「郵政民営化」の親衛隊。

February 11 [Wed], 2009, 3:51
「利権と癒着の温床」であった郵政事業にメスが入れられるのは当然であったが、実態は民意とは程遠い、国民の財産を狙った新たな「利権の創出」であった事は証明された。

いつの時代も、「民」と言う言葉で、私利私欲を正当化しようとする虚業家や、それから金をもらっている御用学者の多い事、多い事。
「マスコミ」も含めて、化けの皮がはがれても、今回もまだがんばってますね。

第162回国会本会議投票結果

■民営化賛成論者の見識(郵政族議員を落選させよう〜転載)

深尾光洋・日本経済研究センター理事長
全国2万5千に上る郵便局ネットワークは、国民が共有する貴重な財産だ。郵便局の使い方を工夫する郵政民営化は進めなくてはならない。郵便事業への政府の関与を抑える民営化法案はまず成立を優先させる。郵便貯金、保険業務の政府からの一段の独立強化など必要な措置は法案成立後でも講じることが可能だ。
郵便局の使い手を官に限るのではなく、民間にも解放した方が、郵便局を拠点にしたサービスが広がる。そのためには民営化によって郵便局の窓口、郵便、郵便貯金など経営体をはっきり区分けする必要がある。民営化法案の最大の意義は4分社化にある。
民営化後の郵便貯金銀行、郵便保険会社の金融2社と、民間金融機関の競争条件を同じにするため、預金規模が大きい郵便貯金銀行を地域別に分割したり、金融2社への税制優遇をなくすなど、この先、民営化を進めるにあたっては改善の余地も残る。だが、こうした議論も民営化法案の成立が出発点だ。

田中直毅・21世紀政策研究所理事長
郵政民営化法案は、高齢化・人口減少社会を迎える日本経済にとって、避けて通れない道筋だ。法案は衆院での修正を受けたが、郵便、郵便貯金などへの4分社化、郵貯と簡易保険事業での政府保証の廃止、職員の非公務員化という最低限の原則は守られている。法案成立を急ぐべきだ。
日本経済が活力を保つためには、家計の金融資産を有効に使う必要がある。資産を持つ高齢者らが、金融商品から運用手段を自由に選ぶ「投資社会」の実現が前提で、郵政民営化が第一歩だ。郵便貯金を入口の一つとする資金配分の仕組みは官の決定権が大きすぎる。家計の資金の受け皿がもっと民に広がれば、運用リスクは伴うが、社会全体の資金の巡りは効率化する。
収益環境が先細りの郵便に、決済機能を持つ郵便貯金などが一体となった郵政事業は、海外からは計り知れないリスクを抱えた存在に見える。金融事業が民有民営になれば、海外の懸念は抑えられ、日本への投資も活発化する。

吾妻橋
補助金や優遇税制を受ける官業を、税金を払う民業に置き換えれば、国の財政は歳入と歳出の両面で改善する。多様な民間事業者の競争により、サービスの質も向上する。それで新たな事業が広がれば、雇用の創出にも貢献できる。
単に、既存の歳出の節約や増税だけによる財政再建は、デフレを悪化させ、ジリ貧に陥ってしまう。官業の民間解放は財政再建に不可欠なプロセスであり、それには官邸の強力な指導力が必要だ。
郵政改革は構造改革の仕上げではなく、その幕開けとして大きな意義がある。

八代尚宏・国際基督教大学客員教授
保育や医療、福祉では民間の事業主体もサービス提供者として市場に入ってきているが郵便事業はいまだに官業そのもの。こうした官製市場の改革では、事業の実施主体を常に競争環境にさらしてサービスの向上を促したり、職員の非公務員化を進めることが重要だ。閉じた官製市場の開放が頓挫しないよう、民営化関連法を成立させてほしい。

