木更津キャッツアイ ワールドシリーズ

2006年10月29日(日) 11時19分


昨年末、05年作品の私的ベスト10を選んだ時に
「真夜中の弥次さん喜多さん」を2位にしたワタクシ。
宮藤官九郎さんの脚本は映画のものしか観た事無かった
んですけど、もう映画観た後はどーんとハマって、
特にこの「木更津キャッツアイ」は
もう面白くて面白くて「24」状態で
イッキに全部観てしまいました。

高校時代の野球部の仲間が、卒業後もダラダラと地元で
まともに仕事もしないで、いかにも地方にありそうな
喫茶兼バーみたいなお店でダラダラしゃべってるのがほとんど
って内容が自分にはなんとなく直球ストレート投げられてる
ような感じだったんです。

ドラマ放映の時は視聴率イマイチだったらしいんですが、
DVDが記録的に売れたらしく、急遽作られた前作は大ヒット。
正直あの「日本シリーズ」は番外編という感じで、
悪ノリしすぎだと思いましたけど、
本作は今まで一度もまともに描かれなかったぶっさんの
死もちゃんと登場するし、
放映当時から好きだった方には堪らない作品でしょうね。
もちろん自分も楽しくて!大満足しました。

ぶっさん(岡田准一)が死んで3年。
いつもいっしょにつるんでいた5人の仲間はバラバラになっていた。
マスター(佐藤隆太)は大阪で「野球狂の詩2号店」という
たこ焼き屋台を出し、アニ(塚本高史)は東京でほとんど何も
していない状態、うっちー(岡田義徳)は行方不明・・。
一人地元に残ったバンビ(櫻井翔)は木更津の市役所に就職して
市長の選挙活動の手伝いの途中、「それを作れば彼は帰ってくる」
ってぶっさんらしき声が聞こえてきた。急遽マスターとアニを
連れ戻し、木更津のはずれに野球場を造り始める3人。

少し前に、宮藤官九郎の定演「ウーマンリブ」の「熊沢パンキース」
ってお芝居の再演の録画を観たんですけど、(阿部サダヲはもちろん
佐藤隆太も出演)それがが原点になってるんだろうな
って思いました。
地方都市のはずれの居酒屋バーで、なんだか将来性も全く無い
青年たちが、なんとなくネガティヴな会話を続けている。
「木更津キャッツアイ」の魅力も、普通のトレンディドラマには
まぁ登場しない、就職もしないでダラダラする事しか出来ない
ダメダメなやつらを主人公にしてる部分だと思います。
個人的には大好きだった松田優作のドラマ「探偵物語」にテイストが
似ているというか、街のはみだし者に対する愛情を凄く感じる
ドラマでした。古田新太のオジーなんて「イレズミ者」みたいだ
と思いましたし・・。

あとこのシリーズが好きな部分は
「死ぬ事を特別扱いしない」こと。
もうすぐ死ぬって言ってるのに、今までとなんら
変わりなくバカやってる。それが実にカッコよかった。
冒頭の韓流パロディは、普通だったらこんな展開
(みんな号泣しちゃうとか)でしょって、、それ観て怒ってる
ぶっさん=クドカンの思いじゃないかと思いましたよ。

今回「故人が帰ってくる」って設定が必要だったので上手く
「フィールド・オブ・ドリームス」を物語の中心に据えてました。
パクリじゃなくてオマージュ?(笑)でもないか・・。

ぶっさん、アニなんて5人のあだ名がイキイキと頭の中に入って
くるのはクドカンならではの世界観。
岡田義徳なんて未だに何かでみかけても 「あ、うっちー」って
思ってしまいますもんね。

もういい歳なのに、大人を否定したような10代の頃の
ように、あだ名で呼び合って群れる事で安心できる事は
実はもう難しくなってきているのがこの映画のテーマなのかな
と思いました。
なかなか昔の自分から吹っ切れない存在の象徴がぶっさん。
ツレといつまでもダラダラするってのは楽しいのかもしれないけど、
人生そういうわけにもいかない。どこかで「若い」自分とは
決別しないといけない時が来るんですよね。
ぶっさんが帰ってくるという物語の設定をそういう誰にでもある
若さとの別れの時期というものに重ねている気がしました。

先日別の映画のレビューで「死ぬ設定の泣かせ系映画が増えた」
って書きましたけど、確かにこれも死ぬ設定。
でも死んだはずの主人公に
「悪いんだけどそろそろいなくなってくんね?」
って言う映画は珍しい気がします(笑)
小日向さんとの親子関係も妙で面白いですよね。
今回親父にだけは彼が見えないって意図がラスト近くのシーンで
なんとなく判った気がします。

長い事会ってないヤツに
「田淵・・あぁそんな奴いたねぇ。死んだの?うっそー!って
言われて終わりなんだろうなぁ」って
同級生に電話かけまくる場面が凄く印象に残りました。

岡田准一は「花よりもなほ」も良かったけど、このぶっさん役は
奇跡のハマリ役じゃないでしょうか。
普段バラエティとかで見かける、
ちょっと真面目そうな感じとは全然変わってて、ほんとにその辺に
いそうな、ちょっとめんどくさい奴!ってのを物凄く自然に
見せてくれてる気がします。

クドカンらしい小ネタが多くて、お笑い担当のぐっさんと阿部サダヲの
見せ場も多くて楽しかったなぁ!
テレビ的笑いであったとしても、ぐっさんのサブちゃんのマネとか、
病院にデリヘル呼ぼうとする所とか、代打、新庄!(笑)とか
もう可笑しくて・・。
いきなりドラマには無関係の自衛隊の非現実なキャラ出してくる所とかは
イキナリ無人島に行った前作の悪い部分もちょっと出てしまったかなぁとも思いました。
でもミニミニオジーのMCUなんて意外と良かったですね。

やっぱりドラマから飛び出した映画なので、
このドラマを自分が観てなくて、好きじゃなかったらこの映画
どう思うんだろう?って正直思いました。
もはや大好きな木更津ワールドなんで全く判らなくなってしまってます。(苦笑)
これがはじめて!っていう方のレビューを読むのが楽しみ。

↓下に続きます

2周年&音楽の秋

2006年10月28日(土) 23時00分
秋です。でも最近天気もいいし、全然肌寒くならないですね。
風邪はやってますね〜。
気付けば、このブログ10月20日で
まる2年になってました。よく続いたなぁ。
こんな自己中ブログに
どれくらい読んで下さっている方が
いるのかは全然判らないんですけど、
ヤプ内のカウンタでは既に40万ヒットを超えてるし・・。
半分以上は自分かもしれませんが(笑)
ありがとうございます!
ほんとにありがとうございます!(再度)

コメントとかいただくと死ぬほど励みになります。
お返しとかも毎度遅くてすみません・・。
映画の感想メインなのに、たまにライブとか食べ物とか犬ネタ書いてて
なんだこりゃって方も多いと思いますが、書くほうは
時間ある時に息抜きみたいにして楽しませていただいてます。
ぼちぼちこんなペースでしばらくは続けるかなぁという感じなんで、
よろしくお願いします!

