武士の一分

2006年12月03日(日) 14時51分


山田洋次監督+藤沢周平原作コンビもこれで3本目だそうです。
「たそがれ清兵衛」は残念ながら未見なんですが
「隠し剣、鬼の爪」を観た時に感じたのとほぼ近い印象の、
下級武士を描いた後味のいい人情時代劇。
木村拓哉主演という事で何かと話題の作品、
もちろんの存在感でしたが、話題の彼がメインだからこそ
妻の壇れいと徳平の笹野高志が光って観えたかもしれません。
特に徳平はめちゃめちゃ良かった。

三村新之丞(木村拓哉)は近習組に仕える三十石の下級武士。
現在は殿様の食事を事前に毒見をするという、毒見役が
現在のお役目で、殿様に知られている訳でもなく、
早々に隠居して身分を問わない子供向きの道場をいずれは
開きたいと考えていた。
気立てが良く、美しい妻・加世(壇れい)と、父の代から仕えている
徳平(笹野高志)が世話係としていた。
ある日、新之丞が毒見した赤貝に毒があり、高熱を出して
倒れる。加世の看病の下、回復する新之丞だったが、
気付けば目が見えなくなっていた。

木村拓哉の脇にあまりメジャーすぎない舞台で活躍する二人を配する
キャスティングはかなり成功しているように思いました。
壇れいは宝塚出身の女優さんとのことで、ほぼ知らなかったんですが、
美しくて身寄りが無いという薄幸な設定にはぴったりでした。
笹野高志はこの映画のキーといっていいほど、映画全体の
人間的な部分を担ってくれいたと思います。
けっこうベタベタな設定なんですけど、徳平のひょうひょうと
した感じがあるので、映画があまり湿っぽくならなかったのも良かった。

木村拓哉は、殺陣のシーンは、確か剣道の有段者だって聞いた事
あるんで、なかなかのものでした。
「映画の中の新之丞」として観れるかどうかというのが
ポイントだったような気がしますが、やはりシーンによっては
「木村君が演じている」という感じが若干あったかも
しれません。今回のは題材的にも普段のイメージと違いすぎる役
なんで、こういうのもやれるんだってアピールになってると
思いました。
引き篭もって盲目な演技はかなりいいと思いましたし。

藤沢周平原作ものはハッピーエンドになる事が多いので、
あまりハラハラせずに観ていたんですけど、
途中、この物語なんだか昼メロみたいだなぁって思ってて、
新之丞は終始ウジウジしてるし、なんだかんだ言っても加世は
八十助サンに寝取られてしまうのが、映画とはいえ辛かった(笑)
あんな良妻ならなおさら男でしたら堪りません。
「不名誉は敗戦」を与えて自決しちゃうくらいしてもらないと
気がすまないかもなぁとヘンに共感してしまった。
男のプライドって難しい。

殺陣のシーンが全体の中では少ししかないのがこの
シリーズの特徴なのかもしれないんですが、
そこが素晴らしいので、もっと沢山観たいと思ってしまいます。
ラストの対決なんてやっぱり時代劇らしくて良かったです。
目が見えなくてもメシの炊き方で誰か判るなんて、日本映画にしか
ない場面だと思うのでやっぱりいいよね。

kazuponの感想ー★★★1/2

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