DOHaD(ドーハット)・成人病胎児期発症起源説

2018年07月10日(火) 21時30分
昨日は、東京国産フォーラムで開催されたイブニングセミナーを聴きに行ってきました。
講演テーマは、「人生を左右する胎児期 〜DOHaDから学ぶ〜」です。講演要旨集あります。

DOHaD(ドーハット)とは、
胎児期、乳幼児期の栄養と生活環境が、成長過程と後の健康と疾病リスクに関係する事を研究する学問 です。

セミナーの内容を簡潔に申しますと、
妊娠前・妊娠中・産後の母体の栄養状態・分娩方法・母乳栄養が、子どもの将来の健康状態を決めるというエビデンスがある」と、いう講演でした。

演題4の福岡先生は、

「生活習慣病の発症には、遺伝子も関与しているが、受精時から胎児期の子宮内と乳幼児期の望ましくない環境の影響で病気にかかりやすい体質がつくられ、出生後に過食・ストレス・運動不足などのマイナス環境が加わり成人病が発症する。その中でも栄養の影響は特に重要で、低出生体重児・巨大児はリスクが高い。」

女性だけでなく、男性の栄養状態も精子の数や質に影響し、同じように将来の子どもの健康に影響する
そしてその影響は、3世代にわたる。

栄養は、バランスよく摂ることが大事である。ビタミンDが不足しがちであるからビタミンDの摂取や日光浴を意識的に行いましょう。ビタミンDの作用は、骨・Ca代謝のみならず、免疫や抗がん作用・心臓循環器系血圧調節・インスリン分泌糖代謝・脳などの中枢の発達に作用している

低出生体重児には、早産と満期だが胎内で低栄養環境・環境化学物質・過大なストレスなどの影響をうけて発育が抑制されて生まれた場合がある。
どちらの場合でも発症リスクが上昇する病気がある。

その中に、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病がある。
妊婦自身の出生時体重が小さければ小さいほど、発症リスクが高くなることが知られている。
逆に巨大児などの過大な出生体重児にも同様のリスクがある。

その他に、閉経の早期化がある。
エストロゲンの消失により心臓循環器系疾患や脂質異常症の発症を増加させる。

現在社会は、望ましくない生活環境に取り囲まれており、病気の素因を持って生まれた児には、発症リスクがより高い時代になっている。それだけに胎児期の栄養の重要性がますます高くなっている。

演題3の山城先生は、

未熟児と帝王切開児の腸内細菌は異常になり、将来の疾病のリスクになる」と、発表されました。

腸内細菌の異常は、脳の細胞を傷つけるので、脳の発達を低下させる。
児の腸内環境を整えるためには、妊娠前・中・後の母父の栄養状態と母乳栄養が重要である。

演題1の菅助産師は、

ご自分の体験談を症例として発表されました。
「就職後、潰瘍性大腸炎になった。子どもをもつことはあきらめてもらうかもしれないと告げられたが、骨盤ケアを学び、セルフケアを続け症状改善。自分の幼少期から感じていた体の使いにくさや学習の困難さは、胎児期までさかのぼってその理由があるのではなかと考え、自分の子どもは健康で使いやすい体に育てようと努力した。2人の子どもを、妊娠・正期産・安産でき、完全母乳育児とまるまる育児で健康で発達の良い子に育てることができた。完全母乳にしたのは、腸内細菌を正常に育てて免疫力を向上させるため。」

菅助産師は、第一子・40週・吸引分娩・2420gで出生。羊水混濁があり抗生剤を投与された。
強い向き癖があり、筋緊張が強く反り返りがあり、啼泣が強く、眠りが浅く、母乳がうまく飲めずに完全人工乳で育ったそうです。

1ヵ月頃から便秘。生後3か月で気管支炎・急性消化不良症・脳炎で入院。
ハイハイほとんどせず9ヶ月で独歩。
5〜6歳で2回アデノイド切除術・口蓋扁桃摘出術を受けた。
箸も鉛筆も正しく持てないまま小学校入学。
肩こり・腰痛・口呼吸・不良姿勢・ストレートネック・脊柱側彎症・低体温があった。
21歳で助産学科に入学。下痢・血便・腹痛が持続。
23歳で潰瘍性大腸炎と診断。治療受けたが改善せず。
25歳骨盤ケア学ぶ

その他にも菅助産師が関わった症例があります。詳細はをご覧ください。


助産師の仕事は、赤ちゃんから大人まで健康でいられるように、妊娠出産育児期間に考えられる病気やトラブルを予防することです。1世代前まではわからなかったことが、今こうしてわかってきています。
低出生体重児や早産、胎児の姿勢異常の帝王切開は、早期からの骨盤ケアの継続で予防できる要素もあります。
今と未来の家族が健康で過ごすために、気をつけられることからいっしょに始めていきましょう。

母乳栄養と食事

2014年06月22日(日) 10時13分
2014年6月22日(日)

1.母乳栄養と食事

乳児クル病の報道ご存知ですか?