と話は変わって秋といえば食い気!に走るだけの自分ですが、
ゲージツの秋にクラシック観に行ったりなかなか
出来ないもんで、最近買ったCDの事などを・・。
何故かこの秋、お気に入りのアーティストが結構新作を出した
んですよね。秋だから?

まずこれ

Sean Lennon/Friendly Fire



言わずと知れたジョン・レノンとヨーコの息子、
ショーン・レノンのなんと8年ぶりのオリジナルアルバムです。
前作"Into The Sun"も大好きで、未だに何度も聴いてるアルバム
なんですけど、曲がめちゃくちゃいいんですよね〜
シンプルなバンドセットにストリングスのみのシンプルな
ものなんですけど、ほんとにメロディラインの綺麗な曲ばかりで、
ある意味前作よりもビートルズ・ジョンっぽくなってるんですが、
これが許されるのはショーンだけかもしれません。
フィオナ・アップルやジョン・ブライアンのエンジニアとの
共同作業なので、どちらもファンの自分には染みる音でした。
このアルバム、DVDがついてるんですけど、
なんと全曲のクリップが入ってて、リンジー・ローハンや
アーシア・アルジェント、デヴォン青木なんかが出ているかなり
お金がかかったもの。莫大な財産がある人はやる事が違います(笑)
この映像を監督しているのはミシェル・シヴェッタ。
ショーンが映画化を熱望して脚本にも参加して、現在準備中だと
いうなんと村上龍原作の「コインロッカーベイビーズ」の監督に
抜擢されているそうな。

Coin Locker Babies (2008)

噂ではショーンが主演!って聴いてたんですけど、ヴァル・キルマー
主演で、浅野忠信、ヴィンセント・ギャロ、リヴ・タイラーなんか
が出る予定みたいですね。想像もつかん!
ショーンは元彼女の本田ゆかのユニット、
チボ・マットのライブで観た事があるんですけど、
その頃よりやや痩せててほっとしました。ほんとにジョンに
そっくりになってきたよ(笑)

Cornelius/Sensuous



小山田圭吾・コーネリアスのこれは5年振りのアルバム。
前作の"Point"はめちゃくちゃ好きなアルバムですけど、
その流れを汲みながらも、相変わらずの小山田サウンドとしか
いいようのない、ミキシングでのスピーカーから出る
音のパンの振り方まで音楽の一部にしている、独特の
音楽が気持ちいいです。これCDショップでかなりの
ウェイトでプッシュされてるんですけど、なかなか
マニアックな音だと思うんですけどね〜

DJ Shadow/Outsider



大好きなDJシャドウのアルバム・・。
これは先日のサマーソニックのライブでも予感はしてましたが、
今までのシャドウのサウンドが好きな人には賛否判れるアルバムでしょう。
アブストラクト・ヒップホップ色はかなり薄くなって、
コマーシャル的なヒップホップの傾向を強めた
感じというか・・。でも良く聴くと結構新しい事をやっているので
シャドウも次のステージへ行きたいんだろうなって思います。
多分今までのリスナーはかなり失ってしまうかもしれない
ですけど、自分的にはこんなのもぜんぜんアリだと思います。


あとまだ届いてなくて聴けてないんですけど、ハロウィンでは定番、
The Nightmare Before Christmas [2-Disc Special Edition]




最近3D版が公開された「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」
のサントラは既に持ってるんですけど、オマケディスクの
曲目見てびっくり!
フィオナ・アップルが「Sally's Song」をカバーしてるではあーりませんか。
この「サリーの歌」ってダニーエルフマンの映画音楽の
中でもイチバン好きな曲なんですよ〜。びっくりです。
先日大阪でライブを観たばかりだったんですけど、ライブで
この曲歌ってたら、自分びっくりして卒倒してたと思います。
まぁやらなかったですけど(笑)
あとマリリンマンソンの「This is Hallowen」なんてどんなん
だろう?

天使の卵

2006年10月25日(水) 23時33分


うーん・・これは自分ダメでした。
実は今、京都で京都映画祭というのが地味に開催されているんですが、
結構旧作ばかりの上映なので、会場となるシネコンで
なんとなく観てしまいました。
というのも劇場でオール京都ロケ敢行!って小西真奈美さんのサイン入りの
ポスターを目にしたもんで、どんな京都が出てくるんだろうかと・・。

「いかにも京都!」って風景はあまり出てこなくて、
あぁ、これは京都で撮影したんだなって判る程度のさりげない
京都の使い方で、キレイな絵も多くて雰囲気はいい!と思ったんですが・・。

ほんとに本の事知らなくてお恥ずかしいんですけど、
この映画の原作は100万部の大ベストセラーだそうで。
おそらく原作は印象全く違うのかもしれませんが、
ストーリーそのものに共感出来なかったんで、
どんなに感動的な場面になっても、自分は入り込めませんでした。

美大を目指し浪人中の歩太(市原隼人)は満員電車の中で春妃(小西真奈美)
に一目惚れ。
彼女は精神科医に入院する父の担当医。しかも自分の現在の彼女、
夏姫(沢尻エリカ)の姉でもあった。どうしても春妃を諦められない歩太。
父は一時退院してすぐに投身自殺してしまう。実は春妃も若くして
夫を自殺で失っていたのだった。

「絵を描く」って「静」のイメージなんですけど、
そこはいい雰囲気だったと思います。
小西真奈美って切れ長に大きな黒目って印象があるんですけど、
デッサン画のモデルとしてはとても書きやすそうな感じですよね。
「UDON」の時にも思いましたけど、
この映画のような、清楚で性格良さそうな役はぴったりだと思います。
主演の彼女は魅力的に映されていたと思いましたが・・。