川本裕子・早稲田大学教授
公的金融が肥大化している現状は先進国として恥ずべき状態だ。社会主義的な経済システムが21世紀に適合しないことは明らかだ。日本郵政公社を温存したままでは、公的金融が縮小しないおそれがある。地域金融機関の改革の遅れにもつながる。地域金融機関はこれまで、郵貯が強すぎることを理由に不良債権処理などを遅らせてきた。国営の郵貯が残ればこの状況がさらに続きかねない。
郵貯や簡易保険で集めたお金は採算性の低い高速道路の建設などに使われてきた。この仕組みが今後も続かないという保証はない。もし道路公団の経営が破綻したら、税金で穴埋めをしなければならない。公的機関の間を循環する資金の流れを断ち切らなければ遠くない将来に危機が顕在化する懸念がある。民営化法案は必ず成立させなければならない。
法案の中身については問題が山積しているのは事実だ。成立後も見直しが必要だろう。例えば完全民営化まで10年間の移行期間は長すぎる。この期間は国の関与が残っているのに、事業範囲はどんどん広がる。市場独占が強まる懸念がある。移行期間を極力短くする必要がある。郵政公社を事業ごとに分社する仕組みは死守すべきだ。現在の郵政公社は各事業の会計が厳密に分離されておらず、郵便などの不採算部門への内部補助が続いている。これをきちんと分けることで、各事業が規律をもって効率性を高める努力が生まれる。
隠れた国民負担がすでに存在していることを丁寧に説明すべきだ。郵政公社は預金保険料の支払いが免除されており、破綻しそうになれば税金で穴埋めする。郵貯維持のコストは国民が負担しているわけだ。郵貯を民営化すれば、知らない間に課されていた負担を減らす利点が見込める。

北城挌太郎・経済同友会代表幹事
人口の減少の始まる中、限られたお金を効率的に使うように改めなければならない。郵便貯金と簡易保険を今のまま温存したら、採算性が低い特種法人に大量のお金が流れ込む仕組みが残り、構造改革は大幅に遅れる。

山崎篤・ヤマト運輸社長
郵便の収入は約2兆円。郵便貯金と簡易保険の資金は約340兆円。この資金を効率的に使う改革が重要だ。民営化で株式会社になれば、情報開示の要求も厳しくなり一歩前進だ。
廃案になれば、大きな政府の無駄を無くす構造改革のラストチャンスを逃してしまう。郵貯資金などの出口である日本道路公団の橋梁工事入札で談合が明るみに出たが、こうした利権の構図を残すことになりかねない。
郵政公社は信書と呼ばれる手紙やハガキの取扱いを独占し、今は税制面でも優遇措置を受けている。
信書独占で得た利益を小包事業に回して価格を安くしているのではないか。
当社は補助金など受けず、チラシなどを扱うメール便で既に全国一律料金を実現した。今は50グラムまで80円だが、規制が撤廃されればハガキも扱える。競争条件が対等なら負けない。郵政公社が信書から撤退しても当社が代わりにやれる。
公社は全国均一サービスのコストを強調するが、年賀状だけで年30億通、1500億円を超す収入を独占している。

川本裕子・早稲田大学大学院教授
国の債務は増大を続け、いわば膨大な借金を抱えながらなお借金をして買い物を続け、支払いは孫の世代に任せるような無責任な状態になっています。特に90年代は赤字財政が急拡大しました。
その原因を探ると、日本における資金の循環のひずみがわかります。民間金融機関から企業への資金の融通よりも、郵貯・簡保などのお金が回る国の財政投融資が大幅に増えてしまい、社会主義的な傾向が強まってしまったのです。高速道路建設が典型的ですが、国家が投資するとリスクや将来負担を精査せず、国民のお金を非効率に使うことになりがちです。
そこで公的な事業や組織の民営化が必要になります。ただ民営化といってもさまざまなレベルがあるので、厳しい目で判断していかなくてはなりません。その会社が完全民間保有にならない限り、本気の経営努力は行われません。民営化しても独占企業のままではサービスは改善せず、効率性も良くなりません。ポイントは、市場競争が起こりうるかどうかです。

読売新聞・社説(7/14)
郵政民営化の本来の目的と意義を考えれば、やはり今国会で法案を成立させるべきだ。郵便貯金や簡易保険で集めた340兆円もの資金で特種法人などの非効率な事業を支える構造を改め、資金を民間に流して日本経済を活性化させることは、時代が要請する課題だ。衆院では、郵政3事業の一体化につながり、民営化の目的が損なわれる恐れもある法案修正が行われた。参院で、これ以上の後退があってはならない。

御手洗富士夫・キャノン社長
これから少子高齢化が進み、社会保障費が膨らんでいきます。そのことを考えると、今のうちに民にできることは民にやらせ、小さな政府にするという流れを確たるものにしておく必要がある。
そもそも、これほど官業が民業を圧迫している状況は、世界にも例を見ません。戦後の復興期には必要かつ有用だった官製サービス業も、すでにその役目を終えています。

