家の前には三人の人間がいた

November 15 [Fri], 2013, 14:43


 ただし、現時点で随分と平均年齢の高い面子に、父には笑われてしまったが。

「こっちも、武官役と女性従者は決まった」

 ハレの言葉に、そうかと、テルは答えた。

 モモが決まっていたのは、既に聞いていたが、ついにリリューが引き受けたのだ。
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「お互い、あと一人だな。そっちの文官候補は、ごろごろ取り巻きにいるだろう?」

 ハレの方が、その点では分がいい。

 貴族の取り巻きは、頭はいいが、腕が立たないものも多いのだ。

 だが、テル自身にエンチェルクという補佐がつく。

 堅実な男の武人が、一人いればいい──そう考えていた。

「軍令府の府長の末息子が、なかなか評判がよいと聞いているよ。ちょっと固いらしいけど」

 ハレは、そんな弟の心を読んでいるかのように、よさげな身分の男を挙げた。

 リリューに断られたら、その男に声をかける予定だったのだろう。

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 身分、場所、と一級品が揃っているおかげで、貴族の子息のたしなみ道場と化している。

 男ばかり七人も兄弟がいると、末っ子に残されるものなど、役人の職が精いっぱいだろう。

 そんな男の腕を、ハレはリリューの次に目をつけていたというのだ。

 面白い物件ばかり持ってくるなぁ。

 テルは、少し悔しくなった。

 このままでは、ハレの言うがままの人選になってしまうではないか。

 だが、この兄が自分を陥れようと思っているなどと、考えたことはなかった。

 どっちが太陽になったとしても、恨みっこなし。
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 桃が、道場から出た時、家の前には三人の人間がいた。

 母とエンチェルクと──男の人。

「貴女を置いて、私はどこにも行きません」

 エンチェルクは、母にそう告げている。

 目を潤ませて。

「私は、もう三十路も終わりです。殿下の旅に、最後まで同行できる体力があるかも不安です」

 あのエンチェルクが、ありったけの理由を目の前に並べている。

 だから
P R
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