宇宙戦争

June 29 [Wed], 2005, 17:35
1898年にH.G.ウェルズが発表したSF小説の金字塔「宇宙戦争」を映画化した1953年版をリメイクした作品。
主演は「ラストサムライ」「コラテラル」のトム・クルーズ。
共演に「マイ・ボディガード」「ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ」のダコタ・ファニング、「ショーシャンクの空に」「ミスティック・リバー」のティム・ロビンス、「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」「フライト・オブ・フェニックス」のミランダ・オットー。
監督は「マイノリティ・リポート」「ターミナル」のスティーブン・スピルバーグ。

何パターンものトレーラーをガンガン流してプロモーションした「スター・ウォーズ:エピソード3/シスの復讐」と対照的に、トレーラー以外全くと言って良いほど情報を明かさなかったこの「宇宙戦争」。
それならばと敢えてほとんど事前情報なし(と言っても1953年版のオチは知ってる)で観てきましたが、そうして正解でしたね。
かなり面白かったです。

この作品を一言で表すなら、「古典的な手法と現代の映像技術で描いたパニック・ムービー」でしょうか。
最近のパニック映画はどちらかと言うとグラフィック的な派手さで恐怖感を煽るものが多いと思いますが、この作品はそれとは対照的にもっと根源的な恐怖を描いています。
流石「激突!」や「ジョーズ」を撮ったスティーブン・スピルバーグ、見せ方が上手いですね。
客観的な視点は殆ど登場せず、あくまで視点は主人公からのもの。
なので、当然いちいち説明なんかもありません。

何が起こっているのか、アレは何なのか、自分達はどうなるのか…。

その「分からない」事から来る不安、恐れ、そして恐怖の感染が作品全体を覆い、途方もない絶望感を描き出していました。
こういった危機的状況での集団パニックや、「100万年前から埋まってた」などの根も葉もない噂を信じてしまう判断能力の喪失は現実に通じるだけにとても恐かったですね。

勿論、映像的な派手さがないわけではありません。
トレーラーで流れてたハイウェイが吹っ飛ぶシーンや冷酷無比に人間を攻撃するトライポッドなど、これまで見た事がないような驚きに満ちた映像が満載です。
その凄まじい迫力に手に汗握るのは間違いないでしょう。
でも、それは演出のひとつであって、作品の根幹を成すのはあくまで1人の人間のドラマ。
これは、決して良い父親とは言えない主人公が、突然直面する危機的状況の中で子供達との絆、そして父親らしさを取り戻していく物語なんですよね。

その父親を演じたトム・クルーズ。
初の父親役という事でしたが、なかなかのダメっぷりでちょっと新鮮でしたね。
今回はヒーロー的な部分は全く無い役柄で、とにかく子供たちと逃げるしか出来ない無力な役なんですけど、その必死さが結構良かったです。
やっぱり存在感ありますね。
娘役のダコタ・ファニングは更に演技上手くなってました。
パニック状態になって叫びまくる所なんか凄くリアルで、逆にそれが恐かったり(苦笑)
末恐ろしい11歳です。
ティム・ロビンスの狂気の演技も良かったなぁ。
そういえば、ナレーションってモーガン・フリーマンでしたね。
最近ほとんどの大作に出演してるような気が…。

賛否両論ありそうなラストは個人的には結構好きです。
「人間が作り出した兵器ではなく自然が勝利する」という、オリジナルと同じラストを、「今」、敢えて選んだ事に意味があると思います。
まぁ確かに呆気ないと言えば呆気ないんですが、あそこまで圧倒的な力の違いを見せ付けられてて「何とか勝ちました!」ってなるのも個人的にはちょっとどうかなと思うので…。

