リチャード・ニクソン暗殺を企てた男

2005年06月12日(日) 11時27分


1974年、ハイジャックしてニクソンのいるホワイトハウス
に突っ込んで暗殺しようとした男の実話に基づいた物語。

かなり後味、というか劇中、つまり中味の悪い映画です。
原題も邦題とほぼ同じ"The Assassination of Richard Nixon"
って観客は知ってしまってる訳ですから、この主人公が
成し遂げようとしている、ささやかな望みが打ち砕かれて
タイトル通りの行動に行き着く過程を見せられる事になるので、
コレは相当にキツイ映画だと思います。
実はもっとニクソンがどうのっていう部分があるのか
と思いましたが、そんな内容では無く、
暗殺計画と実行の事実も描写もありますが、むしろ映画の
メインはそれまでの過程。

社会に適応出来なくて狂気に至る感じは「タクシードライバー」
に似てる気がしたんですけど、、そこからエンタテイメント性を
とっぱらったような作品だと思いました。
ひたすら、主人公サム・ビック(ショーン・ペン)が不器用で社会に
組み込めない痛さを見せていきます。
とても力作なんですが、こりゃ正直ツラかった。

観ながら日本であった凶悪事件等を思い出してしまったんですが、
主人公のように物事が自分の思うようにならないのは、
だんだん「何かのせい」ではないかと思ってしまう人が、
多くの犯人の特徴でもあったような気がします。
彼の場合自分が家族と幸せに暮らせないのは
はホワイトハウスの人たちのせい。
ニクソン暗殺なんて、めちゃくちゃ大それた事をやってしまおう
と思うまでの狂気の発端は、誰にでもある日々のストレスの
微妙な組み合わせで発生してしまうものだなーって思いました。
あの家具販売店なんて、多少誇張してオーナーが
嫌味な感じに描かれていたけど、どこにでもありそうな職場
だと思えたんですけど、一番向かない職業(営業)について
しまってたのが悲しいです。でもそういうのってあるよなぁ。

出演者の演技は全員素晴らしいものでした。
特にナオミ・ワッツ、別れたダンナの事が判りすぎているから、
彼の世界から逃げ出したくて仕方が無い感じがとても
出ていて、美しく、しかも疲れた感じを出していて素晴らしい
と思いました。

↓下に続きます
ショーン・ペンは相変わらずスゴイです。凄すぎてちょっと
引いてしまって、正直今回は少し演技がオーバーすぎくらいに
感じまてしまいましたけど。
ドン・チードルも重苦しいこの映画で唯一の救いと思える
役なんで、出てくるだけでホッとしました(笑)

ニルス・ミュラー監督はこれが初監督作らしいんですけど、
凝った映像を作るというよりは、じっくりと役者の
演技を焼き付けるタイプだと思いました。

当然この映画に関して、9・11事件の話題をかぶせた記事も
多かったと思うんです。なんせ20年以上前に同じ
ような事しようとした映画ですし。
反ブッシュで知られるショーン・ペンが主演していますけど、
モチロン、テロを賞賛している映画ではなくて、
社会に順応できない人間が、こういう世の中で堕ちていく
悲しさを上手く描いていたと思いました。
でも、キツイ映画ではあったので、再度観たいと思いません。;;

そういえばドン・チードルの「ホテル・ルワンダ」って
公開されるのかなぁ・・。観たいです。

kazuponの感想ー★★★1/2


http://www.assassinationrichardnixon.com/

The Assassination of Richard Nixon (2004)@imdb


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