血圧の安定に役立つ可能性も
2016.07.14 [Thu] 10:43

疫学調査で成果が
 メタボリック・シンドロームの要素には「高血圧」もあります。
 高血圧に対する黒茶の効果を明確に示したデータはまだ出ていないようです。
 しかし、それを大いに示唆する疫学調査が報告されています。将積氏らの研究ですが、日本の代表的な黒茶の産地である富山県朝日町蛭谷地区の女性を対象に調査したところ、黒茶を飲むグループは、黒茶を飲まないグループにくらべて、血中コレステロール値および血圧が、ともに有意に低値だったというのです。
 黒茶の日常的な摂取が、肥満、高コレステロール血症、高血糖の改善に加えて、血圧の安定にも役立つとすれば、「死の四重奏」を一掃できることになります。
 これは飽食時代に生きる現代人にとって大いなる朗報といえるでしょう。




微生物発酵のちから 黒茶で体脂肪率低下
微生物発酵のちから 黒茶で体脂肪率低下


 

黒茶の代表が「プアール茶」
2016.07.14 [Thu] 10:42

皇帝への献上茶だった
 黒茶のなかでも、昔から特別視されてきたのがプアール茶です。
 プアール茶は、他の黒茶と同じように辺境地の少数民族への輸送茶として普及した一方、高級品は皇帝への献上茶(貢茶)とされ、都でたいそう流行したと伝えられています。
 19世紀初頭に阮福が著した『普?茶記』という書物には、冒頭に次のような一文がみられます。
「普?茶名遍天下。味最?。京師尤重之(プアール茶の名は天下に伝わり、その味はとても濃い。都ではとても大事にされている)」

古いものほど珍重される
 通常、お茶の葉は「新鮮」なものほど好まれます。これは日本だけでなく、中国でも同じです。
 しかし、プアール茶をはじめとする黒茶に限っては、この常識が当てはまりません。発酵食品である黒茶は、古い茶樹の葉を原料に、より長期間貯蔵されたものほど「高品質」として高値で取り引きされます。
 30年くらいかけて発酵させたものは「頂旧プアール」、さらに40年近く貯蔵したものは「神味プアール」と呼ばれます。
 1960年代、北京の故宮から発見された百年以上経たプアール茶(緊圧茶)は、国宝となりました。

中国での伝承的な薬効
 プアール茶が、昔から珍重されてきた背景には、その幅広い生理作用が経験的に知られていたことが大きいと考えられます。
 事実、中国にはプアール茶の薬用効果を記した文献が数多く残されています。例えば、18世紀半ばの清代に趙学敏が著した『本草綱目拾遺』では、プアール茶には次のような薬効があると記されています。
@酒の酔いを覚ます
A食べ物の消化を促す
B痰を取り去る
 また、少数民族のあいだでも、プアール茶は養生の妙薬として伝承的に利用されてきました。
 現在、プアール茶は香港で飲茶に欠かせないお茶として、とくに愛飲されています。香港の飲茶レストランで飲まれているお茶の9割は、プアール茶といわれるほどです。




微生物発酵のちから 黒茶で体脂肪率低下
微生物発酵のちから 黒茶で体脂肪率低下

 

これが中国の黒茶「5大産地」
2016.07.14 [Thu] 10:38

主な産地とその代表的な黒茶
 現在、中国では各地で黒茶が生産されています。主な生産地とその地の代表的な黒茶を紹介しましょう。

【雲南省】
 雲南省は、プアール茶のふるさとといえる場所です。
 プアールとは、もともと雲南省南部にある県の名称。周辺地域で生産される茶の一大集積地として古くから知られてきました。
 雲南省のプアール茶は、中国「八大名茶」の1つとして、珍重されています。

【四川省】
 中国で最も古くから茶を生産し、黒茶の発祥地でもあるのが、四川省です。四川省で生産される黒茶は、清の時代より出荷先によって「南路辺茶」と「西路辺茶」に大別されています。
 どちらも葉を固めた緊圧茶で、南路辺茶には「康磚茶」「金尖茶」などがあり、西路辺茶には「茯磚茶」「方包茶」などがあります。

【湖南省】
 湖南省で黒茶の生産が始まったのは、16世紀以降といわれています。
 現在は黒茶の代表的な生産地の1つで、甘粛省、陝西省、新疆ウイグル自治区といった辺境地が主な出荷先。「茯磚茶」「花磚茶」「黒磚茶」「湘尖茶」の4種類の黒茶が生産されています。

【湖北省】
 湖北省では、3世紀頃にはすでに茶の加工・製造が行なわれていたといわれ、現在も茶産地として知られています。
 湖北省の黒茶は「老青茶」が有名で、この老青茶を固めたものは「青磚茶」と呼ばれます。

【広西区】
 広西区で生産されている黒茶は「六堡茶」。檳榔の実(ヤシ科)に似た独特の風味が特徴です。
 地元広西区をはじめ、広東省、香港の他、東南アジア各地でよく飲まれており、最近は日本の市場でも見かけるようになりました。



微生物発酵のちから 黒茶で体脂肪率低下
微生物発酵のちから 黒茶で体脂肪率低下

 

黒茶の効果は微生物のチカラ
2016.07.14 [Thu] 10:23

ウーロン茶や紅茶は内生酵素
 黒茶の最大の特徴は、製造工程で「微生物」による発酵がなされている点です。
 黒茶以外にも、発酵過程を経て作られるお茶はたくさんあります。前ページの図で示した「弱発酵茶」「半発酵茶」「全発酵茶」に分類されるお茶がそうです。
 しかし実際には、これらのお茶は微生物による発酵ではなく、茶葉中の酵素(酸化酵素、加水分解酵素など)による反応を経て作られています。
 ですから、例えばウーロン茶にしても紅茶にしても、正確には発酵ではなく、酸化反応または自己消化の過程を経て作られるお茶なので、微生物は関与していません。

黒茶は正統派の発酵食品
 一方、黒茶は、緑茶の葉に微生物を作用させて製造されます。黒茶が一般に「後発酵茶」と呼ばれるのはこのためですが、微生物のチカラを利用した発酵と、そうでない発酵ではまったく性質が異なります。
 お茶の場合では、微生物による発酵過程を経ることで含有成分が変化し、味や香り、さらには生理作用に大きな違いが生じてくるのです。
 その詳細は後述しますが、いわば黒茶は「正統派」の発酵食品。微生物による変化の一つとして茶葉が褐色から黒色を呈しています。
 そこで本書では、黒茶をあえて「後発酵茶」ではなく、「微生物発酵茶」の一種として紹介していきます。

黒茶と漬物茶の違い
 なお、微生物発酵茶には、黒茶以外に、漬物茶と呼ばれるものがあります。徳島県の阿波番茶や、高知県の碁石茶がこれに相当します。
 漬物茶も、やはり微生物による発酵過程を経て作られますが、黒茶とは異なる微生物を使用しています。
 そのため、同じ微生物発酵茶でも、黒茶と漬物茶では含有成分が異なりますので、それらを摂取したときの体内での生理作用が違ってくるわけです。
 第2章、第3章で紹介する生理作用は、あくまでプアール茶を代表とする黒茶独自のものです。



微生物発酵のちから 黒茶で体脂肪率低下
微生物発酵のちから 黒茶で体脂肪率低下