イングロリアス・バスターズ

2009年11月22日(日) 9時02分


いやー実はあまり期待してなかったんですが、
めちゃ面白かったっ!
タラ監督作品にハズレなし。
前3作「キル・ビル1・2」と「デスプルーフ」はあまりにも
グラインドハウス映画が好きすぎるタランティーノの究極
のオマージュ作品。
あれはあれで大好きなんですが、今回はもうちょっと
「パルプフィクション」の頃のオチが何箇所もある面白脚本と
エンタメ路線に戻してきた感じがします。
ブラピはじめ出てくる俳優みんないいけど、なんといっても
実は主役とも言えるクリストフ・ヴァルツのいやらしーい
ナチ大佐役の演技がすごすぎる映画でした。
ドイツには悪いけど勧善懲悪のスタイルを取っているから、
多くのホロコースト映画と違ってスカっと
爽快感を感じるから不思議。

第二次世界対戦中のフランスの田舎町で、
「ユダヤ・ハンター」と異名を取るヴァルツ大佐(クリストフ・
ヴァルツ)は農家に匿われたユダヤ人家族をめざとく見つけ
惨殺するが、娘の一人ショシャナ(メラニー・ロラン)だけは逃げ延る。
一方ナチ殺戮だけを目的としたアルド中尉(ブラッド・ピット)
率いる極秘部隊「イングロリアル・バスターズ」の存在は
ヒトラーを苛立たせていた。
映画館の主人になっていたショシャナにドイツ軍の
英雄兵フレデリック(ダニエル・ブリュール)が近づいてきた
のがきっかけで、彼女の映画館でフレデリックの活躍を映画化
した映画のプレミアが開催されることになる。
そこにヒトラーを始めとする主要幹部4人が来場する
事がわかり、ショシャナは可燃性フィルムを上映中に
燃やして全員皆殺しにする計画を立てる。

もうねー、まず冒頭の農家のヴァルツの尋問場面からして
もんのすごい緊張感。
「レザボア・ドッグス」の耳切りの場面といいこういう脅迫的
な緊張感をぐいぐい出していくのはタラちゃんの真骨頂。
ショシャナが会食でヴァルツに遭遇するシーンとか
ドイツ人気女優で英国軍スパイのブリジット
(ダイアン・クルーガー)のウソが見抜かれる場面とか
随所にそういう緊張感ある名場面が何箇所も登場します。
緊張しすぎて疲れた(笑)いやでもすごいですよ。

特に中盤のブリジットとドイツ将校になりすました
英軍部隊との密会がナチに怪しまれて・・っていう一連の
酒場のシーンはタランティーノらしい見事な傑作シーンで
鳥肌たっちゃいました。

映画館のプレミアをクライマックスに、
二つのヒトラー暗殺計画を最後に交錯させる脚本の上手さ。
そういえばタランティーノの映画で、
街のチンピラの話じゃないのって始めてのような気がします。
バスターズはチンピラといえばそうだけど。
ヒトラーのような歴史上の人物を登場させるのも
多分始めてですけど、総統なんてもぅ見事に人格なくて
マンガ的に描いていて笑えた。

インタビューでも「ナチをとにかくやっつける映画にしようと思った」
って言ってるように、さっきも書いたけど勧善懲悪。
最近観たドイツ映画「ヒトラー最後の12日間」とか、ドイツ側が
描いた「ヒトラーってこんな人間味が実はあって・・・」みたいな
作品のアンチテーゼみたいな描き方でした。あれはあれで判るけど、
こういうのもアリです。ドイツではどういう反応なんでしょこれ。

大きくは3つの要素を交錯させている中、
ブラピ軍のバスターズはややお笑い担当部門って感じ。
「ホステル」などの映画監督イーライ・ロスがいい味
出してましたね。



元は「地獄のバスターズ」っていう76年のイタリア
戦争アクションのリメイクだそう。これは観てないなー。
かなり一般向けに戻したとはいえ、やはりマニアックな部分は
チラホラ出てくるのも魅力。ドイツの昔の映画の知識なんてないけど、
英軍中尉が「ドイツ映画に精通した批評家」だった設定とか、
映画館のプレミアでかけている映画タイトルのこだわりとか、
そういう細かいディティールをちゃんと物語に絡ませているのが
並のヲタクとは訳が違うと思う所以です。

またかというか、今回音楽はマカロニウェスタン映画の
サントラをびしばし流用していました。もはや好きな映画の
サントラを自分の映画に流用するのってタラちゃんの得意技。
途中、知ってる曲出てきて「えっまさか!」と思ったのは
リメイク版の「キャット・ピープル」(81)のデビッド・ボウイの
主題歌。あんな印象強い濃ゆい曲をよく使えるなぁ。
あと「デスプルーフ」の車に乗っかってたゾーイ・ベルが
クレジットにメラニーとダイアンのスタントで出てましたけど
そんなスタントいるようなシーンあったかな?

2時間40分あっという間でした。そんな長尺なのに、
相変わらずエンドクレジットとかが昔の映画風にスパって短くて、
場末の名画座で、「ミスターノーボディ」みたいなマカロニ映画
とか「ビッグバッドママ」みたいな女ギャングものとかと2本立て
で観るのがしっくりきそうな映画なのがやっぱり最高です。
これはもっかい観たい。

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