うーん。やっぱりあんな痛みがあって他人の気持ちが判りそうな彼女が
急に8歳も下の男の子、しかも妹の彼氏の猛烈アタックに
ほだされてしまう部分に自分が納得できなかったのかもしれません(笑)
歩太が電車で彼女に光を感じるような場面はいいなと思ったんで
すけどね。「他に誰がいると思ってるンですか!!?」
落ち込んでる時に家にのりこんでフルコース!を作る場面はちょっと
笑ってしまいました。どぞ!って。原作者の願望かなぁ。

劇場でポスターは目にしてたんですけど、この映画に
沢尻エリカが出ているのは知らなかった。いまよく見かけますね。
市原君は・・・ノーコメント。
でも全般に渡って演出がオーバーな印象を受けてしまいました。。
特に春妃の同僚の性格悪そうな男。
あんなストレートなイヤな奴いないって。

戸田恵子の母親が、父がまだ生きているのに別の男性と
仲良くなってるのを複雑な気持ちで見ている展開は、ちょっと
深みを感じさせたんですけど、やっぱり「自殺」とか「死」
を物語の要素にかなり安易に入れている印象を受けてしまいます。

最近の日本の恋愛映画って「死」が登場する映画が多いような
気がします。「セカチュー」「いま会い」「タイヨウのうた」などなど沢山。
もちろん、その中でもいい映画が生まれてくるのはいいと思うんですけど、
「泣かせ」=「死」みたいな図式がちょっと多いなぁと。そんな内容が
今のデートムービーヒット映画の要素になってると代理店なんかが
分析してるとしたらちょっとイヤだよ。

京都で観てたのでよけい感じたのかもですが、
観光地じゃない京都の雰囲気は良く出ていたと思います。
もっと映画の舞台にしてもいいんだろうけど、
やっぱり街中だとロケが大変なんでしょうね〜。

kazuponの感想ー★★1/2

official site
http://www.tentama.jp/

スネーク・フライト

2006年10月24日(火) 23時41分


いや〜こういう映画好きなんですよ!
チープでバカっぽくて面白かった〜。
とはいってもそれなりに製作費はかかってると思いますが、
テレビで深夜にやっててなんとなく最後まで観てしまうような
映画というか・・。
昨年の「セルラー」で、軽くて面白い映画作る監督だなぁと
思っていたデビッド・R・エリス監督作品。
なので実は密かに期待してました・・・。
「セルラー」は「自分の携帯に監禁されてる人から電話が
かかってきたらどうするか?」ってワンアイディアだけで
ワクワクさせてくれる映画でしたけど、今回は
「飛行機に毒蛇の大群が登場したらどうなるか?」
色々設定はありますけど、そんなもん後付でしょう・・。(笑)
なかなかこんな風にいい意味でB級っぽい映画が最近少ないので、
あははって笑って観てました。

ハワイの山中で検事がアジア系マフィア・キムに殺される
現場を偶然目撃してしまったショーン(ネイサン・フィリップス)
はFBI捜査官ネヴィル(サミュエル・L・ジャクソン)が
証言して貰うためにLA行きのジャンボジェットに乗る。
その飛行機にはキムの策略で大量の毒蛇が倉庫に搭載されており、
時限装置によって離陸後に機内を這い回リ始めた何十匹もの毒蛇。
機長は真っ先にやられ、観客は大パニックになる。

前半こんななんでもないシーンがあります。
客室乗務員の妙に軽い男、ケンが乗客の中にアジア系
キックボクサーがいるのを見つけて
「いやぁ自分も実はキックボクシングやってるんですよ・・」
なんてキックのポースを見せてみるんだけど、お約束のように
「アイタタタ」ってコケル。本編にはほぼ無関係。(笑)
普通お客さんにそんな事せんだろ!ってつっこむ気にもなりません。
そういうノリの映画なんです。

もうちょっとやり過ぎると「フライングハイ」みたいにパロディに
なってしまうようなあまりにも典型的な飛行機パニック展開。
先ず真っ先に機長がやられてしまう、とか全部お約束なんですけど、
テンポも早くてダレ場があまり無いのは
「セルラー」同様、エリス監督は映画のノリを作るのが上手いと思います。

さらにバカ度や低俗度は高くなってる感じで、このテイストは多分わざと
なんだと思います・・。
真面目なパニックモノを期待して観たら、ちょっと怒られそうな感じかも・・。
自分は好きですけどね、こういうの。
乗っている乗客も、ラッパーとボディガード、飛行機恐怖症の夫の新婚夫婦、
妙に太ったオバサン、危機状況になると自分勝手になる金持ち、バカップル・・・
ホラー映画で真っ先に殺されるのはやっぱりバカップルだし、
我先に助かろうとする金持ちがひどい死に方するのもお約束!
そういえばチワワ連れた女性。飛行機にあんな風にして犬乗せていいんでしたっけ?
あのチワワの扱いにはびっくりしましたけど・・。

街中にヘビが登場するよりも、もうゼッタイに逃げられない
密室である飛行機に大量の毒蛇って状況って、パニック×2!
メインの映画設定を二つぶち込むってのはこれからも
アリかもしれないですね。
飛行機の床下に潜む「オペラ座の怪人」とか・・。ダメか;;


ああいう状況だと、とりあえず生命線であるコクピットだけは
ヘビの侵入を死守する必要あると思うんですけど、見事におざなり(笑)
実は中盤で、あの子供のどちらかがゲームの達人で、
子供が着陸させる展開なのかと予測してましたが、
そっちかよ!って展開。
肝心の毒蛇に乗客が立ち向かう部分に関しては
割といい加減に解決しちゃう感じがしました。
サミュエルってば「もう我慢ならん〜!」
ってブチ切れてマザーファッキン連呼ってのもすごいなぁ(笑)
でも目撃者の兄ちゃんはほんとに普通のいい奴でしたね。
「セルラー」もそうだったけど、
エリス監督はフツウの人ががんばる話が好きなんだろうなぁ。

サミュエル・L・ジャクソンと「ER」のジュリアナ・マーグリーズ
以外はほとんど有名な俳優が出てないんですけど、
サミュエルってこういうB級テイストの映画好んで出ますよね。

