どもり(吃音−キツオン)

2008年05月06日(火) 17時15分
以下、『知っていますか?どもりと向きあう一問一答』伊藤伸二氏著 解放出版社2004年8月発行より

<どもり(吃音)の定義>・・・研究者によって違うそうですが、妥当とされているものは、次の3つの条件がそろった時だそうです。
@音を繰り返したり、つまったりするなどの明確な言語症状がある
A気質的(脳や発語器官など)に明確な根拠が認められない
B本人がどもることを自覚し、不安を持ち、悩み、話すのを避けようとする(本人に自覚が無く、悩んでいなければどもりとはいえない)

どもりは、世界各国で、発生率が1%、男性が女性の5倍ほど多いという共通点があります。歌ではどもらなかったり、どもりやすい音や場面などの変動性があるというのも特徴です。しかし、どもりの本質はほとんど分かっていません。その人に内在する素因と、引き金になるような環境や出来事など、様々なものがからまりあって、どもり始めるのだろうと最近は言われています。

原因を探ってそれを取り除くことを考えるよりも、すでにあるどもりとどう向き合い、対処するかを考えた方が現実的で、建設的です。それでも原因説が知りたい方は、『吃音と上手につきあうための吃音相談室』(芳賀書店伊藤氏著)に基礎知識としてまとめましたのでお読み下さい。 

どもりは、2〜3歳から始まることが多いのですが、中学生や高校生、あるいは成人になってからどもり始める人も少なくありません。
最近、どもりの自然治癒率は、小学校入学前までがそのほとんどで50%前後と言われています。2004年オーストラリアの言語病理学者は、20%と主張していました。

著者の伊藤氏も、小学2年生の頃からどもりに劣等感を持ち、悩み、孤独な学童期を生き、治したい一心で、21歳まで様々な治療や民間療法を試みたそうです。

「成人になってもなおどもっている人は、世界中のどんな方法を使ってもほとんど治ることがないと、確信しています。・・長年研究し臨床もしましたが、自分のどもりはもちろん、何千人もの人を治せませんでした。・・私たちはおそらく一生どもって過ごさなくてはならないであろうという事実を認める必要が生じてきました。喘息や心臓病を患っている人が、その治療が難しい事実を受け入れているのと同様に、私たちもその事実を恥ずかしがらずに受け入れようではありませんか。そして、どもりを忌むべき不幸なものではなく、1つの考えなくてはならない問題として、理解し受け入れてくれる人を増やすために、どもる人自身が社会啓発することが大事なのです。・・どもりながら明るく健康的に生きている人たちも大勢います。・・子どもの頃にどもりをマイナスに意識しないことが大切です。」

子どもがどもりをマイナスのものと意識しないためには、親が『かわいそうだ』と思わないことがまず大切です。『大丈夫。この子はどもっていてもなんとかできる』と子どもを信じるのです。『この子は私にとってかけがえのない大切な子どもだ』とあふれるばかりの愛情を注ぐことです。(何でも言いなりになることや過干渉とは違います)

子どものどもりに気付いたことを、むしろチャンスにしましょう。すっと通り過ごしたかもしれなかった子育てを、丁寧にじっくりと取り組むチャンスだと考えることが出来ます。

自分の思いや経験をいっぱい表現する子どもに育てましょう。いろいろな絵本を表現力豊かに読んであげてください。親の表現力や話す言葉のスピードが子どもにとってモデルとなるでしょう。家の中が、要求・指示・命令のような‘情報伝達の言葉’ばかりだと、どもる子どもはますます話せなくなります。互いの気持ちを語り合う‘表現する言葉’を大切にしましょう。

言葉だけでなく、楽器を使ったり、絵を描いたり、歌を歌ったりの表現力を子どもの頃から育てたいものです。子どもにとって楽しいわくわくするような体験を親子でして話しをする。思いっきり泣いて、思いっきり笑う。自分の感情を言葉にする。特に、どもる子どもには大きな栄養になります。からかわれたり、いじめられたりは現実に起こるかもしれません。そのためにも、「嫌なことは嫌」「苦しい時は苦しい」と素直に、言葉で言える表現力があると、子どもなりの力でそれらに対処していくことができるでしょう。

