「グループ魂」のライブなんかでは、もう完全にロックスターですし。
で、最近テレビのバラエティなんかでゲストで呼ばれてるの観ると
普段やってるキャラと真逆な物静かな感じ、あれも演技なのかもですが(笑)

その敵対する相手を演じてた堤真一がかなり面白かった。
彼の役も奇想天外キャラなんですけど、
元は関西出身だからか、阿部サダヲとのボケ合戦みたいな
のがものすごくハマってるんですよね。
「アホか」とか「ボケか」とかそんな言葉が自然なこと。
あと、生瀬勝久さんがやっぱり良かった。
後半髪の毛増えてましたよね?あれ^^

宮藤官九郎の脚本は、「お茶屋」っていうちょっと異質な文化を垣間見る
部分と、ありえないサラリーマン出世物語みたいな部分を上手くミックス
させてると思いました。あいかわらず設定ありえねーけど
メチャクチャでありながら芯がしっかりしてるのはさすが。
監督の水田伸生はテレビ「ぼくの魔法使い」で組んだ事も
あるんで、相性いいんでしょうね。
最初っから完全にエンタメ映画にするつもりで
作られてるんだと思いました。

カメオ的に登場する植木等さんの遺作になったこの作品、
偶然なのか必然なのか、植木さんが昔演じていた無責任男の現代版みたいな
映画になっています。
「コツコツやる奴ぁ、ご苦労さん!」と歌って演じてたた植木さんでしたが、
この映画の公彦は(描かれないけど)努力家。
でもラーメン開発成功させたり、プロ野球選手になったり、そういう
努力の過程は一切省かれてるのが面白いです。モンタージュもありまへん。
とにかくやりたい事の為には、とりあえず死に物狂いで頑張る!
とにかくポジティブシンキングな主人公。
クドカンは意外と「フリータとかニート」な人を応援しない(笑)
そうなんで、この映画観てオレも頑張ろう!
って人が出てくればいいですね。いないか〜。

京都ロケで知ってる所がたくさん出てくるのも楽しかったですね。
定番スポットが多かったけど。
自分はたまに京都行っても行く場所のせいなのか
そんなに舞妓はんには遭遇しないです。良く鴨川あたりで見かけるのは
舞子に変身!なんてお店でなりきる「コスプレ」な子たちだし。
すぐ判りますけどね。
昨日、琵琶湖に遊びに行って、帰りに烏丸でお茶してたんですけど、
映画みたいな修学旅行の団体がたくさんいたなぁ。「7班〜!?」で
はぐれた子はいたのだろうか。

kazuponの感想ー★★★★

official site
http://www.maikohaaaan.com/


主題歌 グループ魂に柴崎コウが
「お・ま・え ローテンションガール」のジャケットのイラストは
松尾スズキ作。
カップリングの「嫁とロック」も名曲です。

あるスキャンダルの覚え書き

2007年06月14日(木) 23時58分


ケイト・ブランシェットが出ているってだけで観にいきました。
演技力は勿論、作品選びのセンスがいつもいいなと思います。
そんなイメージから知的で魅力的な人だな〜という印象。
逆に脱力系ラブコメなんかに出てるケイトとか一度観てみたい気もします。
今年のアカデミー賞授賞式では、確か最前列に座ってた彼女は
ひときわ輝く美しさでしたね。
そのオスカーでは大御所ジュディ・ディンチが主演、ケイトが助演でノミネート
されてた作品がこれ。
身近にいる厳格なタイプの人に潜んだ孤独からくる狂気が
じわじわ怖い映画でした。

ロンドン郊外、労働階級の住民が多いエリアのある中等学校に
新任美術教師シーバ(ケイト・ブランシェット)が赴任してきた。
歴史を教えるベテラン教師のバーバラ(ジュディ・デンチ)
は彼女に目を付け、彼女と自分についてを日記に書き始める。
シーバは亭主も子供もいるが、彼女に熱心にアプローチする
15歳の生徒、コナリーと肉体関係を持ってしまう。
苦悩するシーバはバーバラにだけ真実を打ち明けるのだったが、
それはバーバラが待ち望んだ好機だったのだ。