自分はとっても楽しめたんですけど、
こりゃダメ!って人も多い映画だと思います。
特に蛇がキライで、飛行機も苦手な方にはオススメ出来ません・・。

kazuponの感想ー★★★★

official site
http://www.snakesonaplane.com/

日本公式
http://www.movie-eye.com/snake/

Kazupon Movie Index

かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート

2006年10月21日(土) 9時16分


龍虎門/DRAGON TIGER GATE
2006年 香港・東方電影作品

主演:ドニー・イェン、ニコラス・ツェー、ショーン・ユー

監督:イップ・ワイマン 製作:レイモンド・ウォン
武術導演:ドニー・イェン 美術:ウィリアム・チョン 音楽:川井憲次

「龍虎門」official site (香港)
http://www2.dragontigergatemovie.com/dtg/index2.html

(日本で公開されたので記事タイトル変更しました。
このレビューはDVD鑑賞のものです)

香港に行くと、安いもんでついついDVDをバカ買いしてしまいます。
今回は時間無くてほとんどショップにも行けなかったんですが、
このDVDは丁度この夏休みに公開された作品。
向こうは発売早いですなぁ。
で、ようやく観たんですけど、
王道娯楽路線の香港映画らしくて面白い!

今トップの香港アクション俳優だと言えるドニー・イェンと
「PROMISE」でもアクション頑張ってたニコラス・ツェー
そしてショーン・ユーの3人がマーシャルアーツの達人と
して登場する、いわゆる「道場もの」。
原作は長年香港で人気のある黄玉郎のコミックが原作だそうな。
広東語+英語字幕で観てるので、ちょっとあやふやですがこんな話。

小虎(ニコラス・ツェー)は亡き父が始めた道場「龍虎門」で生まれ育った。
ここは正義の象徴とされてきた道場で、道場主の叔父(「カンフー・ハッスル」
の元華! ユン・ワー)は子供達にクンフーを教えている。
子供の頃、離ればなれになった兄、小龍(ドニー・イェン)と再会するが
小龍は子供の頃助けられたヤクザの片腕になっていた。
そんな頃「羅刹門」という悪の組織が世界制服を企み?ボスの
Shibumiが龍虎門の道場破りに現れ、叔父を殺してしまう。
自ら道場での修行を志願して来たヌンチャク使いの黒龍(ショーン・ユー)
と3人でその凶悪な敵と立ち向かうのだった・・。

「ドラゴン怒りの鉄拳」・・道場破られて師範が殺され、
復讐に立ち上がるという 「精武門」的オーソドックスな
マーシャルアーツ映画の展開なんですけど、結構クンフーアクション
にはCGを多様してます。「風雲・ストームライダース」
みたいな印象の作品。
ワイヤーでもCGでもぶんぶん飛びまくります。

ニコラスは足、ドニーは手、ショーンはヌンチャク!
って得意技に特徴をつけたアクションが爽快でした。
ドニー・イェンのアクションはバリバリなのは当たり前なんですけど、
ニコラス・ツェーとショーン・ユーはどの程度スタンドなしなのかな?
その二人になるとかなりカメラが引いてる絵が多かった気がしますけど、
全編ありえねーアクションの連続がめちゃくちゃ楽しいです。
やたらめったら投げ飛ばされて壁がボコって割れるみたいな(笑)

映画のトーンは全編に渡って結構シリアス。
もろ「キル・ビル」の影響を受けたと思われる、
吹き抜けの中華料理店や日本料亭でのバトルロイヤル的乱闘シーン
なんかも、カメラをかなり上から狙った変わった構図を使ったり
とか、このイップ・ワイマン監督絵を工夫するのが好きな人なんだって思いました。
(メイキングを見るとかなりのイケメンでびっくり)
ウォン・カーワイ作品でも御馴染みのウィリアム・チョン(張叔平)が
美術をやってるので、やっぱり近未来的なアジアンな雰囲気が
映画にマッチしていると思いました。

この映画「ハッピーブラザー」なんかで御馴染みの俳優でもある
レイモンド・ウォンの製作で、ドニー・イェンもプロデューサの一人。
アクション監督も勿論ドニーがやってるので、そりゃもう
彼が一番カッコイイ役(笑)



ポスターのように3人とも長髪スタイル。
あとの二人はぴったりですが
左端のドニーは・・なんとか若く見えます!
なんでも原作では20歳くらいの役らしいんですが・・
ボーナスディスクにカンヌに行った映像が入ってたんですけど、
普段は全くのオッサン・・というかちょっとヤクザっぽい?(笑)

で、最大の敵が、なんだかずっとジェイソンみたいなお面かぶってる
得体のしれない怪物みたいな奴で、そんな怪物が「龍虎門」
の看板抱えて道場破りに登場するシーンとか、映画的に面白い!
と思いました^^顔は出さないけど声はルイス・クーがやってるとか。

「カンフーハッスル」はオーソドックスなクンフーものに
上手くCGを使ってましたけど、これも良かったです。
とにかくなんでもあり香港アクション映画のいい見本みたいな
作品なので、日本の劇場で公開される事があればスクリーンでもう一度
観てみたい!

↓といいながらついでにチャウ・シンチーものも・・。
左の映画の日本タイトル忘れた・・。


kazuponの感想ー★★★1/2

幸福のスイッチ

2006年10月19日(木) 1時49分


和歌山県・田辺市の町の小さな電気屋さんの物語。
安田真奈監督は10年くらい大手家電メーカーに勤務しながら
映画製作に携わるOL映画監督として話題になった事もあるとか。

映画って、現実に近いドラマを描いていても
別世界を見せてくれるものがほとんどだと思うんですけど、
この作品は普通の人の身近にゴロゴロあるような
日常を描いていると思いました。
ジュリーを始め、今一番注目の若手女優の一人
上野樹里が主演で結構豪華キャスト。、
特に大きなドラマは発生しない
日常のスケッチを描いた地味な内容ですけど、
なんだかほんわか温かい気持ちになる作品です。

