間違い

March 11 [Fri], 2011, 2:43


俺は恋愛というものが理解できない。好きだの嫌いだの付き合うだの別れるだの、何が面白くてそんな面倒なことをしなければならないのだろう。幸せだから?大人への一歩?はっきりいって恋愛なんて形式上のものに過ぎないし、幸せだとしてもそれは一時的なものでしかないと思う、持論だが。それに毎日幸せそうにしていたはずの美咲だって、今や鬼のような形相をして歯ぎしりをたてている。

「あんなやつ!!」

拳をテーブルに叩きつけた瞬間に、皿の上に置かれていたフォークがカチカチと揺れた。先ほどまであれだけ彼氏の自慢話をしていたくせに、電話で別れを告げられた瞬間にこれだ。まったくこいつはどれだけ感情のアップダウンが激しいんだか。

高校に入ったときに、美咲は急に自分の外見に気にかけるようになった。「好きな人ができたんだ」と笑顔で告げられてからもう三年か。よく考えれば俺が恋愛から積極的に避けるようになったのもこの頃からかもしれない。色恋沙汰にいちいち一喜一憂しているこいつを見て馬鹿らしく感じたんだっけな。そもそも恋愛をすること自体が間違っている。

「ねえ、聞いてるの?!」美咲がこっちを見て睨む。
「あー、もうほんとあんな奴と付き合ってたのが間違いだった!」
「ねー、そう思わない?!」

そういえば美咲って、別れるといつも同じ台詞を言っているな。付き合っていたこと自体を否定するかのように「間違いだった」って必ず繰り返す。間違いじゃない恋愛ってどんなんだ?ある葛藤が心の中で芽生えた。

「・・・・・なあ美咲。」
「なに?今の話聞いてたの?!」
「・・・一つ聞きたいことがあるんだけど」
「なによ?」


「本当に間違いだった?」



・・・沈黙が流れた。しまった失言だったか。そっと美咲の方を見るとやはりこちらを睨んでいた。

「あ!今のは気にしないでく・・」
美咲の言葉が俺を遮った。「そうよ!」

よく見たら美咲の目には涙が溜まっている。

「そうよ、間違いなはずないっ!私はいつでも本気だった!」


とうとう美咲は大声で泣きだした。なんだ、こいつ素直なところあるじゃないか。不覚にも可愛いなと思ってしまった自分に一瞬驚いた。というよりも、よくよく考えれば今まで強がってきたのは美咲なんかではなく、むしろ俺の方だったのかもしれない。

恋愛から積極的に避けていた?間違っているはずない?そんなことどうして言い切れる。

どうやら間違っていたのは自分の本当の気持ちだったみたいだ。



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