大切なものを守るために

November 11 [Fri], 2011, 14:49
 企業経営と国家運営、国家経営とは全く違う。
 経済界に見られる一部上場企業を中心とした経営者の
声の多くはTPPに加入するべきだというものだが企業
利益のみの追求と拡大を狙いとした判断は根本の判断を
誤る。企業活動の拡大と企業利益の追求に猛進した果て
に企業活動が崩壊し企業利益も縮小することになる場合
がある。それは利益拡大の仮想に釣られて現実を失いか
けがえのない収支には即座には反映されない国益や国民
の生活がないがしろにされた結果、企業活動自体も成立
しなくなるという場合である。
 TPPに加入すれば多国籍企業群が利の追求のみで走
り自らに都合のよい例外だけは後から多数設けて例外な
き自由化のみを標語として掲げることになるだろう。ま
さに日本国が市場としてのみ見なされて、そこにある国
民の生活圏や日常の暮らし、日本国民の蓄積や財産は一
切眼中にない多国籍企業群による活動が展開されるのみ
で、最初のうちは労働力として日本人も使われるかも知
れないがやがて日本人の雇用も米国系や多国籍で安価な
労働力で代わられて圧倒的多数の日本人が日常の有形無
形の財産を失うことになる。

 経済さへうまく展開すれば世の中が良くなるという時
代は終焉した。今は時代が進んだ結果、経済利益・企業
利益さへうまく行く事を追求すれば国が廃れ国土が荒廃
し逆に経済すらうまく展開しなくなる。
 求められるのは政治リーダーと世の中を機能させる政
治の力である。経済さへうまく回れば良かった時代なら
そこにある政治も利益団体に裏打ちされたもので事足り
たのだが、経済さへうまく回れば良いという発想が国民
を疲弊させ国民生活を破壊する事になり経済さへ展開で
きなくなる時代になると政治には利益団体に裏打ちされ
た姿ではなく、マネジメントとしての、ガバナンスとし
ての、国家を健全に機能させる為の政治でなければなら
ない。その本質が肌身感覚で理解でき決断できる人物こ
そがこれからの政治リーダー、ひいては国家のリーダー
たりうるのである。
 
 オリンパスを見よ。企業利益に走る余り巨額損失を隠
蔽してきた果てに上場廃止の瀬戸際に瀕している。
 大王製紙を見よ。利に浮かれ公私の見境を失った創業
一族の世襲社長が巨額の資金をカジノに使い不祥事とし
て企業の信用失墜に至り株式市場で監理銘柄に指定され
株価が大幅に下落し会社存亡の瀬戸際に立たされている。
 利に走る余り倫を失うと利すら失う教訓である。
 ましてや多国籍企業群の利に飢えた要求であるTPP
を日本国が国家として受け入れて日本国を市場として明
け渡しても良いのか。

 TPPにより廃れていく日本の農業を復活させるとい
う意見もあるが日本の農業の解決すべき課題とTPPに
加入するという事は別次元のもので、全く別の問題であ
る。ウルグアイラウンドの例を引用する見解もあるがウ
ルグアイラウンドで良かった、日本の農業がこのように
蘇生したという良い実例を聞いた事がない。むしろウル
グアイラウンドで箱モノや農道を無理やりに作ったとい
う予算ありきの事業展開しか聞いた事がない。
 ウルグアイラウンドで日本の農業がこのように恩恵を
受けたという実例が存在するのなら紹介して欲しい。
 TPPとは別次元で日本の農業自体は政治の力で蘇生
させなければならない。廃業していく農家が続出し耕作
放棄地が増え集落が消滅していく事態は就農している人
々の年齢が高齢である事を思えば猶予は5年程しかない
だろう。
 農地法の問題もある。そもそもはGHQによる占領政
策の一環として地主の土地を二束三文で小作人に強制的
に提供し、しかも細切れに細々とした田畑を法改正によ
る法改正を重ね身動きが取れなくし、借地権の問題も重
ねて複雑多岐になった日本の農地の問題は根深く複雑で
日本の農業を展望のない姿に陥らせている。
 遮二無二突っ走った減反政策も米が飽和状態になった
という理由で日本の農地を大幅に減少させた。近年の研
究で減反政策も日本の占領政策の一環として日本を食糧
不足に誘導するという狙いが込められていた事が明らか
になっている。
 今のままでは衰退する一方の日本の農業の課題は日本
の内政の問題として、日本国の課題として日本国が解決
していかなければならない問題でありTPPと結び付け
る論理は間違っている。

 知れば知る程にTPPは日本国民の日常を破壊する。
 貿易と農業の問題に矮小化された報道で見事な世論誘
導を受けて決められた方向に誘導されている日本国民で
あるが今、判断を間違えれば塗炭の苦しみが待ち受けて
いるだけである。
 TPPは鉱業採掘権の自由化、メディアの自由化、外
国人居住権の自由化、金融投機の自由化、医薬品価格の
自由化、食品表示の自由化、水源の民営化、刑務所の民
営化、学校の民営化、病院の民営化、公的施設の民営化
等が盛り込まれている。
 自由化とは何を意味するのか、良識に基づいた判断力
のある人々なら分かるだろう。自由と言う名の下の資金
力と力により相手を屈服させ支配下に置くことである。
 自由化してはいけないものがある。
 民営化してはいけない領域がある。
 公が国家がマネジメントしなければいけない分野がある。
 利益追求に走ってはいけない領域と分野がある。
 それらを判断する事を総称して良識だと私は思う。

 大切なものは利益のみの追求では守れないのである。
 日本国民のかけがえのない、大切なものを守る為に国
家の良識と品格が問われている。
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