奥谷禮子・ザアール社長
郵政民営化最大の目的は、財政投融資への資金の流れを断ち、無駄遣いをやめさせること。350兆円もの自由に動かせるお金が国の懐にあるなんて、諸外国を見ても他に例がありません。その資金を放出し、民間が有効な経済活動を行えるようにすべきなのです。

加藤寛・千葉商科大学長
1つは、どんぶり勘定をやめること。郵便局は、郵便、簡易保険、郵便貯金の3事業を一体として運営しており、近代的な経営管理ができていません。これでは、国際競争で太刀打ちできるはずがありません。2つめは、公務員としての過度な身分保障はしないこと。

日下公人・経済評論家
自民党の抵抗勢力が盛んに反対しているのは、選挙で特定郵便局長会の票がほしいからでしょう。今や国民はみな一律に同じサービスを望んでいるわけでありません。何が必要なサービスなのか国民ひとりひとりが決めるべきなのです。お客さんが望むようなサービスを提供できなければ、その企業は潰れる。生き残るのは国民の要求をきちんと把握できる企業だけとなる。それが当たり前のことなのです。

江田憲司・桐蔭横浜大学客員教授
あるべき郵政民営化の姿は、郵貯・簡保を縮小し、JRのように地域分割を行うというもの。ところが、郵政民営化の基本方針には、郵貯と簡保の縮小は盛り込まれませんでした。そのうえ、それぞれの資本関係がなくなるならまだしも、同じ特殊会社の傘下に入るせいで、従来と同じ郵政事業のドンブリ勘定を許すことになってしまったのです。
衆院で行われた修正によって一層悪いものとなりました。すなわち、1.特殊会社がいったん郵貯、保険の各分社株を売り払った後、また買い戻せる。2.郵貯、保険会社が窓口会社に業務委託する。3.不採算局でも維持されるように2兆円もの基金が用意される。(注:これらは落選させるべき反国民的郵政族議員による悪い成果)

日本経済新聞・社説(7/29)
郵政法案が成立しない場合のコストを考えてみよう。郵貯・簡保を通じて多額の資金が吸い上げられ、その大半が国債や地方債の購入に回される構図は変わらない。国債には財政赤字の穴埋めに使われるものと財政投融資の財源になるものがある。
つまり今の郵貯・簡保が存続する限り、国の一般会計や財政投融資に使える資金は潤沢であり、政治家や官僚、財投機関関係者はそれを当てにする。結果として危機的な状況にある財政の健全化は遅れ、政府系金融機関などの財投機関の改革も先送りとなる。特に、政府系金融機関の改革論議は郵政民営化法案の成立を受けて始める予定だ。郵政法案が否決されれば、こちらもほぼ雲散霧消するに違いない。かくして郵政改革の大きな狙いである「官から民への資金の流れの変換」は実現しない。
また、郵便局が法人税を払っていないことなど、年間数千億円ともいわれる「見えざる国民負担」も続く。先細りが予想される郵政事業の経営効率化や、利用者へのサービス改善も遠い先の話になる。

喬木
民間の経済が本当に生きてくるためには、民間と競争して行われている郵政公社の事業が民営化され、民間事業と共通の原則で運営されることが必要なのである。郵政事業が民間の事業分野で仕事をする以上、民営、官業を問わず、民間と競争上の等価が確保されなければならないことは言うまでもない。郵政公社は法人税・地方税等税制上の恩恵を受けているし、郵便貯金は預金保険料も負担せずに政府保証を受けている。

朝日新聞・社説(7/31)
郵便貯金と簡易保険の資金量は330兆円にのぼる。この巨大な「国営銀行」の仕組みがさまざまな非効率を生みだしてきた。「官から民へ」資金の流れを変え、日本経済の活力を取り戻す必要がある。これが民営化の眼目だ。 いまの法案は反対論に妥協し、当初の理念から後退したのは事実だ。それでも民営化のメリットを発揮できる線は保たれている。これが否決され、民営化が頓挫したときのダメージは計り知れない。
郵貯・簡保の巨大資金は、バブル崩壊後、相次ぐ景気対策で大量発行された国債の引き受け手の役割を担ってきた。郵政マネーという打ち出の小槌が、無駄な公共事業や非効率な特殊法人の業務を支えてきた面がある。
民営化することで資金がもっと効率的に運用される環境をつくり、同時に政府の野放図な財政運営を改めさせる。
いまの郵政公社が経営的に立ち行かなくなるのは時間の問題だ。公社の屋台骨を支えているのは郵便貯金の収益だが、ゼロ金利で預金を集め、国債を中心に運用するという単純なビジネスモデルは通用しなくなる。電子メールの普及で、郵便事業の売り上げも落ちている。かつての国鉄のように、やがては税金で巨額の赤字を埋め、人員整理を強いられることになる公算が大きい。

