葉桜の季節に君を想うということ (歌野晶午)

April 27 [Wed], 2016, 19:20


歌野晶午さんの「葉桜の季節に君を想うということ」を読みました。

・・・・・・・・・・・・・・・・
「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、
同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の
調査を依頼された。
そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った
麻宮さくらとの運命の出会いをはたして・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・

これは本当にうまいミステリーです。小説だからこそできたトリックと
言いましょうか。
最後には「ああそういうことか。」と思わず手をポン!と打ちたくなります。
そしてもう一度最初からそのことを確認したくなります。

題名もなんだかミステリーっぽくないな〜と思いましたが
それは麻宮さくらと成瀬を表しているようにもみえて
なるほどな〜と納得しましたし。


それにしても読み終わった後は
なんて元気な人なんだろう〜。っていう感想です。

でも考えてみたらおかしな部分はたくさんあるんですよね。
でもそれを巧みに隠されていてうまいな〜とうなるしかないのです。

高校生、フィットネス、パソコン教室の先生、やくざ
こんなフレーズがあればそりゃそう思いますよ。

ちょっとだけ探偵業をかじったことのある成瀬が請け負った保険金殺人事件。
そして自殺をしようとした麻宮さくらとの出会い。
保険金とさくらとそして成瀬の教え子安さんとそしてヤクザの抗争、
いったいこれらになんのつながりが?
と思っていたら・・なるほどそういうことでしたか!っていう感じ。

二重にも三重にもおどろかされること間違いなしの小説です。
そしてもう一度読み返したくなります。

詳しいことが一切かけないのがこの小説の面白いところですよね。
とにかく読んでみてください。

土佐堀川 広岡浅子の生涯 (古川智映子)

April 27 [Wed], 2016, 19:06


古川智映子さんの「土佐堀川 広岡浅子の生涯」を読みました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・
豪商三井家から17歳で大阪の両替商・加島屋に嫁いだ浅子は
家運が傾くと持ち前の商才を発揮、「九転十起」の精神で
難局を切り開き、大阪随一の実業家として大成する。
晩年は女子教育にも力を注ぎ、日本初の女子大学開設に奔走。
歴史に埋もれてきた不世出の女性実業家の生涯を、
はじめて世に紹介した名作。
・・・・・・・・・・・・・・・・・

朝ドラに影響されて手に取ってみました。

広岡浅子という人のすごさを改めて知ることが出来ました。
朝ドラではやわらかさを強調していたが実際の彼女は豪快で猪突猛進。

自分がこう!と決めたことはどんなことをしてもやり遂げようとする強さを持っていて、
とても頭が切れる。

そして働くことが大好きで、
次から次へと新しいものを生み出すのが好き。

家を守るということもあったのだろうけど、
お金持ちということをひけらかすこともなくただひたすらに
自分のやりたいことをやり、御家を守るために必死に頑張り
そして女性ならではの目線や、今までの日本のおかしな風習を
変えようと女性ながらに努力していくところは読んでいて爽快だった。

また明治という時代がそういうことを受け入れやすくしていたことも
あったかもしれないが、この時代の女性の扱いを考えると
とても大胆ですごいとしかいいようがない。

ただこれも彼女の家柄がよかったことも会ったのだろうと思う。
普通の女性がこれだけのことをやり遂げようとしたら本当に
血のにじむ努力がいっただろうと。

炭鉱や銀行を設立するまでは御家のため!だけを考えて
いたのだろうけど、晩年生命保険や女子大学を創ろうと
していたころには、

人のためになるにはどうしたら、女性をもう少し社会に出すには
どうしたらという人のための事業に目を向けて行って
彼女を慕う人たちに自分の話を聞かせて
そのヒントを与えていたのだと思う。

とてもバイタリティがあって、働きづめに働いて。
金持ちの上にのさばらず生きた。その生き方がとっても
素敵だった。

わたしを離さないで (カズオ・イシグロ)

April 10 [Sun], 2016, 18:03


カズオ・イシグロさんの「わたしを離さないで」を読みました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話を
している。
生まれ育った施設ヘールシャムの親友トミーやルースも提供者
だった。
キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。
図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、
保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度・・・。
彼女たちの回想はヘールシャムんお残酷な真実を明かしていく
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ずっとキャッシーの回想で話が進んでいく、
時々前後するのでわかりにくい。

もしこれをドラマを見る前に読んでいたら、
多分意味がまったく分からなかったと思う。

私は正直こういうわかりにくい小説が苦手なので、
もしドラマを見てなかったら評価は低いんじゃないかと思う。
淡々としすぎていて、
彼ら彼女らの切実な「生きたい」という気持ちがいまいち伝わってこなかった。

