エディット・ピアフ 愛の讃歌

2007年09月30日(日) 16時08分


かなり音楽にウェイトが置かれた作品。
ミニシアターじゃなくて、音のいいシネコンの
大画面でこれを観れたのは良かったです。
ピアフが歌う場面は過去のシーンから、かなりの頻度で登場して、
その度に映画のクライマックスが来ているような素晴らしさ。
冒頭からシャンソンがどこかで聞こえているような音楽に浸れる
映画になっています。
シャンソンって触れる機会は映画の中がほとんどだし、
ピアフの曲は「ラビアン・ローズ」「愛の讃歌」くらいしか知らない
程度なんですが、凄くインパクトがある作品でした。
オーケストラによる伴奏は大迫力で最高なんですけど、逆に
アコーディオン伴奏の音色っていいなぁとコレ観てて凄く思いました。
鳴ったとたんにパリーな感じで。気持ち良かったなー。

音楽ばかりじゃなく、とにかく主演のマリオン・コティヤール
が圧倒的に素晴らしい。
伝説の人物は歌は上手かったけど、普通の女性としてはお世辞にも
出来た人ではなかった部分も含めて、彼女の生涯を物凄いパワーで
演じきっています。

1915年、フランスのヴェルビル地区に生まれたエディット。
元は大道芸人で軍人の父と路上で歌を唄って日銭を稼いでいた
母親の間に生まれるが、子供を虐待してるような母親の元から
引き離し、父親は自分の母の営む娼館へ預けてまた去ってしまう。
あまりにひどい生活のため、栄養不足で虚弱体質。
そこで娼婦ティティーヌに今まで受けた事の無い愛情を持って
育てられるが、退役した父親がまたも連れ戻しに来てしまい、
大道芸の手伝いをさせられる。
そんなある日、父に強引に促されて路上で歌ってみたら
彼女の歌にみな聴き惚れる。
彼女は天性の歌声を持っているのだった。

いつもの通りまーったく予備知識ナシで観に行ったんですが、
フランスがメインの製作国の作品なんですね。
こういうジャンルのヨーロッパ映画はミニシアターで公開される
事が多い気がしていたので。

映画を観ていてとにかく気になったのは、この歌を
主演のマリオン・コティヤールが歌っているのかどうかって事。
歌っているとしたら凄すぎだと思ってたんですけど、
どうやら多くはピアフの歌声を吹き替えしてるそうです。
そりゃそうだ。彼女が歌が上手い女優さんであっても
製作陣はピアフの歌声をそれ以外のもので表現することは
ダメなんだと判断したとか。
でも一部はマリオンが歌っているらしいので、それはそれで
凄い事です。

映画は彼女の恵まれない幼少期〜20代の路上時代〜
スカウトされて一気に成功していく頃〜円熟期を
描きながらほぼ死に向かっている現在がその都度
挿入されるというフラッシュバックな手法。
著名なミュージシャンの伝記映画は「Ray」とかもそうでしたが
こういう手法多いですよね。

特に前半がテンポ、映像、音楽のバランスが凄く良くて
1時間半くらいまでは完璧な映画かもしれないと思いながら
観ていました。残念な事に後半がちょっとだけテンポダウン・・
どうしても箇条書きになってしまうのは仕方ない事なんでしょう。

それにしてもすごい人生です。
あんなムチャクチャな親に育てられ、物心つくころは
娼館で過ごし・・「マトモ」って事を知らないで大人になった
感じなんですよね。
監督はピアフとモモーヌが路上で立っている写真に触発されて
書いた脚本だって言われてるそうなんですが、映画的には
その頃をもっとメインにしても面白かったのかな?という
気がしました。大御所になってからのワガママピアフってのは
逆に少なくなっててもオッケーだったような気がします。
でもコンサート場面とかはやっぱり良かったですけどねぇ。

彼女がぶっきらぼうにジエラール・ドパルデューが営む
クラブで初めてステージに立って歌う場面とかめちゃくちゃ
良かったですね〜。
見てくれ「なんじゃコイツ」って感じでもひとたび歌えば
人の心をガッチリ掴んで離さない。
映画を観ている自分でさえ、吹き替えとはいえ
とにかくピアフが歌う場面が出てくる度に、同じように
ぐっと心が掴まれてしまう感じなんですよ。これは
何なんでしょうかね〜。歌の威力といえば簡単ですけど。
なんか不思議だったな〜・。

それにしても才能あるミュージシャン、アーティストは
こういう激情型、破滅型な風にしか生きられないのかな。
この映画ちょっとジャニス・ジョプリンをモデルにした
ベット・ミドラーの「ローズ」なんかを観た後思いだしました。
好きな男性だけいればそれでいい。あとは酒。
自身が弱く、愛される事を知らないが故、傍若無人な
振舞もしてしまう。
そして歌うことだけが自分を確認できるもの・・。

エディット・ピアフって47歳で亡くなっているそう
なんですけど、
映画の中の彼女は見た目もう完全におばあさんなんで
びっくりします。

実はマリオン・コティヤールって全く知らなかったんですけど、
「TAXI」シリーズ観てる方は判る女優さんだそうですね。
あと「ロング・エンゲージメント」や「ビッグ・フィッシュ」
にも出ているそうなんですが、観直したらあぁこの子がって
思い出すんでしょうね。
なんで映画が始まって、あれ、こういう年配の女優さんが
主演している映画なんだって思ったくらいなんです。
だから映画の中盤で彼女が20代の状態で出てきたところで
メイクと判ってちょっとびっくりしました。
とにかく素晴らしかったと思います。

↓下に続きます
パリの昔の街並みやコンサート場面などどのシーンも映像が
素晴らしい撮影は、日本人の永田鉄男さんによるもの
・・主に海外で活躍されてる方みたいですね。
出来れば大きなスクリーン、音響のいい劇場でご覧になること
オススメします。

「ラビアン・ローズ」は自分の中ではピアフよりも
「麗しのサブリナ」の中でオードリー・ヘップバーンが歌っている
イメージが未だに強いです。あのシーン好きなんですよね〜。
「ラビアン・ローズ」は映画では触れられてないけど
イヴ・モンタンとの恋愛の過程で生まれた曲で、
「愛の讃歌」は映画の後半に話のメインになっているボクサー、
マルセルに捧げた曲なのだとか。
ほんとに愛と歌に生きる人だったんですね。


kazuponの感想ー★★★★

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