ミュージカル「ヘアスプレー」@大阪フェスティバルホール

2007年08月13日(月) 23時50分


ブロードウェイ・ミュージカル
「ヘアスプレー」日本公演
大阪フェスティバルホール

"Hairspray"

脚本 / マーク・オドネル、トーマス・ミーハン
音楽 / マーク・シャイマン
歌詞 / スコット・ウィットマン、マーク・シャイマン
振付 / ジェリー・ミッチェル
演出 / ジャック・オブライエン 

出演
トレイシー・ターンブラッド /  ブルックリン・プルーバー
エドナ・ターンブラッド / ジェリー・オーボイル 
コンスタンティン・ロウソリ / リンク・ラーキン
ジャレット・マローン / コニー・コリンズ

1988年のジョン・ウォーターズ監督の映画
「ヘアスプレー」はブロードウェイで舞台化され、2003年度の
トニー賞で作品、楽曲を含め8部門を受賞。
今年さらに「ウェディング・シンガー」のアダム・シャンクマン監督に
よりミュージカルの再映画化。そっちも評判がかなりいいらしいです。
今回初来日公演とのこと。

映画版はかなり前にビデオで観た事があったんですが、
確かに60年代のローカルTV音楽番組が舞台のこの作品、
考えようによっては舞台向き。
でもレンタル店ではおそらく「カルト」の棚にあるジョン・ウォーターズの
どちらかというとブラックユーモア色が強いあの映画が
どないなミュージカルになってるのかイマイチ想像つきませんでした。

映画の場合は、ほとんど前知識入れないで観るんですけど、
ミュージカルは別。
この舞台も観に行く事を決めてから
舞台版のサントラを何度か聴いてました。
ミュージカルは曲知ってるほうが
絶対楽しめますからね〜、ライブと同じで。

曲は大好きな「サウスパーク映画版」・・意外にも
あのサウスパークの唯一の映画はミュージカルだった(笑)
・・・の曲を手掛けていたマーク・シャイマン。でもプロフィールには
サウスパークは見事にスルーされてましたけど。ははは。
そんなシャイマンの素晴らしい楽曲はR&Bやソウルの
テイストが満載。
メロディとか一発で覚えられるようなものも多く、
楽しくキャッチーな曲がほとんど。
そんな楽しさ満載のライブ感覚のノリノリな舞台でした。
内容は一部アレンジはあるものの、ジョン・ウォーターズ版の映画のストーリー
をかなり忠実になぞっていたんでびっくりしました。(曲は別もの)
舞台の後半からは観客もノリだして、手拍子バンバン。ちゃんと表じゃなくて
裏ビートでみな手拍子してたのが素晴らしい(笑)
自分が観た回で東京公演を経てオーラスの千秋楽だったみたい。

物語はこんなの。
ボルチモアのハイスクールに通う、
おデブな女の子トレイーシー・ターンブラック
は毎日かかさず観ている地元局の音楽番組
「コニー・コリンズ・ショー」を親友のペニーと毎日夢中で観ていた。
60年代の音楽が流れ、地元のイケてる男女が
踊ったり歌ったりする素人参加番組。
そんな彼女にオーディションの機会が訪れ、
なんと憧れの番組のレギュラーに。
小さなクリーニング店を営むガタイの大きな母親エドナは
彼女のマネージャーになる。
同じレギュラーのアンバーは母親ヴェルマがプロデューサー
ということもあって、オーディション段階からトレイシーが
うざったくて仕方がない。しかも彼女はどんどん人気が出てきてしまい、
アンバーの彼氏まで夢中になってしまう。
しかしそんな人気番組にも差別は存在していて、
ニグロデーは月一度、それ以外の日はスタジオにもカラードは
入れて貰えない。トレイシーは皆を
煽動してデモを起こすのだった。

ジョン・ウォーターズといえばボルチモア。
そして「ピンクフラミンゴ」の故ディヴァイン。
88年版の映画で巨漢の母親エドナを演じていたのは、
そのディヴァインだったけど、新映画版はこの
ディバインの役回りをジョン・トラボルタがやってるとか。
オリジナル版の映画観た時は、60年代が舞台だけど
かなりファンタジー色の強い映画だと思いました。
だって、どう考えてもルックス的にん?なおデブな女の子が、
タッスル一族以外はみんな彼女の魅力を全肯定して
疑わない物語なんですよね。

