手紙

2006年11月03日(金) 0時15分


この作品物凄く評判いいみたいですね。
自分すぐに感動してしまうタイプなんで、まずこの手の物語には
弱いほうなんですが・・。
この作品の不幸具合と演出がストレート過ぎて
正直ちょっと肌に合わないと思ってしまいました。
こういう映画の感想を書くのはいつもながら難しいです。

兄・剛士は直貴(山田孝之)の大学受験の費用がどうしても捻出出来なくて、
民家に一度だけ押し入って、はずみで年老いた女性を殺してしまった。
刑務所から毎月欠かさず弟を気遣う手紙を送る剛志。
進学を諦めた直貴は殺人犯の弟という事で、
どこに行っても結局は敬遠され、差別されてしまう。
彼の夢はお笑いで有名になる事。ところがそんな夢もすぐに兄の事が
原因で崩れていくのだった。

原作がそういうものなんでしょうけど、
多くのエピソードは昔見たことある感の古臭い
設定に感じたのが自分はダメでした。
「こういうのって不幸でしょ!」
って上から言われてる感をなんとなく感じてしまって。
親なしで貧乏な兄弟で、あんなに
真面目な兄(映画を観ている限りでは)が
大学受験の弟の費用のために強盗する設定とか。

例えば上京後の恋愛のエピソード。
合コンで一人だけ浮いてる彼が気になる女の子が社長令嬢。
兄の事を隠して交際〜お屋敷に招待されて食事会〜
「彼とは距離を置いたほうがいい」〜
許婚登場!「彼女とは別れてくれたまえ!」〜
「悪いが調べさせて貰ったよ!」〜「この金で無かった事にしてくれ」・・
ってこの展開って昼ドラのパロディみたいに思ってしまったんですよね。
こういのに自分はリアリティや深みを
やっぱり求めてしまうからいけないんだと思いますけど・・。(苦笑)

子供を公園に連れていくと近所のママさん連中が
サーっとみんな帰ってしまうとか・・。

人の心の闇や他人対する防衛本能なんて
絶対その人の気持ちになってみないと
わからない部分もあると思うし。
(加害側、その家族、被害者、身近にいる人)

現実的にはもっといろいろと複雑なんじゃないかと思います。
心で思っていても態度に出さないとか。
表面的には優しくても本質的には他人事と思ってるとか。
でもでも沢尻エリカの役じゃないけど、
理解あるべき、尊敬すべき行動を取っている人や
それを知ってた所で本人じゃないから
どうって事ないと意識すらしてない人も
もっと沢山いると思いますし・・。
この映画で彼に理解ある人が、親に見捨てられた由美子だったり、
自分も刑務所に入っていた先輩だったりってのも
気になってしまいました。

全然関係ないけど、最近観た「16ブロック」で
「犯罪者だったチャックベリーもバリー・ホワイトもやり直せた」
ってケーキ職人を目指すチンピラのモス・デフが言ってるシーン
を思い出しました。
そういうメッセージが別の物語の中にさりげなく
入っているほうが自分にはぐっとくるみたいです。

劇中の漫才はちょっとドン引きしてしまうくらい危なっかしいんで
すよ。そのへんもノレなかった理由のひとつでした。
原作はミュージシャンでラストに「イマジン」歌うそうですね・・。
うーむ。
そんな中であの漫才の相方の存在はなかなか良かったで
すね。ああいうツレとしての向き合い方ならいいなぁ。
ラストの漫才のシーンの彼の表情が一瞬変わる所が
この映画で一番いいと思ったシーンでした。

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