人間力の伴った指導者が必要

January 31 [Thu], 2013, 16:27
 スポーツ等の指導の風景の中にある体罰、暴力が改めて
クローズアップされている。昔からあらゆる分野であった
問題であり、これまでの時代は生徒達も選手もそれを公然
の秘密として訴える者はほとんどいなかったが、昔のよう
な根性論や精神論一辺倒の指導では競技能力の向上に逆効
果を及ぼしたり、有為な生徒や選手が辞めてしまったりと
損失も大きく最近では客観的な論理と科学的手法のトレー
ニングが当然視されるようになり、時代に取り残された形
の旧態依然のままの根性論による体罰、暴力が反感を買い
表面化するようになった事も告発の動きに拍車をかけてい
る。女子柔道の選手が指導者を訴え、レスリングの高校や
愛知県の高校駅伝名門校でも体罰が問題視されている。大
阪の高校のバスケットボール部の暴力といい、今後、芋弦
式に多くの分野や学校、組織で公然の秘密だった行き過ぎ
た体罰や暴行が表面化される可能性がある。

 指導の光景の中の体罰、暴力は何も教師と生徒の間のみ
ではない。プロ野球ですら例えば野球殿堂入りをしたよう
な名選手でも名監督や名選手から練習中に殴られ蹴られて
いる。ある一流投手も地方での講演の中で誰もが知ってい
る名監督から殴られたエピソードを話していた。
 料理の世界も体罰、暴力が頻繁にあると聞く。厨房の世
界も時に陰湿で陰険である。料理のレシピや調理技術の向
上のための指導よりも鍋を持つまでに長い年月を要するし
ごきが多く、時に鍋やフライパンが飛んでくる事もよく聞
いた。
 サラリーマンの世界にも先輩社員と後輩社員、上司と部
下の上下関係の中で時に体罰や暴力も行われている。モラ
ルの低い会社では売り上げの悪い社員を机の上に長時間も
正座させたりする等のしごきが行われている実例も聞く。
 これまでの時代は余程の大怪我でも負わない限りこうし
た体罰や暴力が表沙汰にされ批判される事が少なかった。
プロ野球の世界でもスポーツの世界でも厳しいしごきに耐
えてこそ男はなんぼのものだ、という気概が個々の選手や
生徒にあった事も事実でそれを訴える事は弱音とされどち
らかと言うと恥とされてきた風潮もあった事も事実である。
 スポーツの世界では体罰や暴力を受けても競技が弱い生
徒や選手なら批判をしても相手にされず、むしろ辞めてい
く事で終わりとなっていた。稀に有望な生徒や選手でも体
罰を苦にして、或いは不満と疑問を感じて辞めていく事例
もあり結果として業界の損失につながっていたと言える。
 今の時代では当然に意味のない時代遅れの指導方法であ
る。

 人格と見識に長けた指導者に巡り合えるというのは多く
の人々にとっては稀である。スポーツの世界やその他の分
野にしても大抵は何らかの大きな癖や人格的欠陥を有して
いるとしか見えない指導者の下で数年の年月を過ごす場合
が少なくない。ひたすらその欠陥に耐えて自分が試合で結
果を出すか、選手として成長するか、或いは批判する代わ
りに辞めていくかという道を選ばざるを得ない人々が多い。
 指導者に問われるのは人間としての総合力としての人間力
である。指導者の人格の中に生徒達から見て惹き付けるも
のがあるかどうか。生徒や選手に語る事のできる人間とし
ての物語が幾つあるか。豊富な人生経験に裏打ちされた指
導者であるかどうか。言行が一致しているかどうか。
 私は自身の経験上、ほとんど上級生や監督から体罰や暴
力は受けて来なかった。今にして思えば人間関係に恵まれ
ていた方だと言える。しかし中学2年生の時に当時の陸上
部の鬼のように厳しかった監督から合宿の時に朝早く目覚
めてトイレに行こうとして見つかり往復の張り手を食らっ
た時には少年心にも憮然としたものがあったものだ。最後
まで腑に落ちなかった感情は今でも覚えている。
 
 今後の人間科学分野、スポーツと科学の融合、そして何
よりも世の中の人材育成という視点から各分野の指導者に
対する人間力向上の為の研修や場合によっては訓練が必要
な時代であろう。指導者も自分が選手の時代にはどうだっ
たのか、子供の頃はどうだったのか。成功体験だけでなく
挫折体験や失敗経験もある筈だ。山あり谷ありの豊富な人
生を経験としてそれを知性に高めて後進を指導できなけれ
ば指導者としての価値は乏しい。各種目においてただ単に
競技能力に優れる事だけが求められていない。学校や組織
が勝つ事だけが人生に求められるものではない。
 指導者も現役時代に選手として競技能力が優れていたら
それだけで良いのか。人間としての完成度が求められる。
 指導者の人格から滲み出てくるものが本物の輝きを持っ
て生徒や選手に影響を与えていく。
 人間力というものが今後は更に大きな要素になるだろう。
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