ユーロ・サイケデリック・サウンドの典型

July 24 [Sun], 2011, 20:15

BRAINTICKET "PSYCHONAUT" GERMANY BELLAPHON BLPS 19104

スイスのサイケデリック・グループ、ブレインチケットの2作目(たぶん)。
このグループは実質的にはリーダーのJoel Vandroogenbroeckのグループで、60年代末に結成されたからなんどか現れたり消えたりしている。80年代には同じくスイスのYELLOのCarlos Peronが彼らのファーストアルバム「Cottonwoodhill」をリミックスした12インチを出したりと、その独特の音楽性故に多くの人からリスペクトされている。
本作と並んで70年代に発表された「Cottonwoodhill」「CELESTIAL OCEAN」はどれをとっても遜色ない傑作ばかりで、ぜひ3枚とも揃えておきたいアーティストだ。
なんと未だに現役で活動してるそうで、2011年もツアーを行っているらしい。
なんとか一度そのパフォーマンスを見てみたいものだ。

本作は何度か再発されているが、真正オリジナルは意外にレア。
オリジナルはコーティングジャケットでカタログナンバーはBLPS 19104。レーベルデザインはBellaphonのロゴが四角い枠で囲まれていないいわゆる「UNBOX」ロゴ。
比較的よくみかけるellaphonのロゴが枠に囲まれているタイプは、カタログナンバーがBI 15156でセカンドプレス。この他に「Cottonwoodhill」とカップリングで二枚組でプレスされたものも出回っている。
スイスのバンドにありがちだが、「Cottonwoodhill」「CELESTIAL OCEAN」はドイツの他にスイスやイタリアなどでプレスされいて、どれが真正オリジナルなのかはちょっと判断が難しいところ。
まあブレインチケットが好きなら各国盤でも揃えましょうといったところなのかもしれないが、そんなにお安くもないので追い切れない。さらには両方ともポスターが付いているものがあったりと悩ましい。
そんな中で、この"PSYCHONAUT" だけはどうやらスイス盤、イタリア盤は存在しないようで、さらにはやっかいなポスターのたぐいも無かったようで、わかりやすい。
この"PSYCHONAUT" を中心にして考えてみるとすべてドイツが原盤権を持っているのではないかと想像したくなるが、「CELESTIAL OCEAN」はRCAに移籍しているので、やはり定説通りこれだけはイタリアのポスター付きが原盤なのかもしれない。
今回はなかなか良いコンディションでゲットできたので、長年の念願を果たしたと言える。
ヨーロッパでもファーストプレスはなかなか良いコンディションではみかけないので、とても満足している。

さてその音楽だが。。
ファーストではA〜B面にかけてしつこく同じリフの上を延々凄まじいサウンドコラージュを展開している。サードもオシレーターを多用し、あまりライブパフォーマンスを意識しない音作りであるのに対し、本作は非常に「音楽している」というか、ライブパフォーマンスさえ意識した作りであるように感じられる。

ドカドカと手数の多いドンドコドラムとか、ヘヴィーなリフを繰り返したり、典型的は「ヘヴィー・サイケデリック・サウンド」だ。めくるめくサウンドイフェクトは他2作にひけをとらないが、ハモンドオルガンとレズリー・スピーカーがめくるめく感覚を増幅させ、グルーヴィーなビートに対比するようなフルートも効果的。
Carole Murielの女声ヴォーカルも迫力十分で、グレース・スリックを想わせるシャーマニズムを感じさせる。
たとえるなら、アモン・デュールUをより音楽的にした感じ。アモン・デュールUやスウェーデンのTrad Gras Och Stenarのようなヒッピー感は薄いが、小さくまとまる感じではなく、スケール感の大きな、低域の効いたユーロ・サイケデリック・サウンドの典型で、支持する人も多いと想像できる。
アルバムを通しての統一感とバリエーション感のバランスも見事だ。

欠点を見つけるとすれば。。
やはりこのアナクロ感たっぷりのジャケットデザインだろうか。
ある意味時代を反映していていいと言えばいいのかもしれないが、その音楽性が広い世代からリスペクトを受けている割に、3作ともジャケットデザインは時代を超えているとは言い難いと思う。

あまり部屋に飾りたくないジャケット。

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