河童のクゥと夏休み

2007年08月16日(木) 23時34分


お盆休みの一日だったので、
満員の劇場で沢山の子供に混じって鑑賞する事になりました・・。
夏休み映画の中では多分地味目のこの作品選んでるからなのか、
チビっ子は皆お行儀いいこと。
しかし、いい大人がボロ泣きですわ。こりゃダメでした。
ひょっとしたらこの夏公開の中で一番の映画だったかもしれません。
そろそろ上映が終わる所も多いんですけど、
観ているうちにアニメという事を意識しなくなってくる
完成度の高い美しい日本映画なので、
興味ある方はゼヒ劇場へ足を運んで欲しいと思います。

小学生の上原康一は、登校途中の川原で不思議な石につまづく。
掘り返してみると、妙な化石のような石だった。
家に持って帰って、洗面台で洗っていると石からなんと
河童が飛び出してくる。でもとても弱っているようだ。
やがてこの河童は言葉が普通に話せる事が判る。
江戸時代に大地震にあって、ずっと今まで石に閉じ込められていたのだ。
康一は母と妹の反対をお父さんに懇願して、家で
世話をする事になった。

エイリアンを少年が見つけて、家に連れ帰ると
家族は最初は戸惑いながらも、やがて信頼関係が出来て
くるって設定は「E.T」をはじめ、今まで多くの映画やテレビなんかの
設定であるものだと思います。
実は「E.T」は未だに大好きでボロ泣き映画なんですけど、
確かに設定は似てますが、全くの別物。
児童文学の第一人者、小暮正夫の「かっぱ大さわぎ」「かっぱびっくり旅」
が原作で、78年の作品みたいですからE.Tより前ですしね。

原恵一監督の作品は、めちゃくちゃ評判の良かった
「クレヨンしんちゃん/モーレツオトナ帝国の逆襲」は観た事あります。
確かに評判通り面白かったけど、人気アニメキャラの映画の中で、
70年万博!とかフォーク世代とかっていうかなり大人向けの
マニアックな要素を盛り込んで、そこが通にウケているのかもなぁと
思うフシもありました。
この映画はそういうネタっぽい要素は全然無くて、
かなりオーソドックスな作り方だと思います。
でも原監督、クレしんで東京タワーに登ったのはこれがやりたかった
んでしょうね。
一応ファミリーがメインターゲットのこの作品で
映画の中でも一番ショッキングだと思えるシーンを冒頭に
持ってきたりしてるんですよね。ちょっとびっくりしました。

夏休み、一人旅、友達、初恋。
夏の小学生らしいアイテムが盛りだくさんなんですけど、
展開は過度にマンガチックにならずに、比較的淡々と
ストーリーを進めていくタイプの作品です。
とはいえ、河童のクゥは
おもいっきりマンガチックな造詣。
もちろん好き嫌いあると思いますが
自分はメチャかわいい!と思った^^
言葉遣いは股旅っぽいしゃべり方なのがツボです。
「おめぇさんがたにゃ、これ以上世話になるわけにゃいかねぇ」
とか(笑)ちょっと任侠っぽいんです。

河童のふるさとだという遠野に康一がクゥを連れて
一人旅をするあたりはなんでもないシーンなのに、じわじわ
感動しました。
夕暮れの田んぼ道、リュックに入ったクゥを連れて
走るチャリの場面の美しいこと。

仲間を探すための旅だったけど、そこには居場所はなかった。
誰でも自分の居場所を探すのは当たり前。
そんなクゥは当然マスコミの興味の対象にさらされてしまう。
このあたりは多摩川のアザラシのタマちゃんの騒動を
思い出させる作り。
康一がテレビに出らるって浮かれてしまう場面があるように、
たまたまクゥに出会ったこの一家も、テレビを見ている
人たちと勿論同じタイプの人たち。

同級生で康一がちょっと気がある菊地って女の子は
寡黙なため、周りから「キモい」対象とされてしまってる。
子供は残酷で、「大きな輪」に入れない子は自己保身の
ための攻撃の対象にされてしまう。
どこにでも転がってる典型的ないじめ。極端じゃないから
こういうのはリアルでした。
でも居場所を確保するために、世間に迎合するのは
あまりカッコいいことではないんですよね〜。
クゥと彼女のエピソードが上手くリンクしているなと
感じました。

実は観ていたとき、オッサン(犬)の元飼い主がいじめにあって
あてつけにオッサンを殴りまくる回想場面で隣の席の母親が子供を
連れて退出しちゃったんですけど、うーんこの場面が原因か
どうかだけど、最後までちゃんと見せてあげて欲しかったなぁと
思いましたね〜。
ラスト近くの菊地に会うエピソードが肝心だと思いましたし。

声はほとんど同年代くらいの子供がやってると
聞いてなるほどと思いました。ウソくさくなってないのは
そのせいなのかな。大人役のココリコとかも、後で読んで
そうなのかと思った程度。
自分はアニメあまり詳しくないんですけど、
とにかくビジュアルがどうのよりも、物語にどっぷりと
浸らせてくれるこの映画、すごく気に入ってしまいました。


ここから超ネタバレです。
これから観る方は読まないで!!


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