21歳の玲(上野樹里)は東京のデザイン事務所でイラストレーター
として勤務するが、やりたい事と仕事という現実のギャップに
不満の日々。営業にブチギレて自ら会社を辞めてしまったが、
再就職先なんて簡単に見つからない。
そんな時、和歌山の妹の香(中村静香)から姉の瞳(本上まなみ)
が緊急入院したとの手紙が届く。
慌てて田辺に戻ると、姉は妊娠、実際は電気店を
営む父の誠一郎(沢田研二)がアンテナ工事の際に屋根から
転落して骨折入院していただけだった。
しぶしぶ父が一人で切り盛りしていた電気店を手伝うハメに
なる玲だったが・・。

上野樹里と林剛史は兵庫、沢田研二と中村静香は京都、
本上まなみは大阪、安田監督は奈良の出身だそうです。
見事なオール関西キャスト&監督なんで、関西弁もかなり自然に
な感じ。
上野樹里はいいですね。関西出身ってちょっと意外でしたけど。
「スウィングガールズ」や、最近始まったドラマもチラって見たら
いつも全然違うタイプをやって存在感がある印象。
本作はハッキリ言って最初から最後までブスってしてる役。
「お姉ちゃんサイアクや・・。」って途中で妹に言われる
ような無気力で自己中で人をナナメからしか見れないようなようなタイプ。
今が旬のアイドルなら敬遠しそうな役かも。

やっぱりOLをされていた方の脚本なのか、
些細な事でちょっと怒られたり、意にそぐわない事があっただけで
ネガティブになったり逆ギレモードになるような、
誰でもある部分をやや誇張して
玲のキャラに投影させている気がしました。
男女問わず会社勤めで疲れてる人にはお勧めかもしれません。

沢田研二の電気店社長は、もうアフターケアどころか
どんな小さい事でも聞いてあげる昔ながらのスタイル。
最初はなんて効率の悪い・・と思っていた玲でしたが、
「オヤジの背中」じゃないけど、ダサイと思っていた地味ながら
人の顔が見える仕事を体験してみる事で、
「地味にコツコツ」というのが実際は結構難しくて、
そして認められるときの喜びもちゃんとあるっていうのが伝わってきます。
玲が再びあのつまらなそうな職場に戻るのはちょっと意外でしたが、
監督の言いたい部分はそこなのかなとも思いました。

沢田研二、出番は少ないものの
見事に中小企業の社長になってましたね。
「太陽を盗んだ男」は
自分の生涯映画衝撃度で言うと1、2を争う作品。
未だにスクリーンに登場すると気になる存在です。
現在でもツアーやられてますから、
普段はあんなじゃモチロン無いと思うんですけど、
「アホ!」ってやたら玲に怒鳴りちらす所は
大阪の劇場で結構笑いが起きてました。
本上まなみは、「紙屋悦子の青春」の時にも思いましたけど、
自然にお姉さん感が出る人といういい印象。
中村静香の妹は何でも単刀直入にハッキリ言ってしまうキャラで
面白かった。

ちょっとだけ気になったのは、補聴器のエピソードで
おばあさんが感激するくだりなど、部分部分で
ちょっとやり過ぎ感が感じられた事。
あそこまで淡々とさせているんだから、いっその事
ずっと何も起らないさりげない感じのトーンで統一しても
面白かったのかなぁと思いました。
あと、どうしても「地元の人にエキストラしてもらいました!」
感があるシーンがギクシャクしてる気が。
そういうご当地映画とはいえ、やたらめったら観光地や
街の風景を露出させてない作りに好感を持ちました。

すみません、以下の文章はほとんど映画の感想になってないと
思いますが、映画を見ていて感じた事などを・・・。

舞台の和歌山の田辺は以前友達が住んでたり、白浜に遊びに行く時に
ちょくちょく通る事があるんですが、海が近くて魚が美味しいイメージ。
結構関西近郊のいろんな街に行く機会が多いほうなんですけど、
国道沿いの風景は個人的にはどこにいってもさほど変らなく
なってしまったなぁと思います。大阪も中心部以外は同じ。
どんな田舎でもジャスコとパチンコ屋とガソリンスタンド数件が
国道○号付近にはだいたいあって(笑)
もっと入り込まないと街の良さはなかなか判らないというか・・。
あっ奈良と和歌山は本作にも協賛してる「オークワ」多いんですよね。

↓下に続きます

16ブロック

2006年10月18日(水) 0時02分


久々のリチャード・ドナー監督作品です。現在なんと76歳!
先日「スーパーマン・リターンズ」に感激して、
久々に78年度版「スーパーマン」のDVD-BOXを観たんですけど、
今観てもやっぱり良く出来た映画でした。
現在のように「お子様向きだけでない」アメコミヒーローものが
ほとんど皆無だった頃に人間ドラマもきちんとした
映画にしたのはフォロワーへの影響も大きかったと思います。
メイキングを観るともあの仕上がりはドナーの妥協しない
熱意あってのこそだったのが良く判ります。
ブライアン・シンガーがお手本にしてるのも納得。
ドナー監督のフィルモグラフィを見ると、結構バラエティに富んでます。
特に刑事漫才映画「リーサル・ウェポン」なんて職人の味。

昨年観てかなり面白かった「セルラー」みたいにワンアイディアで
シンプルで判りやすいサスペンス映画。
汚職警察官グループの秘密を握ってて追われるってのも似てますしね。
超判りにくかった「ブラックダリア」とは大違いです(笑)
というか、昔なら二本立てでたまたまオマケで観て
意外とこっちの方が面白かったかも?みたいな映画で、
決して大傑作ではないけど、ハリウッド大作に埋もれてしまうのは
ちょっと勿体無い佳作。
内容はありきたりですけど・・・。
さすが職人ドナー。
それにしてもブルース・ウィリス老けました。

いつも酒浸りの窓際警官ジャック(ブルース・ウィリス)は夜勤明けに
証人エディ(モス・デフ)を16ブロック先の裁判所へ護送する
ように命ぜられる。すぐに終わる簡単な任務だからと説得され引き受けた。
ところが護送車からしばし離れた時にエディは何者かに襲われた。
彼は警察官が不利になる現場を目撃しており、不利な証言をさせない
ように消されようとしていたのだった。その首謀者は長年の同僚で
あるフランク(デビッド・モース)だった。

