キングダム・オブ・ヘブン

2005年05月15日(日) 9時21分


リドリー・スコット監督による、歴史スペクタクル映画。
スケールの大きな映画で見応えは充分だと思いました。
ただし、今回は物語がやや複雑で単調なのと、善悪の1対1の対決
という判り易いラストがあった「グラディエーター」に比べると
娯楽映画としての面白さにちょっと欠けるかな?
っていうのが正直な感想です。
でも再度書きますが、見応えはあります!

1184年、フランスの地で妻が自殺したばかりの若き鍛冶屋バリアン
(オーランド・ブルーム)の前に、十字軍騎士ゴッドリーフ(リーアム・ニーソン)
が現れ、自分が父親だと告げる。殺人と妻の罪を償うためにエルサレム行きを決意
するバリアンだが、その途上で父は死に、現在の王、ボードワン4世
に仕えることになる。王の妹シビラ(エヴァ・グリーン)は彼に思いを
寄せるが、次期エルサレム王を狙うギーの許婚となる運命を受け入れていた。
王となったギーは無策なイスラエル軍への行軍に失敗し、エルサレム
を窮地に陥れる。
イスラエル軍はサラディンの指揮の元、巨万の兵を率いてエルサレムへ
侵攻を始めた。十字軍で応戦の指揮をとったのはバリアンだった。

という史実に基づいた物語。
こういう史劇はおそらく、日本人が大河ドラマを観るような感覚で、
「皆さん登場人物と歴史的背景はある程度知っているでしょ?」
っていうのがあるようですね。
細かなキャラの説明を省いている場合が多いので、
ヨーロッパ史実にはとんと疎い自分なんかは、サブ登場人物の
名前と顔を一致させるのが精一杯。;;
詳しい方はこの辺りの温度差が全然違うので、もっとすんなり
楽しめる映画になってると思うんです。
いや、バリアンと父、とシビラのキャラ以外ちょっと、描き方が
雑な気がして、せっかく名優ジェレミー・アイアンズが映画の
キーとなるべき顧問の役をやってるのに、ちょっと印象が薄かった
気もしました。
でも、映画ってこういう詳しくないものを
「知る」きっかけになるのがいい所ですよね!

↓下に続きます
リドリー・スコットってとっても不思議な監督で、
「ブレードランナー」「エイリアン」なんて、あの映画の存在が
有るか無いかで、現在のSF的なもの全ての表現が変わっているかも?
って位、エポックメイキング的な作品がある一方、
「テルマ&ルイーズ」のような良質な人間ドラマや、
「ブラック・ホーク・ダウン」のようなジェリー・ブラッカイマーが
作りそうな(笑)作品もあるし。
彼のフィルモグラフィを見ているといつも??ってなってしまいます

でも「グラディエーター」でこういうスペクタクル映画を久々に業界で
盛り上らせたのも彼の功績なんですよね。いや、最近のスペクタクル映画
って、何となく失敗作が多いようなので、果たして功績と呼べるのか!?

相変わらず光と影の魔術師!リドリー・スコットは健在で、
冒頭の戦闘シーンの絵的構成はとっても美しかったです。
戦闘シーンはかなり「痛さ」を感じさせる
演出で、実際の戦闘の渦中にいるとこんな感じ!というリアリズムを
感じました。

それにしても、ラストの聖地エルサレムの攻防戦は
オーランド・ブルームが主演という事を意識しなくても、
「ロード・オブ・ザ・リング」の「二つの塔」「王の帰還」の
篭城攻防戦と戦闘シーンを思い出さずにはいられません。
というか意識しまくりだろコレ!って感じてしまいました。(笑)
迫力満点なんですけど、どうしても比べてしまってダメでしたね。
CGを使って大群の兵士が城を攻める図式を作るとどうしても
ああなってしまうのは仕方ない気がしますが、
いつもオリジナリティ溢れるスコット監督なんでちょっと残念。

結構地味な配役が面白くて、特筆すべきは、リーアム・ニーソン。
この人「スター・ウォーズ」のクワイ・ガンジンもそうだけど、こういう
「父性」を感じさせる役をやらせると素晴らしいですね。
敵役サラディンやってるハッサン・マスードは、シリアの
映画スターらしくて存在感バッチリで良かったです。
フランク・ザッパに似てるこの人(笑)
めちゃくちゃ嫌な奴ギーを演じたマートン・ソーカスは
「ロード・オブ・ザ・リング」ではロスロリアン王のケレボルン役
をやってた人!こっちは美しい系。全然違う野蛮系なのでびっくり!
あと、エンドクレジットにも多分出てなかった気がするんですが、あの
ずっと仮面で顔を覆っていた(ハンセン病だから)ボードワン4世
やってのはエドワート・ノートンだったんですね!

スケールの大きな映画なので
この映画観ようと思っている方でしたら、劇場でかかってる
ウチに大画面、大音響でご覧になるのをオススメします。

民衆に「自分たちの命を守る事が大切」と説くバリアン。
司祭は「冒涜だと」言います。
何故今、わざわざこの史実では地味とも思えるバリアンの物語を
映画化したのかな?というのをぼんやり考えてたんですが、
宗教がからんだ戦争の真っ只中で、和解交渉する事で、
流血を避けようとした人物だったのが何となく判りました。
今も続く戦争で、彼のような役割を担う人物
、、そういえば居ないですよね今も。
神が万人の運命を決めているとしたら、
いつの時代もこんなに多くの人間が
「神」の名において命を落としていく事を望んでいたんでしょうか。

kazuponの感想ー★★★1/2

http://www.kingdomofheavenmovie.com/

Kingdom Of Heaven(2005)@imdb

Kazupon Movie Index

「キングダム・オブ・ヘブン 特別編」DVD@amazon

  • URL:https://yaplog.jp/kazupon/archive/171
2005年05月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
profile
kazupon
映画の感想を中心に大好きな音楽の事や、どうでもいい話もテキトーに綴っております。
感想はネタバレ確実にしてますのでご注意を!
たまにdrummerもやってます。
コメント&TB大歓迎ですが、
最近忙しくTBはマトモにお返し出来ず申し訳ありません。

https://yaplog.jp/kazupon/index1_0.rdf
Yapme!一覧
読者になる