母乳栄養とクル病の関係がテレビで報道されました。乳幼児のクル病にご注意!NHK

母乳栄養に不安を感じた方も多いことと思います。私も驚きました。

このケースのクル病の原因は、子どものアレルギー予防のために、母親がかたよった食事をしてしまったことと、室内で過ごすことが多かったために、母乳からのカルシウムとビタミンDの供給量が不足した。それから、離乳食の開始時期を遅らせた(*母乳栄養では子どもの成長に必要な栄養が不足するために離乳食を始めることが必要)ことが、推測されています。

ですから、結論としては、お母さんが栄養のバランスの良い食事をとることと、離乳食の始める時期を守ることがクル病の予防になると言えます。

今回このケースから感じたことは、母乳は赤ちゃんにとって完璧な栄養ではあるけれども、それはお母さんの食事がバランス良くとれていることが前提なのかもしれないということです。

1食に炭水化物・蛋白質・緑黄色淡黄色野菜・果物を食べましょう。1日に30種類の食品を食べましょう。
飽食の時代ではありますが、基本的なこのことが、家族の病気を予防していくのだと思います。


クル病は、子どもの足が成長の過程で曲がったりする病気で、カルシウム吸収不足で起こります。
しかしカルシウムが吸収されるためには、ビタミンDの摂取または、ビタミンDを体内で生成するために紫外線が必要なため、それらも同時に体に取り込むことが必要になります。

それでは、どのくらい紫外線をあびる時間が必要なのでしょう。
マイナビニュース2013/08/31の国立環境研究所(NIES)と東京家政大学との共同研究では、成人の1日の必要量をすべて体内で生成するとしたら、以下の時間と発表しているので、子どもはこれよりも短い時間でよいのではないかと思われます。

「健康な生活を送るのに必要不可欠な成人の1日におけるビタミンD摂取量の指標とされる、5.5μgすべてを体内で生成するとした場合に必要な日光浴の時間→7月の晴天日の12時には、札幌・つくば・那覇ではそれぞれ4.6分・3.5分・2.9分。12月の晴天日の12時では、那覇では7.5分、つくばでは22.4分で生成。太陽高度の低い札幌では、必要量のビタミンD生成に76.4分。実際には、冬季の札幌は晴天日が少ないため、必要なビタミンD生成のためには、さらに長時間の日光浴が必要となる。ただし、顔と手だけではなく、足や腕など日光に当たる部位を増やすことによって、必要な日光浴時間を短縮させることが可能だ。

ビタミンDは魚やきのこなどの食物や、場合によってはサプリメントによっても体内に補給することができる。よって、冬季の北日本では、食物などからのビタミンD補給と併せて、積極的な日光浴が推奨される。なお、1日に消費される以上に得られたビタミンDは体内で蓄積され、ある程度はその効果が持続することがわかっているので、天気のいい日に(無理のない程度に)いつもより多めに日光を浴びておくというのも手だ。

もちろん、紫外線を過度に浴びすぎると、シミや皮膚の黒化、場合によっては「日光角化症」や皮膚がんなどの原因となることが懸念される。その目安としてWHOなどは、皮膚に紅斑を起こす最少の紫外線量を、「最少紅斑紫外線量」=1MEDとして定義しており、この量以上の紫外線を頻繁に浴びないようにすることが望ましい(上記疾病の危険性が高まる)。

ただし今回の計算結果によると、1MEDに達するまでには、必要なビタミンDを生成する紫外線照射時間の約4〜6倍が必要だ。よって、1MEDに達しない範囲内で適度な日光浴を行い、十分な量のビタミンDを補給することが、健康な生活を維持するために必要だと考えられるとしている。

従来、日本を含む多くの民族においてビタミンDの必要量の大部分は日光紫外線照射による体内での生成に依存していると考えられてきた。しかし、1980年代のオゾンホール発見などによるオゾン層の破壊が顕在化して以来、紫外線は有害であるとの考え方が浸透。その結果として、太陽光をなるべく浴びないようにするという風潮が広まってきたことが、近年のビタミンD不足の一因と考えられる。また、特に女性においては、紫外線の照射はシミ・しわの原因となるなど、主に美容上の観点からもなるべく日光浴を避けようとする傾向にあり、若年女性のビタミンD不足も指摘されている。」