冒頭のウィリスは、お腹も出てて、ほんとにどうしようもない
飲んだくれ感を醸し出していて、おぅ、ついにウィリスもこういう
ダメダメ役やるようになったのかなと思いましたが、
エディ襲撃以降はいきなりダイハード・ウィリスに戻ってしまうのが
ちょっと残念。今までは何だったの?って思うくらい優秀すぎるんですよ。(笑)
そこが映画の楽しさなんですけどね。
正直なところ、彼のキャラは「今まで観た感」が強いので
違う俳優がやってるか、もっとダメダメなまま進行していったら
もうちょっと深みがあったのかもなぁと思いました。

ドナーは「リーサル・ウェポン」シリーズで、常に
危機一髪の状況でクスっとさせるやりとりが得意でしたけど、
ウィリスは多くを語らない男の設定。モス・デフの方は
SWのジャージャー・ビンクスみたいに被害妄想的にべらべら
喋りまくるので、観てるほうもイライラする人多いかも?
でもさすがドナーで、ラストはさりげなくほろっとさせてくれます。
シンプルでなかなか面白いよ〜で感想終わり。

実はこの作品、既にアメリカで発売されているDVDには
Alternate Endingってのが収録されているらしく、
別の結末が用意されているとか・・。
そっちの方がドナーの意向だって聞きましたけど、
ちょっと観てみたいですね。

kazuponの感想ー★★★1/2

official site
http://16blocks.warnerbros.com/

日本公式
http://www.sonypictures.jp/movies/16blocks/

Kazupon Movie Index

米版DVD@amazonUSA(Alternative Endingあり)

ブラック・ダリア

2006年10月17日(火) 0時40分


40年代に起った惨殺事件で「世界一有名な死体」として
知られる「ブラック・ダリア事件」をモチーフとした
「LAコンフィデンシャル」のジェームズ・エルロイの
フィクションノベルの映画化。
「アンタッチャブル」でも発揮された映画マニアらしい
ブライアン・デ・パルマ監督のフィルム・ノワール的な
雰囲気。
最近はこういうクラシカルな犯罪映画は少なくなったので、
スクリーンに展開する40年代の世界が個人的には
かなり楽しめたんですが、
内容は長い小説の内容を中途半端に詰め込み過ぎた印象で、
雰囲気80点、内容50点みたいな映画かもしれません。

元はボクサーだったバッキー(ジョシュ・ハートネット)と
リー(アーロン・エッカート)は共に引退して刑事となっていた。
警察のPRの為にボクシングの試合で戦った二人は
その後コンビを組むことになる。
リーの豪華な家には、元娼婦だが過去の事件に関わったリーの援助で
学生をしているケイ(スカーレット・ヨハンセン)が同居していて、
三人はいつも一緒に行動するようになる。
40年代のハリウッドにたむろする女優志願の一人、エリザベス・ショート
(髪型から「ブラックダリア」と呼ばれていた)が胴体を真っ二つに切られ、
口は耳元まで切り裂かれた惨殺死体で発見された。
発見現場近くにいたバッキーは捜査をすすめていく上で、
彼女と接点のあったエリザベスにそっくりの富豪の娘マデリン(ヒラリー・スワンク)
と親密な関係になっていく。

この「ブラック・ダリア事件」の事は随分前にケネス・アンガーの
「ハリウッド・バビロンU」に書かれてたのを読んだ時に、
確か実際の写真も載っていた記憶があります。
なんというか原っぱに転がった単なる肉の塊?みたいな死体で、
そばにあった彼女の生前の写真とのあまりのギャップに
言い様のない不快感を感じました・・。
確か実際の事件はもっとエグくて(胃の中には人糞しか残ってなかったとか・・。)
映画にもあるように、自首マニアみたいな人も続出したり、
自分の父親が犯人だという、かなり有力な説を書いた本とか沢山ある
ようです。
映画の死体の描写はさらっとしていて、あくまでも事件の枝葉がメイン。
ブラックダリアの死体には興味対象が行かないようになってました。

ハリウッドが華やかであるからこそ、そこには影の部分が沢山
出てしまう訳で、この事件はスキャンダラスなハリウッドの闇の象徴
ようにされてきました。
物語はあくまで、ブラックダリア事件にまつわる周辺の人間ドラマを
全くの創作で作っているもの。
原作者ジェームズ・エルロイは自分の母親を幼くして殺され、
同じように真相は迷宮入りになっているので、誰よりもその
闇に執着したのかもしれないですね。

映画ではバッキーとリーのコンビについての顛末と、
ケイの過去の問題、そしてブラックダリアの事件と、
それにかかわる富豪一族と、いろんな要素が交錯しすぎて
話の中心がどしっと無い感じ。
役名だけがバンバン飛び交う前半は誰が誰なのかちょっと
判りにくくなってしまってたと思います。
字幕で見ているせいもあるのかもしれないですが・・。
デパルマ以前では、デビッド・フィンチャーが3時間半の白黒映画
にする計画があったとか。
それくらい内容が詰まった物語なんだと思いますけど長いよ^^。

上で「フィルム・ノワール的」なんて偉そうに書いてますけど、
実はいつもその定義ってあまり良く判ってないんです。
あれこれ調べると、
「1940年代から50年代にかけてアメリカでつくられた一連の犯罪映画群で、
Film noirはフランス語で"黒い映画"をという意味で、
厳密な定義では、41年製作の『マルタの鷹』から
58年製作の『黒い罠』に至る時期の作品群」
という事だそうです。
昨年のアルモドヴァルの「バッド・エデュケーション」も
フィルム・ノワール調。

そしてフィルム・ノワールには
「運命の女(=ファム・ファタール)」が登場するのがお決まり。
同じジェームズ・エルロイの映画化作「LAコンフィデンシャル」は
キム・ベイシンガーが見事に物語のガギとなる女を演じていて
オスカー受賞してました。
ブライアン・デ・パルマの前作はそういえばズバリ
「ファム・ファタール」でしたけど、
この映画のファム・ファタールは3人かも(笑)

エリザベス(ブラック・ダリア)と彼女に似た富豪の娘のマデリン、
そして本筋では一番メインのファムファタールだと思えるキム。
主人公のバッキーはある意味死んだエリザベスを含めた
3人の女性に翻弄されてしまう感じ。