一種のストーカーものなのかも。
デンチが演じるバーバラは、いつも厳格でカタブツ。
そして常に他人の事を心の中で値踏みしているようなタイプ。
もぅこういう人すっごい苦手です。
自分、あまり深く考えないでのほほんと
人づき合いする方なんですけど、それでも自分から見て
「計算高く見える人」は超ニガテなんですよね。
普段はいたって普通だけど、どこかでふとその人の暗黒面
みたいな部分に気づく瞬間があったりするとダメです・・。
滅多にそこまでニガテな人には巡り合わないですが。
そんな人に限って、こっちの領域にまでずかずか入ってくるタイプ
が多いからよけい苦手なんだと思われる(笑)

こんな映画観ると、他人に関わるのが怖くなりますけど、
だから人付き合いを自ら遮断しちゃうと、この映画の
バーバーラみたいな孤独な毎日が待っている訳で。
いやいや、一人でも逆に充実した毎日を送ってる人の
方が圧倒的に多いと思います。要はその人次第。

彼女は「気になる人を支配する」事を、
どうしても最終目的にしてしまうタイプ。
彼女の性的嗜好はあまり映画ではハッキリ
描かれないんですけど、気に入った同性に友情以上の
関係性を求めているのが徐々に判ってきます。
好きになった女性を
自分の術中にハメるのが本能的に上手い人なんですね。
途中から、「これ男だったら」って思いながら観て
しまってました(笑)見事なナンパ術ですよ、このバーバラ。
すごく緻密で逃げられないような所まで追い詰めていく。
男女の恋愛関係でも、片側の想いが強くて計算高い、
ストーカーすれすれの人ってこんな感じじゃないのかな?

あのケイト・ブランシェットがあんなボケーっとした
青二才に超古典的な手口ですぐハマってしまうって
どうにも考えがたい・・・。
彼に魅力が全然無いのでリアリティ感じなかった。
自分が男だからか。いや、その前にあのガキむかつく!(怒)
そこが、この映画に大きくノレなかった部分でした。
ラスト近くまでゼッタイこいつが言いふらすと思ってましたが
違った(笑)

いつもと違って全編弱々しげな顔を見せているケイトが
突然ブチキレるシーンはなかなか圧巻でしたけど、
バーバラの猫が死ぬくだりからの展開は、
ちょっとありきたりだったかも。本人が家にいるのに
あんなにやばい内容の日記を、あの性格の彼女が
そんなに簡単に見つかるようにはしないだろうとか、
スキャンダルの広まり方やラストの新たな獲物?
みたいなオチの付け方が、
自分はちょっと気に入らなかったです。
出来はともかく、かなり気の滅入る映画でした。


家族の反応がどんどん冷淡で突き放した感じになってくる
のも興味深かった。「厄病神が来た」ってあんな子供が
言ってしまうとか。怖いですよね。
主演二人の演技も勿論ですけど、あの微妙な立ち位置の
夫を演じたビル・ナイも良かったです。
タコ船長だけじゃないよ。

kazuponの感想ー★★★1/2

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日本公式
http://movies.foxjapan.com/notesonascandal/

ヨーロッパ企画「衛星都市へのサウダージ」@大阪

2007年06月12日(火) 0時33分


ヨーロッパ企画/バックトゥ2000シリーズ
「衛星都市へのサウダージ」

大阪公演/日本橋
in→dependent theatre 2nd 

作・演出/上田誠

出演/
石田剛太、酒井善史、諏訪雅、角田貴志、土佐和成、中川晴樹、
永野宗典、本多力、西村直子、松田暢子、山脇唯

音楽/かせきさいだぁ

ヨーロッパ企画、「面白いよ」という事だけ聞いてましたが、
数日前でもたまたま大阪で公演あるのを知り、
フラリと観に行きました。
いや〜面白かった!観たのはこれが初めてです。

いつの間にか「でんでんタウン」ならぬ「萌え萌えタウン」
みたいになってしまった日本橋の電気ストリートのど真ん中に
independent theatreなんてのがいつの間にか出来て
たんですね。知らなかったわ〜。
入り口小さすぎて気付かなくて、何度も通り過ぎてました。(笑)
昔の「扇町ミュージアムスクエア」をコンパクトにしたような
会場。いいですね、ここ。キャパ150人くらい?なのに、
こんな面白いお芝居をチケ代2800円で見せていただける
なんてホント嬉しいじゃないですか。(涙)大丈夫
なんでしょうか・・・。

映画ファンには一昨年の映画「サマータイムマシン・ブルース」が
ヨーロッパ企画の十八番の戯曲であるのは
ご存知の方も多いと思います。
映画ではかなりメインである曽我君をやっていた永野宗典と
未来から来た田村君役の本多力は同劇団のメンバー。