「SFアクション大作!」みたいなのを期待して観に行くと肩透かしを食うかも知れませんが、この作品は是非劇場で観る事をおすすめします。

  • URL:https://yaplog.jp/imagination/archive/524
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sin
chishiさんいらっしゃいませ。
トム・クルーズはダメな役でもやっぱりカッコ良いですよね(笑)
ラストは切なかったです。
August 02 [Tue], 2005, 0:02
確かにトムのダメっぷりは中々のものでしたね。
特別なヒーローになっていくわけでもなく、ちょびっとだけホンマの父親になってまた独りになるっていう構図は面白かったと思います。
August 01 [Mon], 2005, 22:59
sin
いえいえ、こちらこそありがとうございます♪
凄い迫力でしたよね。
あれをたった2ヶ月で撮影したってのがまた凄い…。
僕はラスト結構好きですよ。
オリジナルに敬意を表して、ってのもあるんでしょうね。
July 10 [Sun], 2005, 16:19
とんとん
コメント&トラバ、ありがとうございました♪
ほんと迫力が凄かったですね〜!
ラストはやはり賛否両論あるんですね。
でもオリジナルありきの映画だから、その辺はしょうがないのかな〜?
July 10 [Sun], 2005, 14:02
sin
観に行かれましたか!
ダコタ・ファニングの絶叫、確かに怖かったですねぇ。
「アイ・アム・サム」の時は確か7歳くらいだったと思いますよ。
あの時も吃驚しましたけどね(汗)

ロビーがあっさり戻ってきてたのは確かにツッコミ所だったかも知れませんが、あのラストで反抗してた息子と父親が和解するというのは必要だった気がします。
でも一緒にはいられない切なさも…。
個人的に、ロビーの行動はああいった危機的状況で「戦う事よりも守る事を選んだ」レイとの対比として必要だったと思ってます。

拙い感想ばかりですが参考になれば幸いです。
お薦め映画は沢山あるのですが、まだ書いてないのもあるので随時アップしていきますね。
仕事の関係で、見るのがどうしても新作映画中心になってしまうのが悩みなんです…。
また遊びに来てくださいね。
コメントもお気軽にどうぞ♪
July 09 [Sat], 2005, 14:39
nana
昨日見てきました!!(人少なかった・・・なぜ?)
怖かったぁ〜(@@)何がって、ダコタちゃんの絶叫シーン!!。爆破シーンやトライポッドの攻撃より何より迫力ありました☆11才ですかっ!!びっくり!!「アイ・アム・サム」の時は いくつだったんでしょうね。

結末はえっ!!って。笑 
息子のロビーはどうやって・・・
ちょいと納得いかない結末でしたが 充分楽しんできました。

いつも sinさんの映画コメント参考にさせていただいてます(^^)新作だけでなくお勧め映画ありましたらまた教えてくださいまし☆
July 09 [Sat], 2005, 13:56
sin
>にらさん
いらっしゃいませ。
そういうツッコミ結構多いですよね。
まぁ、そう思ってしまって当然なのかも知れませんが。
ある意味スピルバーグの凄さですよね。
こちらこそTBありがとうございました。

>カヌさん
いらっしゃいませ。
僕も原作をちゃんと読んだ事ないんですよ…。
「インデペンデンス・デイ」はあれはあれで好きなんですけどね。
アメリカ万歳なとこが気に入らないだけで(笑)
今日無性に見たくなりましたが我慢しました。

July 08 [Fri], 2005, 0:40
はじめまして&トラバありがとうございます。
私は原作は知らなかったのですが、「インデペンデンス・ディ」のような展開よりは、超自然的なこっちの方が好きですね。呆気なさはやはり残りますが(^^;
July 07 [Thu], 2005, 20:54
「100万年も埋まってて、誰も気付かねーのかよ」
ってツッコミいれてるつもりで、まんまとデマに乗せられたブログ記事をどこかで読みましたよ。
sinさんの書かれた「根も葉もない噂を信じてしまう判断能力の喪失」を、ヒシヒシと実感させられました(笑)。

てなわけで、TBありがとうございます。
July 07 [Thu], 2005, 11:12
sin
いえいえ、こちらこそありがとうございました。
他の映画評も幾つか読ませて頂きました。
よろしければまたお越し下さい。
July 03 [Sun], 2005, 21:04
TBありがとうございます。
他の映画評も読んでいただければ幸いです。
July 03 [Sun], 2005, 8:41
sin
こんばんは。
ラスト賛成派ですか♪
大きな事柄ほど意外に呆気なく結末を迎えたりしますもんね。
個人的には人類全滅のバッドエンドもアリでしたけど。
これからもよろしくお願いします。
July 03 [Sun], 2005, 4:28
トラックバックありがとうございます。
「徒然雑草」のtkrと申します。
http://diarynote.jp/d/29346/