もっともっと深く突っ込んで描けたのではないか?
と思う気持ちの方が強く残ってしまった。

それを思うとドラマはよくできていたと思う。
私がわからなかった部分をちゃんと補ってくれた。

教育をすることで、人として生きさせようとして
世間にも同じ人格なのだということを知らせようとした
ヘールシャムの校長。

でもそんなことはこの世界の中ではどうでもいいことで
提供者たちは家畜同然の扱いを受けてて
そんな提供者たちから臓器を提供されることすら嫌がっているという
なんだかな・・。という世界でした。

ものすごくあっさりとした最後。
だからこそ余計にこの物語の闇の深さがあらわになってた
気がします。

家族はつらいよ

April 09 [Sat], 2016, 23:31
劇場にて鑑賞。★★★★

とにかく面白かったです。
ある日突然妻から離婚を言い渡される夫
今まで連れ添ってきて文句ひとつ言わずに自分についてきてくれて
だから何も不満はないものと思っていたのに・・・・。

でも何も言わないことほど怖いことはないのですよ。
世の男性諸君。

何か文句を言っているうちにきちんと対処していかないと
熟年になって年金暮らしになってから突然引導を渡されるのです。


本当に些細な事、靴下を裏返したまま放置
とかね。

でもそれ以前にきっと「靴下は表にして洗濯機に入れておいて」
と言われていなかったですか?
言われてもそのままにしておけばいずれやってくれるから・・

あ!それがいけません。
絶対にダメです。

「さっき言ったのに、全然やってくれない」
「一体私はこの先何年これをやらないといけないんだろう?」
「私は一体なんなんだろう」

とこのように女性は思っているんです。

行間を読むとはこういうことです。

長女がほんのちょっとしたことで離婚する〜と
戻ってきましたが、それどころじゃなくなってしまった。
あの喧嘩をしたこともない父と母が・・・。
ってことで家族会議wwww

長男夫婦、長女夫婦、そして次男とそれぞれの立場
それぞれのやりとりがとても面白くてコミカルで
そして緻密で自然で・・・・。

あるあるある。そうそうそう!と頷きながら
まるで隣の家庭の中をのぞかせてもらっているような
そんな雰囲気のある映画でした。

ぜひ劇場でこの面白さを味わってほしいです。

2016年冬ドラマ総評

April 09 [Sat], 2016, 17:07
冬ドラマ終わっちゃいましたね〜。
さていつものように総評を、でもあくまで個人的なものなので
自分の意見と違うなぁ。と思っても生温かく見守ってください。

・ダメな私に恋してください
・フラジャイル
・ヒガンバナ
・カナコとナオミ
・スミカスミレ
・私を離さないで
・怪盗山猫
・家族ノカタチ
・ちかえもん


・ダメな私に恋してください
深キョンがとにかく可愛かったわ〜。
これは深キョンだから成立する話で、普通30歳の
こんなアホっぽい女の人はこんなイケメンが惚れることはまず
ありえませんからね。
そこのあなた!あなたのことです!!
しかし深キョンはこういう抜けた役が本当によく似合う。(褒めてます)
で、まあまあそこそこ。普通に楽しく見ました。
突っ込みどころも適度にあって・・。
ほんわかしてて、イライラもしないし、ワクワクもしない(え?)
ぼ〜〜〜とみられる良いドラマでした。(え?)

・フラジャイル
もうこの病院の先生たちは本当にダメなやつばかりで
こんな病院に行きたくねぇ〜〜〜。って思いました。
だってどういう病気なのかはっきりしないのに検査はしないってさ
それ医者が決めることじゃなくて患者さんが決めることだからね。
もう一度お願いしますって言ってくれる医者はありがたいよ。
ってか・・。うん。そういえば、医者ってあんまり検査を薦めないかな?
医療費の負担を考えてのことなんだろうけど
わりと患者側からこれを検査してくださいって言わない限り
やってくれない感じがするような・・・。
とはいえ、明らかに病状がよくなってないのに検査しないって
どうなの?と思うのでそりゃ「俺の言うことは絶対だ!」って
言われてもしかたないよね。っていう。
そんな感じのドラマでした。結局彼の過去とかあんまり触れられなくて
どうして医者辞めて病理医になったの?ってところわからなかった。
あれ?もしかして私が見逃してるのかな?まぁ。いいや。