チラシを見てると、かなりのウェイトで出演者が裏方を
兼任してるみたいですね。
セットは全編宇宙船内のみ。TDLやUSJの未来アトラクションの
待合みたいなベタな感じでしょうか。劇場の大きさもあるけど
いい意味でコンパクトな感じなのがいいです。

物語は近未来、遠く離れたエメラルド星の衛星に地球人の居住区を
作っていた。
日本からもそこへの移住を目指して、宇宙船が定期的に出ている。
船内には、新天地を目指す大学生、フリーター、
出産間もない妻を地球に残して来た男や大手スーパーの
進出担当者などの一般人に加え、宇宙遊泳士や学者など、11名の
乗員が衛星に到着するまでの間、どう退屈せずに過ごすのか
という物語。

あまり起承転結の無いストーリー。
とにかくセリフが面白い。
物凄いテンポいい会話劇がこの劇団の魅力なのかな。
もう最初から最後まで笑いっぱなしみたいなお芝居でした。
映画「サマータイムマシン・ブルース」でも感じたような
「大学のサークルの部室でテンション高めで喋ってる」
感じと同じで面白かったです。

石田剛太、諏訪雅、永野宗典の3人がかメインボケ部門
担当みたいになってて、絶妙のセリフ回しやボケ・ツッコミで
笑わせてくれます。この3人は初めて宇宙に行くって設定で、
船とか飛行機に初めて乗るときにやたらツレと興奮しまくってる
ヤツってこんなのいるなぁみたいな。
そんな登場人物設定のバランスが凄く面白いと思いました。
宇宙遊泳士が「職人系」だったり、一番真面目っぽいヤツが
勝手に「委員長」と呼ばれたり・・。
特に絶対有り得無そうなテキトーな船長のキャラはかなりツボです。

ワープ航法が音だけで表現されるんですけど、
なんだか男にはキモチいいものらしい?ってネタとか、
設定はかなりテキトーなのに、実際、近未来で宇宙に
行けるようになったら、実際こんなもんかもなぁって
思えるところが面白かったな。

副船長がロボットなんですけど、このロボットが
ちゃんと舞台上で動いて、笑いを取ってるのが
すごいと思った(笑)リモコン操作失敗しないのかなぁ。
そのロボットも委員長役の人の手作りだそうです。

ところで劇場の近くに大阪にも出てきた「おでん缶」の自販機があって
その横に「ラーメン缶」の自販機まであるんですね。
ラーメンの缶詰って麺伸びないのか(笑)
見事おでん含め全部売り切れてましたけど・・。

このお芝居は「バックトゥ2000シリーズ」と題される、
過去上演作品を3本立て続けに公演する企画だったらしく
「苦悩のピラミッダー」「冬のユリゲラー」に続く3本目の
最終公演で、自分が見た回が千秋楽だったみたい。
他の2作も観たかったな。

6月26日〜7月2日までは
東京THEATER TOPS で公演されるとのことです。

ヨーロッパ企画 ホームページ

http://www.europe-kikaku.com/index.htm


監督・ばんざい!

2007年06月11日(月) 12時05分


前作「TAKESHIS'」で、さんざんイロイロと言われていた
北野武監督。
よほど人の期待を裏切るのが楽しいのか、また同じ系統の
映画をぶつけてきました。なんでもこういうタイプの映画を
あと1本作って3部作にするとか。
前作は芸人「ビートたけし」を描いて壊す映画だとすれば、
これは映画監督・北野武を描いて壊している作品。
かなり評判悪そうだったんですが、やっぱり観てしまいました。
セオリーぶち壊し系好きなのかも・・・。

前半は伊武雅刀!のナレーションにより
北野監督が次回作にってやろうとしたけどやめちゃった!
って映画の断片を短編という形でオムニバス形式で
見せていきます。・
得意なバイオレンス映画、恋愛もの、小津安二郎風、
ホラー、「座頭市」が唯一のヒット映画だから同じタッチで忍者モノ。
どれも「やっぱりダメだ・・」みたいなナレーションで中断
されてしまいます。
ハッキリ言ってセルフパロディな自分を描く構成も
断片として作られた短編もどれもさほど面白くない。