ラストについては、わたしも大賛成です。
たとえば、ナポレオンが冬将軍に敗れたり、アジアに旅行に行っておなかを壊したりしているわたしたち人類の暗喩にもなってますし。
July 02 [Sat], 2005, 13:19
sin
こっちでもやってるみたいですよ。
しかも劇場でも近々やるみたいです。
ハンドルネームはやっぱりそうでしたか(笑)
ヴァル・キルマー若かったですよねぇ。

あ、今日劇場で「アイランド」の新しいトレーラー見たんですけど、ショーン・ビーン映ってました♪
これは観に行かないと。

「ホステージ」もう発売されてるんですか!?
さすがに海外は早いですねぇ。
ベン・フォスターって「パニッシャー」に出てた俳優さんですよね。
確かに個性的で僕も好きな感じですよ♪
July 01 [Fri], 2005, 22:11
TOMCAT
今日やるんですよ関東で・・
トップガン(笑)デジリマだそうなので楽しみにしてたの
TOMCATは勿論トップガン見てからですけど(笑)トムは・・やっぱりF-14に見とれてて、あまり意識が無いの・・あれはトムだったのね。って後で気がついたぐらいっす。もう、18年ぐらい前ですものね(笑)

そういえばエッフェル塔でプロポーズしたそうで・・奇異なところで・・・
これが豆ちゃんなら、レンガ作りのアイリッシュパブでとか言ってもあら素敵ってなるんでしょうけど(笑)

今日HostageのDVD来ました。US版・・ベンフォスター君に見とれてました・・幸せモンですなTOMにゃんは・・
July 01 [Fri], 2005, 18:52
sin
>メリーさん
いえいえ、そんな事ないですよ(汗)
幾つか読んでもらえば分かると思いますけど結構ワンパターンな書き方ですしね。
どうも感じた事をちゃんと文章に出来てなくて、いつも歯痒い思いをしてます。
「バットマン・オリジナル・ムービー」店にありますよ♪
あれ面白いんですか!?
それは見てみないと。
ツッコミまくりな感じって事ですよね?(笑)

>TOMCATさん
あら、トム・クルーズ好きじゃないんですか。
てっきりハンドルネームは「トップ・ガン」からだと思ってました(汗)
違うんですね。
モーガン・フリーマンはほんとに声だけですよ。
最初と最後だけ(笑)

>ももママさん
ありがとうございます。
ほんとにリアルな恐怖でしたね。
やっぱりスピルバーグは上手いなぁと感心してしまいました。
ダコタ・ファニングほんとに恐るべしでしたね。
ある意味一番恐怖感の立役者かも(笑)
これからの出演作も楽しみです♪
July 01 [Fri], 2005, 3:51
TBありがとうございました。相互TBさせていただきました。
確かに賛否両論ありそうな結末。私も嫌いではないです。そもそも、映画は結末如何で評価が決まってしまうものでもないし、逃げるプロセスがリアルな恐怖と日常感たっぷりに描いてありましたので、それで十分では?
そして、ダコタちゃんの演技には感服の一言!
July 01 [Fri], 2005, 1:10
TOMCAT
どうも偏見があって、トムクルーズが好きじゃないんですけど・・モーガンフリーマンにほだされて・・見に行きたいような・・

本当にフリーマンを追っかけるのは大変です。
バットマンでもあのにやりとした笑顔堪能してきましたけど・・どうしよう・・・

きっと見てしまうんでしょうねぇf(・・
June 30 [Thu], 2005, 13:09
なるほどね〜。レビューってこーいう風に書くんだね。
sinさん、いつも思うけど、文章うまいね。
日記も毎日マメに書いてるしさ。私は、学生時代から感想文とか日記が大の苦手だったから、尊敬しちゃいます
私も、ぜったい宇宙戦争はでっかいスクリーンで見ようっと。