ジョシュ・ハートネットは元々シブ顔なんで
こういうノワール映画の中に入ると意外(失礼)と
画面栄えして良かったと思いました。
スカーレット・ヨハンセンの役は映画では一番肝心な役だと
思ったんですけど、ちょっと微妙?
「マッチポイント」の彼女のほうがまだ精彩があったかも。
最近はゴージャス感のあるブロンド女性をやりたがってる
ようで、個人的には「ゴースト・ワールド」の頃はもっと
ナチュラルで良かったのに・・と思ってます。
ヒラリー・スワンクも頑張ってたけど、ちょっと合わない感じ
だったなぁ。妖艶なイメージが必要な役だったと思うので・・。
逆に全然似てないけどエリザベスのミア・カーシュナー
が女優陣の中では最も印象に残りました。
あの虚勢を張ってるけど、どこかホントは夢を諦めてしまってるような
雰囲気とかとても上手かったと思います。

実はキムの風呂場をバッキーが覗き見してる
ような場面がなんだかバカみたいで二回目は
笑ってしまいました;;なんかヘンじゃないですか?あそこ。
バタンって(笑)


↓下に続きます

フィオナ・アップル@心斎橋クラブクアトロ

2006年10月13日(金) 23時54分


フィオナ・アップル6年ぶりの大阪公演。
前は厚生年金会館大ホールのコンサートだったんですが、
今回の大阪はクラブクアトロのクラブギグ!
約6年ぶりとなるオリジナルアルバムが昨年末にようやく
出たばかり。
↓その事はちょっと前にここでも書いたんですが・・。

Fiona Apple/Extraordinaly Machine

今読み返すと
「今回のアルバムは、ラウンジみたいな小さな所で、お酒飲みながら
聴いてみたい!」
なんて書いてますけど、
まさにそんな思いが叶ってしまいました。

何故かフィオナのライブは巡り合わせが良くて、
手を伸ばせばフィオナに届くような、
彼女が弾き語りしてくれているピアノの前で
ライブを堪能する事が出来ました。
ピアノペダル踏んでるのも良く見えましたもん。
いや〜大感激です。素晴らしかったです。

前回と同じで、バンドのメンバーに混ざって素っ気無く登場。
ヘタすると気づかないくらいで、
ほんとに存在感を消したいのかな?と思える程、前に出るのが
苦手そうな印象を受けるんですよ。アーティストなのに^^
バンドは大柄な男性ばっかりなので、よけいあの華奢な彼女が
小さく見えます。
クアトロのお客さんも口々に「ちっちゃ」「ちっちゃ」って
囁きが、大阪だなぁ・・。(苦笑)



チラっとこっちの方を見てニッコリ!(思い込み)
その感じがめちゃめちゃカワイイ!
その一瞬で自分は撃沈されましたよ。
でも笑顔はほんとに一瞬だけで、
ピアノに座ると、全身全霊で集中した顔つき。
緊張してるのか、テンションを高めているのかどちらかなんでしょうけど、
ピリピリ感が伝わってきます。
観客の方には全く目を向けません。
新作の2曲目"Get Him back"からスタート。

6年前のライブからは数段良くなっている印象を受けました。
確かコールドプレイのオープニングアクトで
ずっと全米を回ってたようですし、日本に来るまでかなりの
数のライブをこなしているのを聞いていたんですが、
テキトーにこなしてる感じは一切無くて、
ライブそのものはホントに圧倒されるもの。

始めて観た方はびっくりしたんじゃないかと
思うんですけど、ピアノ弾いている時は寡黙に
あのキュートな外見とは不似合いな低い声と
厳しい顔つきで唄うんですよね。
ピアノと歌に没頭してる静のイメージなんですが、
マイクの前で立って歌うときは、自然に体が動くようで、
間奏の間はちょっとステージから下がってマイクが無い場所で
目を閉じて踊りまくりながらスキャットを歌っているんです・・。
前にいたので、マイクを通らない声や息遣いも結構聞こえたし。
もうスゴイなぁと圧倒されてしまいました。

曲は新作メインなのかなと思いましたが、
前作からも結構選曲してて、特に2枚目「真実」からは多数。
前にいたのでセットリストが丸見え。
ネタバレしないようにと思ったんですけど、
やっぱり見てしまいました(涙)でも好きな曲はほとんど
やってくれたよ^^

アンコールを含め20曲近くのパフォーマンスはどれも
真剣そのもの。
バンドはキーボード二人+ベース+ドラムで
フィオナが立って唄う時はkeyの一人がピアノに回ってました。
どうしてもドラムに目がいってしまうんですけど、
今回のツアードラマーのCharlie Drayton(チャーリー・ドレイトン)
のドラムが最高に良かった。タイトなドラミングと
音のダイナミクスのつけ方がカッコよくて、彼女の曲をさらに
クールにしていたと思います。
"Limp"のタイトなドラムソロもカッコよかったなぁ。

フィオナの弾くピアノの上には髪留めとゴムと一緒に、
なんだかあったかい飲み物が入ったコップが
置かれていて、湯気が上がってました^^
あれは喉にいい何かなんでしょうね。
途中ローディが新しいのに変えたら熱くて
飲めなくてコップ置く地味なしぐさがめっちゃ可愛い;;

結構新作は男性に対する当てこすりみたいな歌詞が
多かったんですけど、そういう曲を減らして
以前の曲、特に前彼の映画監督ポール・トーマス・アンダーソンに
捧げたと言われていた"I know"もやってくれたので、
アルバム製作の頃に比べると
彼女は何かふっきれたのかもしれないですね。

実際はどうなのか判りませんが、
彼女は絶対ピュアな人に違いないと、ライブを見ていて
強く感じました。
そして妥協は絶対しない人なんじゃないかと思います。
もう常に本気モードで嘘は一切無いというか・・。

大阪の街に出て歩いてみたりしたのかな?
彼女にはあの心斎橋あたりの雰囲気は
どう感じるんでしょうかね。

東京は丁度今夜やってるんですよね。明日もあります。
大阪と違ってホールライブみたいだけど、
興味がある方はゼヒ!
当日あるのかどうなのかちょっと判りませんが・・。

10/13 (金) 東京:国際フォーラム(ホールC)

10/14 (土) 東京:国際フォーラム(ホールC)
開場 16:30 / 開演 17:00 / S:¥7,500・A:¥6,500(全席指定)

