どう読むかは自由(1)

2005年01月26日(水) 13時35分
どう読むかは自由(1)

1 授業で読むと楽しくなくなる
自由に読むのは楽しいけれど、授業で読むと楽しくない、というのは多くの子どもたちの実感であろう。それをし続けて、文学嫌いを増やしたのが国語の授業ではなかったか。
 普通の人が生活の中で読む場合、つまり「生活読書」において文学作品を読むのは、楽しむためである。この楽しみは、演劇や映画の鑑賞、あるいは美術鑑賞や音楽鑑賞、もしくはスポーツ観戦の楽しみにも似て、涙を流すことも笑うこともある楽しみである。文学作品が、文学教材と名を変えたとき、この楽しみが失われるというのが、これまでの問題であった。
他方、研究者が文学作品を研究対象として読む場合がある。これは作品の受容というより、作品の研究と言うほうが当たっている。そういう読みを私は、「研究読書」と呼んでいる。研究読書を授業に持ち込んでも、それに対応できる子は多くない。教師が要求する研究的な読みの課題にこたえて、発言したり作業したりできる子は、そういう能力と興味・関心を持ち合わせた少数の子に限られる。その結果、学校の外で種々の生活読書を楽しんでいる多くの子どもたちが、文学の授業にうんざりしていたのである。

千葉大学教授・首藤久義著「文学作品を楽しんで読む――主題よさようなら」日本国語教育学会編集発行『月刊国語教育研究』12月号掲載より
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