8月のクリスマス

2005年09月30日(金) 22時22分


オリジナルのホ・ジノ監督「八月のクリスマス」を観たのは
随分前で、日本公開時に劇場で観たきりでした。
とても気に入った作品だったんですけど、何故か何度も繰り返し
観る映画では無いと思う作品だったんです。
ドラマチックじゃない淡々とした映画で、心の片隅にしまっておきたい、
そんな映画でした。
ちょっと前に思い出しながら感想を書いてみたんですが↓

→「八月のクリスマス」(ホ・ジノ監督)感想


その時「あえてリメイクする必要があるのか?」と
書きましたが、すみませんでした;;
結論から言うと、オリジナルを観た時と同じ感覚を味わう
事が出来る映画でした。
ストーリー展開が判っているのに涙腺がゆるんでしまって。。
元々のプロットが素晴らしい事もあるんでしょうが、
ここまでオリジナルにあった「スピリット」を継承しているのは
驚きでした。
僕のように「オリジナルが良かったから」という理由で
二の足を踏んでる方、大丈夫ですよ!と言いたくなる作品です。

ここから下はラストの内容に触れますので、これから観ようと思っている方、
オリジナルを観た事がある方も鑑賞後にでもまた読んでください。

↓下に続きます
じゃあそのオリジナルにあったスピリットって?
この作品の良さって何だろうな?
と映画が始まる前に考えてたんですけど、
多分、主人公がもうすぐ死んでしまう、、というよくある話なのに、
物語が全く「同情」を求めていない内容だからではないかと。
そしてつつましく去る事の美しさというか。。

死がテーマの映画だと、感動的なストーリーとして
構成される映画が多くて、もっと泣かせる内容になってると
思うんですが、これは敢えてドラマチックにならないように作られています。
初見の時には誰もが定番の展開、
主人公(山崎まさよし)がもうすぐ死んでしまうのを
女の子(関めぐみ)がどこかで劇的に知る後半と、彼の死がクライマックス
となって感動的な話になるんだろうなぁと想像すると、
そうはならないんですよね。

彼女は彼と急に遭えなくなって、その原因も判らないまま、
結局死に至るまで顔を遭わせる事はありません。
二人が最後に会話をするのは記憶が正しければ、
死が辛くなって、どうしようも無くなって、彼女の家の近くまで
行ってしまうあの夜。「焼き芋」を手渡される場面が切なくて
。。これは日本版のオリジナル要素だと思うんですけど、
とても心に残りました。
こっそりと彼女のその後を観に行く場面はもっと悲しい場面ですけど。

自分の死期が近い事を教えない、そして彼女の為に恋愛関係にならないように
する行動が、主人公の人間としての男らしさや優しさがじわっと
伝わってきます。この部分がやはり切なく、優しい。

原版でも洗い物とか家の家事を淡々と行うシーンが印象的でしたが、
本作も父親と二人で食事の支度をするシーンとか、なんでもない
シーンが胸に来ました。絶対にオーバーにならない
のも同じでとても良かったです。

山崎まさよしは「月とキャベツ」では実は手の届かない相手と
恋愛をしてしまう悲しい主人公を演じていましたが、今回の
役柄も、ある意味手を伸ばしても届かない相手にいつの間にか
恋をしてしまう主人公。
オリジナルのハン・ソッキュはいつも笑っているような
人が良すぎる人物の感じがありましたけど、彼は
それ以上に普通の人っぽい感じが出ていて良かったです。
ギターが出てきたので、歌とギターがめちゃ上手い!とか
「月明かりに照らされて」とか歌い始めて、非現実になったら
どうしようかと思いましたが(笑)。。いや好きな曲なんですけど^^
ギター弾きはサワリだけでそうはならなくて良かった。

この作品忠実な「カバー作品」と言っていいほど、オリジナル
を忠実に再現してくれる場面もあります。
印象深かった、メガネをはずすおばあさんの撮影のくだり。
名場面だった、彼女が手紙をドアに挟んだけど、
やっぱり抜いてしまおうと思ったのが落ちてしまうシーンは
まんま再現されてたので驚きました。
その手紙の内容が明かされないのもあの映画で好きな所でしたし。

逆にオリジナルよりも印象に残ったのは、
あの悪友の存在と、「とっておきの場所」を見せる所。
これってオリジナルにありましたっけ?ちょっと記憶に無いから
日本版のオリジナルかなぁ。

この映画金沢でロケしてたと聞いてたんですが、実際は
富山県の高岡がメインで、その「とっておきの場所」だけ
金沢で撮ったのかな?
あの川は犀川大橋でしょうか。
金沢たまに仕事で行くので、場所が判ったらいってみたいです。

山崎まさよし自身が手掛けた音楽もギター(バンジョーギターかな?)
をメインにした淡々としたものがメインで映画にぴったり。

この映画、携帯電話全く出てこないんですよね。
今の時代非現実的なのかもしれませんが、それも好感を持ちました。
こんな古風な恋愛は今時、ありえないのかもしれないですけど、
観ていてこんな淡い恋がしてみたいと誰もが思える作品。

ホ・ジノ監督ってオリジナルは奇跡的な傑作だったのかなぁ。
「四月の雪」にちょっとがっかりした後だったので、
改めてこの映画のプロットの素晴らしさを再認識しました。
「四月の雪」を観るのなら、こちらをお勧めしますよ!

「Dearフランキー」でも思ったけど、
自分の一番好きな風景って、自分の街にありますか?
自分なら、街が遠くに見えるベランダ越しの風景かなぁ(笑)
あ、新御堂筋を南に下っていって淀川を越えるあたりから
梅田の街並みが見えてくるのが一番好きかもしれません;;
みなさんはどうでしょう?

kazuponの感想ー★★★★

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