普通なら美男美女がメインをとるミュージカルで、
こういうおデブな母娘、(しかも母親は男性が演じなければならない?)
が主役となる舞台というのはそれだけで面白さがあったし、
テレビスタジオでティーンが踊る!って映画の設定を
舞台に持ってくることを想定すると
ミュージカルにもってこいだったんだと思います。
それでもプロデューサーが最初この話をしたら頭がおかしいんじゃ?
って思われたって言ってるそうです。そりゃジョン・ウォーターズの
映画をブロードウェイにって一番結びつきにくいもんですもんね(笑)

この公演は勿論原語のまま、左右には電光掲示板で
字幕を表記するスタイルでしたが、
物語ある程度知ってるので勿体ないから舞台上の方を集中して
観てました。でも知らなかったら、字幕ないとちょっとキツイかなぁとも。
ポップでソウルフルな物語の側面に、差別問題が織り込まれています。
実際は裕福なホワイト以外はこんなに笑い飛ばせるような時代では無かった
んじゃないかと思われます。ルックスはあれなトレイシーも
コニーやその他の人に運よく気に入られて番組に出たら、
もう次の日にはサイン求められる人気者になってるって、
実は全てにおいて皮肉なのかなと思ったた物語だったし。

60年代のローカルな音楽番組ってちょっと想像しにくいかもですが、
「エド・サリバンショー」みたいなだと思ったら判りやすいかな?
プラス「ソウルトレイン」みたいに、素人が演者の前で踊りまくっている
ような感じの番組です。ローカルなんで提供は地元のお店で生CMがある
ところとかちょっとマニアック。

↓下に続きます
そういう背景を上手く活かしたポップながらシンプルな舞台セット。
衣装もどこまでもカラフル。
演奏はもちろん生!いやー生オケはやっぱり最高です。
バンドメインのオケでした。
歌はどうやって拾ってるのかと思ったら、オデコのあたりに超小型
マイクつけてるように見えたんですけど、そうなのかな?初めて見たかも。



こういうヒットミュージカルはブロードウェイも、もう何期目かの
キャストでしょうし、日本にまるごと来日する場合はツアー向けの
キャストで来る事が多いと思うんですけど、特にメインで登場する役者は
声と歌い方とか、やっぱりキャストによって違った個性が出るんだと思います。
サントラで聞いてたオリジナルの主演のマリッサ・ジャレット・ウィノカー
あエドナ役のハーイー・ファイアスティンの二人は特に個性的な声色
で歌う印象だったのに対し、来日キャストのエドナとトレイシーは
もうちょっとすんなり聴ける感じの歌い方だと思いました。

個人的にはブラックキャストのクリスチャン・ホワイトと途中
「ドリームガールズ」ばりに歌う3人組(ダイナマイツ?)や
モーターマウス・メイベルのソウルフル系の歌がやっぱりぐぐっと
来ましたね。このあたりからも会場の熱はヒートアップ。
あと、友人のペニーは一人だけダンスとか、テンポ合わせられないって
役なので、そういう風に演じられるペニー役が結構大変なんだろうなって
観てました。

舞台版では何故かイジワル母のヴェルマに結構スポットが当たっている
印象。カニ爪の女王。88年版は確かブロンディーのデボラ・ハリーが
やってた記憶がありますが、新映画版はミシェル・ファイファーだってね。
楽しみ!

序盤はややおとなしめだった観客も、
途中休憩でカーテンコールのダンスレッスンを振付師が観客立たせて
やる趣向があって、それで上手くお客さんと舞台がぐっと近づいちゃう
みたいで、そこから後半は観客もかなりノリノリになってるなぁと
思いました。
前日に、夏恒例のサマーソニックを観に行ってたんですけど、もし
そのまんまサマソニの舞台とかでやったら、あの大観衆が最初っから
ドッカンドッカンって盛り上がって凄いだろうなって思いました。
始めて見るアーティストでも、自分が盛り上げる方に転換する
のが早いのがフェスの特徴(笑)
ブロードウェイではさぞかし盛り上がる舞台なんでしょうね〜。現地で
観てみたいです。チケット取れないらしいですけど。;;

終演後、劇場を後にする観客はお盆休みの真っ只中ってことも
あるんでしょうけど、いい時間を過ごしたって
みな幸せそうな顔で帰っていく感じなのが印象的でした。

終演後オケピに擦り寄ってパーカッションブースを食い入るように
見せて貰ってました。いいなぁ要塞みたいで。





日本公演offiial site

http://hpot.jp/hairspray/

ブロード・ウェイミュージカル "Hairspray" official site

http://www.hairspraythemusical.com/

ブロードウェイ版 オリジナルサウンドトラック@amazon

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