ノーベル平和賞について

October 15 [Mon], 2012, 23:01
 ノーベル平和賞をEUが受賞したという報に接し、はたと考えて
しまった。ノーベル平和賞は「国家間の友愛関係の促進、常備軍
の廃止・縮小、平和の為の会議・促進に最も貢献した人物に授与
すべし」となっている。
 また過去にはノーベル平和賞に該当者なしとして誰にも授与さ
れなかった年度もある。
 今、この展開で何故授与の対象がEUなのだろうか。
 EUという欧州共同体が授与対象となったが、誰が表彰される
のだろうか。恐らくEUの盟主の座を巡って英国とドイツとが主導
権争いを展開する可能性が高い。

 EUは確かに戦乱に明け暮れた欧州の歴史上の教訓から欧州
を団結させてもう戦争の惨禍は繰り返すまいという理念から発祥
した事を顧みれば、国家間の友愛関係の促進には該当するだろ
う。しかしそれが理由ならば今この時期ではなく、EUが発足した
時点での授与が適切ではなかったか。何故、今このタイミングで
の授与なのだろうか。
 思えば混乱する欧州を一つにという理念からリヒャルドクーデン
ホフ・カレルギー卿が汎ヨーロッパ主義という理念を掲げ、国家と
国家との相互尊重、相互理解、相互扶助の精神を具現化しようと
提唱していたその理念はノーベル平和賞の理念である国家間の
友愛関係の促進ということになる。
 この理念を当時、我が国の占領下においてGHQにより公職追
放に遭っていた鳩山一郎氏(後に内閣総理大臣に就任)が日本
語に翻訳し、当時の世界を覆っていた全体主義に対する人間尊
重の視点から「友愛」と翻訳し、公職追放の立場にある中で訳刊
して世に出した事が我が国における友愛の発祥となった。
 異なる歴史背景と文化、価値観や歩みの国家と国家とが相互
理解をする中で相互尊重、相互扶助の関係を築けたならばこれ
こそ平和への道に通じる。

 ただ私が違和感を感じているのは、この時代のこのタイミングで
のEUへのノーベル平和賞授与のことである。EUは確かに政治的
な小異を残したままEUという大同に着いた事は歴史的な一幕であ
ったが、財政が異なるまま、財政規模もそれぞれが異なるままに
ユーロという共通通貨を発行したために財政バランスが歪み、例え
ばギリシャのような財政の脆弱な国家はデフォルトしユーロの暴落
を招いている。
 ドルは暴落し、ユーロも暴落している。
 厳密に見ればEUは世界経済を停滞、混乱させた大きな一因とも
言えるだろう。世界経済が停滞、混乱すれば下手をすれば戦争が
生じてしまう。そのEUへノーベル平和賞を授与というのはいささか
ブラックユーモアではなかろうか。
 背後に大きな何らかの政治意思を感じる。
 IMF(国際通貨基金)の総会が我が国を会場として開催された。
 端的に言えばいかにして我が国に資金を出させるかという総会で
あろう事は容易に推察できる。凋落する米国ドルとユーロの穴埋め
を我が国が世界経済のバランスの為にというお題目のままに大金を
拠出する事が果たして良いのだろうか。我が国はIMFへの出資金も
多い。我が国は我が国としてIMFに意見をしっかりと述べ、経済意思
も示して然るべきではなかろうか。
 経済の原理、市場の原理で言えば、このまま行けば米ドルとユーロ
は凋落し、日本円が世界からの信用を集め、日本円が真の信用通貨
となり、日本円が世界の基軸通貨になってしまう可能性が高い。
 しかしそれは欧米が絶対に許されない、認めたくない経済バランスで
あり、あらゆる仕組みを用いて阻止してくるだろう。

 そういえば就任間もないバラク・フセイン・オバマ米国大統領が何故
かノーベル平和賞を受賞したものだった。あれも一体何だったのだろ
うか。確かに当時、オバマ米国大統領は核兵器廃絶に向けた取り組
みの演説を行った。しかしそれだけでノーベル平和賞の授与は妥当だ
ったのだろうか。
 ノーベル平和賞とは一体何なのだろうか。
 時の大きな政治意思が背景にうごめく、何らかの政治的な気配を如
実に感じないではいられない。
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