あ、この間言ってた「バットマン」ね。1966年に「バットマン・オリジナル・ムービー」ってのがあるから、もしお店に在庫があったら、いっぺん見てみてよ。かなり面白いよ。あまりにチープでコメディになってるし。。。
て、sinさんのことだから、知ってたならゴメンね??
June 30 [Thu], 2005, 11:58
sin
>みちさん
こちらこそTBありがとうございます。
あのラストにするのがスピルバーグらしいかなと思うんですよね。
きっと普通の監督だとそれこそ「インデペンデンス・デイ」みたいな作品にしちゃうと思うんですよ。
そうすると「なんや、立ち向かえるんや」となって怖さは半減してしまいますからねぇ。

>たましょくさん
こんにちは。
確かに情報公開されてないと、しかもトム・クルーズ×スピルバーグだと必要以上に期待してしまいますよね(笑)
それ凄くわかります。
やっぱりラストは賛否両論みたいですねぇ。

>岬千里さん
初めまして。
こちらこそTBありがとうございます。
確かに唐突でしたね(笑)
でも、それもアリかなぁと。
かなり最悪な状況でも予想外のところからアッサリ解決する事ってありますし。
教訓的な意味合い、つまり暗に世界最強を自認しているアメリカ批判もあるんじゃないかなと思ってしまいました。
June 30 [Thu], 2005, 10:28
初めまして。TBさんくすです。お返しTB持ってきました。

ラスト、いいんですけどね〜。
私も好きですよ。
>「人間が作り出した兵器ではなく自然が勝利する」
っていう考え方。
ただどうにも持っていき方が唐突で。
も少し詳しくやってほしかったかなあと。
え?何?なんで????のうちにナレーションで・・、
ですからね。
前半の迫力を考えると、アレレ?となるのはしかたないかと。
June 30 [Thu], 2005, 9:30
 TBありがとうございますm(_ _)m

 うぅ、SF映画だと思って観に行ってしまった派です。
情報公開がされてないことも相まって、自らの中で期待
度をググーンと上げてしまって…

 中盤(恩人のおっさんとのやりとり)ぐらいまでは、喰い
入るように釘付け。「あぁ、この地下室から出たら、反攻
するんだろなぁ〜」とか(あの流れで、そー考えてしまう
こと自体が間違いでした

 良かったシーンもあるし、ホラーな描写も個人的には
大好きでした。しかし、それにしても、あの幕引きは…
オリジナルがあるだけに大幅な修正は出来なかったので
しょーが、やはりなんか物足りなかったです。
June 30 [Thu], 2005, 8:41
TBありがとうございました。
私もラストにあっけなさを感じていたんですが、こちらの記事を読ませていただいて、「なんとか勝ちました」っていうラストの方がありえないよな〜と思いました。
いろんな御意見が聞けてうれしいです。

トムはフツーの人に徹していましたね。
でも手榴弾でやっつけるところなど、やはりちょっぴりはヒーロー色を出したかったのかなぁと思いました。
観客としてもそれを望んでいたでしょうし(笑)
June 30 [Thu], 2005, 8:40
sin
「スター・ウォーズ」は絶対観に行ってくださいね!
オススメです。
「ダニー・ザ・ドッグ」「バットマン ビギンズ」は僕も観たいんですよ。
やっぱリリーさんと趣味合いますね♪
June 30 [Thu], 2005, 4:28
リリー
久々劇場に行ったけどやっぱいいねぇ〜
すんごい迫力だったぁ〜
ダコタちゃんの悲鳴ってば凄かったなぁ〜
ワタシもかなり騒いじゃったけどw
次はスターウォーズを観に行かねば!
ダニーザドッグやバットマン・ビギンズもメチャメチャ気になるぅ〜
June 30 [Thu], 2005, 4:13
P R
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ドラマーとして、FREEWILL、六合、SYMPHONIA、ALL IMAGES BLAZINGなど数々のバンド、プロジェクト、サポートなどで活動中。
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