ウィンター・ソング

2006年11月12日(日) 23時48分


ピーター・チャン(陣可幸)監督の「ラヴソング」「月夜の願い」は
個人的にとても好きな作品。近年はプロデュース業がメインのようで、
久しぶりの長編監督作には期待していました。しかし
観るまでミュージカル仕立てだって知らなかったよ。
そのせいで、ちょっと今までの映画と違って、
映像もやや派手になっている印象。
それでもやはりピーター監督らしい
切ない恋愛映画に仕上がっています。

香港の映画スター、ジェン・トン(金城武)が映画の撮影の為に
上海にやって来た。実はヒロインのスン(ジョウ・シュン)は
10年前自分が北京で映画監督を志している時に知り合い、
貧しいながらも夢を追う二人は同棲していた過去があったのだ。
サーカスを舞台にしたミュージカル映画を監督するウェン(ジャッキー・チュン)
のパートナーになっているスン。
記憶喪失になった彼女をサーカスに探しに来る男と
その団長の三角関係となる映画の物語が二人の過去にシンクロしてゆく・・。

ひょっとしてピーター監督、昨年の「オペラ座の怪人」に
少し影響受けたのかな?というのが第一印象です。
ヒロインをめぐる三角関係がメインで、クライマックスで劇中劇に
シンクロしていく部分とか、もちろんミュージカル的要素も
あの映画の空気感に結構近いものを感じたもので・・。

鑑賞後資料を読むと、この過去から順撮りしてたらしくて、
北京パートをクリストファー・ドイルが撮影した後、
脚本を変えて上海パートの撮影が遅れたため、ドイルの
スケジュールがつかなくなったとか。
そのせいか、過去と現在の雰囲気がガラっと変わってしまうのが
逆に映画にいい効果を出させているように思いました。

やっぱり以前のピーター監督作品が好きな自分は、
あの北京パートのビンボー恋愛時代がじんじんと染みます。
ただ、この作品のジョウ・スンのキャラクターは
おそらく敢えて奔放で冷酷な面も持ち合わせている
キャラに設定されているので、 なかなか共感出来にくい
ヒロインなのが逆に面白いなって思いました。

正直北京パートがめちゃ良かったもんでもっと長くして、
上海パートはもっと短くてもいいかも?なんて贅沢に思ってしまいます。
10年もずっと想い続けていて、再会しても牽制しあう二人というのが、
北京の二人の暮らしや精神的な繋がりを丁寧に描いていたらもっと
浮き彫りになったのかなぁなんて。

ジョウ・スンは北京時代はなんだかボーイシュで魅力的でしたが
いつも小奇麗なんで全然苦労してるように見えなかった・・。
上海に行くとまた雰囲気がガラって変わってすごい存在感。
金城君は今回も悔しいくらいに男前です。
でもあんな仕打ちされたら自分なら1日で忘れようとしますよ(笑)
あの仕返しは大掛かりに大人げなくて面白かったです。

でも半分は復讐かもしれないけど、
1日だけ昔に戻る事によって
スターになって一番彼女のいい部分が失われている
事を取り戻させようとしたし、そうすることで自分も
前に一歩踏み出そうとしているのが、ありきたりな
展開にならずに良かった気がします。

肝心のミュージカルシーンは・・。
うーん正直微妙(苦笑)何故にサーカス??
やはり「オペラ座」「ムーランルージュ」っぽくしたかったのか・・。
金城君やジョウ・スンの歌声はもちろん、
ジャッキー・チュンやっぱり歌うまいよ!のは久々に堪能出来ましたけど
ミュージカルに自分はやや違和感があるように
感じてしまったのは、「オペラ座」のロイド・ウェーバー的?な
楽曲のイメージにバラツキがあったからかもしれません。
ダンスはなんだかインドミュージカルっぽいなぁって思ってたら
やっぱり!というかファラー・カーンというインドの人が
やっているんですね。これは自分が以前観たことのある
ロイド・ウェーバーとインド映画音楽の大家A.R.ラフマーンが組んだ
「ボンベイ・ドリームス」って舞台ミュージカルをやった方。
中国語+ウェーバー調+インド+サーカスだもんで
なんだか不思議な世界。これは賛否判れる部分でしょうね〜。
でも中華圏映画でこういうの珍しいのでかなり楽しめました。
また、タイトルのピアノ曲も印象的でした。

エリック・ツァンが出てくるとなんだか安心してしまう
のはなんでだろう?(笑)

ピーター・チャン監督の映画って食べる場面が美味しそうなんですよ。
「ラブソング」でもワンタンメン?みたいなのレオンライが
作ってあげて食べる場面がめちゃくちゃ美味しそうだったんで
すけど、この映画でもあの撮影中に食べてた麺とか、
特に北京のボロアパートで作ってくれたビンボ鍋みたいなのが
とても美味しそう!

kazuponの感想ー★★★1/2

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