(短編小説)時の鐘が鳴っている

September 09 [Wed], 2009, 0:08
時の鐘が鳴っている。この鐘の音は、幾千もの世界に響き渡る。
そして僕の世界にも響き渡る。
時の鐘。
世の中の風が変わるときになる合図の鐘。
海が荒れだし、空には赤い月が昇る。

僕の世界には大きな壁がある。
それは、僕の世界を取り囲む要塞の壁のよう。
ドーム状に覆われているから、外敵から身を守ることが出来るのだ。
僕の世界の中心には大きな水晶のような「ココロ」というものがある。
時の鐘が鳴っている。この鐘の音は、幾千もの世界に響き渡る。
そして僕の世界にも響き渡る。
時の鐘。
世の中の風が変わるときになる合図の鐘。
海が荒れだし、空には赤い月が昇る。

僕の世界には大きな壁がある。
それは、僕の世界を取り囲む要塞の壁のよう。
ドーム状に覆われているから、外敵から身を守ることが出来るのだ。
僕の世界の中心には大きな水晶のような「ココロ」というものがある。
ここの住人はそのココロを守るために生きている。
まるでサムライのごとく男らしい人ばかりだ。

その水晶には傷がある。
住人は、その傷のことをちゃんと覚えている。日にちも内容も。
まるで天災があったときのように語ってくれる。

でも僕は知っている。その水晶のようなココロは、この壁を壊し、住人を眠らせ、空に輝く星を見たいと思っている。
また、真っ青な空に爽やかな風感じ、胸いっぱい美味しい空気を吸い込みたいと思っている。
だから、僕はその想いを叶えてあげたいと思った。
それは、非常識なことだとはよく分かっている。
どの世界も要塞のような壁に包まれている。その要塞からココロを出したら、それは死を意味する。
しかし、僕はその想いや夢を叶えてあげたいんだ。

僕は計画を立てた。

時の鐘が鳴り始めて3日間は住人たちは祭りに入る。
それは、次の世が良い世になるように、天の神にお願いするお祭りだ。
酒を交わし神輿を担ぎ、休みなく花火が鳴り響く。

この時を狙うのだ。

住人たちは、浴びるほど酒を飲み、夜にはぐっすりだ。
そこで花火が上がっているときに、その音にぴったり合わせて、
星の欠片で作った爆薬で裏口の壁を壊していく。
花火の音とずれると気づかれてしまうから、テンポを合わせ爆破する。

ちょうど水晶が通れるくらいの穴が空いたところで、脱出劇の始まりだ。
住人は酒の飲み過ぎでぐっすり寝ていた。

僕は、水晶のある塔に入った。

それは塔というよりヨーロッパの教会のようであった。
中に入り、まるで教会の通路のようなところを歩いていくと、ちょうど祭壇のある辺りに1人の少年が立っていた。
僕は見つかったらまずいと思って身を屈めたが遅かった。
その少年はこちらに来るように目で命じた。

少年は口を開いた。
「あなたのことは知ってますよ。
あなたが、私の夢を叶えてくれることを。
ずっとあなたを待ってました。
わたしがココロです。水晶は私の仮の姿。

それでは、行きましょう。」

僕たちは住人たちにバレないように、静かに、そして小走りで裏口に向かった。

少年は出口が近づくとだんだん不安そうになってきた。
無理もない。
いつも守っていてくれた住人がこれからは居ないし、外敵から守る壁もない。

しかし、壁があるから空も見えなく、太陽の光も見えない。
黄金に輝く夕日も見えない。

僕は間違ったことはしていない。
外の世界は傷つくことはあると思う。
でも本当の世界を感じ、見ることができる。
僕は少年の手を握り、そして外の世界に旅だった。

僕と少年は満天の星に飛び立ち、天の川を下った。
しばらくすると、真っ青な広い海に出た。

そして、水平線から黄金に輝く朝日が顔をだしはじめた。

ブルーの景色がピンクに変わり、そしてオレンジの景色に変わった。
ちょっとひんやりした風が吹いてきた。

風は僕たちにウエルカムと言って微笑んだ。
僕たちは真っ白な砂浜に座り、寝転び、そして眠った。

鐘が鳴っていた。
時の鐘が鳴り始めて3日がたった。

最後の鐘だった。

世の中が変わる。

そして僕たちも変わった。

僕の心の中に少年のココロが入り、同化した。
僕は、新しい僕になった。

朝日の美しさにココロが震え、涙が流れてきた。

こんなにも素晴らしい世界に生きていたのだと知った。

ココロが裸になったような感じだった。



朝日がココロに染み渡るように美しかった。
僕は、この世界に生きていることに感謝した。
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