そして、昭和30年代を描いた「コールタールの力道山」。
たけしが「ALWAYS三丁目の夕日」を観て、あんなの昭和30年代
じゃない!って何かで言ってたのを読んだ事があったので、
あのどうしようもない感じのたけし流昭和30年代は
本作の中では映画として一番面白そうでした・・。でもやめちゃう。

そしてSFがらしき設定が登場。地球に降ってきた隕石が
何故か岸本加代子と鈴木杏の顔になり、
そこから映画はイキナリ暴走しはじめます。
もうムッチャクチャ。

ラーメン屋で難癖つけたら蝶野が出てきて、ボコボコ
にされるとか(笑)
何かと比べられる「大日本人」と観た状況同じような
感じだったんですけど、声出して笑ったのは
こっちのほうが多かった気がする。
呆れるくらいバカバカしいんですよ。
江守徹さんはインパクト凄い怪演だし。

昔ひょうきん族でやってたような、ほんとに
ベッタベタなギャグも中盤からかなり登場します。
岸本鈴木親子が田舎へ行くあたりから、
ほぼ意味不明なちょっとヤバそうな感じの
展開になっていく・・・。

「TAKESHIS'」の感想に「アレハンドロ・ホドロフスキーみたい」
って書いたんですけど、今回はさらにそんな感じだった
ような気がしたなぁ。似ているのは
途中で映画ぶち壊すシュール感だけですけど。

今回たけしとたけしの人形がやたらめったら後半に
入れ替わるんですけど、何度もそれを殺したりボコったり
する場面を入れてるように、
今、ここにいる監督は自分なのか虚構なのか判らない・・
それは「TAKESHIS'」で大スターたけしと売れない芸人のたけしが
交錯していたのと同じだと思いました。
一度形づくられた映画監督
北野武をここでリセットしたい!みたいな
気持ちが強いのかも。

でもこの映画、前作以上に雑な作りで「映画なんてしょせんこんなもん」
ってちょっと投げやりになってる感じがするんですよ。
「ALWAYS」は自分もそんなに好きな映画じゃないけど、
それがダメだからって、こんなにとても肯定出来ない映画を
作っていいのか(笑)まだ多くの人が感動してる方が価値がありますよ。
お金をもっと映画撮りたくてたまらない人に
あげてください。こんな内向的な映画はヒットしないんだから・・・。

面白くないって訳じゃないけど、こういうのが2本続くと
ちょっとそんな風に思ってしまいます。
決して嫌いじゃないんですよね、この映画も。不思議だ。

何十年後かに武のフィルモグラフィを振り返ったりする
時が来たら、最近の2作はひょっとしたら逆に面白く
観られるのかもしれないとか思いますね。
石井輝夫や鈴木清順みたいに、時間が経ってから特定ファンが
ついてるような映画があるみたいな。

松本人志の「大日本人」が同じ時期なんで、何かと話題ですけど、
お笑いでいい場所に行った人が作る映画って、なんとなく
映画の文法を壊してやろう的な暴力的なものが出ちゃう気がしますね。
ただ実は一流スタッフをかなり使ってたのに、映画的な絵的な
美しさを全く感じなかった松ちゃんの映画に比べると
こんなムチャクチャでも印象に残る奇麗なシーンがやっぱり
多いもんだなと、続けて観ると感じました。

kazuponの感想ー★★1/2

official site
http://www.office-kitano.co.jp/banzai/

「プレステージ」再び&原作本

2007年06月10日(日) 0時23分


この作品、試写で観たあとじわじわまた観たくなって
そそくさと初日に2回目観てしまいました。
ミシェル・ゴンドリーの「恋愛睡眠のすすめ」についで今年2本目です。
そういえば「バットマン・ビギンズ」も気に入って二回観たんですよね。
クリストファー・ノーラン監督と相性いいのかもしれません。

結論から言うとやはり2回目の方が、さらに面白かったです。
二回目観ると、一度目のときは映画の意図するマジックに
まんまとひっかかってたのがよーく判りましたよ・・って事で
久々に「再び」記事です。(笑)観た方出来ればお付き合いを。
ひょっとしたら、二回目観たときにホントの面白さが判る映画にした
のかも?とさえ思いました。自分が鈍感なだけか・・・。

