第5回ERと総合診療を考える会

2019年06月16日(日) 15時11分
yukoです。

ERと総合診療を考える会にお越しいただきました皆様、演者の先生方、本当にありがとうございました。

第5回を迎えた講演会は皆様のおかげで涙あり、笑いありの素晴らしい会になりました。

「元臨床心理士の救急先行医が死にまつわる医療について考えていること」

勅使川原学先生 京都府立医科大学救急医療学教室(枚方公済病院循環器・救急研修)

勅使川原先生は、アドバンスケアプランニングを中心に、目の前の患者さんの価値観、人生の目標、今後の医療に関する意向をどのように共有していくことができるか、臨床心理学士としての精神分析のお話を交えながら、「ACPの向こう側」というサブタイトルでお話いただきました。

「悲しくて悲しくてとてもやりきれない」この抱えきれない思いに共感するために私達はこの想いをどう共感、共有し、心を映す鏡となり映し出せば良いのか。

臨床心理士のトレーニングのひとつに、自分自身も患者さんになり、患者さんと同じ心の治療、精神分析を何年も何年も続けるトレーニングがあるそうです。


講演の最後に皆で目を閉じて、ゆっくりと息を吸い「今より10歳年をとって、死の床に伏していることを想像してください」という、静かで長い時間が流れました。「・・・では今より5歳年をとって、死に直面しているところを想像してください」「あなたが1年以内に死を迎えると想像してください」「では1か月ならば?」「来週は?」「今夜あなたは眠りにつきます。そこには誰がいますか?誰にいて欲しいですか?何をしてほしいですか?」長い長い時間でした。

これこそがアドバンスケアプランニングなのではないかと。問題になっている苦痛は、もっと主体的な次元で受け止めるべきものであろうし、そうなれば当然、自分自身の死という問題が浮かび上がってくるのだと。

ゆっくり目を開けての質疑応答でした。フロアからもたくさんの質問が出ました。

研修医の先生が静かに立って、以前に知人を亡くした話をされ、死に向かう人を見ながら、自分はただただ無力で、進んでいく止められないものに対してかけられる言葉が無かった、今医師になって再び考えるのだけれど、医師でありながら友である時、僕のどんな言葉が友や家族の救いになるのでしょうか?その方と僕はどんなことを共有するのが正解だったんですかという質問に涙ぐまれている方もいました。


「末期癌患者の在宅看取からチーム医療を考える」よしき往診クリニック 守上佳樹先生

総合的な医療を行う事で地域と患者、患者と病院を結びつけ、よりよい社会を作ることを目標とするというモットーをかかげ、2年前に京都で立ち上がったよしき往診クリニック。


2030年、年間死亡者数が160万人という多死社会を迎える日本。約6割の国民が自宅で最期を迎えたいと実は思っているのにも関わらず、実際は大半が病院で亡くなっている。

病院での看取り以外にも居宅看取りという選択肢を増やすために、国民のニーズは家族支援と24時間365日(この24時間は出来ても365日はなかなか1人の人間ではとても無理)の在宅医療体制。

メディカルコーディネーターをハブにした多職種と医師のシステム化、質の高いカンファレンスの繰り返しによるチームでの在宅体制を僅か2年で作り上げたその総合力は圧巻で、人を集めるだけでなく、同時に数多くの人を大切にしていく能力があるからなのだこそと思いました。

研修医も在宅医療に興味があるようで、次々と質問してくれる中で、質問を受けながら「また研修医の先生か(驚)、すごいな研修医」と笑っているのを見て、教育係としては嬉しく思いました。

有給休暇を取って、初期研修医1年生が見学希望ですので連れて行こうと思います。

「多職種で考えるポリファーマシー」
やわらぎクリニック 北和也先生でした。


奈良のやわらぎクリニックでお父様と一緒に地域医療に従事されています。医者でありながら、ご自身の注射はお父さんが嫌がるものだから、息子の北先生がお父様にワクチンを打っているお写真から始まりました。「僕ね、真面目な顔して撮ろうと写真撮ったらね、親父がわろてるんですよ」と、確かにお父様めちゃめちゃ笑ってる。笑

やわらぎ会の理念は「ぬくもりのある医療と介護。医療と福祉を通して幸せな社会作りに貢献する。職員の個性を尊重し夢とロマンを実現する職場を作る」なのだそうです。

「この夢とロマンっていう言葉いいでしょう、最近ね、なかなかロマンって言わないでしょう、けど好きなんですね僕この言葉」という先生に会場大ウケで洋先生も世代なのか、うけてましたね。

高齢者の50-70%とがポリファーマシー(お薬がたくさん処方されている)現状。


じゃあお年寄りってお薬が大好き?実はこの答えですが、医師が減らしていいよと言ってくれればいつも飲んでいるお薬を減らしたい派が92%という米国のデータも出ていたりするそうです。

どういったことがきっかけでポリファーマシーが起こるか。お薬手帳が2冊だったり病院をまたぐことで悪気なく処方が出されたり、これはいつも救急で、お薬手帳全部見せて下さいとお伝えしています。


こんなケースはどうでしょう。例えば5つの慢性疾患を有する79歳女性、ガイドラインを遵守したらビックリするくらいの処方になる、ガイドラインは遵守するものではない、特にご高齢者ではオーダーメイドのお薬が必要という代表的なケースでした、

お薬以外の処方を多職種で検討するのもひとつ。例えば慢性的に膝が痛い高齢者、お薬だけの解決ではなく実際プールでのリハビリをすすめてみる、患者さんに勧めるのならば自分も行ってみる、と市の職員さんとのお写真も出てきました。

先生のご講演の面白いのは、ただ、ポリファーマシーを叩くだけではない、地域医療特有の「逆の視点」が本当に面白かった。

例えば3剤併用によるNSAIDS、利尿薬、ACEARB阻害で急性腎障害のリスクが30日以内発生では1.82倍(95%CI 1.35-2.46)。でもウラを返せば、本当に身体中が痛くてずーっとずーっとNSAIDSを内服している人に「NSAIDSは悪だ!」と慌てふためいてNSAIDS狩りをして取り上げなくても、ゆっくり減量していけばいいと思うというお話も面白かった。

介護の面から例えば、1日3回のお薬、そのお薬を減らすことで、朝ヘルパーさんの一回だけで内服ができるかもしない。よくよく聞くと、1日3回の処方の時、娘さんはパートのお仕事なんだけど、薬を飲ませる為にパートを切り上げて帰ってきていた。これこそすごいコストだ。

最後に、減薬ブームの注意点ですが、お薬を減らしてハッピーになる一方で、お薬で症状が確実に緩和されハッピーになる人もいることを忘れないこと、処方整理は目的ではなくあくまで手段であることを忘れないこと、過度な、クスリはリスクもリスクであることを忘れないことが大事だとのスライドが私は感動しましたね。

皆さま本当にありがとうございました。

来年もどうぞ枚方公済へ!来年は、座長が竹中洋医師に交代となり、私は引き続き各地の先生方との連絡役、コーディネート役を担当させていただければと思います。

  • URL:https://yaplog.jp/hirakatakousai/archive/2717
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