短編小説「名もなき一枚の葉っぱ」

November 04 [Wed], 2009, 17:32
木の葉が落ちている。最後の一枚が枝から離れるころ、冬が訪れる。

僕は大きくもない小さくもない山もみじの葉っぱ。
もちろん名前なんてない。
だってただの一枚の葉っぱだから。

でもね、こうみえて一生懸命生きているんだ。
雨の日も強い日射しの時も台風の時も、枝から離れることもなく、一生懸命生きているんだ。

僕は山もみじだから、森の中にひっそりと生きている。
なかなか人が訪れなあから、綺麗とか言ってもらえない。

もしかしたら一生誰にも見られることなく散ってしまうかもしれない。

それでもいいんだ。
一生懸命、二酸化炭素を吸い込んで、酸素を吐き出す。
地球にとってはほんの小さな存在なのかもしれない。
もしかしたらたった一枚の葉っぱの僕なんていなくても何も変わらないのかもしれない。
酸素を吐き出す量なんて僕だけならたかが知れてる。

地球のためになんて塵一つもなっていないかもしれない。

だけど生きている。
秋になれば、僕も真っ赤に燃え上がり宙を舞う。

春から秋にかけて7ヵ月の一生だけど僕にとっては大切なものなんだ。

人間は僕のことなんてチッポケで気にも留めないだろう。

でも分かって欲しい。
僕も生きているんだ。何かの役に立ちたいと思い生きているんだ。
もう冬が来る。
僕の一生も終わりを告げる。
今真っ赤に燃え、最後の灯火に入った。
もう鳥さん達の楽しいお喋りや虫さん達の運動会も見ることは出来ないけど、楽しかった。
葉っぱに生まれて良かった。
この地球に生まれて良かった。

生きられて良かった・・・。
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はいはいw
January 25 [Mon], 2010, 23:43
P R
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