一度目の感想記事「プレステージ」

全然関係ないんですけど、
先日三谷幸喜さんの「コンフィダント・絆」って舞台を観たんですけど、
この映画に似たテーマを扱ってると思いました。
ゴッホと同時代にいたゴーギャンやスーラー等の売れない頃の話なんで
すけど、才能ある人は才能があるが故、さらに才能のある人のスゴさが
判ってしまう。この映画のアンジャーとボーデンの関係もまさにそう。
相手よりなんとかスゴイ事をやってやろうと思う気持ち、そして
何を置いてももライバルの事が気になって仕方がない・・・。
恋愛感情に近いものがあるんですよね。そばにいる女性は堪りません。

でこの映画、あのオチを知ってて果たして面白いのか?
という事で、映画と結末が違うという原作本を読んでみました。
前の記事に追記で書きましたけど、この原作が凄く面白かった。
映画はかなり原作の物語をアレンジしていて、それがとても
上手くいっていると読んで思いました。原作は記述式でもっと複雑。
映画気に入った方は映画のアナザーストーリーみたいに楽しめるので
お勧めです。

原作本
クリストファー・プリースト「奇術師」(ハヤカワ文庫)
@amazon



原作の冒頭の舞台は現代。
新聞記者のアンドルーはある貴族の女性から取材の要請を受ける。
彼は幼い頃養子に出されたらしく、もちろんその頃の記憶はほぼ無いのだが
彼女の屋敷に行くと、自分が2歳の頃にこの屋敷で会った事があるという。
アンドルーは元々は、19世紀に名を馳せたアルフレッド・ボーデンという
イリュージョニストの末裔だった。
そして彼を招き入れた彼女もまた、同じ時期に活躍していた
ルパート・エンジャ(映画ではアンジャー)の末裔。
彼は自分の先祖が書いた長きに渡る日記によりライバルだった
エンジャとの確執を知る。
小説は末裔が出会う導入部から、ボーデンの日記〜エンジャの日記
〜エンディングという4部形式で進んでいて、特に19世紀の部分は
記述式になっており、ライバル二人の両方の日記から、
二人の些細な誤解や嫉妬心が
悲劇をもたらしている事が伝わってくる内容。
ボーデン、エンジャ、そして現代のアンドルーの真相がラストに
向かって収束していく展開は秀逸でした。

映画が大きく違うのは、現代パートがスパっと取り去られているのと、
アンジャーの妻が舞台で死ぬっていうくだり。小説では奥さんは
死にません。舞台上で妻が亡くなってしまうっていう映画の
設定のほうが二人の確執を強める上ではドラマチックな気がします。
逆にデビッド・ボウイが演じたニコラ・テスラのパートは原作の
イメージそのまんまって感じだったのが読んで逆に判りました。
ノーランすまん。
あと「プレステージ」は「偉業」ではなくて「惑わし」っていう
訳をメインに使っていて、そっちの方が合ってるなぁと思いましたよ。


(ここからネタバレ)

そんな訳で公開もされた事なんでネタバレで書きたいと思いますんで
未見の方はここでどうぞストップを!

最初観たときはぼーんやり観てたので、全然気付かなかったんですけど、
一番最初に映る!"The Prestige"タイトルの場面で映画の謎の核心と言える重要な
映像が映ります。
そして「良く観ておけよ」という声が・・・。

そうです。この映画、ずっと謎の真相は映像では明かしている映画。
いや正確には大きな謎は実はなくて、ちゃんとセリフになってたり、モノを映したり
しているのに、なかなか観客が気付かないように出来ているというか・・。
クリストファー・ノーランの弟で、「メメント」の原作を作った
ジョナサン・ノーランの脚本はかなり凄いと思います。

マイケル・ケインのセリフ
「観客は実は何も観ていない・・・騙されたいのだ」という意味が
二回目観るとなるほどと思える部分。

特にボーデンのセリフに着目して観ていると、ボーデンは大きく人を
欺いてはいるけれども、言葉でウソはほぼ言ってないようになってる
んですね。ここがまずこの脚本の驚きでした。
ボーデンが中国人マジシャンの舞台を観て
「人生を犠牲にしてまで欺く・・マジックの真髄だ」
感銘を受けるシーンが印象的。

ここから超ネタバレなんで文字小さくします、未見の方は御遠慮を。
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kazupon
映画の感想を中心に大好きな音楽の事や、どうでもいい話もテキトーに綴っております。
感想はネタバレ確実にしてますのでご注意を!
たまにdrummerもやってます。
コメント&TB大歓迎ですが、
最近忙しくTBはマトモにお返し出来ず申し訳ありません。

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