ラストデイズ

2006年04月17日(月) 1時41分


ニルヴァーナにはそんなに思い入れ無いんですが、
事前に「カート・コバーンの死に着想を得た物語」って聞いてたので、
架空の人物とはいえ、やはり彼だと思いながら観てしまいました。
今まで彼の死に関する映画なんて、あの嫁(コートニー)が許さんと思ってました。
これは「架空」ということと、自分が登場しない事でオッケーだったのかな?
ロック・スターが抜け殻のように徘徊するのを延々と見せられるんですが、
リアルな孤独感を強く感じる悲しい作品だと思いました。

おそらく麻薬中毒者の施設から脱走してきた
大物ミュージシャンらしい男・ブレイクが、自分の家で朦朧としながら
死を迎える。。その姿を淡々と追っていきます。

おそらく・・らしいというのは、ガス・ヴァン・サント監督が
映画の中でほとんどの背景説明を取り払ってしまっているから。
もちろんカートの死に関する作品って触れ込みですから、観客は
彼が死ぬ二日間を実際に再現してるような感覚で観てしまってると思います。
自分はカート・コバーンってクリップやライブ映像で動いてるのと、音楽雑誌に
載った写真くらいしか知らないですが、映画の中の主人公
ブレイク=マイケル・ピットはブロンドヘアーに無精髭でかなりカートを彷彿と
させている気がしました。例えば黒髪のタイプ全然違う感じだったら、
もっとフィクションとして観れたんだろうけど。。
現実にいた妻と娘の存在は電話と会話という形で提示って事は、
やっぱり監督はある程度観客が、カートと重ねて見る事を意識して作っている
んだと思いました。

実際、頂点近くまで行ったロック・ミュージシャンで情緒不安定、ドラッグ中毒、
って人が仮に施設から脱走してきたら、ほんとこんな感じだろうなぁ。
リアルに感じられて悲しかったです。
監督が彼の死の前を勝手に想像して作ったそうなんですけど、
そういえばガス・ヴァン・サント監督は「マイプライベート・アイダホ」
で組んだリバー・フェニックスと仲が良かったんですよね。彼も
ドラッグ中毒死だったから、この主人公への気持ちはリバーに重ねている
部分もあるんでしょう。

↓下に続きます
彼の家にはおそらくミュージシャン志望の若者(ルークたち)が、女を連れてたむろ
してます。この辺がいかにもありそう。はっきりいってろくでもない奴ら。
ブレイクは施設を脱走して家に戻ってきたけど、ルーク(ルーカス・ハース)
達取り巻き連中は、気にかけることなく、ほぼほったらかし状態。
別にコイツらがもっと気を利かせて施設に帰すとかだったら彼は死んでなかった。。
と糾弾してるワケでもなく、
著名なロックセレブの現実生活なんてこんなに虚無的なもの。。
っていうのが伝わってきます。
死の二日間がどうだったかと想像してみると、ほんとに悲しいくらい何も無い。
誰も助けてあげられない。って感じを出したいのはよく判りました。

あまり関係の無い取り巻きをあれだけ描写してるのは
そういうロックの虚構の世界に表面的に憧れてる若者
に監督は興味があったのかなぁとも思いました。
なんだかロック的なものに自己陶酔してるだけで、
ゼンゼン実態が無いというか。歌の歌詞も日本で知り合った
女の子がどうとか、ほんとに最低。監督のロック的な
ものに対するちょっと皮肉っぽい見方かな?

ツアーでタイバンやってた少年ナイフのインタビューとか
読むと、カートはごくごく普通の人だったみたいですね。シャイでいい人だったとか。
でも日本のロック雑誌って(向こうもかもだけど)変にミュージシャン
を神格化してしまってる風潮があると思うんです。ある意味洗脳系というか。
カート・コバーンなんてかなりイコン化しやすいキャラだったと思うんですね。
個人的にはロックスターの人気ってやっぱり偶然と幸運の産物だと思ってるほうで、
バンドが作る曲も、才能はもちろんだけど、神がかり的に曲が
降りてくる!とかそんなのは現実的じゃないと思ってるほうです。
上手い人、いい曲作る人は努力やっぱりしてるし。
でも売れたら本人も勘違いし始めるから、どんどん違う方向へ行ってしまうんじゃない
かと思います。
映画は終末しか描いてませんでしたが、個人的にはあそこに至る原因が
実は気になったりするんですけど。。

本人の強いイメージがあるんで、あまり音楽を全面に出さない映画でしたが、
マイケル・ピットはかなり達者だと思いました。
もう抜け殻みたいになってる彼だけど、音楽だけは何かが
降りてくる?シーンになってましたね。
あのアコギ弾きながら1曲歌うやつも自前の曲だとか、良かったですあれ!
途中で1弦切れましたけどそのまんまやってましたね(笑)
あれが演出なのか偶然なのかが気になります。。^^
あと、スタジオで一人でインプロっぽく音を重ねて即興演奏してた
のがカッコ良かった。あれはディレイのサンプリング使ってるのかなぁ。

音楽にはソニック・ユースのサーストン・ムーアの名が。
奥さんのキム・ゴードン!!がレコード会社の重役で出てきて、
映画の中では唯一彼を気にかける人として出てきました。
肝心のバンド仲間と妻には連絡を取りたくなかったんでしょうか。。
現実の仲間だったデイブ・グロールはフー・ファイターズのフロントマン
として大活躍だし、妻だったコートニー・ラブは平然と女優業やバンドや
スキャンダルを相変わらず振りまいてるし、そういう状況みてると
カートの死ってなんとなく映画と同じで悲しいなぁと思います。

ニルバーナってオリジナルアルバムたった3枚。。
たら・ればの話はダメだと思うんですけど、もし生きてたら
フジロックとかフツーに今でも出てるんじゃないかなぁ。
もっともっといい曲残してる気がします。

kazuponの感想ー★★★1/2

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