フィオナ・アップル official site
http://www.fiona-apple.com/

↓下に続きます

2001年宇宙の旅

2006年10月11日(水) 23時28分


あっという間に2006年も2ヶ月ちょっと。
先日チラっと書いたんですが、大阪千日前の映画館「スバル座」
がこの9月末に閉館になってしまったんですけど、
そのさよなら上映の1本としてこのスタンリー・キューブリック監督の
「2001年宇宙の旅」を上映してくれました。
1968年に初公開された当時は賛否両論だったそうで、とにかく「難解」
だって事で、いろんな解釈を生んでゆき、この映画が名作の1本に
数えられるようになったのは随分後になってからのようですね。

スバル座は昔から単館の中でもスクリーンが大きかった劇場。
DVDも既に持ってるんですけど、元々シネラマ上映だったこの作品を
でかいスクリーンで一度観たい!と思っていたので嬉しかったです。
そういえばソフト時代に突入して、名画座も姿を消し、
旧作を大きなスクリーンで、観る機会ってほとんど無くなりました。

といいながら、この作品、個人的にはビデオの頃から何度観ようとしても
眠ってしまう睡眠映画の一本だったんです(苦笑)
あまりにもテンポがゆったりしているので、だいたい宇宙船のシーンに
なったら気持ちよくなってウトウトしてしまうというか・・。
同じ方いませんか?
もちろん最後まで観たこと一度も無い訳じゃないんですけど・・。

今回久々に集中して観ると、やっぱりコレはスクリーンで
観るべき映画だと思いました。古臭さは全く感じず、
今観てもほんとに新鮮に脳内に入り込んでくる不思議な映画です。

DVDでも再現してたのを忘れてましたが、初公開時はシネラマ上映で、
冒頭に「序曲」"Atmospheres"が流れます。
5分くらいはずっと真っ黒な画面。
徐々にクレッシェンドしていく和音の音。なんだかドキドキしてきます。
そしてMGMライオンの「ガオー!」じゃなくてそっけないのロゴの後

惑星のシルエットをバックに

♪「プァーン、プァーン、プァーン、ジャジャーーン!!・・・
 ダンドンダンドンダンドンダンドン・・・」

とこの映画の映像が流れるとセットでついてくる有名な
リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」
のティンパニロール。そして曲の盛り上がりと共に、
浮かぶタイトル・・。

"2001 A SPACE ODDYSAY"

映画館で改めて観ると、もうこの冒頭がめちゃくちゃカッコイイ。
タイトル文字のフォントもいい。
別にどうって事でもないんだろうけど、映画的興奮があるんですよね〜
この後ルーカスの「スターウォーズ」の冒頭のファンファーレ+文字スクロール
とか、スピルバーグの真っ黒から「ジャン!」と始まる「未知との遭遇」とか
「SF映画はツカミが大事!」っていうのはこの映画の影響大きいんだろうな
ってやっぱり思います。

そのタイトルの後は人類創世記に変るんですけど、いきなり
どう観ても着ぐるみが登場。あれっ?(笑)ここだけいつも違和感
を感じてしまう。キューブリックらしくないというか・・。
で、彼らの前に黒い石碑「モノリス」が突如現れます。
動物の死骸の骨を武器に使う事を覚えた猿が
骨を空中にほうり投げると、2001年の宇宙空間に漂うよく似た形の
宇宙船。BGMに流れるのはヨハン・シュトラウスの
「美しく青きドナウ」・・ここがまた気持ちいい。

クラシックの曲って宇宙空間の映像ににほんとに良く合うんだなって
思います。そして月並みに「惑星」を使ってない所も渋いです。(笑)
実はこの映画アレックス・ノースがちゃんとオリジナルスコアを
作曲していたんですけど、撮影の時にキューブリックが好きな曲
かけてたらそっちのほうがハマるので全部ボツにしたとか。
出来上がりを観ると納得だけどヒドイ話だ(笑)

一応人類創世記以降のあらすじ。
月面で謎の石碑が発見され、強力な電波を送っている。
この事件を調査するため、ディスカバリー号が木星に向かって
旅立った。ボウマン(ケア・デュリア)とプール(ゲイリー・ロックウッド)
を除く乗組員は冬眠状態で目的地へ向かう。
それらの生命維持や宇宙船の全てを「HAL9000」という
最新型コンピューターが管理していた。HALには感情があるようにプログラム
され、乗組員と会話やチェスの相手も出来る。
途中、二人に機内の異常を伝え、調査したが異変は感じられなかった。
HALの言動を懐疑的に感じる二人。また機内の異常を訴え
宇宙服で作業をしているプールの命綱が切れた。
全てはHALの仕業だ。ボウマンはHALの機能を停止させる
決意をする。

あはは、集中して観てもやっぱりよく判らん(笑)

難解と言われてますが、それなりの意図はキューブリックにあって、
その意図以上に観客や映画ファンはあれこれ詮索したのかも
しれないなぁとちょっと思いました。

自分のキューブリック映画初体験は「時計じかけのオレンジ」で
物凄い衝撃とショックを受けて、次に観たのがもっと前の「博士の異常な愛情」
その2作は結構独特のブラックユーモアを大きく感じる映画
だったんですけど、この映画はエンタメ性が薄い分退屈に感じる
人も多いのではないかと思います。

特に、画面構成や美術が今観ても物凄くカッコイイんです^^
別にSF映画はこれ以前にも沢山あったと思うし、
映画に登場するのは宇宙ステーション、宇宙船、惑星、宇宙遊泳
なんて割りと子供の「宇宙のえほん」に出てきそうなステレオタイプな
ものばかり・・。
それでも宇宙服のデザインとか、細かいディティールまで全てがスタイリッシュ。
大画面に映えるように美術設計されてますけど、中盤のHAL反乱の
くだりはテレビサイズで観てもほんとに新鮮に写ります。

よく手塚治虫がキューブリックから製作スタッフのオファーを受けていた
って話題が出ますけど、やってたらどう変っていたんでしょうかね?
そういえば時代や世界を超えて突如現れるモノリスって
「火の鳥」に似てますよね・・。

↓下に続きます
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映画の感想を中心に大好きな音楽の事や、どうでもいい話もテキトーに綴っております。
感想はネタバレ確実にしてますのでご注意を!
たまにdrummerもやってます。
コメント&TB大歓迎ですが、
最近忙しくTBはマトモにお返し出来ず申し訳ありません。

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