「おはなしくらべ-星新一×岡本忠成」

2008年06月23日(月) 14時22分


■1,はじめに

「おはなしくらべ」は、映画の上映の前に原作の絵本や紙しばいなどを読み聞かせ、その原作を基に映画化された作品と見くらべてみるという企画です。キャラクターやストーリーの違いを読み取り、原作と映画から受ける印象の違いをみんなで話し合います。演出によって別の作品となることを知り、もっと映画を観る楽しみを知ってもらう試みです。

今回は、星新一さんの原作を岡本忠成監督が演出した短編アニメーション映画を上映します。星新一さんは数々の傑作ショートショートを生み出したことで有名で、子どもから大人まで幅広いファンがいます。また一方の岡本忠成さんは、これまでにもちいがくの上映会でも度々取り上げていますが、毎回異なった素材や手法で質の高いアニメーションを製作してきました。
この二人のコラボレーションで、同じおはなしがどう違って見えてくるのか、楽しみです。

子どもはもちろん、親にとっても楽しめるプログラムとなっています。入場は無料。
ぜひ、お友だちと一緒に遊びに来てください。

■2,開催概要

主催:ちいさなひとのえいががっこう
助成:独立行政法人国立青少年教育振興機構(子どもゆめ基金)
協力:特定非営利活動法人東京フィルメックス実行委員会

日時: 2008年6月28日(土) 14:00-16:00
会場:杉並区立中央図書館 視聴覚ホール(杉並区荻窪3-40-23)    →JR中央線、地下鉄丸ノ内線「荻窪」駅南口から徒歩10分
   地図はこちら

料金:無料 (先着50名)
お問い合わせ:ちいさなひとのえいががっこう(担当:岡崎)
   e-mail: eigagakkou@hotmail.co.jp
  *大人だけの参加(見学、取材など)をご希望の際はあらかじめご連絡ください。

■ 3,上映スケジュール

【14:00 開始】

 14:00 映画を観る前のお話
 14:05 おはなしくらべ
      「盗まれた書類」朗読
      「ふしぎなくすり」上映 16mm、14分
      「夜の事件」朗読
      「ようこそ宇宙人」上映16mm、14分

 15:00(休憩、映写機見学)

 15:20「キツツキ計画」朗読
      「キツツキ計画」上映16mm、15分

 【16:00 終了予定】

* まず、映画の原作となった星新一さんの作品を朗読します。子どもたちの感想などを聞いたあとに、それぞれの映画を上映します。映画を見終えたあとに、また感想や気付いた点を子どもたちと話し合って、それぞれの違いや映画の読み取り方などを引き出すワークショップを行います。

↓作品のくわしい解説はこちら

「河童のクゥと夏休み」

2008年06月13日(金) 21時33分
(執筆:オカザキ)
「河童のクゥと夏休み」
2007年/138分/カラー
監督:原 恵一
声の出演:クゥ:冨澤風斗 、上原康一:横川貴大
原作:木暮正夫「河童のクゥと夏休み」(岩崎書店刊)


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お父さん・お母さんへ

 大人も子どもも一緒になって、笑って涙する物語がDVDになりました。実は、昨年の公開中にご紹介しようと思いながら、今にいたるまで遅れてしまいました…。ただ、昨年度の数々の映画賞にも輝いた通り、とても素晴らしい作品ですので、このDVD発売をきっかけにご紹介したいと思います。

 主人公の少年・上原康一と偶然の出会いから一緒に生活することになった河童のクゥ。康一の家族やマスコミなどを巻き込み、街には大騒動が起こります。クゥと康一たち、それぞれが取った行動は…。

 この映画の素晴らしい部分は、なんといってもキャラクター造形です。出てくる登場人物は(良い部分も悪い部分も含めて)すべて魅力的です。快活、素直でどんなことも受けとめるやわらかさをもった康一。自分に関心がむけられず、ふくれてしまう妹の瞳。クゥに出会うことで少年の心を取り戻しながらも、家族と社会の接点で揺れ惑う父親の保雄。はじめはクゥを気味悪がりながらも、ここぞというところで肝っ玉をみせる母親の友佳里。家族の他にも、クラスになじめずにイジメをうけている紗代子や、イジメている男子。河童を好奇心の対象に、上原家を執拗に追いかけるマスコミの人々。人間だけでなく、上原家の飼い犬・オッサンや座敷わらし、沖縄の妖精・キジムナーも愛らしいです。

 なによりも、クゥの表情や躍動感あふれるしぐさには、誰もが好感を持たずにはいられません。

 先に(悪い部分も…)と書きましたが、何もイジメをしている男子やマスコミだけを指しているのではなく、たとえば康一の心の中にも、騒動に我を失い浮き足だってクゥとの友情を見失ってしまいそうになる部分や、イジメが悪いと知りつつも、それに面と向かい合う勇気が持てないところなど、誰もが経験のある弱い心をていねいに描いていて、そのことがより一層、キャラクターを身近なものとさせています。
 家族内で繰り広げられるケンカのセリフにも、ついつい苦笑しながら「あるある…」とつぶやいてしまうのでは?

 監督の原 恵一さんは「クレヨンしんちゃん」のテレビシリーズや、劇場版の数々で演出を担当して、この「河童のクゥと夏休み」を5年がかりで仕上げました。随所に差し挟まれるユーモア、先に述べたような家族の巧みな描写、ダイナミックなアクションなどには、それらの仕事で培われた技が発揮されています。

 友情、家族、いじめ、動物のいのち、自然と環境保護、マスコミと情報社会の問題…。この映画には声高に出てきませんが、観終わったあと、それぞれの心の中に何かが残るのではないかと思います。

 ぜひ、親子で一緒にご覧になって、大いに笑って泣いて、感想を語り合ってください。


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5月28日よりDVDが発売されています。初回完全生産限定版では、クゥのぬいぐるみがセットになっています。詳細は公式サイトで確認してください。

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