「どもりの原因は判明していません。多くの場合は治らないので、うまく付き合っていく方法を身につけた方が良いでしょう。どもりを本人や家族や先生や友達などの周りの人たちが受け入れることで、どもりがあっても悩まずに生活できます。悩んでいる方は、ぜひ、正しく吃音に取り組んでいる団体に連絡してください。」

日本吃音臨床研究会(大阪)・岐阜吃音研究会・全国言友会連絡協議会事務局(豊島区)

この本に載っているコラムをご紹介します。おそらく同じ状況になったなら、私をはじめ多くのお母様方が同じ気持ちになるのではないかなと思います。

「 私の息子が3歳5ヶ月からどもり始めて4年半が過ぎました。今、小学2年生です。その間いろいろなことがありました。最近、息子がどもりながら話をしている姿を見ても、心にさざなみが立たなくなったことに気づきました。あれほど、気になって、どもるならしゃべらないでほしいとさえ願っていた私が、本当に不思議なのですが、息子がどもるのが気にならなくなっていたのです。・・・略・・・

 しかし、本当に気にならないのと、気になる母親が、治ることを願って気にしないのとは意味が違ってきます。私の経験では、気になるものは、やはりどうしても気になるのです。気にしないように努めても、かえってストレスがたまって最後には子どもにつらく当たってしまう結果になりました。そうであれば、とことんどもりにこだわって、自分なりの解決方法を探ってみるしかないように思います。自分はなぜどもりが気になるのか、なぜどもりを認めることが出来ないのか、と自分の内面と深く向き合うことが必要だと思います。そして自分なりの答えに到達した時、どもりの問題が昇華していくように感じます。
 
 自分一人の力では悩みを解決することは出来ませんでした。幸いなことに、長年自分自身のどもりに悩んできた私には、どもりについて語り合える恩師・友人・仲間がいました。・・・
 
 自分を呪縛しているもの・・・自分自身のどもりに対する価値観でした。このことが分かるまで、私は自分で自分が抑えられないほど、息子のどもりを、そして息子の存在までも否定し、苦しんでいました。
 
 どもりの研修会に参加した時、・・・あるお母さんは私の悩みを聞いて一緒に泣いてくれました。・・・そして不思議なことに一緒に泣いた後、「何とかなる」と思えるようになったのです。・・・同じ立場の仲間が必要であることを実感しました。
 
 ・・・また、参観日に息子がどもることに臆せず堂々と発表していたことで、息子の将来に対する不安が薄れたことも、どもりが気にならなくなった理由の1つであると思います。・・・この時、この子は大丈夫、どもっていても社会で生きていけると感じられ、彼の人生は彼に任せようと思えるようになりました。それまでは、親である私の力で、息子のどもりを何とかしてやろう、そして私の理想通りの子どもにしたいと思っていました。

 私たち親が子どものためにすることは、・・・「どもっている今のままの自分でいい」という自己肯定感をもたせてやることだと思います。自分に自信が持てれば、人との違いをマイナスに意識することもありません。・・・

 親が「今のままのあなたでいい」と思えるようになるためには、親自身が自分自身と向き合うこと・・・、そして、今を精一杯生きている、どもりを否定していない成人吃音者に出会うことが必要だと考えます。まず、親が行動を起こし、自分の意識改革に努めなくてはならないのです。日本吃音臨床研究会や通級指導教室(ことばの教室)の活動に参加してみませんか。変わるきっかけを得ることができると思います。」

どもりは、母親の育児のせいで起こるものではありません。理想的な家庭でもどもる子どもはどもるそうです。すべての親が正しい知識を持ち、偏見を持たず、どのような状況の子どもにも生き易い人間環境を提供していけるように、心配りできたら良いなと思います。o(^-^o)
 
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