平田育夫・日本経済新聞 論説副主幹
郵政民営化により、一般会計の歳入に充てる普通国債や、財政投融資を賄う財投国債を買ってくれる郵貯・簡保資金が減る。大盤振る舞いができなくなり、財政や財投に規律が働く。
規律が必要なのは財政が破綻寸前だからだ。国内総生産に対する国と地方の借金の比率は170%で、あの米国の60%台に比べ3倍近く悪い。今年度の予算も歳入の4割余りを国債で調達する。こんな先進国はほかにない。
財投残高333兆円のうち100兆円近くが不良債権化しているとみる専門家は1人や2人ではない。郵貯・簡保資金が潤沢に使える状態を変えなければならない。
反対派議員は過疎地で金融サービスが低下し住民が困ると言う。法案では過疎地の郵便局は廃止せず、長期にわたり郵便・保険会社が業務委託するので住民もほとんど困らないはずだ。
反対する自民党議員の本当の理由は選挙の際に頼りになる1万9千人の特定郵便局長が民営化は困ると抵抗しているからではないか。

藤井彰夫・日本経済新聞 編集委員
郵政民営化は日本人が21世紀も豊かな生活をおくるために避けて通れない改革の大きな突破口であるのは間違いない。
民間でもできる仕事を26万人もの公務員でやる必要があるのか。政府保証で個人から集めた330兆円で国債などを買って、公的部門に資金を流し続けることが活力ある経済をもたらすのか。 こうした問題に加えて、日本郵政公社の経営も現状のままではいずれ行き詰まり、最後のつけは国民に回る恐れがある。

香西泰・日本経済研究センター客員研究員
郵貯改革は経済金融システムのひずみを解決するための重要な試みだ。郵便局に問題はないから変える必要もないと主張する人がいるが、郵貯や簡保が財政投融資を通じ無責任に資金を供給し続けてきたために、公社・公団の非効率な官のシステムが温存されたきた。例えば、郵貯や簡保の資金を使っていた旧国鉄は赤字に陥り、その整理のための国民負担は結局30兆円近くに達した。
金融は本来使う分だけお金を集めるのが基本なのに、財政投融資では郵貯がただ資金を集める機能だけを果たしているのが問題。資金の入口である郵貯を改革しなければ、本当の財政投融資改革にならない。

毎日新聞・社説(8/9)
この際、既に妥協を重ねた形ばかりの郵政民営化案を、「官から民へ」の原点に立ち返って作り直し、有権者に提示すべきだ。
郵政民営化は、ひいては「大きな政府か、小さい政府か」につながるテーマだ。岡田克也代表が「将来には民営化が望ましい」と言いながら、政府案の批判だけに終始したのは、党内の労組系議員を中心に、自民党と同様、民営化反対派を抱え、対立を回避するためだと既に有権者も見抜いている。

産経新聞・社説(8/9)
特定郵便局が自民党の集票基盤であるだけでなく、340兆円にのぼる巨大な郵貯・簡保資金が族議員、官庁、特種法人などで形成する既得権益を支えてきた。それは同時に巨大な資金メカニズムを外に置いて経済の活性化を阻害し、財政規律おも大きくゆがめてきた。
特定郵便局などの権益をすべてに優先させる人たちが存在する限り、自民党は改革政党になり切れない。その意味で郵政民営化の賛否を争点にすることは、改革を推進する自民党の賛成派とブレーキをかける反対派を峻別することになる。自民党が改革政党になるチャンスである。
岡田克也代表は郵貯・簡保の将来の民営化と職員の非公務員化を求めていたが、民主党が3月にまとめた見解に反映させることをしなかった。労組の意向が最優先されたいわれても仕方なく、とても改革政党とはいえまい。

