バーン・アフター・リーディング

2009年05月04日(月) 12時01分


コーエン兄弟作品は、なんだかんだで観にいってしまいます。
それにしてもまたこのタイトルですよ。
「バーン・アフター・リーディング」なんて
ちょっと判んないですよね。
「読後焼却すべし」みたいな意味かな。
007シリーズの原題のサブタイトルに
付いてそうなタイトル。本作はそういう
スパイものの要素をシャレで使っている映画。
なんかもっと日本語のイキなタイトルはつけられ
なかったのか・・そういえばコーエン兄弟作品ってタイトル
原題のままで?なの実は多いんですよね。いつも映画
そのものが謎めいてるから、これはお約束なの
かもしれません。
「XYZマーダーズ」「ファーゴ」
「ミラーズ・クロッシング」「バートン・フィンク」
「ビッグ・リボウスキ」なんてどれもタイトルだけだとどんな
映画かサッパリ判りませんもん。

そんなコーエン作品、基本はベースにいつもブラック
ユーモアがありますが、だいたいタイプとしては
前作「ノーカントリー」みたいに見た目シリアス
に仕上げるものと、「オー・ブラザー!」とか
「ビッグ・リボウスキ」みたいに見た目そのものがコメディ
になっているもの。本作は完全に後者。
錚々たるスター俳優が出ているのにこれだけ
共感できないキャラクタにしているのはさすが。
バカバカしく笑っている間にいつのまにか、
あー、人間ってなんて欲深くて、愚かなんだろうって
ちょっとゾっとするような側面を見せられる作品でした。

アル中がのせいでCIAを辞めたオズボーン(ジョン・マルコビッチ)
暴露本を執筆することに。彼の妻ケイティ(ティルダ・スウィントン)
は連邦保安官ハリー(ジョージ・クルーニー)と不倫中。
ひょんな事からオズボーンの執筆途中の原稿がスポーツジムの
インストラクター、チャド(ブラッド・ピット)の手に。
国家的機密情報を手に入れたと勘違いしたチャドは
全身整形費用をなんとしても作りたい同僚のリンダ(フランシス・
マクドーマンド)と共謀してオズボーンを脅迫する計画を立てる。

コーエン兄弟映画の中でもひときわパズルチック要素の強い
脚本だと思いました。
いろんな登場人物の断片を見せながら、最終的にはどれもが
繋がっていくという、タランティーノ、ガイ・リッチーあたりが
得意としている手法ですよね。

監督によるとほぼ、脚本は俳優へのアテ書きだそう。
(ティルダだけは例外だそう)
普段2枚目とか性格俳優を演じてる人たちに、
情けない役を振っているのがポイント。
ブラピはバカ、ジョージクルーニーはエロいおっさん。
ジョン・マルコビッチはやたらキレるキャラ。
フランシス・マクドーマンドはご存じの通り監督
兄ジョエルの奥さんですけど、あんな役(全身整形
願望強くて、出会い系の常連、仕事中に私的電話しまくる)
振るってある意味すごいですよね。

ブラピなんてあの意外な展開に
「えぇぇぇ!」ってどよめいて
ましたから、狙いは成功なんだと思います。
彼目当てのお客さんが多くて、
日本じゃあの予告と宣伝だったから、そういう
人はちょっと期待外れだったのかなぁ?どうですか?
「期待はずれだったー」って終わってから結構耳にしたし。
「オーシャンズ」シリーズみたいなのとは見た目
似てそうで正反対の映画ですし。
個人的にはブラピの顛末とかめちゃくちゃツボでした。

そういうキャラクターの意外性の面白さとにくわえ、
男どものなんとも情けなさを描いているのも面白い。
主要登場人物の男はみな自分最高!って思ってるヤツばかり。
でも誰ひとり幸せな末路にならない。
逆に女性は・・やっぱ強し!ってところなんでしょうかね。
オープニングとエンディング、やたら大袈裟な音楽と
ともに(ここ妙におかしいです)地球のアップがどーんと
映るけど、人類最後に生き残るのは女性なのかもしれません。

俳優陣ではブラピがあの役をやってるのは狙いすぎの
気もしましたけど、ペラっとしたサイフに入ってた金額とか、
スーツのジャケットの内側のメーカーラベルが
切り取られてる(多分超安物だから?)とかそういう
さりげないショットで描かれない人となりをさらっと想像させて
しまうあたりががコーエン兄弟らしい。
個人的にはティルダ・スウィントンの
気が死ぬほど強い女医・・最高でした。この人ほんと
何やっても上手いと思う。
あとマルコビッチはCIAなのにやたらF〇CK!って
言葉の端々に散りばめらるのが凄いですね。トリビアに
よるとF〇CKは最初の2分で6回出てきて、映画全体
では60回出てくるんだって。

ジョエル嫁が2回デートで観に行く・・あっ
食事も同じ所に行くみたいですねいつも。中華と
日本食の中間みたいなの。「サケティーニ」って何だ?
あの映画”Coming Up Daisy”?もどんな
設定なのか気になる・・。
この映画映るポスターよく見るとサム・ライミ監督になってる
そうです。で原作が「ノーカントリー」の原作者で
観た感じラブコメっぽいけど、どんな映画だ。(笑)

あまりにもブラックすぎて、二回目見るのはかなり
しんどそうな映画だし、90分程度とサラっとしてる
割にはテンポいまひとつで長く感じた映画なんですけど、
観終わってしばらくしたら、あっあれはあーだったのかと
いろいろ浮かんでくるスルメみたいな映画だと思いました。

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