・ヒガンバナ
人の心の声が聴こえすぎるからヘッドホンつけてるんだよね?
だけど割とそれを取ってる時も結構あったような気がしたんだけど
それに相手がいま何を考えているのかっていうのは
聴こえてこないのね。
それが聴こえていたらすぐに事件解決するのに〜。と毎回
思いながら見てました。
それに死んだ人の声しか聞こえないし、それをつぶやいても
側に誰かいなかったら意味ないし・・いろいろと不便な能力だな〜。
とか。最終回結局大地真央はいい人になってしまって
ちょっと残念でした。

・カナコとナオミ
単純に面白かった。毎回突っ込みどころが満載だし、
高畑さん最高!!!
あんな穴だらけの犯罪なのになぜか毎回応援したくなっちゃう
ちょっと不思議なドラマでした。
これはツイッター向きの楽しいドラマでした。(いや楽しいはずはないが)
でもガチャガチャつぶやきながらハラハラできるドラマでしたね。
最後は出国できたのできなかったの?どっち?
って感じだったけど、多分捕まらなかったんだよね。
とはいえ、これで終わりとは到底思えないけど、
それにしてもお姉ちゃんがものすごく追いつめているのに
どうしてそんな風にうまい具合に勘違いできるんだ〜〜〜〜。
っていうことが多々あって、面白かったですわ。
内容的には????って感じではあるけど、突っ込めて楽しかったということで
ラブラブマーク3つになりました。

・スミカスミレ
松阪慶子さんが桐谷美鈴ちゃんに〜〜〜。ってのが結構衝撃的でした
でもなかなか面白かったですよ。特に美鈴ちゃんが一生懸命
松坂さんのあの独特な言い回しを真似している感じとか
がんばってるなぁ〜って思いました。
ただね。相手役の子にいまいち華を感じなかったのがなぁ。
ファンの方すみません。
それとレイさんはどうして屏風に封じ込められたのか?
そのあたりがはっきりとしなかったのでなんかもやもやはずっと
残ってる気がします。
どこかで男の子があまり有名な人じゃないので
レイさんとくっつくんじゃ・・・と思ってましたがそんなこともなく
めでたしめでたしになってしまいましたね。
ところで白猫さんの方はなんで出てきたのか・・・・。
全然活躍してなくてなんだかもったいないな〜と思ったのでした。

・わたしを離さないで
重いドラマでしたね。ファンタジーだけどこんな風に
誰かに臓器を提供するためだけに自分が生まれてきたのだと知ったら
気がくるってしまうと思う。
あの学園で絵を習わせたりして、提供者に人格があり、
同じ人間なんだということを知ってもらおうと教育してきた
校長の気持ちが伝わることができたらよかったのに
でもそれすら叶わないそんな世界。
しかもその提供者から提供を受けることすら、気持ちが悪いと
思うようになってきているというのだから人間はなんて傲慢なんだろうって
思いますよね。
校長が教育をさせたのは果たしてよかったのか・・・。
教育を受けていたからこそ、最後まで人として生きられたのではないかと
思ったりします。
学園が崩壊してからのあの施設は家畜を飼っているようなそんな感じに
なってましたもんね。
だけど提供者にしてみたら、いろんなことを知っているからこそ
自分が自分でありたいと願ってしまうし・・・。
とても難しいドラマでした。正直あのうっとうしかった美和が
亡くなってからのドラマは少し失速したように思えました。
美和のわがままは二人に提供者という気持ちを忘れさせる存在で
あったようにも思えて美和が美和らしく死ねたこともよかったな。って
思いました。このドラマ何気に美和が引っ張っていましたね。

・怪盗山猫
私やっぱり、亀梨君のドラマってどうも合わないわ・・・。(^_^;)
まぁ土曜日にのんびりとながら見するにはよかったかな。
あんまり続きを気にしなくてよかったし・・・。

・家族ノカタチ
自分の寿命が長くないからと言ってマンションで魚焼いたり、お風呂に
イカ泳がせるのはやっぱり許せない。
けどまぁ。なんていうかいろんな家族のかたちがあってよかったなぁという
印象、親子の絆も外野がたくさんいてくれたおかげで
なんとなくよくわかるようになったし、
結局一人でいたいというのはただのポーズで一番人と一緒に
いるのが好きなのが大介だったんじゃないかな?
恵の正体がわかるまではなんだかイライラする展開だったけど、
わかってからは面白かった。

・ちかえもん
最後のオチはん?????って感じだったけど
概ね面白かったよ〜。松尾さんがこんなに面白い人だとは
思わなかった。
あの独特なイラストもシュールで好きだったし、
キャラクターもみんなすごく似合ってて文句なしに面白かったです。
良いドラマの時は感想があんまり浮かばないんですよね。
すごく良かった!!!っていう気持ちが強くてwww


ってわけで、冬のドラマ感想こそかかなかったものの
上記のものは完走しました!