加藤寛・千葉商科大学長
過疎地にいる住民にとって最寄の郵便局が頼りだったというが、国民の資産を守るとまで総理の答弁を引き出しておきながら、(反対派は)不安をあおっているだけではないか。
またある人はいう。アメリカの要求に従っているだけの民営化案だと。冗談ではない。日本は外圧に屈したのではなく、いつもそれを乗り越えてきた。外圧に従うなとかハゲタカに屈するなというのであれば、民営化案以上の案を出してはどうか。反対論はただ現状維持しかいえない攘夷論者にすぎない。

湯元健治・日本総合研究所調査部長
郵政公社は税金を払っていません。政府保証など各種の優遇措置を加えると、年1兆円以上を政府が実質的に負担しているとの試算もあります。
現状は低金利で集めた資金を国債などに投資し利益が出ています。しかし、金利が上昇すれば解約して新規に貯蓄し直す利用者が増えることが予想されます。資金調達コストが一気に上がる一方で運用は金利の低い国債に頼ったままだと、利幅が縮小して経営を圧迫するおそれもあります。仮に郵政公社の経営が傾けば、国が税金を使って支援に乗り出すしかありません。
人口が減少し高齢化が進む日本が経済成長を保つには、金融資産をより効率的な分野に振り向ける必要がありれます。個人資産が非効率な官業に向かう資金の流れを断ち切るために、郵政改革は避けて通れません。

桜川昌哉・慶応義塾大学教授
郵政民営化法案の問題点は次の通り。
1. 完全民営化への移行期間が長すぎる。
2. 2007年3月以前に預け入れられた預金について政府保証を維持することになっているが、これは民間との競争条件の不平等を維持することになる。
3. 郵便貯金の政府保証が表面上なくなっても、政府が持ち株会社を通じて、郵便貯金銀行の株式を大量に保有していれば、預金者には政府保証があるのと実質的に同じだと見なされる可能性が高い。
4. 政府の関与が残る郵便事業会社や窓口ネットワーク会社による郵便貯金銀行、郵便保険会社の株式取得を認めれば、国営化への逆戻りになる危険性がある。
あるべき民営化の姿は次の通り。
1. 対等な競争条件を実現するために、ただちに郵便貯金銀行・郵便保険会社をそれぞれ四つ程度に分割する。
2. 政府保証が明示的に残る郵便貯金銀行と郵便保険会社の旧勘定の損益をそれぞれの新会社から完全分離する。
3. 郵便貯金会社・郵便保険会社は分割あるいは縮小後、3年程度の期間で株式の完全売却を行う。
4. 政府の関与が残る郵便事業会社や窓口ネットワーク会社が、郵便貯金銀行や郵便保険会社の株を持ち、あるいは人事介入によって経営に影響を与えることは禁止する。

深尾光洋・日本経済研究センター理事長
政府の民営化の進め方には問題がある。
第1に、移行期間が10年間と長すぎる。民間との競争条件の調整が困難となるからである。移行期間は3年程度に短縮すべきである。
第2に、制度上は政府保証がなくなっても国が大株主いる間は、預金や保険契約は全額保護されていると国民が受け止める可能性が高い。政府は郵貯・簡保の株式を早急にすべて売り出し、民間に移す必要がある。持ち株会社などによる買戻しも認めるべきでない。
第3に、既存契約は管理機構が保有し、新契約の勘定から形式的に分離される。しかし、管理機構は既契約の管理・運用を郵貯銀行、郵便保険会社に委託し、損益も郵貯銀行、郵便保険会社に帰属する。会計基準上、管理機構は新会社に連結すべきものであり、これは実質的な分離とは言えない。既契約は預金保険料や契約者保護機構への拠出金が軽減されているので、実質的な補助金を享受し続けるといえる。
第4に、郵貯、簡保の規模が民間金融機関に比較して大きすぎることに問題がある。郵貯銀行の支店網、口座数を考えれば、ネット通販の決済など小口決済業務を実質的に独占できる実力がある。4大生保合計に匹敵する資産を持つ簡保についても、顧客ベースは強大で、民間生保の強敵になろう。金融市場の競争条件を考えると、郵貯・簡保は民間の最大手以下の規模に分割した上で民営化すべきである。
  • URL:https://yaplog.jp/ichijihinan/archive/64
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