クワイエットルームにようこそ

2007年10月20日(土) 23時51分


大人計画主宰の松尾スズキ監督長編第二作。
芥川賞候補になった原作は以前読んだことがあったんですが、
ものの3時間もあればサクっと読める長さの小説で、
松尾さんらしい題材と内容のものだったのでこれを
書いたご本人が監督したらどうなるのかな?と楽しみにしてました。
冒頭のゲ○でうがいの夢とか、映画に出来るのかな?なんて
思ってましたけど・・・

観てびっくりというか、読んだときそのまんまの印象。
小説を読みながら感じていたものがまさに映像になった感じ。
映画的に変えてる所や端折りが見当たらないくらいだったな〜。
前作「恋の門」には結構ちりばめられていたコネタはほとんど入れずに、
かなりオーソドックスな演出なのにとても面白い
映画になってます。
ちょっと原作のイメージと違うなぁと勝手に思っていた内田有紀も
意外やハマってましたけが、脇役陣が光る映画でした。
特に宮藤官九郎と蒼井優が良かったな。

かけだしの雑誌記者、明日香(内田有紀)は目が覚めると
体を5点拘束された状態で、精神病院の隔離部屋にいた。
通称「クワイエットルーム」。
意図せず精神病院に入れられた明日香に、同棲相手の
放送作家、鉄雄(宮藤官九郎)が面会にやってくる。
どうやら3日前に睡眠薬と酒を大量摂取して
昏睡状態になったらしい。
その病院には様々な変わった女が入院してるのだった。

物語は全く知らない未知の人種で構成されたコミュニティーに
主人公ひとりだけが突然放り込まれるストーリー。
自分は勝手に「ストレンジャーもの」と言っておりますが、
「ダンス・ウィズ・ウルブス」「ラストサムライ」
「ニューワールド」から「猿の惑星」なんかも全て
そういうストーリー展開ですよね。プラス女刑務所もの
に近い印象でした。「クムジャさん」みたいな。
例えヘンでごめん。

舞台作をビデオを中心にいくつか最近観たんですけど、
松尾スズキさんの作品の印象=ネガティヴ。いい意味で。
人間の中にあるネガ的なもの、あまり人には話さないけど
心の闇に眠ってるものを親しみやすいエンタメへもってくる
才能の持ち主だと思います。
大人計画の天才的に個性的な俳優が演じてそれがさらに
ひとつの面白い作品になっていく部分も含めて。

本作の内田さんが微妙に風俗なバイトしてたり、
かけだし放送作家の同棲の日常、部屋の散らかり具合とか
ああいう感じは松尾氏ならではの良さが
凄く出ている場面だと思いました。なかなか他の人が
やらない部分というか。
ビデオが部屋にぐちゃっと積んであるのがリアルだなぁ。
そういえば前作にも風俗のバイト出てきてましたね。

雑誌などに沢山連載されているコラムなんか読むと
どこまで全てを語っているのかは知る由もないですが、
かなり自分のプライベートを切り取ってネタにされてます。
ダメな部分も含めて。
ファンはこの作品のモデルって?っておそらく
勘ぐってるのかもしれませんが・・。
自分は主人公は女性だったけど
明日香=松尾さんなのかもしれないなぁと思いました。

大きなコミュニティに放り込まれて、とても
居心地が悪い感じ。それは病院だからではなく、
多分どこに行ってもそう感じてしまう人なのかも
しれません。
自分は最終的には絶対に仲間入り出来ないと思っているから、
回りの人を最初から「観察眼」で見ている。
「退院時に貰う色紙」を出たとたん捨てる!って
のも象徴的だな〜って感じました。

この物語も明日香の闘病をつづったものでありながら、
変わった病院の人達をあくまで自分のフィルターで
観察している、、つまりそこからネタを探している
感じのストーリー。

ダメな自分を他のダメな人と比べて、いったいどっちが
ダメなんだろうと考えるというか、そういう面白さが
ありました。
病院が舞台だからって伊丹十三チックな、精神病院はこんな
とこだよ。・・的な「ウンチク映画」になってなかったのは
良かったと思います。
退院後に明日香が書いた
私小説がこの物語という見方もできますよね。

良かったクドカン、優ちゃん以外では
大竹しのぶさん、今回は「リターン・オブ・ザ "黒い家"」で
マジで怖かったです。凄いですね相変わらず。
コモノ役が一番えぇ?なキャスティングだったんですけど、
妻夫木君、こういうのもやれるんだって株上がったんじゃ
ないでしょうか。

前作は原作があっての映画でしたけど、本作のように
オリジナルの原作の方が、作家性が強く出るような
気がしました。また映画作られるかどうかですけど、
あるなら楽しみですね〜。普通に映画作家として
どんどん良くなられてる感じします。
自分の場合、あまりに小説読んだ時の印象のままだったので、
逆に映画からって人の感想がどういう印象なのか気になります。

小説では想像するしかなかった、「おしりさわったら落ち着く」
の場面、この映画の悲しき名シーンになってると思いました。

kazuponの感想ー★★★1/2

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