BRAINTICKET "COTTONWOODHILL" GERMANY HALLELUJAH BLPS19019

May 05 [Mon], 2008, 20:12

スイスのサイケデリック・グループ、ブレインチケットのファースト・アルバム。
ブレインチケットは70年代に3作を残しているが、どれも個性的な作品で、いちいち全く違ったコンセプトなのに、一定以上の水準の作品である点が特筆される。普通は3作いずれも異なるコンセプトや編成で制作すると1作くらいはハズしてしまいそうなものなのだが・・・
なお、サードアルバムについて下記の記事で取り上げているので拙文を読んでいただけると嬉しい。
http://blogs.yahoo.co.jp/hiro_eurasia/43097940.html

さてこのレコード、オランダ人コレクターの方とトレードで入手した。
以前に西新宿のレコード屋にいたころは人気盤で、何度も仕入れて売ったタイトルだ。
何度も売ったり店頭で試聴用にかけていたわけだが、結局は自らの手元に残ることなく何年かがかりで探す羽目になっていたがめでたく入手。
内容は知っているので今更新鮮みには欠けるものの、やはり手元に置いておきたい一枚だ。

そのオランダ人コレクターとメールでやりとりしているうちに、本作について知らない情報を得た。
なんとオリジナルはジャケットと同デザインのポスターがついていたそうだ。
見たことがないので真偽のほどは明かではないが、本作品は過去の資料によればHALLELUJAHレーベルの他にBELLAPHONレーベルでもプレスされていて、ポスターはBELLAPHONプレスについていたらしい。ということはBELLAPHON盤がオリジナルということか?
以前にBELLAPHON盤を一度だけ見たことがある(持っていたり売ったことはない)が、ポスターなんてついてなかった。
見つけるとすればこればかなり難しそうだ・・・

さて本作についてだが、ジャケットには「使用上の注意」が書かれていて「1日1回だけお聴き下さい。でないとあなたの脳は破壊されてしまうでしょう」というトンデモ文言が記載されている。このへんは時代を感じさせる。
アルバムには全3曲収録されている。
1曲目と2曲目はこの後に発表されるセカンドアルバムにつながっていくようなチューンで、オルガン、フルートを使用したジャーマン・ヘヴィー・サイケデリック・チューンで、ミディアム〜スローテンポのなかなかの名曲。この2曲だけでもかなり聴けるので満足なのだが、問題は3曲め。
ガラスの割れる音で始まったかと思うと、ドラムレスでオルガンがしつこく同じフレーズを繰り返し、その上を入れ替わり様々なサウンドイフェクトが現れ消える。電子音、テープ、女声のヒステリックな語り、ノイズ、どれもくどいほどに強迫的だ。
テープの音源はかなり力が入っていて、工事現場の音、ジャングルにいるような猿の鳴き声、突然現れるオーケストラによるベートーヴェンの「運命」のイントロ、スタジアムの歓声、消防車と思われるサイレン、戦場の音など様々だ。テルミンだかリングモジュレーターだかと使った電子音も攻撃的。その上をドラッグ的な内容をわめきたてる女性のナレーションが何度も現れ、それこそ尋常ならざる感じに満ちている。時代の産物と言ってしまえばそうなのかもしれないが、ドラッグ体験を顕著に音楽化した強烈な作品だ。
考えようによっては安易な発想に基づく安易な作品と言えるのかも知れないが、当時はシーケンサーもサンプラーも無かったわけで制作条件を考えるとドラッグ体験への執着は相当なものだったのだろう。ダウナー、ロウナー系の作品は数あるが、こうしたハイパーなサイケデリック作品は直接的に訴えてくるので実にわかりやすい。
日常的に聴くにはハッキリ言って疲れるが、刺激を求めたい時に聴くとハイになれるので持っておきたい一枚と言える。
YelloのCarlos Peronが「Brainticket (Remix 88) 」としてリメイクしていることも注目しておきたい。
後のニューウェイヴ、テクノ、果てはクラブシーンにまで影響を与えたのではないかと思う。

ちなみに私も時折拝読している有名ブログ「Cottonwoodhill別別館」の名前の由来となっている作品である。
http://cottonwoodhill.blog21.fc2.com/ 参照

それにしても趣味の悪いジャケットだ。あまり部屋に飾りたくないかもしれない。

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サイケデリックミュージックはもやっとした視界不良ゆえのよさ(?)が好きなのですが、同じサイケでもここまでわかりやすいキラーチューンは却ってスゴイです。アルバムの注意書きにもあるように1日に何度もターンテーブルに載せる気にはなりませんが、時々思い出して聴いてみたくなる、わたしにとってはそんなアルバムです。A面からB面にかけての強烈チューンはもちろんですが、1,2曲目もヘヴィーサイケデリックチューンとして素晴らしいですよね。

by geppamen May 11 [Sun], 2008, 18:02

記事を見落としていました、すみません。
このアルバムは、私の生涯の記念すべき出会いなので、こちらで何度か記事にされている事が、とても嬉しいですね。もちろん、CottonさんのBLOGを知ったのも、このアルバムが縁でした。
悪趣味の塊のようなアルバムですが、音楽のシビレ具合が的確に表現された、おかしな世界で、何度聞いても憎めません。大好物です。

by evergreen May 11 [Sun], 2008, 0:41

それ↑同感です。ご立派!
応援して行きます。

by ジュリア♪ May 06 [Tue], 2008, 19:41
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40代は第2の思春期なのだそうです。思春期に惹かれたものをもう一度ひっぱりだしてきて後生大事に整理を始める今日この頃。プログレを中心としたアナログレコード集めに人生の貴重な時間を費やすささやかな記録です。
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