我が家の息子は、きのこ類がきらいです。
保育園の時は、給食にきのこが出るという理由でよく登園拒否しました。
たしかに、カレーにしいたけが入っていると聞いた時には、驚きましたが・・。

小学校に入ってからも、きのこ類のオンパレードだったらしく、
「昨日もきのこ 今日もきのこ 明日もきのこ もううんざりだ・・・」と、いう作文を書いていました。

こうしてクル病が問題となってくると、きのこ類のオンパレードも、保育園での園庭遊びやお散歩や、休み時間は外で遊びなさいという小学校の指導も、「なるほどね〜」と、思い返します。

我が家の息子は今日も、移動教室の食事メニューを見ながら、「行きたくない」と、ぼやいています・・。

好き嫌いなく育てることは、健康増進のために大切で、しかも、食べない・行きたくないはいろいろ面倒なので、日々の育児を楽にする秘訣かもしれません。(笑)


は、簡単 栄養andカロリー計算より

ビタミンDの働き・・・カルシウムやリンの吸収をよくし、骨や歯への沈着を助ける。血中カルシウム濃度を一定に保つ。
ビタミンDの欠乏症 ・・・大人では、骨軟化症。子どもでは、骨の成長障害が起こり、背骨や足の骨が曲ったり、X脚、O脚、くる病。下顎の骨も弱り、歯がぐらつく。高齢者や閉経後の女性では、骨粗しょう症 の原因にもなる。
ビタミンDの過剰摂取・・・摂りすぎると、高カルシウム血症、腎機能障害、軟組織の石灰化障害。 過剰症は、サプリメント等で大量に摂取した場合に起こり、食事で起こることは、ほとんどない。.

2.味覚と妊娠出産と家族の健康

ミルクを飲ませすぎると将来メタボリック症候群になる可能性が高くなることはしられていますが、味覚が悪くなっても病気になる可能性があるようです。

甘いものを食べても甘く感じなかったり、油っこいものを食べても油っこく感じなかったり、塩辛いものを食べてもしょっぱいと感じなかったりして、多めの量を食べ続けていると、病気になってしまうということのようです。

妊娠すると、体重コントロールが必要です。血圧が高くなっても困るので、塩分の取りすぎも問題になります。妊娠がきっかけで糖尿病が発症する方もいらっしゃいます。

つわりがおさまったら、バランスの良い食事を心がけ、味覚を正しくすることも大切のように思います。

食事をつくる人の味覚のバランスが崩れていると、家族の健康に影響を及ぼす可能性があります。

味覚を正すには、亜鉛が必要なのだそうです。

亜鉛が多く含まれる食品は、かき・牛肉・凍り豆腐・にぼし・他参照簡単 栄養andカロリー計算

亜鉛の働き ・・・亜鉛を必須成分とする酵素は200種類以上あり、発育を促し、傷の回復を早め味覚を正常に保ちます。
亜鉛の欠乏症・・・子どもでは成長障害。成人では貧血や味覚異常、皮膚炎、うつ状態など。
亜鉛の過剰摂取・・・普通の食事で過剰症を起こすことはありません。しかし亜鉛は毒性が強く、大量に摂取すると急性中毒を起こします。

このことを知ってから、自分の味覚が今正しいのかどうか自信がないので、外で食べる料理をむやみに評価できなくなりました。(笑)

ただし、スポーツ選手は、たくさん汗をかくので、体が塩分を必要として味付けの濃いものを好むということはあるそうです。

3.妊娠出産と血栓症

血栓症になる確率は、妊娠すると非妊娠時に比べて5倍になるそうです。
また、日本人の三大死亡原因は、悪性新生物・心疾患・脳血管疾患で、心疾患と脳血管疾患は血栓症です。
日本人に血栓症が増えた原因は、食事が欧米化したためと言われています。

日本食(和食)が2013年12月、ユネスコ無形文化遺産に登録されて、世界的に和食の良さが認められています

妊婦さんやお嬢さんをおもちのお母様は、特に食事に気を配っていただけると良いですね。

妊娠出産を機に多くの方が食事に気を配っていただけるようになると、日本人の健康が増進し、今後の高齢化社会における健康保険や税の負担も減らせるのではないかと思います。

それから、血栓症を予防するには、脱水にならないことも大切です。

栄養バランスの良いヘルシーな食事とともに、常温・温かい水分を十分にとって、さらに、(内蔵を引き上げた)滞りの無い循環の良い体を保ちましょう。
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