幸福のスイッチ

2006年10月19日(木) 1時49分


和歌山県・田辺市の町の小さな電気屋さんの物語。
安田真奈監督は10年くらい大手家電メーカーに勤務しながら
映画製作に携わるOL映画監督として話題になった事もあるとか。

映画って、現実に近いドラマを描いていても
別世界を見せてくれるものがほとんどだと思うんですけど、
この作品は普通の人の身近にゴロゴロあるような
日常を描いていると思いました。
ジュリーを始め、今一番注目の若手女優の一人
上野樹里が主演で結構豪華キャスト。、
特に大きなドラマは発生しない
日常のスケッチを描いた地味な内容ですけど、
なんだかほんわか温かい気持ちになる作品です。

21歳の玲(上野樹里)は東京のデザイン事務所でイラストレーター
として勤務するが、やりたい事と仕事という現実のギャップに
不満の日々。営業にブチギレて自ら会社を辞めてしまったが、
再就職先なんて簡単に見つからない。
そんな時、和歌山の妹の香(中村静香)から姉の瞳(本上まなみ)
が緊急入院したとの手紙が届く。
慌てて田辺に戻ると、姉は妊娠、実際は電気店を
営む父の誠一郎(沢田研二)がアンテナ工事の際に屋根から
転落して骨折入院していただけだった。
しぶしぶ父が一人で切り盛りしていた電気店を手伝うハメに
なる玲だったが・・。

上野樹里と林剛史は兵庫、沢田研二と中村静香は京都、
本上まなみは大阪、安田監督は奈良の出身だそうです。
見事なオール関西キャスト&監督なんで、関西弁もかなり自然に
な感じ。
上野樹里はいいですね。関西出身ってちょっと意外でしたけど。
「スウィングガールズ」や、最近始まったドラマもチラって見たら
いつも全然違うタイプをやって存在感がある印象。
本作はハッキリ言って最初から最後までブスってしてる役。
「お姉ちゃんサイアクや・・。」って途中で妹に言われる
ような無気力で自己中で人をナナメからしか見れないようなようなタイプ。
今が旬のアイドルなら敬遠しそうな役かも。

やっぱりOLをされていた方の脚本なのか、
些細な事でちょっと怒られたり、意にそぐわない事があっただけで
ネガティブになったり逆ギレモードになるような、
誰でもある部分をやや誇張して
玲のキャラに投影させている気がしました。
男女問わず会社勤めで疲れてる人にはお勧めかもしれません。

沢田研二の電気店社長は、もうアフターケアどころか
どんな小さい事でも聞いてあげる昔ながらのスタイル。
最初はなんて効率の悪い・・と思っていた玲でしたが、
「オヤジの背中」じゃないけど、ダサイと思っていた地味ながら
人の顔が見える仕事を体験してみる事で、
「地味にコツコツ」というのが実際は結構難しくて、
そして認められるときの喜びもちゃんとあるっていうのが伝わってきます。
玲が再びあのつまらなそうな職場に戻るのはちょっと意外でしたが、
監督の言いたい部分はそこなのかなとも思いました。

沢田研二、出番は少ないものの
見事に中小企業の社長になってましたね。
「太陽を盗んだ男」は
自分の生涯映画衝撃度で言うと1、2を争う作品。
未だにスクリーンに登場すると気になる存在です。
現在でもツアーやられてますから、
普段はあんなじゃモチロン無いと思うんですけど、
「アホ!」ってやたら玲に怒鳴りちらす所は
大阪の劇場で結構笑いが起きてました。
本上まなみは、「紙屋悦子の青春」の時にも思いましたけど、
自然にお姉さん感が出る人といういい印象。
中村静香の妹は何でも単刀直入にハッキリ言ってしまうキャラで
面白かった。

ちょっとだけ気になったのは、補聴器のエピソードで
おばあさんが感激するくだりなど、部分部分で
ちょっとやり過ぎ感が感じられた事。
あそこまで淡々とさせているんだから、いっその事
ずっと何も起らないさりげない感じのトーンで統一しても
面白かったのかなぁと思いました。
あと、どうしても「地元の人にエキストラしてもらいました!」
感があるシーンがギクシャクしてる気が。
そういうご当地映画とはいえ、やたらめったら観光地や
街の風景を露出させてない作りに好感を持ちました。

すみません、以下の文章はほとんど映画の感想になってないと
思いますが、映画を見ていて感じた事などを・・・。

舞台の和歌山の田辺は以前友達が住んでたり、白浜に遊びに行く時に
ちょくちょく通る事があるんですが、海が近くて魚が美味しいイメージ。
結構関西近郊のいろんな街に行く機会が多いほうなんですけど、
国道沿いの風景は個人的にはどこにいってもさほど変らなく
なってしまったなぁと思います。大阪も中心部以外は同じ。
どんな田舎でもジャスコとパチンコ屋とガソリンスタンド数件が
国道○号付近にはだいたいあって(笑)
もっと入り込まないと街の良さはなかなか判らないというか・・。
あっ奈良と和歌山は本作にも協賛してる「オークワ」多いんですよね。

↓下に続きます
大型店舗の既成緩和以降はやたらめったらショッピング
モールが乱立してしまって。
もちろん車中心社会だと便利なんで、そっちに集中するのは
仕方ないんでしょうけど・・。
なんだかデータ分析でどんどん同じようなものが作られてるようで、
ほんとに街の個性が無くなってしまってきたような気がします。
だから映画のような街の小さな個人経営の店舗はどんどん
出来るフランチャイズ系大型店に追いやられているのが実情だと思います。
いろんなモールに行ってみると入っているテナントはほとんど同じ。
道路沿いの飲食店も全国どこにでも乱立しているフランチャイズ系が
ほとんど。

店を中心とした人のつながりなんて、今の感じだと
もう少なくなってきているんでしょうね。都市部は前から
そうだったけど、地方都市でもそうなりつつあるのかなぁ・・
店にたむするおっちゃん達は遠い昔の人達のようでした。

田辺も国道沿いは今風の雰囲気だったと思うんですが、
この作品ではそういう街の部分は
敢えて出さないようにしたのかな?と思いましたし、
それで良かったと思います。
なんでもないみかん畑とか、畑の絵なんかが印象的でした。
田辺の方には愛すべき作品になるんでしょうね。

子供の頃はウチの親も、この映画のイナデンのような小さな電気屋さんで
家電は絶対買って、何か壊れたら来てもらうか、持ち込んで修理!
っていうのは当たり前だったなぁ。
特に年配の人は「コジマ」に行ったりなかなか出来ないだろうから
今の方が不便なのかなぁと思ったりします^^
そんな自分も最近はほとんど量販店で買ってるなぁ・・。
今は量販店→一部はネット販売に移行してるから、もっと
人の顔が見えなくなってる事を考えるとちょっと寂しいですね。
会話もなしでクリックで完結しちゃうんですから。

↓このイナデンボーヤ?のイラスト気に入りました^^


kazuponの感想-★★★1/2

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