ONCE ダブリンの街角で

2008年01月15日(火) 23時25分


昨年の映画ベストの記事を沢山拝見した中で、一番気になった
作品でした。調べたら今週のみ梅田ガーデンシネマで再上映。
再映はプロジェクターでの上映で迷ったけど、たまたま
お手伝いしてるバンドのライブのリハ前に時間出来たんで、
出番前にテンション上げてこうと(笑)
おジャマな楽器(スネア)抱えてギリギリで劇場入ると
休日とはいえ満員で驚き。端っこの席開いててラッキーでした。
でも行って良かった。去年観てたら自分も間違いなく
ベストに入れてたと思います。
ものすごく低予算な映画なのはすぐ判るんですけど、
(調べたら2000万くらいとのこと。素晴らしい)
自分みたいな音楽映画好きにはたまらない作品でしたね。
曲そのものに魅力が無いともちろん成立しない映画ですけど、
手持ちカメラ多用、やや不器用めなドキュメンタリータッチ
なのに、静かに歌が物語を紡いでいく魅力的な作品でした。
エンドロールは主役二人の役名が"Guy""Girl"。
そう、ちょっとせつない大人のボーイ・ミーツ・ガールな物語。

ダブリンの夜のストリートでで歌う男(グレン・ハンザード)
の歌をいい曲と言ってくれた女の子(マルケタ・イルグロヴァ)
は男の仕事が掃除機の修理だと知ると、次の日壊れた掃除機を
転がしてやってきた。
彼女はチェコからダブリンに来ているらしく、父の影響で
音楽の経験があると言う。
高くてピアノが買えないからと昼休みによくピアノを弾かせて
貰ってる楽器店で男の曲をセッションしてみる。
その日から彼女に惹かれ始める男。

出会いの夜のストリートで歌う場面も良かったけど
初めて楽器屋で二人でセッションする場面が自分には鳥肌モノ。
うわーめちゃくちゃいい場面です。
名前も知らない二人なのに、音楽の鼓動が徐々に溶け合っていく。
こういう瞬間って確かにあると思う。
場所が殺風景な楽器屋の一角ってのが堪りません。
今まで見たどんな音楽映画にもなかった素敵な場面だったなー。
ハリウッドだったらここで徐々に人が集まってきて拍手喝采に
なるんでしょうが、
そういうベタな展開には絶対にならないのがこの作品の魅力。

主演のグレン・ハンサードのバンド「フレイムス」ほとんど詳しくなくて、
初めてに近い形で歌を聴きました。ややガンガン歌うタイプなので
めちゃくちゃ好み!ってわけじゃないけど、メロディラインが
綺麗で印象的な曲が多かったな。
ダブリンというとU2よりも先に映画「コミットメンツ」を未だに
思い出してしまう自分ですが、彼はあの映画のバンドのギター役で
出てたとんのこと。ギターはぜんぜん覚えがない。
あれも大好きな音楽映画なんで久々に観直したいです。
ダブリンは今プチバブルみたいな感じらしいですね。

監督は元フレイムスのベーシストだったそうで、
音楽がらみのシーンはかなりリアル。
特にダブリンのスタジオの場面は面白かった。
あんなんで銀行が融資してくれるのにもびっくりしましたけど、
最初風貌だけで判断してやる気ぜんぜんなさげなスタジオ
のエンジニアが曲やり始めたらガラって態度を変えるのにニンマ
してしまった。ああいう人いるなー。
ここで最初に演奏して、「カーステで聴く」場面でも
流れていた曲のリズムがアコギじゃかじゃかの5拍子!の曲で
気に入りました。ちょっとトム・ヨークっぽいねこれ。
後半全員のテンションがぐんぐん上がっていく
感じがものすごくカッコいい。

この女の子、ちょっと困りますよね。
男はいいように考えてしまうですからねーだいたい。
ぜんぜんそんな気ないのに
まったく無自覚で男を結構その気にさせてしまう
行動を天然にとってしまう人。
ダンナがいるけど、男の方は気持ちはかなり
彼女に振れている。でも彼女の人生を尊重して本気では
踏み出せない。
男が彼女の気持ちをやや自信なさげに
手探りしてる感じがリアルもどかしかった。

そしてボーイ・ミーツ・ガールでも、
二人が挨拶以外のキスする場面は無いまま。
甘すぎる現実は見せません。

レコーディングが終わってからエンディングに至る
あの淡々とした感じにものすごく魅力を感じました。
彼がロンドンで売れるのか、彼女が幸せに
生きていけるのか・・それは想像するしかありません。
でも彼女は毎日ピアノが弾けるようになる
みんないろんなしんどい事はあるんだけど
音楽はきっと一時でも心を満たしてくれるはず。

観終わってライブハウスでこの映画の話してもやはり
誰も知らず映画話は途中から「アイアムレジェンド」
と「猿の惑星」の話にすり変わってしまった。
まっ映画の興味なんてそんなもん(笑)
それはそれで良しな夜でした。

そうそう二人がバイクで海に行って
「ダンナを愛してる?」って聞く場面に彼女がチェコ語で
返して終わっちゃう場面。
あれ自分の想像してるような言葉だったらいいな。
いや1単語違うだけだったから絶対そうだ。

kazuponの感想ー★★★★

official site

http://www.foxsearchlight.com/once/

日本公式

http://oncethemovie.jp/
  • URL:https://yaplog.jp/kazupon/archive/613
2008年01月
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
profile
kazupon
映画の感想を中心に大好きな音楽の事や、どうでもいい話もテキトーに綴っております。
感想はネタバレ確実にしてますのでご注意を!
たまにdrummerもやってます。
コメント&TB大歓迎ですが、
最近忙しくTBはマトモにお返し出来ず申し訳ありません。

https://yaplog.jp/kazupon/index1_0.rdf
Yapme!一覧
読者になる