ツイッター向きドラマはつぶやけるけど重いドラマとかつぶやきずらいのは
リアタイで見ないで録画で見ました。
逆に面白いのもじっくり楽しみたいので録画で・・

ってなるとどうでもいい感じのドラマではつぶやいてたかなwww

もうそろそろ新しいドラマも始まります。
またみなさんとつぶやいて楽しめたらいいなと思ってます。

3月の読書メーター

April 04 [Mon], 2016, 17:43
2016年3月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:1158ページ
ナイス数:131ナイス

世界から猫が消えたなら (小学館文庫)世界から猫が消えたなら (小学館文庫)感想
とても面白い本でした。余命宣告された主人公が悪魔と取引をして何かをなくす代わりに一日命が伸びるというもの。でも主人公がこの世になくてもいいものを探していくと、それはなくてはならないものであるということに気が付く。失って初めて気づくものが世の中にはたくさんある。そして自分がこれまで生きてきた中で何を残せただろうと自問自答したとき、いかに自分が自分で満足できる生活を送ってきたかということが大事なのだということも。今生きていることの幸せを感じられるそんな小説でした。
読了日:3月14日 著者:川村元気
悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)感想
「その女アレックス」を読んだ後に、カミーユの奥さんの事件のことが気になり読んでみました。こちらもエグイ、エグイ。殺し方がひどくてそれをよくもまぁ。こんなに細かく表現しましたねって感じでした。そして最後の方に、あれ?と不思議な感覚にとらわれて、実は小説の三分の二までは犯人の小説だったのだと気付きました。小説と現実の絡み合った部分をずっと読まされていたという裏切られた気分とやられた気分は爽快そのもの。そして最後・・・・。ううううう・・なんという終わり方なんでしょう。エピローグとして描かれているその後の犯人の手
読了日:3月7日 著者:
その女アレックス (文春文庫)その女アレックス (文春文庫)感想
まさか。まさか。の連続。こんなに面白い小説は久しぶりです。被害者だと思っていたのに犯罪者になり、最後は壮絶な死を持って復讐をとげたアレックスの生涯が切なくて悲しくて、誰一人彼女を救えなかったのかと思うとやりきれなかった。
読了日:3月7日 著者:ピエールルメートル

読書メーター

エヴェレスト 神々の山嶺

April 01 [Fri], 2016, 23:12
劇場にて鑑賞。★★

厳しくてごめんなさい。でも壮大なエヴェレストに上る
阿部さんと岡田さんの迫真の演技とは裏腹に本がめちゃくちゃ
つまらない。

阿部さんがエヴェレストに臨むまではよかったのに、
岡田君が登る場面が不自然すぎて、それにオノマチさんがついていくという
展開も急すぎてついていけなくなってしまった。
もちろん、羽生が無しえなかったことにチャレンジしたいとか
羽生の姿を確認したいとか色々と感情はあったのだろうけど
あまりにも説明不足な部分が多すぎる。

そしてここぞ!という場面がすべて暗転で閉じてしまうので
そこは想像で何とかしろということなのかもしれないけど
せっかくの山を題材にここまで出演者が頑張っているのだから
せめてもう少し安全な場所で滑落シーンなどを撮ってほしかったなと
思ったりした。
別にスタジオに戻ってきてVFX駆使してもいいからそういうのは
暗転で誤魔化さないでほしかった。

一番重要な部分が暗転なせいで、せっかく5000mでのロケが
ちっぽけなものに思えてしまった。

もちろん、あの風や雪の質感はその場所に行かなくては絶対に出せないもの
だと思うけど・・・。
最後の羽生と深町の心の声のやり取りがすごく邪魔に感じてしまった。

原作があるらしいんだけど、本当に原作もこうなのかな???
スケールもでかくて迫力もあっただけにそういう部分がすごく残念だった。

エヴェレストにはたくさんの滑落した人たちが今もそのままの状態で
ぶら下がってたりするらしいですね。
なので羽生が座ってあそこにいたのは天候が悪くなるのを見越して
一番被害の少ない場所を選んだということになるのかな?
そこにたまたまエヴェレスト初登頂に成功した人が横たわっていたってことに
なるのかな?

映像には迫力がありました。

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