あの騒動は何だったのか

November 04 [Fri], 2011, 14:25
 米国でトヨタ自動車に対するリコール問題が生じた事
が思い出される。トヨタ車のブレーキ構造に欠陥があっ
た為に事故が生じたとされ、巨額な賠償問題と大規模な
リコールに発展した。更に米国議会が沸騰し、トヨタ自
動車社長が公聴会に呼ばれ、徹底して追求を受けたので
あった。
 ところが、時が経過し事実関係が明らかになるにつれ
トヨタ自動車の車には何ら欠陥も問題も無かった事がほ
ぼ確定した。何とその自動車を運転していた米国人がア
クセルとブレーキとを踏み間違えて突っ込んだというの
が事の真相のようである。

 何という事だろう。
 米国は徹底した訴訟社会である。弁護士の数も多い為
か些細な訴えにも弁護士が仕事の確保の為に飛びつく。
弁護士は自分が担当したケースとクライアントについて
事の真相がどうのこうのよりも、論をいかに組み立てて
勝利を勝ち取るかという方向にベクトルが向かいかねな
い。ディベートにしろ弁論にしろ先ず結論が先にあって
その論に立つ者はいかにして相手を打ち負かすかという
事に全力を注ぐ。
 どれほどつたなくても事実と真実を重視するという風
土や風潮とは何かが異なるように思える。
 あろうことか米国議会が当時、トヨタ自動車製品を巡
るこの訴訟を一方的に鵜呑みにして、事実関係を把握す
る前に沸き立ってしまった。優秀な日本車が販売を伸ば
している事に対する恨みや嫉妬、警戒感や憎しみが根底
に流れていた事も影響しているだろう。米国自体のかつ
ての栄光産業だった自動車メーカーは今や斜陽であるか
ら事更に日本車に対する反動があった事は否めない。
 ブレーキに欠陥があったのではなく運転手がアクセル
とブレーキとを踏み間違えたのが真相だった事が次第に
判明するにつれ、嵐のようなリコール騒動は嘘のように
静まり返った。

 これがもし本当にトヨタ自動車製品に欠陥があってそ
れが原因で自動車事故が生じていたとしたら今頃は全米
を挙げてトヨタ自動車叩きと日本車不買運動と高額な賠
賠請求に発展していた可能性が高い。
 振り回されたのは日本のトヨタ自動車であった。
 当時、トヨタ社長は米国議会に吊るしあげられ謝罪を
求められ、悔しさで涙をこらえきれなかった会見の映像
を今も鮮明に覚えている。
 専門家がトヨタ自動車製品を精査して、あらゆる角度
から検査しても当時のトヨタ自動車製品に欠陥は見い出
せなかったのである。

 TPPにもし日本が加入させられると日本国内で同様
の事例が多発する危険性が高い。何かの物事にことごと
く日本企業が訴訟され、TPP協定違反とされ、日本企
業や日本国が巨額な賠償金を請求され支払う義務を負う
事になりかねない。
 話は逸れるが民主党政権の農業政策の一つでもある農
家への戸別保障制度もTPPではTPP協定違反となり
政府が訴訟される事になる。
 経済界にはTPP加入によりアジアの成長を取り込み
発展に寄与するという意見があるが、TPPにはアジア
の経済国であるインド、中国、韓国が加入しないために
その論理は成立しない。冷静に考えれば分かる事だ。

 もし日本国内で米国自動車メーカーの自動車を日本人
が運転して事故を起こし、それを米国製品の欠陥のせい
にして訴訟を起こし、それを日本の国会が鵜呑みにして
仮に米国自動車メーカー社長を国会で証人喚問でもした
としたらどうなっていただろうか。
 しかも専門家があらゆる角度から精査しても欠陥が発
見できず、やがてアクセルとブレーキの踏み間違いが真
相だったと判明したなら。米国は間違いなく大統領が怒
りの声明を発表し、国家を挙げて何らかの報復措置を取
るか制裁措置を取ったであろう。
 日本は何故、黙っているのだろうか。

 それはさておき、TPPは知れば知る程に加入するべ
きものではない。ただ米国だけが焦っている。焦る余り
に日本に加入を強要している。当初は加入予定のなかっ
た米国が加入する事になった時にニュージーランドが猛
反対をした。当初4カ国で発足したTPPも米国が加入
して以降は意味合いが様変わりした。
 日本国が本当にTPPを必要と心底思うのなら日本を
除く9ヶ国でのTPPの進展をじっくり見届けてから加
入を試みても遅くはない。
 それくらいの国家戦略を持って然るべきだろう。
 つまりそれ程に行き急ぐ必要は全くない。
 私は一日本人としてはむしろ加入しない事のほうが日
本国のあらゆる面を長期的に総合的に展望した際に有益
だと思うのだが。
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